2016年6月9日木曜日

選挙応援にかけつける中国海軍(1):中国と日本の息の合った二人三脚、どっちもドッチの持ちつ持たれつの関係

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 これまでの例をみればわかるように、選挙が近づくと中国が意図的に日本に圧力をかけてくる。
 選挙を盛り上げるための行動であり、自民党政権応援のデモンストレーションでもある。
 日本政府は中国の行動を大きく報道して危機を煽って票稼ぎを目論む。
 中国政府と日本政府の息の合った二人三脚のような感じがする。
 「ヤラセ」であろう。
 もし、中国政府が自民党を落とそうとするなら、選挙前ならびに選挙中は静観している方が利がある。
 ところが、こういうときに限ってウロチョロする。
 そして自民党政権はそれをあたかも「いま、そのにある危機」のごとく宣伝する。
 日中コンビの表と裏の選挙運動にしか見えない。
 なんともすばらしい連携である。
 でも、ミエミエである。
 これからも自民党が苦戦になると、中国がウロチョロすることだろう。
 自民党が中国に頼み込んでいるような気がしてならない。
 特に今回は連れションでロシアも加わっている。
 日本政府としては、というより自民党政府はホクホクだろう。
 「乳母車が車椅子に追い出された」
と言われる消費税の10%アップが消えたいま、争点はせいぜいアベノミクスかマイナス金利ぐらいしかない。
 でもこれ現内閣を追い詰めるほどの迫力がない。
 そこに中国の脅威が見える形で現れれば争点はそこに集中し、万々歳になる。
 今夜は祝杯をあげたいところだが、そうはいかず、笑い裏に隠してシカメっ面をしないとなるまい。

  中国としては日本政府がギャーギャー騒ぐようなことを行っている、と国民にアピールできこれも人気取りになる。  
 どっちもドッチの、持ちつ持たれつの関係
のようである。
 中国としては日本が大いに騒いでくれた方がありがたい。
 それは選挙前、選挙中が最も効果的というわけである。
 アウンの連携プレーといったところか。

  ちなみに言うと、中国は外交を知らない。
 中国という盟主があってあとはどうでもいい諸国があるだけである。
 中国はそう思っている。
 よってここには外交はない。
 あるのはくだらない小国群への恫喝だけである。
 中国は外交で何とかやっていく気はまるでない。
 ザコは力で抑え込めれば十分と思っている。
 数の脅威を見せつければ怯えてひれ伏すと考えている。
 中国の権力構造はよって、軍事が第一中枢であり、外交外務はカヤの外なのである。
 外務省とおぼしき機関には力はない。

 さらに言うと、習近平は軍事力を海軍に求めようとしている。
 陸軍を削って、それを海軍に回している。
 陸軍の力を抑えて、海軍を持ち上げることで自己の権力基盤をつくろうとしている。
 それを知っている海軍は増長して、外務とは無関係にやりたい放題にやっている。
 しかし、それの無謀さがどこまで続くかは不明である。
 陸軍は悔しさで唇を噛んでいる。
 今は時を待つ、という姿勢にある。
 ガマンガマンの忍従の時に入っている。
 中国は基本的に大陸国家である。
 陸軍の権力歴史は長いが、海軍は新興勢力である。
 このまま不満を募らせた陸軍が黙っているわけがない。
 どんな行動に出るかという懸念が発生する。 
 海軍に足場を作ろうとする習近平と、それに対抗する陸軍とそれを支持する旧来勢力が、どのような攻めぎ合いをするかである。
 ちなみに、解放軍とほぼ同等の予算で運営されている公安武装警察は共産党の支配下にある。
 今は習近平が抑えているが、どう転ぶかはこれもわからない。 

 日本は昨年だったか、中国の軍船が尖閣領域に入ったら海自を送ると表明している。
 これまでは公船といっても巡視監察船で警察公安船であった。
 よって、海自は控えていた。
 今回の動きで、海自が尖閣へ出ていく可能性に火がついたことになる。
 つまり、中国は日本政府に大義名分を提供したようなものである。
 その名分を強くアピールするために、日本政府はしつこく、大声で中国に圧力をかけている。
 名分の正当化を計っているということである。
 そうなることくらい中国も分かっている。
 なのに何故そうしたか?
である。
 中国政府は日本政府が動きやすいように動きやすいように動いている。
 そうすれば、日本の行為に対する国内アピールを盛り上げることができる。
 やはりどっちもどっちである。

『
ロイター 2016年 06月 9日 13:31 JST
http://jp.reuters.com/article/china-frigate-senkaku-idJPKCN0YU2NF?sp=true

中国軍艦が尖閣周辺の接続水域入り、
日本はロシア艦との関連分析

[東京 9日 ロイター] -
  尖閣諸島(中国名:釣魚島)周辺の接続水域に9日未明、中国海軍の艦艇が初めて入った。
 領有権問題は存在しないとの立場の日本は、駐日中国大使を呼んで抗議した。
 同時間帯にロシア軍艦も同じ海域を航行するのが確認されており、防衛省は関連を分析している。

 安全保障の専門家は中国の動きについて、ロシア艦を追尾するため尖閣諸島近くへ向かった海上自衛艦を監視する意図があったのではないかとみている。

■<中国大使を呼び抗議>

 日本の防衛省によると、海上自衛隊の護衛艦「せとぎり」が9日午前0時50分ごろ、沖縄県尖閣諸島にある久場島の北東の接続水域に入った中国海軍ジャンカイⅠ級フリゲート艦1隻を確認した。
 外務省の斎木昭隆事務次官は午前2時ごろ、中国の程永華駐日大使を呼んで抗議。軍艦の退去を要求した。

 せとぎりが無線で呼び掛けるなど監視を続ける中、フリゲート艦は午前3時10分ごろに大正島の北北西の接続水域を離れ、北へ向けて航行した。
 菅義偉官房長官は同日午前の会見で、
 「緊張を一方的に高める行為であり、深刻に懸念している」
と語った。

 尖閣諸島は日中ともに領有権を主張。
 日本は領有権問題は存在しないとの立場で、周辺12カイリ(22キロ)を領海、その外側の12カイリを接続水域としている。
 密入国や伝染病の流入防止に規制を設けることができる接続水域を、外国軍の艦艇が航行するのは国際法上問題ない。
 しかし、中国の軍艦がこれまで尖閣付近の接続水域に入ったことはなかった。

■<ロシア軍艦は5時間滞在>

 一方、8日午後10時ごろから9日午前3時ごろにかけ、ロシア軍の駆逐艦や補給艦など3隻が、久場島と大正島の間を南から北へ抜けていくのも確認された。
 ロシア軍艦がこの接続水域を航行するのは初めてではないものの、防衛省は中国軍艦の動きとタイミングが重なったことから関連性を分析している。

 中国の安全保障政策に詳しい専門家は、ロシア軍艦が先に接続水域に入った点に注目。
 「中国が領有権を主張する海域近くに、ロシア軍艦に続いて海自の護衛艦が向かった。
 中国はそこに反応したのではないか」
と、北京の日本大使館に駐在した元海上自衛官で、現在は東京財団研究員の小原凡司氏はみる。

 菅官房長官は、ロシアに対して外交ルートを通じて注意喚起したことを明らかにした。

 中国、ロシアの軍艦とも領海侵入はなかった。
』

『
日本テレビ系(NNN) 6月9日(木)7時35分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20160609-00000108-nnn-pol

