投資で支えているのが今の中国経済の姿である。
問題はひとつしかない。
いつまで投資を続けることができるか、である。
投資するには金がいる。
今中国は豊富な金をもっている。
しかし、金は無制限に溢れ出るものではない。
いまのような形で金を使い続ければ、いずれ枯渇する。
高速鉄道の距離世界ナンバーワンになりたい、というそれだけの幼い発想で乗客もまばらな赤字垂れ流しの線路を伸張している。
そんなバカバカしいことがあちこちで見え隠れする。
これではいつか破綻する。
「金の切れ目が縁の切れ目」
その切れ目を目指して疾走しているのが中国のように思える。
いつ金がなくなるか、預金の底が見えてくるか
世界が最も注目しているのは、このことだろう。
そして、底を叩いても金がこぼれなくようになったとき、
一人っ子政策と環境破壊のツケ
が大きな災となって中国を襲ってくる、ということのようである。
中国預金が枯渇するのはいつの日になるのか。
その日が世界を大きくかえる日にもなる。
『
サーチナニュース 2016-05-24 06:34
http://biz.searchina.net/id/1610381?page=1
中国経済はすでに曲がり角
・・・何をやっても儲からない時代に=中国
中国経済が二桁の成長率を維持していたのはすでに過去の話だ。
成長率が低下すると同時に、生産能力の過剰をはじめとするさまざまな問題が顕在化しつつある。
中国メディアの中財網はこのほど、米投資銀行ゴールドマン・サックスの関係者が
「人口ボーナスが存在した時期はすでに過去のものとなり、
中国経済はすでに曲がり角に直面している」
と指摘したことを伝えた。
記事は、中国経済に占める投資の割合が高すぎることを指摘。
日本や韓国も投資によって経済を成長させていた時期はあるが、中国ほど割合が高くなることはなかった。
中国の経済に占める投資の割合は世界的に見ても「高すぎる水準」にあるが、
投資を減らせば企業の倒産や金融危機のぼっ発も考えられると指摘し、
投資を短期間で急激に減少させることは不可能
との見方を示した。
さらに、中国国内で問題となっている
環境汚染は「中国経済の歪みが生み出した問題」であり、
環境を破壊しながら持続的に成長することは不可能
である以上、今後の中国経済の成長を阻害する要因だと論じた。
また、中国経済が抱えるもう1つの構造的な問題は「高齢化」にある。
中国は一人っ子政策を実施してきたことから1990年代の日本よりも速く高齢化が進んでいる。
生産年齢人口の減少とあわせて人口問題は中国経済に対する大きな問題としてのしかかってきている。
記事は、中国が人口ボーナスを失ったことで、これまで安かった人件費は上昇、金が金を生むサイクルは崩壊し、中国製造業の価格競争力も失われると指摘。
何をやっても儲かった時代から、
何をやっても儲からない時代がやって来る
はずだと論じた。
』
JB Press 2016.5.18(水) 川島 博之
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46849
世界経済のエンジンが逆回転、
原因は中国の農民だ
終わりを告げる都市部の爆発的経済成長の時代
マイナス金利に踏み込んでもインフレを作り出すことができない。
それは日本だけの現象ではない。
ヨーロッパ中央銀行もマイナス金利を採用しているが、思ったように物価を上昇させることができない。
米国のインフレ率も低くなっている。
ほぼ全ての先進国でインフレ率はゼロ付近をうろついている。
そして、一時は石油価格が1バレル=140ドルになるなど、あれほど騒がれた資源インフレもウソのように終焉してしまった。
なぜ、このようなことが起きているのであろうか。
私はアジアの農業と農民を見て来たが、昨今の世界経済の変化には、中国の農民の動きが大きく関わっている。
■かつて世界経済のエンジンだった農民工
アジアの農民はコメを作ってきた。
化学肥料のない時代、コメはコムギなど他の穀物より単位面積当たりの収穫量が多かった。
