2016年5月3日火曜日

黄昏のパク・クネ=サムスン帝国(2):中国はすでに韓国は眼中にナシ?、「大陸の逆襲」が始まっている

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 パク・クネの強行な反日姿勢によって技術支援を失った韓国の未来は危うい。
 「日本を超えた」と豪語した韓国製造業はみるかげもない。
 韓国には新しい技術が入ってこない。
 旧来技術でなんとか生き延びていくしか道がなくなってしまっている。
 しかし、まだまだ大丈夫と思っていた技術は、もはや中国に腰あたりまで侵食されており、優位性はまったく保持できなくなっている。
 焦ったパク・クネはそれまでの中国に媚びを売る遊女的発想から離別して、日本に近寄ろうとするが、一度火をつけてしまった国民感情はそれを許さない。
 動くに動けなくなったパク・クネはレイムダックに陥っている。
 自分でまいた種なのでいたし方ないが、つまるところ三流の政治家だったということである。 
 父は偉かったが、娘は愚鈍で目先のことしか考えられないシロモノであった、ということなのであろう。


サーチナニュース 2016-05-03 06:34
http://biz.searchina.net/id/1608835?page=1

危機感を募らせる韓国製造業、
「中国はすでに韓国は眼中にナシ?」

 中国で人件費が上昇し、製造業ではコスト優位が失われつつある。
 だが、その一方で中国企業は技術力を急激に高めており、
 韓国の製造業は中国製造業に対して「危機感を募らせている」
という。

 中国メディアの参考消息網はこのほど、韓国メディアの報道を引用し、中国のコンシューマーエレクトロニクス、石油化学、自動車産業などの製造業はもはや「韓国を目標にはしていない」と主張。
 2025年には日本とドイツに追い付き、
 2045年には米国に追い付くことを目標にしている
と説明した。

 続けて、韓国メディアが「中国製造業の発展は韓国の想像をはるかに超えている」と表現していることを伝え、例えば中国のコンシューマーエレクトロニクスの発展について、2016年1月に開催された世界最大の家電見本市「CES 2016」において、舞台の中央を占めたのは韓国企業ではなく、中国企業のハイアール、ハイセンス、TCL、HUAWEI、長虹だったと紹介。
 2010年当時の韓国と中国の力関係はすでに逆転している
と指摘した。

 さらに記事は中国はかつて韓国石油製品の最大輸入国だったにもかかわらず、現在中国の石油精製能力は韓国の3.4倍にも達したと説明。
 また自動車産業においても中国市場における15年の現代自動車の販売台数は5.1%減となったが、中国の長城汽車などの国産メーカーには勢いが見られると指摘した。

 CES 2016に世界各地から参加した3600を超えるメーカーのうち、中国企業の数は1300社にものぼり、うち「ハードウェアのシリコンバレー」と呼ばれる深セン市の企業は652社だった。
 深セン市での製品開発は試作品をいち早く製造できるという大きなメリットがあるといわれるが、中国企業の発展にはこのような優れた環境も関係している。

 また、14年に開催された「IFA 2014」においてTCLはサムスン電子やLG電子に先駆けて量子ドットテレビを発表した。
 当時、LG電子の研究スタッフも中国企業の猛追をすでに認めていたようだ。
 記事
 の内容で特に注目したいのは、現在の中国製造業の実力だけではなく、その発展のスピードだ。応用力の基礎となるのは十分な知識だが、中国企業にはすでに十分な知識が備わっており、それが発展のスピードに直接関係していると言える。



Record china 配信日時:2016年5月4日(水) 6時30分
http://www.recordchina.co.jp/a137231.html

韓国製造業に焦り、
家電・携帯・自動車すべて中国に追い抜かれる?―中国メディア

  2016年4月30日、参考消息網は記事「中国に追い抜かれる、韓国製造業に危機感」を掲載した。

 中国の報告書「中国製造2025」では2025年までに日本とドイツに、45年までに米国に追いつき追い抜くという野心的な目標を掲げている。
 その言葉通り中国が飛躍的な成長を遂げる中、韓国製造業は危機感を抱いている。

 米国の家電見本市「CES」は数年前まで韓国企業の独壇場だったが、今年はハイアール、ハイセンス、TCLなどの中国企業が話題をかっさらった。
 携帯電話関連展示会のMWCも同様だ。

 化学工業、自動車などさまざまな業界で中国は長足の進歩を遂げており、韓国との技術的な差は縮まっている。
 韓国科学技術計画評価院が昨年発表した報告書によると、電子、情報、通信、機械製造などの分野で、
 中国に対する韓国の技術的リードはわずか1.7年
しかない。



サーチナニュース 2016-05-09 10:33
http://news.searchina.net/id/1609220?page=1

受注できない韓国造船業に渦巻く「不満」と「怒り」、
リストラが「致命的な打撃」に?