接続水域航行 外務省、中国大使に抗議



 政府は9日未明、沖縄県尖閣諸島付近の接続水域に中国海軍の艦艇が入ったと発表した。
 海軍の艦艇が接続水域を航行するのは初めてのこと。

 政府によると、9日午前0時50分頃、尖閣諸島久場島北東の接続水域に中国海軍の艦艇「ジャンカイ1」級フリゲート艦、1隻が入った。艦艇はすでに接続水域を出ていて、日本の領海への侵入はなかったという。

 安倍首相は
 「不測の事態に備え、関係省庁が緊密に連携して対処すること」
など3点の指示を出した。

 また、外務省の斎木事務次官は、中国の程永華・駐日大使を外務省に呼び、抗議した。政府関係者によると、
 中国海軍の艦艇が接続水域を航行するのは初めてという。

 一方、アメリカの国防総省はNNNの取材に対し、「艦艇は国際水域を航行したもので、特にコメントはない」としている。
』

『
サーチナニュース 2016-06-09 11:55
http://news.searchina.net/id/1611679?page=1

中国軍艦が尖閣の接続水域に侵入、
「正当な行為」と主張する中国メディアも

 防衛省は9日、中国海軍の艦艇が尖閣諸島(中国名:釣魚島)周辺の接続水域に侵入したことを確認したと発表した。
 発表によれば、中国海軍の艦艇が日本の接続水域に侵入したのは9日午前0時50分ごろで、9日午前3時10分ごろに日本の接続水域から出域した。
 中国海軍の艦艇は出域した後に北に向けて航行したという。
 なおロシア海軍の軍艦艇も同日同時刻に侵入し、出域している。

 中国海軍による侵入に対し、外務省は、「齋木昭隆外務事務次官が9日午前2時ごろに程永華(てい・えいか)駐日中国大使を外務省に召致し、重大な懸念を表明して抗議した」と発表。
 さらに日本の接続水域から「直ちに出域するよう」求めたと発表した。

 中国海軍の艦艇が尖閣諸島周辺の接続水域に侵入した意図は現時点で不明で、中国外交部や中国国防部などの公式サイトにおいても、9日午前11時時点で当件に対する公式な見解等は掲載されていない状況だ。

 また、中国の各メディアは日本国内の報道を引用、紹介するにとどまっている。
 中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報(電子版)は9日、日本国内の報道を引用して伝えつつも、中国外交部の従来からの見解として「釣魚島は中国固有の領土である」と主張。

 さらに、「釣魚島の主権が中国にあることには、歴史的、法的な根拠がある」としたうえで、中国海軍の艦艇が尖閣諸島周辺を航行するのは「正当な行為」であるとの見方を示した。
』

『
読売新聞 6月10日(金)7時32分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160609-00050169-yom-pol

午前2時、即座の抗議…政府が中国大使呼び出し



 中国軍艦が9日、沖縄県の尖閣諸島周辺の接続水域内に初めて進入したことについて、政府は未明に駐日大使を呼び出し、抗議するなど異例の対応で中国に自制を求めた。

 政府は尖閣諸島の領有権を主張する中国がさらに行動を活発化させる可能性があるとみて、米国などと連携して対応する考えだ。

 「私が夜中に呼ぶのは初めてだが、それだけ重大な事態だと思っているからだ。
 そのことを認識してほしい」

 斎木昭隆外務次官は、中国軍艦が接続水域に入ってから1時間余りの9日午前2時、中国の程永華(チョンヨンフア)駐日大使を外務省に呼び、強く抗議した。
 未明の呼び出しは、進入が偶発的な衝突につながりかねないと懸念したためだ。程氏は「エスカレートは望んでいない。北京に伝える」などと応じたという。

最終更新:6月10日(金)7時33分
』

『
2016年06月10日 12時06分 勝股秀通 日本大学危機管理学部教授 
http://www.yomiuri.co.jp/matome/archive/20160610-OYT8T50016.html

中国艦、尖閣接続水域へ
…上がる「現状変更」のステージ

 政府は9日、中国軍艦1隻が同日午前0時50分頃から約2時間20分間、沖縄県の尖閣諸島周辺の接続水域内を航行したと発表した。
中国軍艦が尖閣周辺の接続水域内に入ったことが確認されたのは初めてだ。
中国はなぜ、このタイミングで行動に出たのか。
防衛問題や安全保障に詳しい日本大学の勝股秀通教授に分析してもらった。

■ロシアは借りを返した?

 「緊張を一方的に高める行為であり、深刻に懸念している」――。
  中谷防衛相は9日、中国海軍のフリゲート艦が沖縄・尖閣諸島の接続水域内に入ったことに対し、中国を厳しく非難した。
 前任の小野寺防衛相時代から、何度同じような言葉が発せられただろうか。

 政府は中国海軍の意図などについて詳しい分析を進めている。
 今回の中国海軍の行動について、現時点では二つの推測が成り立つだろう。
 その一つは、6月3日から5日にかけて、シンガポールで開かれたアジア安全保障会議(英国・国際戦略研究所主催)におけるカーター米国防長官と中国の孫建国・統合参謀部副参謀長とのやり取りが伏線になったという見方だ。

 人工島建設など南シナ海問題で、「自らを孤立させる『万里の長城』を築くことになりかねない」と警告したカーター米国防長官。
 すぐさま孫副参謀長が「中国は孤立していない」と大声で言い返した。
 米中対立を鮮明にした場面だ。その言葉を証明するかのように、ロシアの軍艦と歩調を合わせながら尖閣諸島の接続水域内を航行したと考えても不思議ではない。

 周辺国だけでなく国際社会からも中国への非難が集中している南シナ海においては、いくら一緒に行動してくれと頼んでも、ロシアも首を縦には振らないだろう。
 しかし、日中が対立する東シナ海であれば、各国の関心は低い。
 まして接続水域内の航行は国際法で認められた行為であり、ロシアが中国の頼みを受け入れたという見方もできる。

 なぜなら、中露両国は2012年以降、毎年のように日本海や東シナ海で海軍による合同演習を行っている。
 しかし、昨年は突然、中国にとっては縁遠い地中海で実施した。
 これは、ロシアがウクライナ情勢で対立するNATO(北大西洋条約機構)加盟国をけん制するためだったといわれる。
 ロシアは地中海の借りを東シナ海で、中国に返したのかもしれない。

 もう一つは、尖閣諸島の南方海上で警戒監視中の海上自衛隊の護衛艦が、北上する3隻のロシア艦隊を発見、追尾している途中で、尖閣諸島の北方海上に展開する中国艦隊がそれに気づき、1隻のフリゲート艦を接続水域内に差し向けたという見方だ。
 「ここは中国の海だから、ロシア艦隊を監視せよ」という命令が出てもおかしくはない。
 フリゲート艦と所属する艦隊司令部などとの交信内容が公表されることはないので、今後も臆測の域を出ないが、フリゲート艦の単独行動というレベルではないことだけは確かだろう。

■いずれ領海内にも侵入してくる可能性が高い

 だが、国際法上問題がないとはいえ、軍艦は偶発的なトラブルを避けるためにも、他国の接続水域内を航行することを避けるのが一般的であり信義だ。
 ロシア海軍の行動も極めて遺憾だが、今回の中国の行動は極めて意図的で、力による現状変更のステージを1段階引き上げたと認識しなければならない。
 同時に、中国海軍の行動エリアが、次第に尖閣諸島に近づいているという事実を認識しなければならない。