また水管理が必要なことなどから、コメを作るにはコムギよりも多くの人手を要した。
こうしたことが重なって、アジア農村の人口密度は高くなっていった。
コメは主にインド以東のアジアで作られているが、現在、そこには世界人口の約半数が居住している。
しかし近年、人口は農村から都市へと移動している。
日本でも昭和20年代後半から昭和が終わる頃まで、多くの人が農村から都市へと移住した。
同じ現象がアジア各地で起きている。
そして、それは13億人の人口を擁する中国で特に顕著である。
経済成長とは、農業が主な産業であった国が工業化することである。
もちろん農業部門も少しは成長するが、その速度は工業部門に比べて著しく遅い。
途上国の経済成長とは、地方で農業に従事していた人が都市に出て工業部門で働くことを意味する。
下の図に、世界で1年間に増えた都市部の人口を示す(アフリカを除く)。
図. 1年間に都市部で増加する人数。FAOのデータをもとに筆者作成。
中国を除いた地域では、都市人口の増加はほぼ一定である。
毎年3000万人から4000万人が都市部へと流入している。
一方、中国の都市人口は開放改革路線に舵が取られた1970年代後半より急上昇して、21世紀に入った頃からは毎年約2000万人も増加している。
先進国では都市と農村の生活水準の差はそれほど大きくない。
しかし中国では都市と農村の差が極めて大きい。
その中国で毎年2000万人もの人々が農村から都市に流入している。
農村から都市に出て来て働いてもそれほどの給与は得られないから、流入した農民がそれほど多くの消費財を購入したわけではない。
だが、それでも農村にいるときよりは遥かに多くの物を消費している。
農村から都市に出た人々は消費者であると共に生産者である。
中国ではその多くは工業部門で働いた。
いわゆる農民工である。
彼らの職場は大量の石油、石炭、鉄鉱石を必要とし、中国は世界から大量の資源を輸入した。
日本も高度成長時代に中国と同じことを行ったが、中国の人口は13億人。
それは世界の歴史をも変えるインパクトをもつ。
中国では1980年から2015年までの25年間で都市人口が6億人も増えた。
都市内部の増加があるから、その全てが農村部からの移入ではないにしても、都市では一人っ子政策の結果として人口増加率が激減していたから、その多くは農村からの流入と考えてよい。
世界人口の1割にも及ぶ人々が農村から都市へ移動して、その多くが工業部門で働いた。
それが資源需要を急増させ、資源国であるブラジル、オーストラリア、アンゴラなどの景気を浮揚させた。
都市に出てきた中国の農民が世界経済のエンジンだった。
統計を見ると、1990年頃から2010年頃まで中国だけでなく世界の多くの国々で成長率が明らかに高くなっている。
■中国の道連れになったまま
だが、ここに来てそのエンジンが逆回転し始めた。
中国における農村から都市への人口移動のピークは2011年である。
その数は2270万人。
2016年は若干減って2040万人と推定される。
中国で農民が都市へ流入する時代は過ぎ去ろうとしている。
これからも、しばらくは都市人口の増加が続くが、ピークを過ぎてから都市に出る人々の資質はそれ以前に出た人々に比べて見劣りするだろう。
能力が高く独立心旺盛な農民はとっくの昔に都市に出てしまった。
その結果、都市で経済が爆発的に増大する時代は終わった。
それが資源バブルの崩壊を招いている。
今後、インドで同様の現象が起きることを期待する向きもあるが、それは中国ほど爆発的な現象にはならないであろう。
中国以外では農村から都市への人口移動は緩慢である。
農民が都市へ移ったことにより中国は世界の工場になった。
安い労働力を使って安い工業製品を輸出している。
その結果、世界中に安い中国製品が溢れ、世界にデフレをもたらしている。
そして、それは先進国の工業部門に打撃を与えて、雇用を奪っている。
マクロな視点から見れば、米国でのトランプ現象や欧州での移民排斥運動は、中国から輸出される安い工業製品が大いに一役買っていると言えるだろう。
