2016年6月7日火曜日

ピークを過ぎた中国経済の行方(3):製造業はどうすれば生き残れる? 空洞化がリスクに

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サーチナニュース 2016-05-30 07:11
http://news.searchina.net/id/1610833?page=1

高コストが競争力を粉砕、
中国は雇用を奪う側から「奪われる側」に?

 中国は世界の工場として世界中に安価な製品を大量に供給してきた。
 数多くのメーカーが中国に生産拠点を置いたことから、一部では「中国が自国の雇用を奪っている」という批判も見られたが、その中国も近いうちに「雇用を奪われる側」になりそうだ。

 中国メディアの中国新聞網はこのほど、人件費高騰による中国製造業の競争力低下について解説する記事を掲載し、大手通信機器メーカーである華為技術(ファーウェイ)や世界最大の電子機器受託生産(EMS)企業であるフォックスコンといった企業も中国からの逃げ出す可能性があると報じた。

 記事は、中国の家電メーカー創業者の言葉を引用し、「製造コストの高さが競争力を粉砕する」と伝え、製造コストは製品の競争力を決める大きな要因であることを指摘。
 今まで中国は人件費の安さを武器に、世界の工場としての地位を確立し、経済成長につなげてきた。
 しかし高騰を続ける人件費がメーカーの経営すら圧迫するようになっている。

 報道によれば、
 2015年におけるベトナム人の平均月収は149.9ドル(約1万6500円)だったが、中国人の平均月収は325.6ドル(約3万5900円)となり、
 もはや中国で生産する最大のメリットはほとんど失われてしまった状況だ。

 このような状況下で、日本メーカーは自国へ引き上げるか、もしくは東南アジアなどの人件費の安い地域へ移転し始めているが、中国メーカーでさえも自国を離れてインドなどへの移転を始めている。
 中国にとって製造業は莫大な雇用の受け皿だが、フォックスコンはすでに労働者をロボットに置き換え始めている。



サーチナニュース 2016-06-04 07:21
http://news.searchina.net/id/1611333?page=1

何が違うんだ!
日本に老舗企業が多く、
中国にほとんど存在しない理由

 日本には創業100年を超える老舗企業が多いことで有名だが、悠久の歴史を誇る中国は老舗企業が非常に少ない。
 中国メディアの経済日報はこのほど、
 「中国企業の平均寿命はなぜ短いのか?」
と題して、日本と中国の企業にはどこに差があるのかを分析する記事を掲載した。

 まず記事は、
★.日本の中小企業と大企業の企業寿命はそれぞれ、「12.5年」と「58年」
であるのに比べて、
★.中国はそれぞれ「3.7年」と「7-9年」
だと紹介、その差が歴然としていると指摘した。

 その理由として、中国の起業家には「先天的な劣勢と不足がある」と主張。
 つまり、
★.教育水準が日本と比べて低いことや、
★.起業教育が充実している日本と比べると、中国の教育は遅れているため
なのだという。
 そのうえで、中国の起業家には、「起業家精神」が欠落しており、
★.一夜にして大儲けしたいと企むので、事業が長続きしない
のだとした。

 また、別の理由として記事は「成長能力の欠如」を挙げた。
★.中国の起業家は、飲食、卸売、小売業、ローエンド消費品の製造など、
 比較的容易に始められる業種に偏っており、製品とサービスの付加価値も低いため、激しい競争と需要の変化に対応できず、長続きしないのだと指摘。
 さらには
★.長期的な発展計画の欠如、
★.人材育成やサービス、
★.品質の向上、
★.顧客管理を重視しないこと
なども関係していると論じた。

 長い歴史を誇る中国で、老舗企業がほとんど存在しないというのはむしろ驚くべきことだが、中国の近代史を考えるとやむを得ないことではある。
 一方の日本は、規模の小さな老舗企業が数多く存在するというのは、法整備などの条件に加えて老舗企業のたゆまぬ努力の賜物であると言えるだろう。
 中国は共産党が支配する国営企業群であろう。
 民間企業というのは解放改革以降のことで、それ以前は取るに足らないものであったはずだ。
 少なくとも文化大革命で民間のそこそこの企業(そういうものがあったとしたら)はすべて潰されたはずである。
 よって民間企業とはその後の形態ではないのだろうか。
 ここで掲げている理由はどうもピントが狂っているような気がしてならない。