 尖閣諸島をめぐっては、12年9月、日本政府が島の一部を国有地化した。
 中国はその“報復”として、海警局など治安機関に所属する公船を領海内に侵入させ、既成事実を積み上げてきた。
 この間、海警局の航空機が尖閣諸島の領空を侵犯し、海軍艦艇が海上自衛隊の護衛艦に射撃管制レーダーを照射するなどの挑発行為を繰り返してきた。

 中国海軍も、当初は尖閣諸島の北方100キロ以上離れた海域に展開し、その周辺海域で警戒行動を続けていた。
 変化が表れたのは、東シナ海に防空識別圏を設定した13年末以降だ。
 海上自衛隊幹部によると、展開する隻数が常に4隻や5隻に増え、次第に航空機などと連動した海空軍の共同訓練なども実施、活動海域は広がった。
 現在は、尖閣諸島の接続水域まで10キロ程度の海域にまで近づいてくることも珍しくないという。

 それでも中国海軍は、尖閣諸島の領海はもとより、接続水域に入ることだけは避けてきた。
 接続水域は、沿岸国の主権が及ぶ領海(12カイリ=約22キロ)の外側に隣接する幅12カイリの海域を指す。
 国際法上は公海の扱いだが、犯罪の取り締まりなど、沿岸国には一定の権限行使が認められている。事態がエスカレートする危険があるからだ。

 東シナ海に展開する艦隊とは別に、中国海軍の艦艇はこの2、3年、台湾東方海域を北上し、日本最西端の与那国島と台湾との間を航行して東シナ海に入ってくることが多いという。
 海上自衛隊幹部は
 「地図を見れば明らかだが、そのまま直行すれば尖閣諸島に近づいてしまうため、中国海軍は西寄りに針路を変え、尖閣から離れて航行していた」
と説明する。

 だが、過去の中国の行動パターンを当てはめれば、今回の行動を機に、中国海軍は今後、接続水域内の航行を何度も繰り返し、既成事実を積み重ねることで、いずれ領海内にも侵入してくる可能性が高いだろう。

 政府は現在、中国海軍の軍艦が尖閣諸島の領海に侵入した場合には、自衛隊に海上警備行動を発令し、護衛艦を派遣して速やかな退去を促す方針だ。
 だが、海上警備行動は「警察官職務執行法」の範囲内の活動だ。
 国内の治安維持を目的とする「警察権」は、外国の軍艦や公船には適用できない。
 海上警備行動が発令されたとしても、ほとんど何もできないのだ。
 中国が接続水域内での航行を既成事実化する前に、その後に想定される中国海軍の領海侵入に対してどのような効果的な手立てがあるのか、政府は米国とも連携しながら早急に知恵を絞る必要がある。
』

『
WEDGE Infinity 日本をもっと、考える 2016年06月10日(Fri)  小泉悠 (財団法人未来工学研究所客員研究員)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/7008

尖閣諸島接続水域に中露艦艇が初めて進入 
中国がロシアを利用したのか
ロシアの視点から考える

 2016年6月8日から9日にかけて、尖閣諸島周辺の接続水域にロシア及び中国の艦艇が相次いで進入した。
 これまでも中国は接続水域内に国家海警局(沿岸警備隊)の巡視船を恒常的に進入させてきたが、軍艦はこれが初めてである。
 一方、
 ロシア海軍について、防衛省は「過去にも例がある」としており、接続水域内に軍艦を進入させたのはこれが初めてというわけではないようだ(後述)。

 これに対して日本政府は、安倍首相を議長とする国家安全保障会議を開催するなど極めて緊迫した反応を見せ、日本のマスコミでも大きく取り上げられた。
 どちらかというと、これはロシアというより中国の行動に対する反応であったと見られる。

 そもそも接続水域とは領海の外側12カイリの水域であり、国家の領域ではないが関税や出入国管理などの管轄権は及ぶとされる。
 軍艦の航行については、無害航行が認められているため、本来はロシアや中国の軍艦がこの海域を通過することには法的問題はない。

 だが、中国は尖閣諸島を自国領であると主張して日本政府と対立し、日本側の抗議にもかかわらず、巡視船その他の公船を恒常的にこの海域に進入させ続けてきた。
 こうした経緯があるために、今回の中国艦進入には大きなインパクトがあったのだろう。
 一方、ロシアは尖閣問題に関しては中立を維持しており、日本政府ともこの点では対立していないため、軍艦が通るといってもその意味するところはかなり異なる。

 日本の外務省が午前2時に中国大使を呼びつけて抗議を行うという強硬な姿勢に出たのに対し、ロシアに対しては「外交ルートを通じた注意喚起」(菅官房長官談話)に留めたのも、こうした経緯の違いが大きく影響していたと言える。

■最初に進入したのはロシア艦

 では、今回の事態はどのようにして生じたのだろうか。

 時系列で見ると、接続水域に最初に進入したのはロシア艦である。
 これは今年3月にウラジオストクを出港し、東南アジアでの国際対テロ演習に参加した太平洋艦隊の駆逐艦アドミラル・ヴィノグラートフ以下3隻の艦艇グループと見られる。
 報道によると、ヴィノグラートフ以下の艦艇は8日午後9時50分ごろに久場島と大正島の間の接続水域に南側から進入した。
 一方、中国艦はその3時間後にあたる9日0時50分ごろに北側から同接続水域に進入している。

 中露艦艇が接続水域を出たのはほぼ同時で、9日午前3時5-10分ごろ。
 ともに接続水域を北側へと抜けている。
 したがって、ロシア艦がそのまま北への進路を維持したのに対し、北から進入してきた中国艦は接続水域内でUターンして再び北へ抜けたことになる。

 以上を見るに、ロシア艦に政治的意図があったかどうかは今ひとつ判断しがたい。
 ロシア艦が日常的に接続水域を通過しているのであれば特に政治的な意図はなく母港への最短ルートを取ったということになろうが、我が国の統合幕僚監部は南西諸島付近におけるロシア艦の通過状況をほとんど明らかにしていない。
 そこで筆者が独自に関係筋へ確認してみたところ、
 ロシア艦はこれまでにも東南アジア方面との往復で同じようなルートをたびたび通過している
とのことだった。

 一方、昨年11月には、太平洋艦隊の巡洋艦ワリャーグがインド洋で演習を実施した帰路に南西諸島付近を通過し、「数日間に渉る往復航行、錨泊」を行ったほか「一部我が国接続水域内での航行」があったことを統合幕僚監部が発表している(統合幕僚監部が南西諸島におけるロシア艦の活動を公表したのは、確認できた範囲ではこれが唯一)。
 つまり、ロシアは最近になって単なる通過とは異なる動きも見せていたわけで、これも判断を難しくする要因であろう。

■中国がロシアを利用したのか

 もうひとつの問題は、仮に何らかの政治的意図があったとして、それは何かということである。
 この場合、領土問題を巡って日露関係が大きく動き出しそうな中で、ロシアが対日牽制に出たという見方がまず考えられよう。
 ロシアの対外政策において、対話と軍事的牽制を組み合わせるというパターンは一般的に見られるものであり、実際に北方領土や千島列島では軍事施設近代化の動きなどが進んでいる
(ただし、これらについても一般的な軍事力整備を対日牽制策としてプレイアップしている側面もあり、一概に全てを「対日」で捉えられるものでもない)。