今後もこのような状態はしばらく続くだろう。
中国は過剰投資によって急成長した国である。
そのため、過剰投資が問題となっても投資を止めることができないジレンマがある。
どの国でも成功体験の自己否定は難しい。
だから、過剰設備を抱えながら、投資を増やすことによって景気を下支えしようとしているのだ。
21世紀に入ってからの資源価格の高騰と下落。
そして世界的なデフレの背景には図に示した中国の人口移動があった。
しかし、現在そのピークは過ぎ去り、今後、中国が世界経済をリードすることはない。
いくら中国政府が力んでも、農村からの元気な若者が都市に出て来ることがなくなれば、経済を成長させることは難しい。
そして、これまでに作った生産設備があまりに巨大であるために、中国だけでなく世界がデフレに苦しむ時代に突入してしまった。
なお最後に一言追加すれば、農村部からの人口移入はピークを過ぎたからと言って、図に示すように、止まったわけではない。
それが、中国経済が崩壊しそうだと言われてもなかなか崩壊しない理由である。
このような状況がしばらく続く。
重苦しい限りである。
』
『
ロイター 2016年 06月 7日 08:16 JST
http://jp.reuters.com/article/china-property-tightening-idJPKCN0YS0KY?sp=true
アングル:色あせる「都会の夢」、
中国で出稼ぎ意欲が後退
[温州(中国)/香港 30日 ロイター] -
起業家の活躍する中国の都市・温州での20年にわたる生活を経て、ある兄弟が故郷に戻ろうとしている。
今後、市内でもっとよい家に住めるという希望はないし、それなりの生活のできる賃金を稼ぐことも難しくなりつつある、とJi Shouquanさん、Shoufangさん兄弟は語る。
中国では、数百万人もの国内出稼ぎ労働者に支えられて、都市部の人口増大や消費拡大を維持してきた。
これによって持続可能性の高い長期的な経済成長を刺激し、過去30年間の中国台頭の原動力となった重工業・輸出産業への依存を抑制したいというのが中国の希望である。
だが、そうした努力を損なうようなトレンドが生じている。
国内での出稼ぎが減速しつつあり、
遠方に移住して仕事を見つけようという労働者の意欲は弱まっているのだ。
「収入を得るのは本当に大変だ」と兄のShouquanさんは言う。
カラオケ店で音響技術者として働く彼の所得は月5000元(約8150円)程度である。
「KTVで働いていた6─7人の友人のうち、残っているのは私も含めて2人だけ。
大部分は故郷に帰ってしまった」
弟のShoufangさんはタクシー運転手だが、恐らくもうこれ以上の仕事には就けないだろうと話している。
兄弟は、コツコツと節約して、すでに故郷の街で家を買える程度の貯金をこしらえている。
彼らの出身地は中国東部の一大農業地帯である安徽省の埠陽だが、隣接する浙江省にある温州に比べ、住宅価格は約5分の1である。
「私たちのような出稼ぎ労働者が温州で家を買うのは非現実的だ。自分で事業でも興さない限りは」
とShoufangさんは言う。
政府統計によれば、出稼ぎ労働者数は2015年に1億6900万人に迫った。
だが、前年比で見ればわずか0.4%と、グローバル金融危機が起きた2009年以来、最も小さな増加率にとどまった。
仕事を求めて故郷の省を離れる出稼ぎ労働者数はマイナス1.5%と6年ぶりの減少を記録した。
中国の総人口約14億人のうち、都市人口の比率は2015年の時点で56.1%だが、政府はこれを2020年までに60%まで増やしたいと考えている。
アナリストによれば、売れ残り住宅の大量積み上がりは都市化の勢いが衰えていることを証明しているという。
出稼ぎ労働者が、故郷の町や村を離れて未来を築くことが難しくなっている。
下落していた住宅価格が回復する兆候はいくつか見られるものの、公式統計によれば、国内の売れ残り住宅在庫は、4月までの1年間で4.5%増大し、4億5000万平方メートルに達したという。