 韓国の造船業界が深刻な不振に直面しているが、韓国メディアの亜洲経済の中国語電子版はこのほど、韓国の三大造船メーカーが大規模なリストラ計画を実施する予定だと伝えている。

 記事は、韓国の三大造船メーカーは大中9つのメーカーを統合・再編したうえで、幹部職員を30%削減するリストラ計画を実施する予定だと紹介。
 これに伴い現代重工業は幹部職員を含めて1500人をリストラ、また大宇造船海洋は2019年までに3000人をリストラする計画だと伝えた。

 韓国造船三大メーカーによるリストラ計画が実施されれば、「国際船舶市場に対しても大きな影響が出る」と指摘。
 さらに、韓国の造船業界で働く労働者たちはすでに「強烈な不満」や「不安と苦痛」を抱えており、新たなリストラ計画は労働者たちに「致命的な打撃」を与えることになると指摘。
 記事が用いた
 「強烈な不満」、「不安と苦痛」、「致命的な打撃」
という表現から、今回のリストラ計画は労働者たちにこれまで経験したことのない強烈な痛みをもたらしているであろうことを察することができる。

 しかし報道によれば、韓国政府はリストラの対象になる従業員の再就職を助ける政策やリストラ実施後の企業の持続的発展を実現する政策を何も打ち出していない。
 つまり今回のリストラ計画は
 韓国造船業界に非常に大きなダメージを与えるうえに、
回復できるかどうかも分からずに行われる手術
に似ている。
 リストラ後の企業の成長を助ける政策が何も打ち出されていないということは、問題の真の原因や責任の所在が明確にされていないのだろう。

 労働者たちが抱く「強烈な不満」の一因はまさにこの点にあるようだ。
 記事によれば、労働者たちは経営の失敗の「ツケを回された」と認識している。
 政府の重要な存在意義の1つは国民生活の保護にあるが、再就職を助ける政策も打ち出されていないということは、今回のリストラ計画は
 韓国政府の「質」を厳しく試している
という見方もできる。



Bloomberg  5月20日(金)2時21分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160520-00000007-bloom_st-bus_all

韓国で失業者の大量発生迫る、
政府肝いりの企業再編が開始

    (ブルームバーグ):韓国政府は重債務を抱える企業の再編を推進している。
 だが硬直した労働市場のためフルタイムで再雇用される可能性は小さく、社会保障が限定的な同国で、政府の政策は数万人の失業者を生むとみられている。

 失業者の大半は造船所と港湾が柱の南東部沿岸の工業地帯で発生する見通しだ。
 これら重工業は数十年にわたり韓国経済の成長をけん引してきたが、世界の成長鈍化や過剰生産能力、中国との競争激化により赤字を重ねるようになった。
 債権者の銀行や政府は資金繰りを支援する条件として、企業側に人員削減と赤字資産の売却を要求している。

 朴槿恵大統領は先月の閣議で、痛みを伴う再編の必要性を強調。
 政府の優先的な再編対象は経営の苦しい造船や海運業界だ。
 大宇造船海洋は2018年末までに従業員の約1割に当たる1300人前後の削減を計画。
 現代重工業は幹部職の数を25%減らした上、早期退職を募集すると明らかにした。

 大手企業の縮小は下請け企業に降りかかるため、失業者数は膨らむ見込みだ。
 韓国造船海洋プラント協会によると、国内造船業界の従業員数は14年末時点で約20万5000人。
 ハナ・フィナンシャル・インベストメントのアナリスト、イ・ミソン氏は今月のリポートで、造船業界の10-15%が職を失う公算が大きいと指摘。
 同業界は昨年の平均月収が450万ウォン(約41万5000円)と他業種に比べて高いため、失業増加は消費の下振れと地方経済の圧迫要因になりかねないとの見方を示した。

 韓国でフルタイムの正社員という立場を失うことは、すなわち貧困への転落を意味することが多い。
 企業は経験ある人材の中途採用よりも、若い人材を採用して鍛えていくことを好む。
 現代経済研究院の研究フェロー、イ・ジュンヒョプ氏によると、こうした状況のためいったん解雇された労働者の多くは保険や年金の保障がない日雇いや低賃金、派遣などの業務でしか働く機会がない。

 2009年の双竜自動車再編で解雇された約2600人のうちの1人、キム氏(45)は
 「以前と同様の収入と社会保障のある新たな職を見つけられる可能性は1%程度」
と話す。
 同氏は現在、昼は小売業での派遣業務、夜は運転手と二つの仕事をこなすが、それでも収入は以前の半分だという。
 正社員の失職は「水も持たずに砂漠に放り出されるようなものだ」と語った。

原題:Mass Layoffs Loom in South Korea as Corporate Revamp
Starts(抜粋)



中央日報日本語版 5月26日(木)13時23分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160526-00000024-cnippou-kr

韓経:【社説】
ファーウェイのサムスン電子特許訴訟
…来るものが来たという兆候

  中国ファーウェイがサムスン電子を相手取り米国と中国の裁判所に特許侵害にともなう損害賠償訴訟を提起したことはそれ自体が衝撃的だ。
 ファーウェイは「サムスン電子とその系列会社がファーウェイの技術を利用した製品を販売することにより数十億ドルを稼いだ」
と主張した。
 これまでコピー品と呼ばれた中国企業の特許侵害訴訟であるだけに非常な注目を集めることになる。
 驚くべきことに韓国企業を狙った中国企業の類似の特許訴訟があふれる可能性も排除し難い。
 中国の追撃は恐ろしいほどで、
 すでにあごの下にまで追い上げてきたという事実を語る事例だ。