 しかし、これまでロシアが展開してきた牽制策はあくまでロシア単独のものである。
 中国はこれまでにも、台湾海峡問題や尖閣問題に関してロシアを自国側に引き込もうとしてきたものの、ロシアは極力中立を維持しようとしてきた。
 領土問題で中国側に立ったところでロシアのメリットは薄く、むしろ日米との対立に巻き込まれるというコストが極めて大きいためである。

 では、今回、中露の艦艇が同じ時間帯に同じ接続水域を航行したことをどう捉えるべきか。
 中露が連携して今回の行動に出たのであれば、ロシアの対日牽制は新たなフェーズに入ったことになり、今後の領土交渉にも極めて不利に働くことが予想される。
 しかし、現状ではその可能性はあまり高くなさそうだ。

 すでに述べたように、中国艦はロシア艦の接続水域進入後に北から進入し、ロシア艦とほぼ同時に水域を出ている。
 この動きを見るに、中国は事態の推移を見て後追いで行動を決定したのではないか。

 だが、これまで軍艦の接続水域進入を手控えてきた中国が初めて軍艦の侵入に踏み切った理由は何か。
 これについても真相はいまだはっきりしないが、やはりいくつかの可能性が考えられる。

★.第1に、ロシア艦の接続水域進入を見た現場の艦長が独断で決めた可能性がある。
 中国側にしてみれば尖閣は自国領であり、ロシア艦またはこれを追尾している海自艦船が接続水域を通ることは認められないとしてこうした決断を下したのではないかという見方である。
 ただし、ロシア艦が平素からこの海域を通っているのだとすると、今回に限って軍艦が出てきた理由がはっきりしない。
 また、このような政治的影響力の大きな決断を現場の艦長が勝手に下せるのかという問題もある。

★.第2の可能性としては、中国側がロシアを利用したという考え方も成り立つ。
 ロシア艦の通過に便乗し、中露が尖閣諸島問題で共同歩調を取ったかのように中国が見せかけた、というのがこの種の見方で、たしかに一定の説得力はあろう。
 ただ、この場合、利用される格好のロシアとの関係性を中国側がどう計算したか、という疑問は残る。

 一方、日本政府は今回の事案を中露で別個に取り扱い、中露vs日本という構図で捉えられることを極力避けようとしているようであり、この意味では2つ目の可能性が強く懸念されているのではないかと思われる。
』

『
Record china 配信日時:2016年6月12日(日) 6時30分
http://www.recordchina.co.jp/a141122.html

領有権主張、南シナ海けん制の“一石二鳥”狙う?
中国軍艦,尖閣接続水域を初航行、
日中対立、新たな局面に

 2016年6月11日、東シナ海の沖縄県・尖閣(中国名・釣魚島)諸島の接続水域に9日未明、初めて進入した中国海軍の軍艦。
 これは、尖閣をめぐる日中対立が新たな局面に入ったことを意味する。
 中国側には尖閣の領有権主張に加え、南シナ海問題で対中包囲網を敷く日本や米国をけん制しようという“一石二鳥”の狙いもあるとみられる。 

 国連海洋法条約では、自国の沿岸から12カイリ(約22キロ)までを領海、24カイリ(約44キロ)までを接続水域と定めている。
 接続水域内では沿岸国に通関、財政、出入国管理、衛生などの規制が認められているが、本質的には公海とされ、外国軍艦が入っても国際法上の問題はない。

 海上保安庁によると、中国海警局公船の尖閣領海侵犯は今年になってから8日までに15回を数える。
 日本の実効支配に対抗して領有権の既成事実化を図るためだ。
 当初、漁船だったが領海侵犯は公船にエスカレートした。

 今回、中国海軍のジャンカイI級フリゲート艦は接続水域にとどまったが、そのまま進めば領海にまで入りかねなかった。
 その場合、監視中だった海上自衛隊の護衛艦「せとぎり」などが領海侵入を阻止する「海上警備行動」を取る可能性もあった。

 外務省の斎木昭隆事務次官が中国の程永華(チョン・ヨンホア)駐日大使を同省に呼び、重大な懸念を伝えて抗議するとともに中国軍艦が接続水域を出るよう求めたのは、進入確認から約1時間後の9日午前2時ごろ。
  日本政府の異例の対応は、中国艦の行動に対し、強い危機感を抱いたためだ。

 菅義偉官房長官は9日午前の記者会見で
 「緊張を一方的に高める行為で深刻に懸念している。
 領土、領海、領空は断固として守り抜く強い意志のもと、毅然(きぜん)と冷静に対応する」
と強調。
 領海侵犯すれば海上警備行動を発令したかについては
 「その時々の事態で判断する。
 一概に答えるべきでない」
と述べた。
 さらに9日夜には、安倍晋三首相を中心に「国家安全保障会議」(NSC)を開催。
 これまでの情報分析などの報告を受けるとともに、不足の事態に備え、米国とも連携して警戒・監視に万全を期すことを確認した。

 中国艦の動きと合わせ、8日夜から9日未明にかけ、ロシアの軍艦3隻が接続水域を南から北へ抜けていくのも確認された。
 ロシア艦がこの接続水域を航行するのは初めてではないものの、防衛省は中国艦の動きとタイミングが重なったことから、関連性を分析している。

 中国共産党系の環球時報によると、中国国防部は9日、進入に関する見解を発表。
 この中で
 「釣魚島と付属島しょは中国固有の領土だ。
 中国の軍艦が自国の管轄海域を航行することは合法であり、他国がとやかくいう権利はない」
などと日本側の抗議を一蹴した。

 中国は5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)や6月初めのアジア安全保障会議などの国際舞台で、日本が米国と並んで南シナ海問題を主導的に取り上げることに強く反発している。
 東シナ海では7日にも、中国戦闘機が米軍の偵察機の飛行を妨害した。
 9日の進入劇は東シナ海でも、あえて緊張を高め、南シナ海同様に領有権の主張は譲らないとする中国の強硬姿勢が見て取れそうだ。
』

『
ダイヤモンドオンライン 田岡俊次 [軍事ジャーナリスト] 2016年6月16日
http://diamond.jp/articles/-/93104

中国軍艦の接続水域航行への抗議
自分の首を絞める行為

 今月9日未明、中国軍艦が尖閣諸島付近の接続水域に入ったことに対し、日本政府は午前2時に中国大使を外務省に呼び抗議するなど激しい反応を示した。

 だが領海の外側に設けられる接続水域は公海であって、どの国の軍艦も自由に航行できる。
 日本政府の対応はまるで自宅の前の公道を他人が通行したのに怒って、深夜にどなり込むクレーマーじみた行動だ。
 もしこれが先例となれば、日本の艦船が他国の接続水域を通ることを妨げられても文句は言えなくなる。
 政府要人もメディアも海洋法条約に関する知識を欠き、それを知っているはずの外務官僚は政治家に諫言せず、胡麻すりで保身をはかるから、こうした騒ぎになるのだろう。