中国の国家計画機関である国家発展改革委員会にコメントを求めたが、迅速な回答は得られなかった。
中小都市の多くで建設された住宅は、本来は、政府の都市化推進政策による需要増大を吸収することを意図したものだった。
だが、そのような都市では職を得る見込みも薄く、社会サービスも利用しにくいことから、出稼ぎ労働者たちはあいかわらず国内でも最大級の(そして最も生活コストの高い)中心都市での機会を探すか、あるいは諦めて故郷に戻ろうとしている。
「都市化は、人工的な都市に頼るのではなく、人間を軸にして進めるべきだ」
と語るのは、北京に本拠を置くシンクタンク、中国国際経済交流中心の上席エコノミスト、Wang Jun氏だ。
だが、一部の不動産業界ウォッチャーによれば、出稼ぎ労働者が他の都市で住宅を購入して定着することを阻んでいる主な要因は、
子女のための学費無料の学校教育や医療など、
地元のサービスが利用できないこと
だという。
中国の戸籍とも言える「戸口」制度のもとでは、都市地域で有利な職を求める出稼ぎ労働者は、故郷の町や村の住民として享受できる公共サービスから離脱している。
こうした権利喪失が伴うため、多くの者はそもそも故郷を離れることを諦めてしまう。
「中国の都市化が予定どおりのペースで進んでいれば、(住宅の)過剰供給などまったく生じなかっただろう。
中国の都市化において主要なボトルネックとなっているのは、戸口制度の問題だ」
と深センに本拠を置く不動産コンサルタント会社DTZでマネージングディレクターを務めるAlan Chiang氏は指摘する。
健康保険や初等教育の利用といった戸口制度がもたらす社会的なセーフティネットが与えられていない場合、新たに都市に流入した人はあまりお金を使おうとしない、とアナリストは言う。
より現実的なレベルでは、結婚や銀行口座の開設を望む場合でも戸口は必要となる。
中央政府は各都市に対してもっと出稼ぎ労働者に対する戸口の付与を進めるよう促しているが、地方政府は地元からのリソース流出を避けるために戸口の付与に上限を設けている。
エコノミストらによる試算では、中国が村落部から都市部への人口移動の目標を達成することは可能だが、出稼ぎ労働者に対する戸口の付与という点で各都市は遅れているという。
都市部で暮らす人々のうち戸口を保有している率は2013年の時点で36%だが、中国政府は2020年までにこれを45%まで拡大したいとしている。
「戸口制度と不動産価格の高さという2つの問題は重なり合っている。
実際には戸口が最初のハードルだ。
戸口を取得したいと思っても、取得するには、特定の場所で相当の投資をしなければならない」
と語るのは、ビクトリア大学(ウェリントン)のマーケティング・国際ビジネス大学院の教授として中国問題を研究しているSiah Hwee Ang教授だ。
「だが、お金さえあれば解決できるわけでもない。
つまり住宅事情が最初にあるわけではなく、それは戸口を取得した後の第2の問題なのだ」
(Brenda Goh記者、Clare Jim記者、翻訳:エァクレーレン)
』
『
BRIDGE 配信日時:2016年6月8日(水) 13時50分
http://www.recordchina.co.jp/a140843.html
北京市の常住人口、2015年末時点で2170万5000人に、
外来人口が37.9%占める―中国
中国北京市の「常住人口」は2015年末時点で2170万5000人に達し、
うち同市に戸籍を持たない「常住外来人口」が37.9%を占めていることが分かった。
北京青年報が5日、市社科院と社会科学文献出版社が共同で公表した「北京社会治理発展報告(2015−2016)」に基づいて伝えた。
報告書によると、京津冀(北京市、天津市、河北省)では人口の流動が頻繁で、
北京市の流動人口の5人に1人が河北省に戸籍を持つ人だという。
』
『
Record china 配信日時:2016年6月11日(土) 13時0分
http://www.recordchina.co.jp/a141033.html
中国の実際の失業率、政府発表の3倍の可能性?