 ファーウェイ関係者は
 「われわれは交渉を通じてライセンス紛争を解決することを好む」
と話したという。
 これを根拠にファーウェイが損害賠償よりもサムスン電子とクロスライセンス(交差特許使用)を望んでいるという見方も出ている。
 ファーウェイとクロスライセンス契約を結び一部ロイヤルティーまで支払っているというアップルのようなケースを望むという話だ。
 注目すべきことは中国企業が技術的側面からこれ以上追撃者ではなく競争者ないし先導者として登場したという事実だ。
 通信装備や携帯電話などで世界で頭角を現わすファーウェイは中国技術力の象徴に違いない。
 第4世代通信を超え第5世代通信をめぐり韓国企業、日本企業と真剣勝負を行っている会社がファーウェイだ。

 通信分野だけではない。中国は
★.電気自動車の一部、そしてドローンではすでに韓国を追い越した。
★.高速鉄道、フィンテックなどでも韓国を引き離している。
 韓国に少しでも技術力が劣る分野は手段と方法を問わず育成に乗り出しているのもいまの中国だ。
★.半導体は国家ファンドを動員して集中投資しており、
★.電気自動車バッテリーなどでは韓国企業を排除するためにあらゆる非関税措置を動員する
のがそうしたケースだ。
 韓中間のほぼ全方向的な競争が広がっている。
 いまや中国当局と企業が韓国企業に不当な差別を加えた時に市場状況を見ながら適当に対応していたそんな状況は過ぎた。
 中国は韓国企業が執拗に戦わなければならない、そんな相手になった。

 中国の電気自動車バッテリー補助金や規範条件登録制だけでもそうだ。
 だれが見ても韓国企業を排除する明白な差別で、不当な待遇だ。
 目の前の中国市場を逃すのが惜しく韓国政府と企業はまともに抗議をできなくなっている。
 こうした種類の差別は次第に構造化する可能性がある。
 WTO提訴も辞さないなど原則的で断固とした対応だけが根本解決策だ。

 今回の特許訴訟の件もそうだ。
 サムスン電子はファーウェイの訴状を検討した上で逆提訴で対応するという立場を出した。
 ファーウェイはアップルよりも恐ろしいという分析もあるだけに、さらに正確で緻密な戦略が要求される。
 あるいは適当にやり過ごそうとすれば後で尻ぬぐいをするのは難しくなるだろう。
 韓国政府も手をこまねいている時ではない。
 特許訴訟対応は企業の仕事というだろうが中国の法治環境では公正な判決を期待しにくい。
 政府も鋭意注視しなければならない。
 いわゆる「大陸の逆襲」は現在の韓国経済が直面する非常局面を象徴的に見せる。
 四方から韓国を攻撃するのにこの国は「政治ごっこ」に没頭するために一抹の危機感すらない。

※本記事の原文著作権は「韓国経済新聞社」にあり、中央日報日本語版で翻訳しサービスします。


サーチナニュース 2016-05-28 22:09
http://news.searchina.net/id/1610819?page=1

韓流が寒流に変化する兆し?
栄華を誇った韓国車の販売低迷が意味するもの=中国

 韓国車は過去に中国の自動車市場で勢い良く販売台数を伸ばした時期があったが、それももはや過去の話だ。
  韓国車の販売が低迷すると同時に日系車が販売を伸ばしていることは、中国の市場がいかに速く変化しているかを物語っている。

 中国メディアの汽車之家はこのほど、韓国の現代自動車の合弁会社である北京現代の販売台数が低迷していることに対し、
 「中国における韓流が寒流に変化する兆しの1つなのかもしれない」
と論じた。

 流行という言葉には「恒久的」という要素は含まれておらず、あくまでも「一時的」に何かの人気が出ることを指す言葉だ。
 記事に言わせれば韓流もそうした流行の1つであり、「ずっと衰えないということはあり得ない」一種の文化現象のようだ。
 韓流についてのこの事実は、日本ならば過去の経験から証明できるだろう。

 記事は2015年の北京現代の中国における販売台数が前年比5.1%減となったことについて、「ここ8年間で初めてのこと」と説明。
 原因の1つに消費者がデザインより技術を重視するようになったことがある
と指摘したほか、自動車以外の分野においても、
 中国における韓国製品の存在感に「陰りが見え始めている」
と指摘した。

 例えばドラマの分野では、確かに「太陽の末裔」は人気を博したが、イン・スンホンやペ・ヨンジュンの人気は今はもうないと記事は説明。
 さらに音楽の分野でも、ブラックミュージックの要素を表面的に取り入れた韓国の音楽には所詮、ブラックミュージックの文化的な深さはないと指摘した。

 つまり記事に言わせれば
 韓国の自動車、音楽、ドラマはまさに韓流、つまり中国で一時的に受け入れられた流行に過ぎない
ということのようだ。
 ロングセラーとなっている日系車やドイツ車に備わっている確かな技術のような、言わば
 消費者の心を長くとらえることのできる「実力」がどの分野の製品にも欠けている
という見方を記事は示している。