サーチナニュース 2016-06-06 11:26
http://biz.searchina.net/id/1611397?page=1

ついにこの時が・・・米国で実感、
中国の世界の工場「失われつつある地位」

 世界の工場として知られた中国だが、その地位は徐々に失われつつある。
 中国政府は製造業の高度化に向けた戦略を打ち出したが、中国に進出していたグローバルメーカーは生産拠点を続々と東南アジアへと移転させており、仕事を失ってしまった労働者も少なくない。

 中国から生産拠点を移す動きが相次いでいるのは、人件費の上昇を背景とした生産コストの上昇だ。
 一部分析によれば、中国での生産コストはもはや米国国内の生産コストとほぼ同等にまで上昇しており、米国の大手メーカーなどは人件費の安いベトナムなどへ工場を移転させているのだ。
 中国メディアの騰訊はこのほど、米国在住の中国人記者の見解として、
 「メード・イン・チャイナがいよいよ、
 メード・イン・ベトナムに取って代わられつつあることを実感する」
と伝えている。

 記事はまず、数年前であれば米国人の一般家庭には多くの中国製品が存在したことを指摘する一方、近年は「ベトナム製」の製品が急増し、「米国ではよく見かける存在になった」と紹介。
 中国政府が製造業の高度化に向けた戦略を打ち出したばかりだが、
 高度化を実現する前に、もはや世界の工場としての地位を失いつつある現状
を伝えた。

 続けて、ベトナムは人件費が安いにもかかわらず、ベトナム人は仕事の飲み込みも速く、米国の大手スポーツ品メーカーもベトナムで人気シューズを生産していると指摘。
 中国の製造業にとって問題なのは、服飾工場のように労働集約型の工場のみならず、ベトナムには電気製品など技術集約型の工場も数多く移転しているという点だ指摘し、サムスンやLG、マイクロソフト、フォックスコンなどがすでにベトナムに工場を移転させていることを指摘した。

 さらに記事は、これまで製造業の分野では「チャイナ・プラス・ワン」戦略が中心だったとしながらも、近年は「ノット・チャイナ(not China)」へと移行していると指摘し、
 その理由は中国における人件費の上昇、ベトナムがTPPに参加していること、さらにはベトナムの外資誘致政策によるものだと紹介し、
 中国で製造業以外の産業が本格的に育ち、
 製造業の高度化が実現する前に、
 中国からは工場が続々と撤退している
ことを伝えている。



サーチナニュース 2016-06-07 06:32
http://biz.searchina.net/id/1611456?page=1

失うコストメリッ
'・・・中国製造業はどうすれば生き残れるの?

 中国発の世界的不況の発生が一部で噂(うわさ)されるなか、今後数年は中国企業にとって生き残りをかけた厳しい時代となるかもしれない。
 中国メディアの捜狐は中国の人件費が上昇するなかで、中国製造業はどうすれば生き残ることができるのかを考察した。

 現在の中国で人件費が上昇しているのは周知のとおりだ。
 中国製品といえば「安さ」が最大の特徴であり、その安さを武器に世界中に販売されてきた
 また、中国は外資誘致のための各種インフラを整備したことで、メーカーは中国で生産することでコストメリットを十分に享受できた。
 だが、人件費をはじめとする各種コストの上昇によってこうした状況は大きく変化してきている。

 中国に工場を建設し、中国で生産を行ってきたグローバルメーカーは続々と東南アジアへ工場を移転させている。
 今後、中国の製造業はいかにして生き残っていくべきなのだろうか。

 記事は、中国より人件費の高い国において、製造業がどのようにして経営を維持しているのかを考察。
 まず例として挙げたのはドイツだ。
★.ドイツ国内の人件費は中国とは比較にならないほど高いため、労働集約型の企業は人件費の安い東南アジア諸国に工場を作って競争力を維持していると紹介。
 一方、ドイツでは高品質な製品を作る職人は「マイスター」と呼ばれ、社会的地位も非常に高い。
 ドイツに限ったことではないが、労働集約型の業種においてはコストが競争優位に結びつくため、人件費の安い国で生産を行う一方で、高品質で高い技術力が求められる製品はドイツ国内で生産している。
 だが、中国には「マイスター」のように高い技術力をもとに高い付加価値を持つ製品を作れる人は少数派だ。
 中国の製造業の現場では、そうした人材が活躍する場が少なかったためだ。

 一方、競争力を確保するための要素は価格や品質だけではない。
 ブランド力も重要な要素だ。記事は、スペインの一部の衣料メーカーが、フランスで製造することによって「フランス製」の製品として顧客を引き付けていることを紹介。
 確かに衣料品にフランス製のタグが付いていれば、それだけで魅力的に感じる消費者は少なくない。
 中国製というタグから受ける印象とは大違いだが、現在の中国製には「ブランド」もないことが分かる。