 接続水域(Contiguous Zone)は元は1920年に禁酒法を制定した米国が酒類の密輸入を防ぐために設けたものだ。
 当時の慣習的国際法では領海は3海里(5.5km)だったから、当時英国自治領だったカナダなどから酒を積んだ船が来て、海上では目と鼻の先の3海里沖に投錨し、買い手の小船を待っていても米国沿岸警備隊は手を出せない。
 そこで海岸線から12海里(22km)を「接続水域」と宣言し、密輸の取り締まりを行うことにした。
 だが領海外で警察権を行使することは本来できないから、例外的措置として英国など関係国の了承を得て行った。

 英国、日本などの「海洋国」にとっては航海や漁業を自由に行えることが望ましいから、18世紀の大砲の最大射程を根拠とした領海3海里の慣行が保たれたが、そうでない「沿岸国」にとっては他国の漁船が沿岸に来て乱獲したり、軍艦が目の前の海で我が物顔に振る舞うのは不利、不愉快だから領海を拡大したり海上の管轄権を求めようとし、第2次世界大戦前から論争が起きていた。

 この戦争で海洋の覇者となった米国は大海軍国ではあっても漁業、海運など民間の海上活動はさほど振るわず「沿岸国」に近いから、終戦直後の1945年9月にメキシコ湾の海底油田を開発するため、一方的に領海幅を3海里から12海里に拡大し、米国領土から海底にのびる「大陸棚」の管轄権を宣言した。

 また1976年には日本、ソ連などの漁船団のアラスカ沖での操業を防ぐため200海里(370km)の漁業専管水域を設定した。

 海洋の支配者である米国がこんな模範を示したから、多くの沿岸国は「得たりやおう」とそれに続いた。
 英国と日本は3海里の原則を守ろうとしたが多勢に無勢で1982年に作られた国連海洋法条約で、領海は12海里と定められ、さらにその外側12海里が「接続水域」となり、また海岸から200海里の「排他的経済水域」も認められた。

■中国軍艦の行動に抗議する法的根拠はなかった

 この条約は米国が行ってきたことを追認するものだが、米国の石油業界はそれにも難色を示し、米国は署名しなかった。
 米国は中国の南シナ海での人工島造成などを「国際法違反」と非難するが、自国は海洋法条約に加わっていないのだから変な話だ(日本では「米国議会が批准を認めなかった」との記述も散見されるが、米政府が署名を拒否した)。

 この条約第33条の「接続水域」の規程は、元来の目的が酒の密輸防止だから、沿岸国は「自国の領土又は領海内における通関上、財政上、出入国管理上又は衛生上の法令の違反を防止すること」および自国の領土又は領海内で行われた「法令の違反を処罰すること」ができる、としている。

 日本の接続水域を航行する外国の民間船舶が密輸をはかったり、密航者を運んだり、重大な感染症患者を乗せて日本に向かっている疑いがある場合には停船させて調べることができるが、軍艦に対してはたとえ領海内であっても沿岸国の管轄権は及ばない。

 まして今回のケースでは接続水域に入った中国東海艦隊所属のフリゲート「馬鞍山」(3963t)は領海外の公海で行動していたから、どこをどう走ろうが自由であり、日本に向かって密輸品を運んだり、密航者や伝染病患者を日本に連れて来るような状況ではなかったから、接続水域に入った、として抗議する法的根拠はなかった。

 このとき最初に尖閣諸島周辺の接続水域に入ったのは南シナ海での東南アジア諸国連合(ASEAN)の海軍共同演習と5ヵ国の親善訪問を終えてウラジオストクに戻る途中のロシアの大型駆逐艦ヴィノグラードフ(8500t)と給油艦、航洋曳船各1隻で、8日午後9時50分頃、南から来て魚釣島南東で接続水域に入り北東に進んで9日午前3時5分に大正島北方で接続水域を出た。
 これに対しては護衛艦「はたかぜ」(5900t)が追尾して監視に当たった。

 一方、中国のフリゲート「馬鞍山」は北から南下して来て、9日0時50分頃久場島の北方で接続水域に入り、大きく左にUターンしてロシア艦に接近、併走したが、ロシア艦が接続水域から出ると、3時10分に接続水域から出て去った。
 これには護衛艦「せとぎり」(4950t)が付いて監視した。

 この「馬鞍山」の動きを見ると、中国海軍は無線傍受か何かの偵察手段により「ヴィノグラードフ」などのロシア艦3隻と日本の護衛艦が尖閣諸島付近で行動していることを知り、様子を見るため「馬鞍山」を接近させたが、特に異常はないため反転して尖閣水域を離れたもの、と考えられる。
 ロシア艦が特に速度を落として中国艦と待ち合わせたような様子はなかった。

 ロシア軍艦がウラジオストクと東南アジアを往復する際には、フィリピンの北のバシー海峡と対馬海峡を結ぶ最短距離であるこのコースを取ることはよくあり、接続水域も公海であって外国の艦船が通ることは自由だから、今回もロシアに対しては抗議はしなかった。

■真夜中にどなり込むクレーマーじみた行動

 ところが、中国軍艦が初めて接続水域に入ったことで日本政府は緊張し深夜に「国家安全保障会議」を開いて対応を協議し、外務省の斎木昭隆事務次官は9日午前2時に程永華駐日中国大使を外務省に招いて「一方的に緊張を高める行為だ」と抗議して同水域から直ちに出るように求めた。

 「中国は尖閣諸島の領有権を主張しているから、中国軍艦が接続水域を航行することは緊張を高める行為」という説明だが、どの国が領有していようと接続水域に沿岸国の主権は及ばず、密輸の防止など極めて限定的な目的で管理を許されるだけだから、領有権と接続水域内の航行はほとんど関係がない。
 まるで自宅前の公道を不仲の人が通ったことに怒り、真夜中にどなり込むクレーマーじみた行動だ。

 実はすべての外国艦船が領海内を通ることも国際法で認められており、海洋法条約の第17条から第32条にかけて「無害通航」の規程がある。
 ただし外国の艦船が、武力による威嚇や武力行使、兵器を用いた訓練、沿岸国の安全を害するような情報収集、宣伝、調査活動、測量、漁業、通信妨害などを領海内で行うことは禁じられている。

 また潜水艦は他国領海を通る際には浮上し旗を揚げなければならないし、外国艦船は沿岸国の海上交通の安全のための法令などに従う必要がある。

 「無害航行」が軍艦にも認められるか否かの論議も一部にあるが、この条約の第30条に、軍艦が領海での通航に関する沿岸国の法令を守らず、順守の要請も無視した場合には直ちに退去することを要求できる、など軍艦の通航を前提にした条文があるから、軍艦にも無害通航は認められるという説が有力だ。
 だが国によっては軍艦の領海通航には事前の通知や許可を求めている例もある。

 軍艦は他国の領海内でも沿岸国の管轄権を免除され、「無害航行」と認められない行動をした場合でも直ちに退去を求められるだけだ。

 15日午前3時半ごろから約1時間半、中国の情報収集艦と見られる船が鹿児島県の口永良部島と屋久島沖の日本領海を通った。
 当時、日、米、インドが沖縄東方海域で共同訓練中で、中国艦はインド艦を追尾して日本領海に入りこんだ様子だ。

★.軍艦も他国の領海を「無害通航」する権利があるが、その際に「沿岸国の防衛又は安全を害することとなる情報収集を目的とする行為」は海洋法条約19条2のCで禁じられている。
 日本が加わっている共同演習の情報を収集するのはこれに該当する可能性が高く、
 こちらに関しては抗議するのが妥当だろう。