=中国ネット「実体経済は大きな困難に直面している」
2016年6月8日、中国のポータルサイト・今日頭条が、中国の失業率は政府発表の3倍である可能性について伝える記事を掲載した。
記事によると、中国政府が発表している失業率は、この5年間は4%前後を維持している。
しかし、英国のFathom Consulting社による最新の報告によると、
不完全雇用率は2012年と比べると2倍の「12.9%」になるという。
そのため記事は、実際の失業率は政府発表の3倍になるのかもしれないとした。
』
『
人民網日本語版 配信日時:2016年6月14日(火) 19時0分
http://www.recordchina.co.jp/a141322.html
中国、2024年には高所得国入り―中国メディア
現在中国の所得水準はすでに中所得国のレベルに達している。
総合的にみて、
あと6、7年の間に「中所得国の罠」を抜け出し、高所得国の仲間入りを果たす
ことに何ら問題はないだろう。
問題は高所得レベルに達した後も中国は欧米先進国との間に依然として大きな差が存在するという点だ。
このため、長期的な視点から、現段階で構造調整を強化し、成長のエネルギー源を再構築し、「中所得国の罠」を乗り越えた後も中国に依然として力強い発展のエネルギーを保持させなければならない。
中国経済の長期的な趨勢はどうなるのだろうか?
中所得国から高所得国への過渡期において、どうすれば力強いエネルギーを保持し続けることができるだろうか?
中国の実践と経験、「中所得国の罠」を乗り越えることに成功したエコノミーの経験をまとめれば、啓発を得られるのではないだろうか。
人民日報が伝えた。
(文:鄭秉文・中国社会科学院中国特色社会主義理論体系研究センター研究員、米国研究所所長)
▼低所得国から高所得国までの4段階の中国経済発展の見通し
世界銀行による4つの所得における区分を参考にすることで、1978年以来の中国経済の発展段階を対応する区分に定義し、その将来的な予測を行うことができる。
世界経済における経験と中国の実情を照らし合わせ、この4段階を分析すると、
中国はすでに「中所得国の罠」を乗り越えるための基本条件を整えている
ことがわかる。
第一段階は1978年から1998年までの低所得段階。
この時期、中国の一人当たり国民総所得(GNI)は190 ドルから820ドルまで成長し、20年間で低所得段階から抜け出している。
この過程において、社会主義市場経済体制の改革は経済成長の根本的なエネルギーとなり、農村請負制から国営企業の改革、財産権の明確化、競争メカニズムの導入に至るまで、市場メカニズムの作用の下、生産力の発展潜在力を次々と開放していった。
第二段階は1999年から2009年までの低中所得段階。
この時期、中国の経済成長の典型的な特徴は労働、資本、土地、その他自然資源など有形的要素の投入を拡大し続けたことで、成長エネルギーは主にこれら要素の駆動によるものだった。
この段階では、労働集約型製品の輸出を主とした対外貿易が重要な成長エンジンとなり、外貨準備高が十数倍に増加し、投資率も高い数値を保持し続け、不動産業が国民経済の支柱産業となった。
しかしながら、大量の投入と高い成長率は資源環境という代価を支払わなければならず、成長を持続できないという矛盾が目立ち始めた。
第三段階は2010年から2023年前後までの中高取得段階。
2010年、中国は中高所得段階に達した。
同時に経済成長のスピードは高速成長から中高速成長に切り替わり、経済の発展状況は新常態に入った。
中高速成長に基づき推測すると、中国がこの段階を抜けるのには「約13年の時間」を要する。
中高所得段階においては、伝統的な要素の優勢は次第に失われ、大規模な投入もまた制約を受けるようになる。
成長スピードは減速し、迅速な生産率の向上と、粗放型成長モデルから集約型成長モデルへの転換、要素駆動からイノベーション駆動への転換が必要となる。