 現在、中国製品のなかで、価格が上昇しても購入したいと思う製品がどれだけ存在するだろうか。
 中国製のタグに魅力がないため、現在は「メード・イン・PRC」と表記するケースも増えつつある。
 PRCとは中国の正式名称の頭文字を取った表現であり、米国をUSAと表記するのと同じ考え方だ。
 メード・イン・チャイナのブランド力の低さに対する苦肉の策とも言えるが、ブランドの構築には非常に長い年月がかかる。

 中国政府は現在、中国製造業の高度化に向けた取り組みを開始したが、一朝一夕で高度化が実現するものではなく、メーカーの撤退は今後も続くだろう。
 中国企業は東南アジアなどへ工場を移転させることで生き残れるかもしれないが、
 中国国内の労働者は生き残れない可能性が高そうだ。



サーチナニュース 2016-06-08 07:29
http://news.searchina.net/id/1611558?page=1

人件費の上昇が止まらない!
日本企業が中国から続々とベトナムへ

 中国メディアの中国青年網はこのほど、英国メディアが報じた内容として、中国国内における人件費の高騰を理由に、多くの日本企業がベトナムに工場を移転させていると伝えた。

 記事は英フィナンシャル・タイムズの報道を引用し、日本企業が12億ドルを投資してベトナムのハイフォンにコンテナ埠頭を建設中であると紹介。
 コンテナ埠頭は2018年からの運営を予定しており、その際にはハノイ付近の電子製品を処理する港湾能力は現在の2倍になると説明。
 記事は日本企業の決定には多くの日本企業が中国南部の工場を閉鎖してコストの安いベトナムに移転していることにも関係していると説明した。

 続けて、日本企業の関係者が「100%の確率でベトナムは発展する」と述べたことを紹介し、
 日本による東南アジアへの直接投資は2015年に200億ドルを超えたことを紹介、
 3年連続で中国と香港への直接投資を上回ったことを紹介した。

 さらに記事は日本貿易振興機構(JETRO)の調査を紹介、
 中国で業務拡大意向のある日系企業の比率は1998年からの調査開始以来初めて「40%以下」にまで下落した
と説明。
 またIHSグローバルインサイトのあるアナリストは
 「中国の人件費上昇は、世界のサプライチェーンにおける東南アジアの役割を変えた」
と指摘、さらに
 「とりわけベトナムは電子製造業の中枢となり、
 ベトナムのマクロ経済の未来図を徹底的に変化させている」
と説明した。

 2015年10月から11月にかけて行われたJETROの調査によれば、在中国日系企業の今後1年から2年の事業展開の方向性において「拡大」と回答したのは38.1%にとどまり、現状維持は51.3%、縮小は8.8%となった。
 さらに第三国等への移転あるいは撤退は1.7%だった。
 経営上の問題点(複数回答可)のトップは従業員の賃金上昇であり、なんと84.3%に達した。
 確かに在中国日系企業にとって中国の賃金上昇は活動拠点をベトナムへ移す大きな要因となっているようだ。

 また、みずほ総合研究所の最近の調査でも、ベトナムは中国からの移転先としての最有力候補に挙げられている。
 同調査は資本金1000万円以上の製造業企業を対象に1100社から回答を得たものであり、
 中国がいよいよ「世界の工場」としての地位を手放す時が近づいている
ことが分かる。



BRIDGE配信日時:2016年6月9日(木) 4時0分
http://www.recordchina.co.jp/a140733.html

中国経済の減速とは真逆、
国有企業の賃金上昇率、15年は14%に―中国

 中国経済の減速とは対照的に、中国の労働者の賃金は急激な上昇を遂げている。

 鳳凰網が米ブルームバーグの指摘として2日付で報じたもので、取り上げられているのは中国国家統計局が先月発表した2015年の非私営単位(国有企業や行政機関、国のコントロール下にある株式会社など)の賃金上昇率。

 都市部の平均年収は6万2029元(約103万円)に達し、前年からの成長率は14年の9.5%を上回る10.1%を記録した。
 中でも国有企業は14%増と14年の実績(8.8%)を約5ポイント超過。政府が製造・建築業からそれ以外の分野へと経済の重心転換を図る中、賃金引上げによってレジャーなどへの支出を促す狙いがあるとみられている。


サーチナニュース 2016-06-10 07:11
http://news.searchina.net/id/1611711?page=1

産業の空洞化がリスクに、
中国は製造業の高度化を実現できるか

 中国メディアの未来網はこのほど、かつて「メード・イン・チャイナ」が有していた市場統治力が、廉価な労働力や資源コストを誇る「メイド・イン・ASEAN」に移りつつあるとする記事を掲載した。