 記事は韓国の音楽について「ただ表面的に工夫を凝らした」だけと酷評しているが、この評価はおそらく韓国の音楽だけでなく、デザイン重視の自動車やルックス重視のドラマに対するものであろう。



サーチナニュース 2016-06-06 06:34
http://biz.searchina.net/id/1611350?page=1

なぜだ!
なぜ中国の若年層は「日系車を支持」するようになったのか

 中国自動車市場で日系車の販売が好調だ。中国メディアの捜狐によれば、日系メーカーが好調な販売を維持している背景には、中国の若者たちによる支持があるというが、なぜ中国の若者たちは日系車を購入するようになったのだろうか。

 記事は、低迷する韓国車を尻目に日系車が販売台数を猛烈に伸ばしていると紹介。
 中国で圧倒的なシェアを誇っていたドイツ車ですら「その地位は揺らぎ始めている」とし、日系メーカーがまさに反撃を始めたと指摘。
 特にトヨタの合弁会社の2016年1-4月の販売台数は前年同期比22.4%増に達したとしたほか、広汽ホンダの販売台数は同56.6%増に達したことを紹介した。

 続けて、中国では自動車を購入する層が全体的に若年化していることを指摘し、自動車メーカー各社も若者たちに受け入れられる車作りが求められていると指摘。
 一部の業界関係者の話として、
 「ドイツメーカーはすでに若年層を統治する力を失っている」
と伝える一方、
 若年層はトヨタやホンダを非常に好んでいる
と指摘した。

 さらに中国の若年層にとって、中年以上の中国人の間で人気だった車種は古臭く映っているようだとし、若年層の消費者はむしろ「個性的」で、「自分を表現できる」車種を好むとし、韓国車の没落もあり、日系車に人気が集まり始めているのだと論じた。

 中国では「憤青(憤怒青年の略)」と呼ばれる愛国心の強い人びとがいる。
 数年前に起きた反日デモにおいても、その中心にいたのは若い中国人だった。
 こうした憤青に代表される若年層は反日感情が強い人が多いのかとおもいきや、中国の多くの若年層は歴史や領土問題にとらわれず、あくまでも理性的に自動車を選んでいるようだ。
 中国において日系車の性能や安全性、コストパフォーマンスの高さが正当に評価されるようになっていることが見て取れる。


東洋経済オンライン 2016年06月05日 ムン・ヒチョル :韓国『中央日報エコノミスト』記者
http://toyokeizai.net/articles/-/121326

韓国大慌て!「製造業の凋落」が止まらない
かつての危機より事態は深刻だ

<当記事は韓国の経済誌「中央日報エコノミスト」掲載記事の日本語訳です>

 韓国では今、造船や鉄鋼、石油化学、建設など、いわゆる重厚長大産業の構造調整が進んでいる。
 好景気に酔い、未来に対して何の準備もせず、信用不安を隠してきた企業、そして企業の信用不安が積み上がりながらもあえて無視してきた政府系金融機関、そんな事態を傍観していただけの政界では、責任の押し付け合いが熾烈だ。

 韓国が足踏みをしていた間に、米国など先進国は産業の高付加価値化や新産業の構築に邁進し、中国を筆頭とする新興国は必死になって競争力を付けていた。
 今後、韓国の製造業は、ただ黙って立っているだけなのだろうか。

 政府や金融当局、KDB産業銀行によれば、政府は構造調整が何よりも必要な業種として造船と海運業を指定し、強力な構造調整を推進中だ。
 政府関係者は「造船や海運、鉄鋼、化学産業の状況を再点検し、構造調整の方向性を決めることが至急の課題」と述べた。

■1997年の金融危機の時より、現在の状況は深刻

 政府は構造調整に大騒ぎしている。
 いったい、韓国の製造業が置かれた状況は、どれだけ深刻なのだろうか。

 韓国のシンクタンクである現代経済研究院によれば、史上最悪とされた1997年の金融危機の時より、現在の状況は深刻だと判断する。
 韓国の製造業の生産増加率は、6四半期連続で低下している。
 生産増加率が前年同期比で3四半期以上連続して減少したのは、
★.1997年の金融危機の影響を受けた1998年第1四半期から同年第4四半期、
そしてリーマンショックが発生した
★.2008年第4四半期から2009年第2四半期以降、
3度目のことだ。

 特に、その長さは、以前の危機よりもさらに深刻だ。
 1998年には4四半期連続で、2008年には3四半期連続で製造業生産が減少したが、その後反騰している。
 しかし、現在は6四半期連続で続いており、しかも不況以前の生産水準から回復できずにいる。

 市場での需給面から見ても、赤信号が灯っている。
 出荷は減少した反面、在庫が積み上がり続けているためだ。
 金融危機とリーマンショック当時、出荷は急速に減少したが、そのまま反動が来た。
 だが、現状を見ると、製造業の出荷増加率が平均マイナス0.5%を記録している。
 内需(マイナス0.02%)、輸出(マイナス1.0%)と、どちらも減少傾向にある。

