2016年6月15日水曜日

「裏切りのオバマ」終末の大変身(7):南シナ海にアメリカを引き込んだ中国の思惑、台湾併合が遠くになる

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 アメリカを南シナ海に引き込んでしまった中国の思惑はどうなのだろう。
 もっと外交上手にやれば中国得意の表現である「ウインウイン」に持ち込めたものを、なんでこんなバカなことをやってしまったのだろう、と普通の人は考えるところだろう。
 いまの中国は、普通でない中国、ということでもある。
 成金的にあまりに自分の力を過信しすぎている、といってもいい。
 というより、
 海軍の暴走に政治家としての習近平がお手上げになっている
そんな姿が見えてくる。
 習近平は旧来勢力である陸軍を把握しきれていないため、その権力基盤を海軍に求めたのではないだろうか。
 そこにつけこんだのが海軍上層部であり、勝手きままなことをやっている。
 ために中国を窮地に陥れることになるやもしれない。
 冷や飯を食わされている陸軍が果たしてこのまま海軍の暴走を見過ごすだろうか。
 旧勢力陸軍派と習近平海軍派の確執が今後の中国のありかたを大きく左右しそうな気がする。

 最大の問題は、
 南シナ海に米軍が入ったことによって、
 中国にとっては国をあげての懸案であった台湾併合がはるかに遠くに退いてしまった
ことである。
 中国にとって南シナ海、東シナ海よりも台湾の方がはるかに重大な問題で、ハラワタが煮えくり返るほどのものになるのではないだろうか。
 台湾と南シナ海の位置づけを交換してしまったことは、後年、「外交無能な習近平」というレッテルが貼られ可能性もある。
 おそらく、そのあたりから陸軍派の習近平突き上げが顔をのぞかせてくるのではないだろうか。
 陸軍がどうでるか、それが今後の中国を占なうことになりそうである。

 海軍には海軍文化というものがあり、外交は巧みで、開明的な場合は多い。
 それは長年、外国を回って肌に触れ、政界事情を見知っており、決して己の意見だけで世界が動くものでないことを知っていることによる。
 また、1つの船に運命を託するために、各人が連帯的な仲間意識が文化の領域にまで昇華させられている。
 そのためにはやはり十分な歳月、つまり経験の積み重ねが必要になる。
 しかし、中国のそれはまだキャリア的に薄い。
 外国を見て回る時間もまだ多くはないし、文化が生まれるほどにも成熟していない。
 財政をバックに大量の艦船を造り、それに人海戦術的に見せかけの船員を乱造している、といった姿になっている。
 海軍文化が育つにはまだまだ遠く、いうなれば擬似陸軍文化を船に持ち込んですませているとったたぐいのように思える。
 彼らにとって「海とは、水の溜まった陸」という発想が強いのではないだろうか。
 よって
 海軍の動きは陸軍のそれと同じ感覚であり、外交感覚といった外海軍独特のものがまだ育っていない、ように見える。
 陸軍的発想で海を見る、そのように感じられる。


ロイター 2016年6月15日15時25分
http://jp.reuters.com/article/southchinasea-usa-china-idJPKCN0Z10FR

米第3艦隊が東アジアへ活動範囲を拡大、
中国との緊張悪化で


● 6月14日、中国との緊張が高まるなか、米海軍第3艦隊が従来の担当海域を越え、横須賀を拠点とする第7艦隊とともに、東アジアにさらに艦船を派遣することが明らかになった。写真は3月に日本海での米韓合同演習に参加した、米海軍の強襲揚陸艦ボクサー(2016年 ロイター/U.S. Navy)

 [ワシントン 14日 ロイター] - 
 中国との緊張が高まるなか、米海軍第3艦隊が従来の担当海域を越え、横須賀を拠点とする第7艦隊とともに、東アジアにさらに艦船を派遣することが明らかになった。
 米当局者が14日明らかにした。