 記事は米国の大手スポーツ用品メーカーやイタリアの高級ファッションブランドのOEMメーカーである東莞興昂鞋業が2016年初めに中国での生産を停止、生産拠点を東南アジアに移動させることを発表したことを紹介。
  またサムスンも一部のスマートフォンの生産をベトナムで行うことを発表したと紹介した。

 続けて、多くのメーカーが中国からASEAN諸国に生産拠点を移動させている理由について、
★.中国の人件費が東南アジア諸国に比べて高いこと、
★.また高額な資金調達コストや
★.物流、電気、油などのコスト上昇なども「無視できない」原因である
と指摘した。
 こうした現象について中国のある大学教授は
 「伝統的な機械製造や紡績などの分野において、
 中国とASEANには間違いなく生産能力の競争が存在する」
と指摘している。

 また記事は業界関係者の見解を紹介、
 「東南アジアのいくつかの国は中国から生産能力を導入するだけではもはや満足せず、
 むしろ中国の人材や技術さえ導入して、メイド・イン・ASEANをグレードアップするための道具として利用する傾向がある」
と指摘。
 今後、中国国内では「産業の空洞化」が生じる可能性があると警戒感を示した。

 こうした事態への対策として、中国国内の製造業の構造転換と高度化を推し進めること、また中国とASEAN諸国の協調機構を悪性の競争が生じないように高度化することを記事は提案している。
 記事はこれを「ダブル・グレードアップ」と呼んでおり、
 中国が産業の空洞化を回避するために「避けては通れない道」である
という見方を示した。

 産業の空洞化とは、国内企業の生産拠点が海外に移転することにより、その分野における国内産業が衰退していく現象のことだ。
 安価な労働力を誇る中国の台頭により、1990年代の日本においても同問題が顕在化した。
 産業の空洞化が進むことによる問題としては、特定分野の産業が衰退することにより地域経済が衰退することや経済成長率の低下を招くこと、また国内の雇用機会の減少などがある。
 中国は製造業の高度化が実現する前に産業の空洞化が進むリスクに直面している。



サーチナニュース 2016-06-17 07:09
http://news.searchina.net/id/1612202?page=1

中国製造業、
高度化を実現する前に「始まってしまった空洞化」=中国報道

 中国政府は2015年5月19日、中国製造業の高度化に向けて「中国製造2025」計画を発表した。
 2025年までに達成すべきロードマップを示した計画であり、中国は「製造強国」への仲間入りを狙っている。

 「中国製造2025」における製造強国とはイノベーションを背景に付加価値の高い製品を生産できる製造業を指すが、中国が「中国製造2025」を打ち出したのはコストメリットを強みとした世界の工場としての地位が危うくなっているためだ。

 中国メディアの中国投資咨詢網はこのほど、中国国内における人件費の高騰などを背景に、多くのメーカーが中国撤退を余儀なくされていると伝えている。

 記事は、中国国内の製造業の集積地ではすでに
 「多くの工場が静まり返り、物流トラックの数も減少してきている」
と指摘し、日本の各メーカーをはじめとする外資メーカーが中国撤退を進めているのは
 「すでに聞き慣れたニュースになった」
と指摘。

 さらに米アップルのスマートフォン「iPhone」の組み立てを行っているフォックスコンも中国からインドへと工場を移転させる可能性が浮上していることを紹介したうえで、フォックスコンがすべての生産ラインをインドに移転させた場合、「100万人規模で失業者が出る」と警戒感を示した。

 また記事は、中国でも多くの製造業が集まる深セン市を例に
 「すでに多くの住宅用マンションが建設され、工業用地が足りない状況となっている」
と指摘し、土地不足は地価上昇につながり、企業の賃料に関する負担も増加していると指摘し、
 「ベンチャー企業や中小企業にとっては到底負担できないコスト水準だ」
とした。

 さらに、中国では人件費だけでなく、土地の賃料高騰も製造業の発展を阻害していると指摘したうえで、
 「中国の製造業は中国人が想像しているほど競争力のあるものではなく、
 高度化を実現する前にすでに空洞化が始まっている」
と危機感を示した。


サーチナニュース 2016-06-17 10:29
http://news.searchina.net/id/1612227?page=1

「物真似」ばかり中国企業、
日本企業の真のイノベーションに勝てない=中国

 中国メディアの捜狐は15日、中国が
 「失われた20年」というフレーズを唱え日本を嘲笑するのは間違っている
と説明する記事を掲載、日本企業のイノベーションを決して見下してはならないという見方を示している。