 さらに在庫増加率も2.7%と、供給過剰まで重なった。
 現代経済研究院のチュ・ウォン経済研究室長は
 「韓国の製造業が直面している問題は、
不況の強さではなく、市場での需要沈滞が長期化していること。
 これにより、主力製造業の大部分が崖っぷちに立たされている」
と分析する。

■出荷は減少、在庫は増加

 韓国の成長エンジンだった製造業が伸び悩んでいるため、経済全体も不安定になっている。
 韓国開発研究院(KDI))は、16カ月も輸出減少が続いている製造業が経済成長にとってネックになっていると診断する。

 KDIが最近発表した「経済動向」5月号では、
 「輸出が減少している製造業に加え、設備投資も奮わず、韓国経済全体の成長が依然として低い水準に留まっている」
と明らかにしている。
 実際に、今2016年3月の韓国製造業における平均稼働率は、同年2月の73.5%から73.2%と低下した。
 設備投資もまた、1年前より7.8%減少した。

 状況がこれほど深刻になったのは、かつて高成長が続いているとされてきた時期に、
 韓国製造業が規模の成長に酔ってしまい、警告を無視したためと多くの専門家は指摘する。
 専門家らは15年以上も製造業に対して警告をしてきたが、彼らは無視したというのだ。

 実際に、2002年にサムスン経済研究所が発表した「韓国の主力産業における競争力分析」という報告書では、韓国の主な輸出産業が競争力において先進国との差を狭めることができなければ、中国など後発国の追撃に直面し、製造業が危機に陥ることを警告していた。
 それからすでに14年が経っている。

 当時の警告は、現実のものとなっている。
 造船業では造船所のドックが空いている状況は、以前からは想像もできなかったことだ。
 韓国の製造業は、2000年代初頭に世界最高水準のの技術力を誇った。
 1999年、世界の造船受注量で韓国は40.9%を占め、2位の日本(30.0%)を突き放していた。

 この当時も、一部からは高付加価値のある船舶をつくる必要性を力説し、中国を警戒すべきという指摘が出ていた。
 ところが、仕事が増えてうれしい悲鳴を上げていた状況に、そんな警告は届かなかったようだ。
 結局、韓国造船業は本業である船舶より海洋プラントに目を向けざるを得ず、大規模な損失を招く危機に直面した。

■海運業も悲惨な状態に

 海運業も同様だ。
 2008年には海運会社が定める運賃の基準となる「バルチック海運指数」(BDI)が上昇し、1万1000を記録した、海運会社は好景気に酔い、高い価格で船を借りた。
 最近話題となっている高価格リース料の背景となった。
 海運会社は儲けたカネで省エネルギーの船舶などを発注して競争力を強化するよりは、ただカネを払って船を借りるほうを選択した。
 もちろん、政府もこんな判断に重要な役割を果たしたのは否定できない事実だ。

 海運と造船業の構造調整は、密接な関係のある鉄鋼業にも大きな影響を与えそうだ。
 鉄鋼の販売価格は上がらず、費用だけが増えている。
 鉄鋼価格が上がらない、あるいは需要が増えなければ、収益性はさらに悪化する。
 ゴールドマン・サックスの分析では、韓国の鉄鋼設備稼働率は、現在の80%台から2018年には78%に下がるという。

 需要が減少しているため、鉄鋼会社は日本や中国のライバル会社と生き残りをかけた競争が繰り広げられている。
 日本最大の鉄鋼会社である新日鉄住金は、日本4位の鉄鋼会社である日新製鋼と合併した。
 中国も、現在12億トンに達する中国の鉄鋼生産能力を、5年以内で10 %減らす計画を発表した。

 2008年のリーマンショックで、最も早く構造調整という名の手術台に上がった建設業は、その後も悪化が続いている。
 韓国建設産業研究院によれば、ゼネコンの社数は2008年の1万2590社から2014年に1万0972社へ、1618社減少した。
 毎年270社ほどが消えていることになる。
 構造調整は長い期間行われたが、業績は悪化した。
 実際に、利子補償比率(営業利益/利子費用)は2008年の387.4%から2014年には201.9%まで下がった。

 石油化学業は、他の業種よりも状況はましなほうだ。
 業界トップのLG化学は、今年第1四半期には4577億ウォン(約418億円)、2位のロッテケミカルは4736億ウォン(約433億円)と高水準の営業利益を出した。
 とはいえ、中国の自給率上昇と設備投資による過剰供給もあり、競争は熾烈だ。
 政府が構造調整業種に選定したのも、これが理由だ。
 最近の業績好調も、韓国の石油化学業界の競争力が高まったというよりは、原油価格の下落という要因が大きい。

■需要が奮わず、長期化の兆しも悪材料

 構造調整の対象となった業種に共通するのは、需要が奮わず、しかもそれが長期化しているということだ。
 そのため、不況という沼にどっぷりとはまっている。
 さらに、韓国の製造業が未来に備えることができずにいるというのも事実だ。
 また、より大きな問題は、韓国の製造業が厳しい現状に汲々として、成長の潜在力を拡充できずにいるという点だ。