 ミサイル駆逐艦スプルーアンスとマンセンを含む第3艦隊の太平洋水上行動群(艦隊)は4月、東アジアへ配備された。
 今後さらに多くの艦船が同艦隊から派遣される、と米当局者は匿名を条件に語った。
 別の当局者はそれらの艦船が広範な活動に従事すると述べたが、詳細は明らかにしなかった。

 中国は、年間5兆ドル(約530兆円)の貨物が行き交う海上交通の要所となっている南シナ海のほぼ全域で領有権を主張している。
 しかし、同海域をめぐってはフィリピン、ベトナム、マレーシア、台湾、ブルネイも領有権を主張しており、これらの国々の中には米国と緊密な軍事提携を結んでいる国も多い。

 中国は、自らが実効支配をする南シナ海の島々の近辺で、米軍が挑発的な軍事パトロールを行っていると非難している。
 米国はパトロールの目的が航行の自由を守るためだと説明している。

 米カリフォルニア州サンディエゴに拠点を置く第3艦隊は、従来、国際日付変更線以東の太平洋を担当海域としてきた。

 日本経済新聞の英文ニュースサイト、日経アジアンレビューによれば、米海軍太平洋艦隊司令官のスコット・スウィフト大将は14日、今回の動きは「東アジア地域での不透明で不安な状況」のなかで起こったと述べた。
 中国の行動を意識しての発言だったとみられている。

 兵員14万人、200隻を超える艦艇と1200機以上の航空機を有する太平洋艦隊の「全統合戦力」を活用すべきだと同司令官は主張する。

 第7艦隊は、空母打撃群(艦隊)と艦艇80隻、航空機140隻で構成される。
 第3艦隊では、空母4隻を含めた100隻以上の艦船を保有する。

 中国は、東アジアでの緊張の高まりは米国が招いたと非難している。
 中国の劉暁明駐英大使は先週、ロイターとのインタビューで、
 「米国がアジア太平地域へのリバランス戦略をとるまでは、南シナ海はとても静かで平和だった」
と述べている。

 「中国は近隣諸国と対話していた。
 われわれは行動規範を有していた。
 フィリピンもわれわれと対話していた。
 米国がリバランスの名のもとでやってきたことで、状況が劇的に変わった」

 「米国は南シナ海とアジア太平洋で強い軍事プレゼンスを確保するための口実を見つけたがっている。
 平穏だとすれば、彼らがそこにいる理由はいったい何なのか」
と同大使は問いかけた。

 米戦略国際問題研究所(CSIS)が運営するサイト「アジア海洋透明性イニシアチブ」のディレクター、グレッグ・ポーリング氏は14日、今回の動きは、
★。中国の台頭を受け、米海軍の艦船の「60%」をアジアにシフトするというオバマ大統領のリバランス戦略の一環である
との見方を示した。 



サーチナニュース 2016-06-25 09:35
http://news.searchina.net/id/1612869?page=1

台湾独立に警戒感、
「1つの中国」を阻害しているのは日本の撒いた種だ=中国

 中国と台湾の関係は非常に微妙かつ敏感なものだ。
 中国側は台湾問題について「1つの中国」という考えのもと、台湾は中国の一部分であると主張しており、台湾独立には断固反対している。

 一方、台湾にも一部で独立を主張する人びとが存在するのも事実だが、中国共産党機関紙・人民日報系の環球網はこのほど、「1つの中国」を阻害しているのは日本の撒いた種によるものだと主張した。

 記事は、
★.1895年から1945年までの日本による台湾統治の期間中、
 台湾では「親日」に傾いた人びとが生まれ、
 こうした人びとが現在にいたるまで台湾で大きな影響力を持っている
と主張。
 1945年の終戦は決して日本による台湾統治の完全なる終焉を意味するものではないとし、
 「侵略者であった日本は当時、さまざまな策をめぐらし、中国内部に多くの問題の種をまいた」
と主張した。