 日本の経済成長停滞を表すために「失われた20年」というフレーズがよく使われるが、記事は
  「日本の失われた20年というが、
 ではなぜ中国のイノベーションは日本のイノベーションを追い越すことができていないのか?」
という質問を投げかけた。

 この問いの答えを得る前に、記事は日本のイノベーションの質とその強さに言及。
 「例え市場がどれほど良い状況でも、
 もし基幹技術がなければ必ず淘汰されることを日本企業は知っている」
と説明。
 こうした
★.「イノベーションが生き残りの唯一の方策」である
とする「緊迫感と危機意識」が、
 失われた20年と呼ばれる経済停滞のなかでも日本がイノベーションの強さを失わなかった要因
であるという見方を示した。

 一方、中国の場合は
 「市場潜在力が巨大なため、拿来主義のイノベーションでも企業は利潤を得ることができる」
と説明。
 しかし「ただ惜しいことに」と記事は前置きし、続けて
 「中国企業の基幹技術は少ない、あるいは全くない」
と指摘した。
 拿来」とは中国語で「持ってくる」という意味で、
 拿来主義とはつまり「パクリ主義」、「コピー主義」という意味になる。

★.基幹技術を持たなければ生き残ることができない日本の市場と、
★.いわば「物真似」イノベーションでも生き残ることのできる中国の巨大市場。
 こうした市場環境の違いが、日本企業と中国企業のイノベーションの質に決定的な違いを生じさせている。
 結論として記事は、
 基幹技術の欠けた中国企業のイノベーションでは「永遠に日本を追い越せない」
と指摘した。

 環境が能力に及ぼす影響力は、企業の場合にもまた個人の場合にも決して軽視できない。
 環境は人や企業の能力を飛躍的に向上させることもあれば衰えさせてしまうこともある非常に強力な要因の1つだ。
 巨大な潜在力をもつ中国市場という環境で自己満足している限り、中国企業が世界をリードするイノベーションを生み出すことはできないだろう。
 こうした市場環境や企業意識の違いが、
 トムソン・ロイターの「Top100 グローバル・イノベーター2015」に40社の日本企業が選出されており、
 一方で中国企業は1社も選出されていない点にあらわれているのかもしれない。



サーチナニュース 2016-06-17 11:03
http://news.searchina.net/id/1612230?page=1

科学技術大国・日本から学んだ!
 「パクリは必ず通るべき道」だったのだ=中国メディア

 中国メディア・光明網は15日、資源に乏しく国土の小さな日本が世界に名を轟かせる科学技術大国へと成長していった過程について、
 「わが国に対して少なくとも3つの方面における啓示が存在する」
と論じた記事を掲載した。

 記事は
★.1つ目の啓示として
 「一国が大国として台頭し、その地位を保持するための原動力は、自然資源ではなく、主に科学技術能力である」点を挙げた。
 これまでの
 中国の急成長は効率の悪い資源の大量消費、物的な資本投入によって実現したもの
であり、それゆえ立ち行かなくなるような問題が日増しに顕著になったと説明。
 加えて、人口の多さを考慮すれば1人あたりの資源量は極めて低いことを指摘し、「平和的な台頭を実現するには、十数億の国民によるイノベーションの潜在力を十分に発揮させなければならない」と論じた。

★.2つ目の啓示は
 「模倣はオリジナルの技術力を高めるうえで必ず通るべき道」。
 日本もかつては劣悪なパクリ品の代名詞となっていたと説明し、中国もこれまで積んできた模倣の経験をオリジナル技術へと転化する段階に入っているとした。
 一方で、なおも「原始的なイノベーション段階」にも入っていないのが現状であり、産・学・研が団結して技術革新への取り組みを強化しなければならないと指摘している。

★.3つ目は、
 「技術革新が起こりやすい制度的環境や社会文化を育むこと」であるとした。
 その要素として、
 知財権保護制度の充実、
 人材資源を恒久的に生み出せる教育体系の整備、
 各種基礎研究・技術研究などに対する政策的支援の強化、
 全国民がイノベーションに取り組もうとする社会ムードづくり
4点を示している。

 中国はこれまで、スケールの大きさに物を言わせて急成長を遂げ、大国としての存在感を増してきた。
 しかしそのやり方には限界が見えはじめ、スケールだけに頼らない、質や効率をも重視した発展モデルへの転換を図ろうとしているのが現状だ。
 記事が示した啓示の3つ目が実は一番重要であり、しかもそこに掲げられた要素の4つ目、すなわち「全国民がイノベーションに取り組もうとする社会ムードづくり」が成否を大きく占うように思える。