そのため、党中央は直ちに供給側の構造改革を推進し、過剰な生産能力の調整、在庫消化、レバレッジ解消を通じて供給側の質と効率を向上させ、コスト削減と弱い部分の補完を通じて企業の生産率、投入産出率と競争力を向上させている。供給側の構造改革を推し進めることは、中高速成長のスピードと「中所得国の罠」を乗り越えるための生命線を確保することにつながる。
第四段階は2024年頃から始まると予想される高所得段階。
高所得国は先進国であるとは限らない。
先進国になるためには総合的な評価システムに適合しなければならず、
その一つの目立った特徴としては技術イノベーションタイプの国家であることが挙げられる。
技術イノベーションを駆動とし、根本的な成長エネルギー源とする必要がある。
現在、中国の技術イノベーションの経済成長への寄与度はすでに55.3%にまで達しているが、しかし先進国家レベルからすると依然として低い数値となっている。
イノベーション発展は党中央が提起した新発展理念の第一条であり、イノベーション能力の向上は供給側の構造改革の重要な内容となっている。
これら新理念と新措置は中国の現状の問題を解決していくだけでなく、長期的な発展を実現していくものだ。
これらの新理念と新措置を徹底し、自国のイノベーション能力の向上に努力し、イノベーション駆動による発展戦略を実行し、イノベーション型国家の建設を加速することで、初めて今世紀半ばまでに先進国家レベルに達するという目標を順調に実現することができる。
▼高所得のハードルを越えた上で、中進国への道を邁進
中国は世界銀行が定める高所得国家のハードルを越えた後も引き続き長い道のりをゆっくり歩み続けなければならない。
現在、高所得のハードルは一人当たり国民総所得1万2600ドルとなっているが、米国はすでに5万5000ドルに達しており、ルクセンブルクは11万ドルとその差は非常に大きい。
中国にとって「中所得国の罠」を乗り越えた後の次の目標は「中進国」への道を邁進することだ。
中進国の目標は1980年代末にトウ小平(トウは登におおざと)氏が「三歩走発展戦略(三段階の発展戦略)」の中で初めて提起した。
国民一人当たりの指標からみると、
中進国はおよそ2015年に韓国が達成した一人当たり国民総所得2万7000ドルのレベルに相当する。
中速の成長スピードで、物価要素を排除した場合、
2035年前後までには中国の一人当たり国民総所得が2万6000ドルから3万ドル(2015年レート)に達するだろう。
これは中国経済が再び経験することとなる重要な段階であり、改革開放以来の経済発展における
「第五段階」であると言える。
高所得国の列に加わり、中進国への道を邁進する上で、さらに大きな挑戦を迎えることになろうとも、中国の特色ある社会主義路線を堅持していけば、
必ずや目標実現に成功するに違いない。
また前述したエコノミーの発展経験から、中国は下記3点の啓発を得られる。
1つは欧米先進国の経験から、経済の発展に伴い、イノベーション駆動の重要性がますます明らかになり、要素駆動を主とした成長はイノベーション駆動を主とした成長に転換する必要がある点。
中国は科学技術イノベーションを非常に重視し続けており、毎年巨額を投入している。
高所得段階に達した後、イノベーションを推し進めるには全社会のパワーを投じる必要があり、イノベーション駆動の成果は全要素生産性の向上の有無によって試される。
高所得段階になればなるほど、イノベーションの経済成長への寄与度を向上させる必要が生じる。
2つ目は、第二次世界大戦後に高取得段階に達したエコノミーの重要な経験として、対外開放の堅持と市場経済の実行が挙げられる点。
そしてこの2点は過去30年余りにわたり中国経済がスピーディな成長を遂げた基本的な経験でもある。
前者は外的条件で、後者は内的条件である。