 最も重要なことは、構造調整の過程において高付加価値や新産業の創出へいち早く転換できるかどうかだ。
 縮小一辺倒の構造調整は、他の産業にも否定的な影響を与えうる。
 そうなると、韓国製造業全体の基盤も揺らぐことになるというのが、専門家の指摘だ。

 投資の拡大も切実な問題である。
 現代経済研究院は「規制を緩和し、経済の成長力と雇用創出力の源泉となる投資を活性化すべき」と助言する。
 企業の投資対象が、既存事業よりも新技術・新産業へと移行できるように、政府が先頭に立って支援すべきということだ。

 製造業の中でも、研究開発投資を拡大して、同時に人材を確保すべきという主張が出ている。
 LG経済研究院のイ・ハンドク研究委員は、
 「韓国と北欧諸国の場合、価格競争力と労働生産性が同時に弱まっている」
と指摘、
 核心的な競争力を高めるための投資拡大を強調する。

■投資額も伸びず、潜在成長の源泉も先細り

 実際に、研究開発への投資額が多い順に選んだ世界1000社の中で、韓国企業は2004年の9社から2014年には24社に留まった。
 これとは対照的に、中国企業は同期間中に4社から46社と、10倍以上増えた。
 日本もまた、2014年には168社が1000社以内に入っている。

 金融当局は5月から大企業への定期信用リスク評価を6月中に終え、7月上旬には構造調整対象企業を選定する方針だ。
 中小企業の場合、大企業での選定作業が終わり次第、7~10月に評価し、11月には構造調整対象が発表される。

 現代経済研究院のチュ・ウォン経済研究室長は「補正予算の編成を早め、金利引き下げを行って景気の安定化に努力し、新産業や高付加価値産業への転換をいち早く進めることが必要」と助言する。

(韓国「中央日報エコノミスト」2016年6月6日号)



サーチナニュース 2016-06-05 14:41
http://news.searchina.net/id/1611347?page=1

日本より悪条件だったのに
・・・韓国が先進国に上り詰めた理由=中国

 中国では日本について
 「国土も小さく、天然資源も少ないにもかかわらず、先進国に上り詰めたことは称賛に値する」
という論調を見かけることがある。

 韓国は日本より国土が小さいうえに、人口も少なく、さらに天然資源も日本同様に少ないが、それでも韓国も先進国となった。
 韓国経済は朝鮮戦争によって大きな打撃を受けたが、その後の「漢江の奇跡」と呼ばれる経済成長を成し遂げ、今では世界に名だたる企業も数多く存在する。

 経済協力開発機構(OECD)加盟国である韓国は先進国として扱われるが、中国メディアの今日頭条はこのほど、
 韓国はいかにして先進国になったのか
と疑問を投げかけ、その理由を考察する記事を掲載した。

 記事はまず、韓国が経済発展を遂げる素地として、
★.「日本による統治」を挙げている。
 韓国国民の1940年代における識字率はアジアの平均を大きく上回っていたとし、これには日本による占領の歴史も関係していると指摘。
 さらに、日本は韓国の民主と人権を破壊したとしながらも、
★.韓国のインフラ整備に貢献を果たしたのは否定できないとし、
 その後の韓国政府の教育もあって、国民の識字率は大きく向上したと指摘、韓国が先進国となったのは「優秀な人的資本という国の礎があったため」と論じた。

 また、1960年代の韓国はまだ貧しい国で、北朝鮮と同等だったとしながらも、当時の朴正熙(パク・チョンヒ)大統領が推し進めた対外開放政策や日米との関係深化によって国内総生産は拡大を始めたと指摘している。

 米国の援助があったとはいえ、韓国の経済発展は「教育」と「開放政策」があってこそと言えそうだ。
 中国は現在、これまでの発展モデルからの転換を余儀なくされており、中所得国の罠に陥るのではないかとの懸念も存在する。
 日本や韓国が中国より不利な条件下でありながらも、先進国となった理由が中国で改めて注目されている。


JB Press 2016.6.23(木)  玉置 直司
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47171?utm_source=editor&utm_medium=self&utm_campaign=link&utm_content=recommend

韓国最大の「現代財閥」、中堅企業に格落ち
止まらない企業離脱・売却で「大企業」から外れる

 かつて韓国で最大最強の財閥と言えば、「現代(ヒュンダイ)グループ」だった。
 創業者の子供たちによる経営権継承を巡る対立で現代自動車や現代重工業など有力企業がすでにグループから離脱していたが、残っていた有力企業も相次いで売却、離脱が決まった。
 縮小に歯止めがかからない現代グループは、近く目実ともに「大企業」の看板を降ろすことになる。

 現代グループの主力企業である現代商船は、早ければ2016年7月中にも臨時株主総会を開く方向で取引銀行団などと協議中だ。
 海運業界の国際アライアンス加入問題など、なお、不透明な点は残っているが、現代グループ企業やオーナー家が保有する株式を大幅に減資して、事実上、銀行管理による再建を模索する方向だ。