 国や行政が号令を掛けるのは簡単だ。
 一方で、従事者や一般市民を「その気にさせる」のは難しい。
 一たび彼らをその気にさせてしまえば、あとはトップが上手く舵取りをしていくことで、イノベーション社会に向けた動きは確固たる流れと変わっていくのである。
 どうやってその気にさせるか。
 やはりそうすることでメリットや利益が享受できる仕組みを作っていくことだろう。



サーチナニュース 2016-06-17 11:54
http://biz.searchina.net/id/1612240?page=1

ボールペンのペン先が映し出す現実
「中国は製造強国ではない」

 中国はボールペンの生産大国だ。
 年間で約400億本ものボールペンを製造しているが、ペン先のボールを生産することができず、輸入に頼っているのが現状だという。
 中国は製造業の高度化を掲げ、技術力とイノベーション力の向上を目指しているが、なぜボールペンのペン先のボールを生産できないのだろうか。

 中国メディアのeburnはこのほど、中国は世界的に見ても工業大国であることは間違いないと主張する一方、中国国内に存在する約3000ものボールペン生産工場ではボールペンのペン先を生産できずにいると指摘し、ボールペンという身近な存在であっても「核となる技術や製品については輸入に頼らざるをえないのが現実」と論じた。

 記事は、ボールペンのペン先にある球体の部品について、
 「インクをなめらかに出すための技術は特殊」であり、その技術は日本とスイスの両国が独占
しているのが現状と主張。
 中国国内の一部企業はスイス企業の生産設備が導入しているとしながらも、同設備では
 原材料に対する要求水準も厳格で、中国国内で生産される原材料では「使い物にならない
と指摘した。

 続けて、ボールペンのペン先という極小の部品が映し出すのは「中国は製造強国ではない」という現実であるとし、鉄鋼をはじめ、
★.「生産量」ベースでは世界の大半を占める中国だが、
★.「価値のある技術や材料については生産できず、他国の制限下にあるのが現実」
と論じた。

 経済を成長させるうえでは、イノベーションが必要不可欠であり、中国も製造業の高度化に向けてイノベーションを生み出す仕組みづくりを掲げている。
 ボールペンのペン先についても、中国国内で自ら生産できるようになるにはイノベーションが必要だ。
 だが記事は、中国では知的財産権の保護が不十分であり、模倣も多く、企業にとってはイノベーションに向けて多額のコストをかけて研究開発を行う動機が不足しているのが現状であることを指摘している。



サーチナニュース 2016-06-19 22:19
http://news.searchina.net/id/1612327?page=1

わが製造業は将来が見えない、
競争力が劣るメーカーは淘汰=中国

 世界の工場として名を馳せた中国の製造業だが、近年は中国から工場を移転させるメーカーが相次いでる。
  人件費をはじめとするコストが上昇し、中国で生産することのメリットが薄れてしまったためだ。

 中国メディアの金融界はこのほど、
 「中国製造業は将来が見えない状況」にある
と主張する一方、製造業こそ国家の隆盛に関わる産業であると主張した。

 記事は、国の隆盛における基礎は不動産業ではなく、製造業であると指摘し、
 「中国の不動産業界がどれだけ発展しても、ぼっ興に向けた中国の夢が叶うことはない」
と指摘。
 それにもかかわらず、中国では多額の資金が不動産市場に流れ込み、土地を含めた不動産価格が高騰、賃料も上昇したことでメーカーの経営を圧迫するようになったと指摘した。

 さらに、中国の製造業者は近年、
 「生き残ることすら難しい」状況に追い込まれており、
破産や倒産したメーカーは数知れないと指摘。
 特に質の低い製品しか作れないメーカーや、納期どおりに製品を納品できなかったメーカーなど、市場での競争力が劣るメーカーが淘汰されていることを指摘し、
 「中国製造業は将来が見えない状況」にある
と論じた。

 一方で、中国の製造業でもITを活用する動きが加速しており、一部でめざましい成果を挙げるメーカーも現れていることを指摘しつつ、
 「不動産で国を豊かにすることはできず、世界の強国になるためには製造業を強化する必要がある」
と主張。
 不動産をはじめとする投資に偏重する経済構造を調整し、製造業の強化に向けたさらなる取り組みが必要であると訴えた。