だが、領海外の接続水域で、その趣旨に反する密輸などの行為をしていない外国軍艦に対し「直ちに退去」を求めた9日の事案は、海洋法条約に照らして行き過ぎた行為と考える。

■日本の艦船が将来、同じ憂き目に合う可能性も

 日本政府がこうした行動を取ったことは、他国が将来日本の艦船に対して同じことをしても抗弁できない状況を生むことになる。
 接続水域も排他的経済水域も、沿岸国の主権下になく、ごく限定的な管理権を認められた公海だから、もし他国が日本の艦艇や漁船、商船の航行を妨害しようとし「緊張を高めるから直ちに退去せよ」と要求した場合、こちらは「法的根拠が無いではないか」と抗議すべきだ。
 だが「以前貴国もそうした例がある」と言い返えされれば苦しい立場になる。

 日本船籍の商船は減ったとは言え、日本の船会社の支配下にある便宜置籍船を主とする「用船」を含むと日本の外航商船隊は2500隻以上、1億2000万tを擁し、日本はなお有数の海運国だ。海運による輸入量は8億t、輸出は1.6億tで日本の経済だけでなく、国民の生存が海運にかかっている。
 漁獲高は近年減ったがなお370万tで世界8位、造船は2014年の竣工量が1300万tで第3位だ。

 海洋国である日本にとっては航海の自由が決定的に大事な国益で、公海が広い程好都合だから、英国と共に古来の領海3海里に固執した。
 だが、その抵抗は空しく、領海幅は拡がり、全ての沿岸国が接続水域と排他的経済水域を設けることになった。
 大陸棚の定義も拡大され、海洋権益の分け取りが進み、一部の沿岸国は接続水域や排他的経済水域を領海視する動きも見せる。
 「この形勢では、今世紀中に公海は無くなるのでは」との声も出る。
 今回日本政府も接続水域を領海同様に扱って、外国軍艦に「直ちに退去せよ」と要求したのは、その傾向を助長する先例になる。

 外務官僚たちは接続水域が領海ではないことは十分承知していたろうから、海洋法を知らない政治家が緊張し、興奮しても
 「そこを通るのは合法です。
 抗議をする法的根拠はありません」
と諫言し「航海の自由」という重大な国益保持に努めた方が、外務省の存在価値を高めただろう。

 だが、中央省庁の幹部人事は2014年から内閣人事局が管理し、首相官邸が人事を主導することになったため、官僚は保身、出世第一で権力者に取り入ろうとするから歯止めの役には立たない。
 戦前に国際連盟脱退や、独伊との同盟を推進した外務官僚、「天皇機関説」の排撃に努めた文部官僚たちもこういう心理状況にあったのか、と分かった気がする。
』
 この接続水域航行への抗議は自民党の選挙政策で行われた意図的行動とみる方がわかりやすい。
 このことによって、どう日本の動きを縛ってしまうかについては、そうもありえると思える。
 
 




【資料】
『
日本経済新聞 2016/6/12 12:10
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFK12H0H_S6A610C1000000/

参院選の議席目標「与党で改選過半数の61」 自民・茂木氏 

 与野党各党の幹部は12日午前のNHK番組で、22日公示―7月10日投開票の参院選に向けて論戦を展開した。

 自民党の茂木敏充選挙対策委員長は獲得議席の目標について
 「国民の信を問う観点から、与党で改選過半数の61だ」
と強調した。
 民進党の玄葉光一郎選対委員長は具体的な議席数を示さず
 「(次の参院選がある)3年後に自公の過半数割れを起こせるような踏み台になる議席をとりたい」
と述べた。

 一方、共産党の小池晃書記局長は「自公とその補完勢力を少数に追い込むのが野党の共通目標だ」と指摘し、野党による改選過半数の獲得に意欲をみせた。
 民進、共産、社民、生活の野党4党は32ある定数1の「1人区」に野党統一候補を擁立している。

 茂木氏は野党の候補者一本化に関して「国民からみて選挙目当てだと受け止められても仕方ない」と批判した。
 玄葉氏は「巨大与党に対する一つの政治の技術として有効だ」と反論。
 社民党の又市征治幹事長は「国民が多く求めている問題については一致している」と同調した。

 参院選での憲法改正の位置づけについて、公明党の斉藤鉄夫選対委員長は
 「争点ではない。国会で案を示す段階に来ていない」
と述べた。
 おおさか維新の会の馬場伸幸幹事長は
 「教育無償化が未来永劫(えいごう)続くように憲法改正を訴えていきたい」
と語った。
』

『
フジテレビ系(FNN) 6月15日(水)12時47分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20160615-00000687-fnn-pol

中国海軍の情報収集艦、
日本の領海を航行 政府発表



  政府は、中国海軍の情報収集艦が、日本の領海を航行したことを確認したと発表した。
  中国海軍は9日に、尖閣諸島周辺の接続水域に侵入したばかりだった。
 世耕官房副長官は、
 「6月15日午前3時30分ごろ、海上自衛隊のP-3Cが、鹿児島県の口永良部島西のわが国領海を南東に進む中国海軍、ドンディアオ級情報収集艦1隻を確認をいたしました」
と述べた。
 防衛省などによると、15日午前3時半ごろ、海上自衛隊のP-3Cが、鹿児島・口永良部島の西の領海を、南東方向に航行する情報収集艦1隻を確認した。
 そのあと、午前5時ごろ、この船は、屋久島南から領海を出て、南東方向に進んだという。
 中国海軍は9日に、尖閣諸島周辺の接続水域に侵入したばかりで、外務省のアジア大洋州局長は、中国側に対して、こうした中国側の一連の動きに対し、懸念を申し入れた。
』
  これで参議院選挙の自民党の勝利が確定したとみていいだろう。

『
毎日新聞 6月15日(水)12時43分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160615-00000047-mai-int

<中国海軍>日本領海を航行 
口永良部島周辺


●口永良部島の位置

 防衛省は15日、中国海軍の情報収集艦1隻が同日午前3時半ごろ、鹿児島県屋久島町の口永良部島西の日本領海を航行しているのを確認したと発表した。
 外務省は同日、在日中国大使館に対し、中国軍の活動全般に関する懸念を伝えた。

 防衛省によると、日米印3カ国の海上共同訓練に参加しているインド海軍艦船2隻が付近を航行したところ、中国艦船が同じルートで領海に入ったという。
 中国艦船は南東に航行し、午前5時ごろ、屋久島の南側から領海を出た。

 9日にも中国海軍の艦船が沖縄県・尖閣諸島周辺の接続水域に入ったばかり。政府は、今回のケースが日本の安全や秩序を乱さない無害通航に当たるかどうかを確認している。
 海上警備行動は発令していない。【
』

『
読売新聞 6月17日(金)7時16分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160617-00050010-yom-pol

中国側に反論
「自由に航行できる海峡ではない」

 日本政府は16日、中国軍艦が鹿児島県沖の領海に侵入した問題を巡る中国政府の説明について、「受け入れられない」と申し入れた。

 中国国防省は15日、中国軍艦が航行した
 トカラ海峡は「国際航行に使われている海峡」で、自由な航行が認められている
どと主張。
 これに対し、日本政府は
 「自由に航行できる国際海峡には当たらない」
と反論した。

 申し入れは在中国日本大使館の公使が中国外務省の担当者に行った。
 日本政府は、屋久島や奄美群島付近のトカラ海峡は国際的な船舶の航行がほとんどなく、国連海洋法条約で定める「国際海峡」には該当しないとしている。
』