■主力の現代商船、グループ離れ銀行管理に

 現代グループと取引銀行団との協議がまとまれば、現代グループ企業とオーナー家の持ち株比率は1%台に下がる可能性が強く、現代商船は現代グループから離れることになる。
 国策銀行の韓国産業銀行(KDB)など取引銀行が債権を株式に転換して大株主となり、当面は銀行傘下で再建作業を進める手順だ。
 銀行団は、現代商船が国際アライアンスに加入することが支援の条件としている。
 現代商船は、商船三井、日本郵船などが設立する「ジアランアンス」への加入を申請している。
 これが認められるかはまだ分からない。

 ただ、現代グループが現代商船を抱えて再建を進める可能性はほとんどないとの見方が強い。
 現代グループは、主力企業だった現代商船の経営不振で資金繰りが悪化し、資産売却を重ねてきた。
 2016年に入ってからも、現代証券など金融関連企業を大手銀行である国民銀行を傘下に持つKB金融持ち株会社に売却したばかりだった。
 相次ぐ売却と分離で、現代グループは、大幅に縮小することになる。

 韓国の公正取引委員会の2016年4月に発表した「大企業集団の現況」によると、現代グループの資産規模は12兆2820億ウォン(1円=10ウォン)で、公企業を除くと財閥30位だった。
 だが、現代グループの中で資産規模が最大の現代商船と2番目の現代証券、さらに金融会社がグループから離れることで、グループの規模は一挙に4分の1以下になる。
 韓国では、「大企業グループ」の基準は資産規模に応じて公正取引委員会が定めている。

 従来は、資産規模が5兆ウォン以上の企業グループを「大企業集団」として定め、グループ企業同士の株式持合いや循環出資、債務保証などについて禁じたり規制をかけたりしてきた。
 2016年6月からはこの基準が「資産規模10兆ウォン以上」になった。

■「大企業グループ」から脱落

 現代グループは、資産規模が2兆~3兆ウォンに激減すると見られ、どちらの基準でも「大企業グループ」には該当しなくなる。
 韓国メディアは、「現代グループもついに中堅企業に・・・」などと報じている。

 現代グループには、では、どんな企業が残るのか。
 主力企業は現代エレベーターになる。
 シンドラーが17%出資する合弁会社で、韓国でトップシェアを握る。
 2015年の売上高は1兆4487億ウォン、営業利益1565億ウォンと優良企業でもある。
 これ以外では、北朝鮮事業を手がける現代峨山、ソウルで高級ホテル、バンヤンツリーホテルを運営するエイブル現代ホテル、情報サービスの現代U&I、シンクタンクの現代経済研究所などがある。
 「北朝鮮事業は大苦戦しているが、現代エレベーターと現代U&Iを中心に堅実に経営することは可能だ」(韓国紙デスク)という。

 「それにしても・・・」。
  このデスクは、現代グループの凋落振りを感慨深げに振り返る。
 今でこそ、財閥30位に甘んじているが、現代グループはずっと韓国最大の財閥だった。
 1987年に大企業グループの指定が始まった時の資産規模1位は現代グループだった。
 その後も、2000年まで、一度もサムスングループに首位の座を譲ったことがなかった。

 サムスングループは、2001年に初めて資産規模で首位に立ち、その後も急拡大を続け、2016年4月の公取委の発表では資産規模が348兆2260億ウォン。
 ぶっちぎりで首位を独走している。

■現代グループ、縮小の歴史

 現代グループは、1990年代末からばらばらになってしまった。
 現代財閥の創業者である鄭周永(チョン・ジュヨン=1915年~2001年)氏は、スケールの大きな企業家だった。
 だが、スケールが大きすぎたのか、韓国最大の財閥総帥の座では満足できなかった。

 1992年に政界に進出した。春の国会議員選挙で自分が作った「統一国民党」が新党ブームを起こすと、この勢いをかって年末の大統領選挙に出馬したが、金泳三(キム・ヨンサム)氏に敗れる。
 大統領の夢を絶たれる今度は自分の故郷である北朝鮮関連事業にのめり込む。
 19998年には金正日(キム・ジョンイル)総書記と会談して、金剛山(クムガンサン)観光事業などで合意した。

 現代グループの経営は子供たちに徐々に権限を委譲していたが、創業者が高齢になるとともに「後継者問題」が出てくる。
 創業者の後継者問題はいつも難しい。
 特に、子供が何人かいる場合は、さらに複雑だ。
 最近のロッテグループでの経営権を巡る兄弟間の紛争はその典型例だ。
 特に鄭周永氏の場合、1990年代末以降、北朝鮮事業に関心が移り、判断に迷いがあったのか。
 長兄格の鄭夢九(チョン・モング=1938年生)氏などを差し置いて、北朝鮮事業などを手がけていた鄭夢憲(チョン・モンホン=1948年~2003年)氏をグループの後継者に指名したことで兄弟間の争いが勃発した。

■悲運の後継者が自殺

 結局、鄭夢九氏は、弟が後継になることに反発し、現代自動車を率いて独立してしまう。
 他の兄弟たちも、現代重工業、現代百貨店など有力企業を続々と独立させてしまった。
 鄭夢憲氏は「現代グループ」を継承したが、かつての姿ではなかった。
 規模が大きく収益性も高い現代自動車や現代重工業が抜けてしまったのだから、大財閥とは言えなくなった。