サーチナニュース 2016-06-22 11:22
http://biz.searchina.net/id/1612591?page=1

日本企業の対中投資が減少
・・・対中投資全体における日本の存在感も低下

 人件費をはじめとする各種コストの上昇に伴い、日本企業の対中投資が減少している。
 中国メディアの捜狐はこのほど、中国日本商会が20日に北京で「中国経済と日本企業 2016年白書」を発表したことを伝え、
 15年における日本の対中投資は前年比25.9%減
となったことを伝えた。

 記事は、対中投資の規模を国・地域別で見た場合、日本は14年の4位から5位に低下したことを伝え、金額のみならず、対中投資全体における日本の存在感も低下していることを指摘。

 また、日本貿易振興機構(JETRO)がまとめた報告書を引用し、対中投資が減少しているだけでなく、中国での業務を拡大しようと考える日本企業も減少していると伝え、対中投資のさらなる減少に警戒感を示した。

 一方で記事は、中国日本商会の関係者の話として
 「かつて中国を輸出の拠点として考えていた日本企業は現在、中国の消費市場の開拓が主要な業務」
となっていることを伝え、製造業以外の企業は中国国内での業務拡大に積極的だと指摘。
 輸出企業にとって中国の魅力は減少し続けているものの、中国の内需に魅力を感じる日本企業は増えていると伝えた。

 メーカーが中国で生産するメリットはほとんどなくなった今、
 今後も対中投資額は減少を続ける可能性が高い。
 だが、記事が指摘しているとおり、中国の内需を狙って中国に進出する非製造業は増えるだろう。
 サービス業などは投資額が製造業に比べて少額で済むため、対中投資の額で見れば減少するかもしれないが、件数で見れば今後は増加する可能性がある。


人民網日本語版 配信日時:2016年6月23日(木) 14時20分
http://www.recordchina.co.jp/a142624.html

日本の対中投資、戦略に変化も―中国メディア

 中国日本商会は20日、「中国経済と日本企業2016年白書」を発表した。
 在中国日系企業8894社を対象とした調査の結果を見ると、日本企業の対中戦略がターニングポイントを迎えており、日本の対中投資の重点に密かに変化が生じていることが分かる。
 人民網が伝えた。
 (文:倪月菊 中国社会科学院世界経済・政治研究所研究員)

 全体的に見ると、日本の2015年の対中投資は過去数年の減少傾向を引き継いだが、下げ幅はやや縮小した。
 累計金額を見ると、日本は依然として対中投資額が最多の国だ。
 未来の対中投資の意向を見ると、投資拡大を希望すると回答する企業は減少傾向を示しており、特にコスト探求型投資(輸出型投資)の減少傾向は明らかだが、市場探求型投資(国内販売型投資)は増加を示した。
 また、投資の現状維持を希望する企業も増え、第3国への移転を希望するとした企業は1.7%で2011年と同水準になった。
 投資分野を見ると、製造業以外への投資意向が強かった。
 製造業では、食品、省エネ、環境保護産業への投資に注目が集まった。
 サービス業では、卸売・小売、物流などの分野への投資拡大の意向が見られた。

 日本の対中投資の減少は、世界の経済情勢、中国の産業構造のモデルチェンジ・アップグレードなどと関連していることが分かる。
 世界の経済成長の原動力が乏しく、国際市場の需要が疲弊し、中国の輸出が大幅に減少し、世界経済の回復の先行きが不透明となっている。
 この状況下、いかなる企業も盲目的に投資を拡大できず、日本企業も例外ではない。
 「新常態」に入った中国経済は、モデルチェンジ・アップグレードの最中だ。
 人件費が高騰し、コスト探求型投資が維持できなくなっている。
 中国に進出した日本企業は必然的に投資を縮小し、さらには第3国に移転する。
 製造業以外の投資意向の拡大は、中国がサービス業の発展に力を入れ、中国の経済構造のモデルチェンジ・アップグレードを行っていることと関連している。

 全体的に見て、中国の巨大な市場、整ったインフラなどは、日本企業にとって依然として魅力的だ。
 そのため市場探求型投資が拡大もしくは現状維持を目指し、新たなチャンスを待ちわびる現状となっている。
 日本企業は依然として中国市場を十分に重視しており、機が熟せば、対中投資は回復・成長することだろう。

(提供/人民網日本語版・編集/YF)



サーチナニュース 2016-06-25 07:11
http://news.searchina.net/id/1612867?page=1

「してやられるぞ!」
日本企業の強靭さを決して見誤ってはいけない=中国

 バブル崩壊後の日本経済は「失われた20年」に突入したと言われる。
 そしてまだ経済成長が実現できていない以上、「失われた20年」からの脱却も実現できていないということになる。
 中国メディアの中国工業網は21日、もし「日本の失われた20年」という言葉を全面的に信じるなら、中国は日本に「してやられる」かもしれないと論じる記事を掲載した。