『
ニューズウィーク [嘉手納町(沖縄県) 15日 ロイター] 2016年6月16日(木)10時25分
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/06/post-5335.php

中国艦、領海侵入した日に日米印の共同軍事訓練で米空母を追尾

  中国の軍艦が日本領海に侵入した15日、沖縄本島の東方沖で行われている日、米、インドの共同軍事演習「マラバール」にも中国艦の影がちらついた。
 3カ国は対潜水艦戦などの訓練など通じ、海洋進出を強める中国をけん制しようとしているが、中国は情報収集艦を派遣して米空母を追尾した。

■<南シナ海から後を追う>

 共同演習は10日に開始、15日に報道陣に公開された。熱帯の蒸し暑い洋上に浮かぶ米原子力空母、ジョン・C・ステニスから、F18戦闘機が次々と離陸。
 敵味方に分かれ、対空戦の訓練を行った。
 敵の戦闘機や巡航ミサイル役となったF18を、もう一方の戦闘機群と米艦が警戒、探知し、海上自衛隊、インド海軍と連携しながら対処した。

 しかし、ステニスの周囲に米軍艦、海自の護衛艦、インド軍艦の姿は見当たらない。
 電波や通信を拾う中国の情報収集艦から追尾されているため、ステニスは訓練に参加する他の艦艇から距離を取っているのだという。
 「中国の船がここから7─10マイル離れたところにいる。
 南シナ海からずっと(空母を)追いかけてきている」
と、ステニスのハフマン艦長は記者団に語った。

 この日は、未明に中国軍艦が鹿児島県口永良部島沖の日本領海に侵入。
 この船も情報収集艦で、日本政府は中国の意図の分析を急いでいる。関係者によると、佐世保港からマラバール訓練海域に向かうインド艦艇を追尾していたとみられる。

■<フィリピンに立ち寄ったインド海軍>

 日、米、インドがマラバールを実施するのは3年連続。
 前回は昨年10月にインド洋に接するベンガル湾で行った。
 今回は2年ぶりに日本近海、しかも沖縄本島の東方沖という、中国軍が西太平洋に出るのをふさぐような海域で実施している。  

 マラバールはもともと米、インド海軍の2国間訓練だった。
 中国との経済関係が揺らぐことを懸念したインドは、日本を含めた3カ国の演習に拡大することに乗り気ではなかったが、中国が中東への海上交通路(シーレーン)確保にインド洋への進出を強めると、3カ国は急速に距離を縮め始めた。

 インドは今回の訓練に、フリーゲート艦など4隻を派遣。
 南シナ海で領有権をめぐって中国と争うベトナムのカムラン港、フィリピンのスービック港に立ち寄っている。
 「南シナ海は中国の海ではない、インドは中国と係争するフィリピンやベトナムとも友好関係にある、というメッセージだろう」
と、日本の防衛研究所アジア・アフリカ室長の伊豆山真理氏は言う。

■<中国の潜水艦を警戒>

 日、米、インドが特に警戒しているのが、中国の潜水艦の動き。
 2006年10月、沖縄付近で中国のソン級潜水艦が米空母キティホークのすぐ近くに浮上。
 10年4月にはキロ級潜水艦が沖縄本島と宮古島の間を抜けて太平洋に進出した。

 インド洋でも13年ごろから中国潜水艦が動きを活発化させており、14年9月には沿岸国のスリランカのコロンボ港に寄港してインドをいらだたせた。
 いずれ核ミサイルを搭載した原子力潜水艦が、南シナ海や西太平洋、インド洋を自由に動きまわることを3カ国は恐れている。

 今回の訓練でも、潜水艦を探知して追尾する対潜水艦戦に力を入れている。
 米海軍は最新の哨戒機と原子力潜水艦を、海上自衛隊は対潜能力を備えたヘリコプター空母と哨戒機を投入。
 インドも対潜ヘリコプターを参加させた。

 自衛隊の幹部は
 「マラバールは単なる親善訓練ではなく、実際の戦術、技量を向上させるためのもの。
 これを見た中国は、作戦や戦術を見直す必要があると考えるだろう」
と話している。

(久保信博 編集:田巻一彦)
』
 中国艦や潜水艦がちらつくというのは、いい模擬訓練になるのでははないだろうか。
 
『
TBS系(JNN) 6月17日(金)16時30分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20160617-00000083-jnn-pol

【政治クリップ】相次ぐ中国軍艦の動き、日本政府の反応は



 今月に入って相次いだ中国軍艦による日本の接続水域や領海での航行について、国会記者会館から政治部・樋口記者の報告です。(17日16:21)
』






【2016 異態の国家:明日への展望】


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2016年6月8日水曜日

黄昏のパク・クネ=サムスン帝国(3):アメリカの友好国から外された韓国、「韓国ヨイショ」を始めた中国

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『
Record china配信日時:2016年6月8日(水) 9時50分
http://www.recordchina.co.jp/a136655.html

米国防長官が友好国に韓国を含めず、
韓国では「微妙な心理戦か」と憶測も―韓国紙

 2016年6月7日、韓国・中央日報によると、シンガポールで開催されたアジア安全保障会議(シャングリラ対話)で、カーター米国防長官が演説で触れた「友好国」に韓国が入っておらず、韓国国内で「神経戦を仕掛けているのではないか」と波紋を呼んでいる。参考消息網が伝えた。

 カーター氏は4日開かれた米韓国防相会談では、韓国の韓民求(ハン・ミング)長官を「同志」と呼び、米韓同盟について「核心」と表現した。
 北朝鮮による挑発に対する対応だけでなく、地域の平和と安定に重要だと述べた。

 しかし、本会議の演説では
 「日米関係は対アジア政策で非常に重要な役割を演じている」
と指摘。
 「イラクやシリア問題で協力しているオーストラリアとも良好な関係を維持している」と述べた。
 シンガポール、フィリピン、インド、ベトナムなどについても語ったが、韓国には触れなかった。
 米国側は
 「意図的に避けたのではない」
としているが、韓国国内では
 「微妙な神経戦を仕掛けているのでは」
との憶測が広がっている。
』

『
サーチナニュース 2016-06-15 14:33
http://news.searchina.net/id/1612061?page=1

「漢江の奇跡」と「韓流の奇跡」
・・・韓国に学ぶべきは多い=中国

 中国メディアの寧夏在線はこのほど、韓国がアジアに韓流ブームを巻き起こしたことを「韓流の奇跡」と称したうえで、高度経済成長を遂げた「漢江の奇跡」と併せて、韓国を高く評価する記事を掲載した。

 「漢江の奇跡」とは朝鮮戦争後の韓国が経済的に飛躍的な成長を遂げたことを形容する言葉だ。朝鮮戦争の休戦後にあたる1953年からアジア通貨危機の発生前にあたる1996年まで、韓国が経済成長を続けたことを「漢江の奇跡」と呼ぶ。

 記事は、97年にアジア通貨危機が勃発すると、多くの人は「韓国経済はもうダメだ」と認識したと指摘。韓国の外貨準備高は激減し、多くの企業が倒産に追い込まれ、失業率は急激に高まったとしながらも、金大中大統領が韓国経済に大鉈を振るい、奇跡的な復活を遂げたと指摘。