 続けて、日本は終戦後に台湾から正規軍を撤退させたとしながらも、
★.多くの日本人を台湾に留まらせ、さらには工作員を派遣して台湾独立を煽動し、親日の台湾人を利用して台湾に親日政権を確立しようと画策した
と主張。
 その後も台湾における日本の影響力は拡大し、
 「現在、台湾で親日、反中の人が多いのも無理はない」
と主張した。

 台湾では民進党が与党となり、蔡英文総統による新政権が発足したが、民進党は独立志向が強いとされている
 記事は「独立志向を持つ民進党が今後8年間にわたって政権を取り続ける可能性がある」としたうえで、8年もあれば次世代の小中学生の思想に大きな影響をあたえることが可能だとし、これは「中華民族の統一という大事業における巨大な障がい」であると警戒感を示した。

 なにかすごい論理である。
 「まゆつば」どころではなく「髪つば」ぐらいになりそう。



産経新聞 6月15日(水)19時18分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160615-00000564-san-asia

中国軍がインド北東部に侵入 
領有権主張、
日米との連携強化に反発か

 【ニューデリー=岩田智雄】
 インドと中国が領有権を争い、インドの実効支配下にある印北東部アルナチャルプラデシュ州に今月9日、中国人民解放軍が侵入していたことが分かった。
 印国防省当局者が15日、産経新聞に明らかにした。中国は、インドが日米両国と安全保障で連携を強めていることに反発し、軍事的圧力をかけた可能性がある。

 中国兵約250人は、州西部の東カメン地区に侵入し、約3時間滞在した。
 中国兵は3月にも、中印とパキスタンが領有権を主張するカシミール地方でインドの実効支配地域に侵入し、インド軍とにらみ合いになっていた。
 アルナチャルプラデシュ州への侵入は、最近約3年間、ほとんど確認されていなかったという。

 9日は、中国海軍が艦船を尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の接続水域で航行させた時期と重なる。
 インドは10日から日本近海で、日米とともに海上共同訓練「マラバール」に参加していた。
 訓練は米印が実施してきたが、昨年、日本の恒常的参加が決まっていた。

 インドは、今月6~8日のモディ首相の訪米では、中国が軍事拠点化を進める南シナ海に言及せず、中国に配慮を示していた。

 これなにかおかしい。
 「約3時間滞在」て出ていった、ってどういうこと。
 通常ならこう判断するだろう。
 インドへの揺さぶりというより、中国国内へのゆさぶりの方がピンとくる。
 揺さぶりというより、上層部がどうでるか測っているような感じがする。
 つまり、これを実行したのは陸軍側で、習近平がどうでるか、どう捉えるか、アドバルーンを打ち上げたように思える。
 海軍と習近平のこのところの動きに多少とも危機感を感じた陸軍が、フェイクを入れて中央部の反応を見定めている、といったところではないだろうか。
 今この時期にインドと事を構えるのはどうみても得策ではない。
 インド海軍の動きを、中国陸軍が牽制するのは考えられない。
 外交的な問題よりも、中国内部の動きとみたほうがわかりやすい。


Record china配信日時:2016年6月21日(火) 20時40分
http://www.recordchina.co.jp/a142446.html

中国軍機、インド領空を侵犯、107分間飛行―インドメディア

 2016年6月20日、インドメディアのZeeNewsは、インドと中国の国境が交差するカシミール地方アクサイチンのインド領空にこのほど、中国の戦闘爆撃機が侵入し、107分間飛行したと報じた。

 インドメディアによると、中国軍機による領空侵犯は今回が初めてではなく、これまでにも繰り返し中印の国境係争地域に駐留する中国軍に缶入り食品やたばこ、手紙などを届けている。

 一方、この報道を伝えた中国の環球網は「インドメディアが騒ぎ立てている」としている。

 中印の国境係争地域をめぐっては、インドが実効支配する北部アルナチャル・プラデシュ州(中国では蔵南とも)に今月9日、中国人民解放軍の兵士約250人が侵入し、インド軍とにらみ合いになったとも伝えられている。





【2016 異態の国家:明日への展望】


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