高所得段階に達した後、この2つの基本的な経験は依然として経済成長の駆動として欠かせない二つの車輪であり、一つも欠けてはならない。
3つ目は「中所得国の罠」を乗り越えて中進国への道を目指す上で、経済のポテンシャルをより一層解放し、経済の持続的な発展を支えるため、ソフト・パワーの増強に努力しなければならない点。
ソフト・パワーとは無形的要素に属し、高所得段階において、その重要性は有形的要素に劣らない。
ソフト・パワーの増強は主に制度と文化の構築から成り、これは一朝一夕で成し遂げられるものではない。
そのため、現時点から一層重視することで、中進国入りと二つ目の百年奮闘目標達成の重要な土台となる。
制度と文化のイノベーションを推し進め続けることで、中国のソフト・パワーはより強く、確固としたものになるだろう。
(提供/人民網日本語版・編集/TG)
』
「中国の焦り」は格段に強いものになっているようだ。
低落傾向に入った状況を目隠しするために、
バラ色の未来を撒き散らすのに必死
という思いが伝わってくる。
それだけ、ヤバイ状態になっているということだろう。
どう考えても上記の記事のような中国は想像できないのに、それを鉄面皮でもやらねばならないという苦境に追い込まれているということだ。
言葉だけでもいいから安心を得ようとする作業のようである。
この言葉の羅列は多くの論理的矛盾を含んでいる。
分かっていても、それを無視しても明るい未来を描き出したい欲望が優先しているようである。
ということは、相当に悪い状態に今の中国は置かれているということであろう。
どう考えても上記の記事のような中国は想像できないのに、それを鉄面皮でもやらねばならないという苦境に追い込まれているということだ。
言葉だけでもいいから安心を得ようとする作業のようである。
この言葉の羅列は多くの論理的矛盾を含んでいる。
分かっていても、それを無視しても明るい未来を描き出したい欲望が優先しているようである。
ということは、相当に悪い状態に今の中国は置かれているということであろう。
『
Record china 配信日時:2016年6月20日(月) 5時0分
就職戦線の競争激化に中国経済の減速
=中国の大学生らの進路に影響、
思い切った選択をする学生も―米メディア
2016年6月17日、中国は6月が卒業シーズンで、多くの新卒者が社会に羽ばたいて行く。
かつて大卒の学歴は就職において強い武器となっていたが、大学卒業が珍しくなくなったことに加え、就職戦線の競争激化や中国経済の減速が新卒者らの進路に変化を招いている。
新華社通信が伝えた。
米ブルームバーグは中国の教育コンサルタント会社・麦可思のデータを紹介し、
2015年の大学卒業生のうち、フルタイムの仕事を見つけられたのは77.4%で、前年より2%弱減った。
さまざまな不安要素から、中国の学生らの中では
★.「学士以上の学位取得のため引き続き勉学に励む」
★.「思い切って起業する」
という2つの選択肢が目立つようになったという。
麦可思のデータでは、2015年は3%の大学卒業生が会社を立ち上げ、10.1%が上位学位の取得を選んだ。
この2つはいずれも前年より上昇した。
就職率が高い職種について報道では、「情報、教育、医療関連企業は新卒者の採用を拡大している。
これは、中国経済におけるサービス業の存在が強まっていることを反映している。
さらに、貿易大国である中国では、物流に精通した人材を求めており、物流関連を学ぶ学生の2015年の就職率は96.6%だった。
さらに、中国は産業の発展に伴い、オートメーションやソフトウエアに詳しい人材の需要も増加する。
一方で、就職戦線において厳しい状況が続くのは、心理学や化学、音楽、バイオテクノロジーなどだ」と指摘した。
』
【2016 異態の国家:明日への展望】
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