 中国には「迷魂陣村」と呼ばれる古戦場がある。
 山東省にあるこの村は迷路のような作りとなっているため、侵入した敵に方向感覚を失わせることができたと言われている。
 記事は日本の失われた20年という言葉はまるで「迷魂陣村」のように、中国人に日本経済の実力を見誤らせる働きがあると警戒心を示している。

 記事はまず、「失われた20年」にあるはずの日本だが、日本企業には「強靭さ」があると指摘。
 記事によればこの強靭さとは日本企業に宿るイノベーションの「独特の強さ」のことだ。
 強靭さの理由の1つは
★.「他人から失敗を指摘されればされるほど、
 イノベーションのための力が増強される」という日本人の態度
 にあると指摘。
★.日本企業は批判を糧に「改善する力」を持っている
と説明した。

 続けて、日本企業の強靭さのほかの要因として、中国のアナリストたちが「消費者イノベーション」と名付けた日本独特のイノベーション方法を指摘。
★.「消費者は神様」という考え方を基に、日本企業は消費者の要求を「ぴったり」実現させるイノベーションが非常に得意だ
と説明した。
 そのため
★.日本の消費者は非常に成熟しており、
 肥えた目を持つ日本市場で磨き上げられた製品は世界市場でも通用する製品になる
 これが日本企業のイノベーションの独特の強さになっているという見方を示した。

 記事はこの強靭さは「製造業の真の競争力である」と説明しており、「日本の失われた20年」という言葉に惑わされるなら中国は日本に「してやられる」かもしれないと結論付けた。

 トムソン・ロイターの「Top100 グローバル・イノベーター2015」はその資料の中で「イノベーションは間違いなく世界経済を推進するための原動力」と説明している。
 記事は日本企業に宿るイノベーションの独特の強さが日本企業に強靭さを与えていると指摘しているが、当を得た分析だと言える。

 強靭であるということと単に硬いこととは全く意味が異なる。
 どれだけ硬い物でもより強い衝撃が加えれれば崩壊してしまう。
 しかし強靭さをもつものは硬さの中にしなやかさを兼ね備えているため、強い衝撃が加えられてもそれを吸収することができる。
 記事はこうした日本企業の強靭さを決して見誤ってはいけないと中国の読者に警告を発している。



サーチナニュース 2016-06-30 07:25
http://news.searchina.net/id/1613204?page=1

民間の技術力が低い中国製造業は宇宙開発事業を見倣え!=中国報道

 中国の新型運搬ロケット「長征7号」が25日、海南省にある衛星発射センターから発射され、打ち上げに成功した。
 中国の宇宙開発分野での実力が改めて証明されたと言えるが、浙江日報はこのほど
 「中国の製造業は宇宙開発に倣うべき」
と題して、中国製造業の問題点に関する記事を掲載した。

 記事はまず、今回の新型ロケットの打ち上げ成功で中国の宇宙開発は新しい時代に入ったと主張し、「中国の製造業も見倣うべき」と論じた。
 中国では国民の生活は飛躍的に向上したものの、製造業はいまだに遅れており、消費者の需要を満たせていないからだ。
 続けて、中国は宇宙事業を開拓する一方で、多くの中国人が米アップル製品を並んでまで購入し、日本では家電製品を爆買いするという現象ゆえに「製造業従事者にとっては大きなプレッシャーになっている」と論じた。

 では中国製造業にはどのような問題点があるのだろうか。
 記事はその1つとして、「市場経済に適応した研究体制が確立されていないこと」を挙げた。
 多くの企業には専門の研究所がなく、科学技術機構の成果は製品化ができないのが現実だという。
 2つ目は、中国は海外技術を導入して自主発展するという方法を取っているが、実際には消化吸収できておらず、常に遅れた技術を導入するという悪循環になっていると指摘した。

 さらに、日本のような産業チェーンを作るシステムが構築されていないと指摘、日本企業は得意分野に特化した分業が進んでおり、政府と企業、研究機関が協力して産業チェーンを構築しているが、中国にはそのような協調機関がないのだという。

 中国の製造業が進歩していることは間違いなく、60年にわたる宇宙開発事業とその成功は、中国製造業に対して自信を与えるものだ。
 だが、中国では国が主導する高速鉄道や原発、宇宙開発、航空機などの分野では高い技術力を持つが、民間の今なお技術力は低いのが現状だ。

 何か無理なことを無理に論じているような気分になる。
 これは消化不良を起こす内容だ。





【2016 異態の国家:明日への展望】


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