 現代グループは、公取委が毎年発表する「大企業集団資産規模ランキング」で、2002年を最後にトップ10から消え去る。
 2001年に鄭周永氏は死去する。
 鄭夢憲氏は、後継者として、父親の悲願だった北朝鮮事業の成功を目指していた。
 そんな時に、悲劇が起きる。
 北朝鮮への機密資金供与の容疑で鄭夢憲氏が連日検察の取調べを受け、その間に本社ビルから投身自殺したのだ。

■後を継いだのは夫人だったが・・・

 鄭夢憲氏の後を継いだのが夫人の玄貞恩(ヒョン・ジョンウン=1955年生)氏だった。
 専業主婦の生活を送ってきた玄貞恩氏は、夫の自殺で、現代商船を頂点とした現代グループの総帥に就任したのだ。
 そもそも鄭夢憲氏と 玄貞恩氏の結婚の契機になったのは「海運事業」だった。
 玄貞恩氏の父親は資産家の家で生まれ1960年代に海運会社を設立した。
 その後、1970年代初めに現代財閥の創業者である鄭周永氏が造船事業に進出した。
 巨大な造船所を作ったものの、船を売るのは簡単ではない。
 この時、玄貞恩氏の父親が海外の海運業界に持っていた人脈を生かして協力した。
 鄭周永氏が、造船所で作ったものの引渡しを拒否された船を使って海運会社を設立した際も、ライバル会社になるにもかかわらず玄貞恩氏の父親が発起人の1人に名を連ねた。

 こうした経緯で、父親の会社と鄭周永氏が設立した海運会社が政府の産業政策の一環で合併して「現代商船」ができたとき、玄貞恩氏の父親が会長になっている。
 さらに鄭夢憲氏と玄貞恩氏の結婚にも発展した。
 だから、玄貞恩氏にとって、現代商船とは父親が初代会長を務め、自殺した夫がこれを継いだ因縁の会社なのだ。
 もちろん玄貞恩氏は、鄭夢憲氏との結婚後、事業にはノータッチだった。
 学校法人の理事長だった母親を手伝うことはあっても、現代グループの事業とは無縁だった。
 夫の自殺で、父親が会長を務めていた現代商船を傘下に持つ現代グループの会長になったのだ。

■茨の道の会長業、最後に一定のけじめ

 2003年に夫を継いだものの、玄貞恩氏の現代グループ会長としての日々は平坦ではなかった。
 現代財閥の創業家である「鄭ファミリー」からは、執拗に圧迫を受ける。
 小さくなったとはいえ「現代グループは、鄭ファミリーのもので、経営権を譲れ」と迫られる。
 これに応じないと、鄭ファミリーが率いるグループが、現代商船の株式を買い占める「経営権紛争」まで起きた。

 南北関係の悪化で北朝鮮事業は苦戦続きだった。
 現代商船の経営権は何とか死守したものの、リーマンショック以降、急速に業績が悪化してしまった。
 2015年決算で6270億ウォンの最終損失を計上。負債も急速に拡大し、経営に行き詰まる。
 玄貞恩氏には、現代商船の経営権を放棄して銀行に委ねる以外の選択肢はなかった。

 玄貞恩氏は、それなりの責任を果たした。
 現代商船が経営年に陥っていた2016年2月に300億ウォンを提供して個人で増資に応じた。
 この株は、今回の大幅減資でほとんど価値がなくなった。
 資金繰りをつけるため、「事実上、私財を提供した」という評価を受けている。

 さらに、傭船料引き下げ交渉でも、外国の船首に手紙を送り、最後まで交渉を続けた。
  同じく経営危機に陥った韓進海運では、夫の急死で会長に就任していた夫人が、経営情報を事前に知って持ち株を株価急落前に全量売却していた容疑で取調べが続いている。

 こうした行動と対照的だとの好意的な見方もある。
 それでも、現代グループが「大企業」の座から転落して、現代商船は経営危機に陥り、銀行管理を模索している。
 経営責任を逃れることはできないだろう。
 韓国では、夫の急死で経営の後を継承する妻は少なくない。
 オーナー経営であるがゆえに、こういうことが起きるのだ。
 現代グループの転落は、オーナー経営の限界も示している。

 独立していった他の企業はどうなったのか。
 現代自動車は、起亜自動車を買収して成長を続けている。
 資産規模も209兆ウォンでサムスングループに続く地位だ。

 造船が主力の現代重工業は、国会議員などを務めた鄭夢準(チョン・モンジュン)氏が事実上のオーナーだ。
 世界最大の造船会社で資産規模も53兆ウォンと巨大グループだが、造船事業の不振で抜本的な再建策が必要になっている。

 現代百貨店は、ロッテや新世界グループに押され気味だが、資産規模が12兆ウォンでこちらも「財閥」の地位は維持している。

 かつて、現代グループの発祥企業だった現代建設が経営危機に陥り、銀行管理になった。
 その後、現代自動車が買収して、「現代発祥企業」を守った。

 現代商船も伝統企業だが、本来は関心があるはずの現代重工業も自社の経営で手一杯だ。
 韓国メディアは、銀行主導で、韓進海運との合併による業界再編に発展するとの見方も出ている。




【2016 異態の国家:明日への展望】


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