 さらに、アジア通貨危機は韓国に危機をもたらしたが、同時に経済を改革するための機会でもあったとし、一部の財閥は大きなダメージを受け、娯楽産業からの撤退を余儀なくされたと指摘。それまで韓国の娯楽産業は一部の財閥が「独占的に牛耳っていた」としながらも、財閥の撤退によって米ハリウッドのように独立系の企業が雨後の竹の子のように設立されたと紹介した。

 また、金大中大統領は文化産業の発展を提唱し、政府の予算も増やしたことで、今日の韓流ブームの基礎ができ、今や韓流ブームはアジアを席巻するほどまでに成長したと論じた。

 記事は、今日の世界において、文化強国に数えられるのは「米国、英国、ドイツ、日本、韓国」の5カ国であると指摘したうえで、中国には文化的な資源は豊富に存在するが、他国に影響をあたえるほど強い力はないと指摘。「漢江の奇跡」から「韓流の奇跡」にいたるまでの韓国の道のりと成功事例は中国にとって学ぶべき対象であると論じた。
』

『
Record china 配信日時:2016年6月19日(日) 7時50分
http://www.recordchina.co.jp/a130766.html

韓国で続く“日本旅行ブーム”、
歴史問題よそに日本は「近くて近い国」

 2016年6月18日、韓国で“日本旅行ブーム”が続いている。
 中国人観光客の陰に隠れ目立たないが、昨年1年間の来日数は400万人を突破した。
 今年になっても日本を訪れる韓国人は増える一方。歴史問題など負の面が取り上げられることが多い日韓両国だが、韓国人にとって日本は「近くて遠い国」ではなく、実は「近くて近い国」のようだ。

 日本政府観光局(JNTO)によると、
★.昨年中に来日した韓国人は前年比45.3%増の400万2095人。
 中国人の499万3689人に次ぐ2位だが、
 中国13億人、韓国5000万人の人口を比較すると、相対的にいかに多いかが分かる。 

 増加傾向は今年も続き、
 1月は51万4889人(前年同月比43.8%増)に達し、中国を上回って1位となった。
 2月は49万845人(同52.6%増)、
 3月は37万4057人(同39.5%増)、
 4月は35万3700人(同16.1%増)
となっている。
 5月は30万2100人で前年同月比4.2%減。
 熊本地震の影響で九州地方への観光客が減ったことが響いたとみられる。
 それでも、1〜5月の累計は前年同期比29.8%増の203万5600人。
 中国に次いで2位だった。
 今年は500万人の大台に近づく可能性もある。 

 新聞通信調査会が今年1月に米国、英国、フランス、中国、韓国、タイ6カ国の各1000人を対象に行った世論調査によると、
 「訪日経験がある」との回答は韓国で49.2%と半数近くにもなった。
 日本メディアの認知度(複数回答)でも韓国がNHK76.5%、各新聞社が70.6%と突出して高く、「知っているものはない」は6.8%にとどまった。
 日本に対する関心の強さをうかがわせる数字だ。

 韓国人観光客が日本に向かう最大の理由は、何と言っても物理的に近いことが挙げられる。
 ソウル〜羽田間は空路2時間20分。
 大阪(関西国際空港)までなら1時間50分だ。
 高速フェリーでも釜山〜福岡間は3時間弱で結ばれる。
 1泊2日や2泊3日の国内旅行並みの手軽さで外国に行けるのは大きな魅力になる。

 さらに、アニメなどに代表される日本の文化も韓国に多く流入。
 国内に根強い「反日感情」をよそに、日本に親しみを覚える若者も増えつつある。
 観光立国を目指す日本側の受け入れ態勢の整備も進み、駅などで英語、中国語と並んでハングル表記の案内を見かけることも珍しくなくなった。

 ソウル新聞によると、インターネット旅行大手「インターパークツアー」が、5月に販売した6〜9月出発の海外航空券の中で最も人気の高い旅行地は大阪。
 大阪は前年同期にも人気ナンバーワンの旅行先だった。
 最近の韓国では旅行先を決める際、多くの人々が訪れる場所よりも一風変わった場所を選ぶ傾向が強くなっているという。
』






【2016 異態の国家:明日への展望】


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2016年6月7日火曜日

ピークを過ぎた中国経済の行方(3):製造業はどうすれば生き残れる? 空洞化がリスクに

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『
サーチナニュース 2016-05-30 07:11
http://news.searchina.net/id/1610833?page=1

高コストが競争力を粉砕、
中国は雇用を奪う側から「奪われる側」に?

 中国は世界の工場として世界中に安価な製品を大量に供給してきた。
 数多くのメーカーが中国に生産拠点を置いたことから、一部では「中国が自国の雇用を奪っている」という批判も見られたが、その中国も近いうちに「雇用を奪われる側」になりそうだ。

 中国メディアの中国新聞網はこのほど、人件費高騰による中国製造業の競争力低下について解説する記事を掲載し、大手通信機器メーカーである華為技術(ファーウェイ)や世界最大の電子機器受託生産(EMS)企業であるフォックスコンといった企業も中国からの逃げ出す可能性があると報じた。

 記事は、中国の家電メーカー創業者の言葉を引用し、「製造コストの高さが競争力を粉砕する」と伝え、製造コストは製品の競争力を決める大きな要因であることを指摘。
 今まで中国は人件費の安さを武器に、世界の工場としての地位を確立し、経済成長につなげてきた。
 しかし高騰を続ける人件費がメーカーの経営すら圧迫するようになっている。

 報道によれば、
 2015年におけるベトナム人の平均月収は149.9ドル(約1万6500円)だったが、中国人の平均月収は325.6ドル(約3万5900円)となり、
 もはや中国で生産する最大のメリットはほとんど失われてしまった状況だ。

 このような状況下で、日本メーカーは自国へ引き上げるか、もしくは東南アジアなどの人件費の安い地域へ移転し始めているが、中国メーカーでさえも自国を離れてインドなどへの移転を始めている。
 中国にとって製造業は莫大な雇用の受け皿だが、フォックスコンはすでに労働者をロボットに置き換え始めている。
』

『
サーチナニュース 2016-06-04 07:21
http://news.searchina.net/id/1611333?page=1

何が違うんだ!
日本に老舗企業が多く、
中国にほとんど存在しない理由

 日本には創業100年を超える老舗企業が多いことで有名だが、悠久の歴史を誇る中国は老舗企業が非常に少ない。
 中国メディアの経済日報はこのほど、
 「中国企業の平均寿命はなぜ短いのか?」
と題して、日本と中国の企業にはどこに差があるのかを分析する記事を掲載した。

 まず記事は、
★.日本の中小企業と大企業の企業寿命はそれぞれ、「12.5年」と「58年」
であるのに比べて、
★.中国はそれぞれ「3.7年」と「7-9年」
だと紹介、その差が歴然としていると指摘した。

 その理由として、中国の起業家には「先天的な劣勢と不足がある」と主張。
 つまり、
★.教育水準が日本と比べて低いことや、
★.起業教育が充実している日本と比べると、中国の教育は遅れているため
なのだという。
 そのうえで、中国の起業家には、「起業家精神」が欠落しており、
★.一夜にして大儲けしたいと企むので、事業が長続きしない
のだとした。

 また、別の理由として記事は「成長能力の欠如」を挙げた。
★.中国の起業家は、飲食、卸売、小売業、ローエンド消費品の製造など、
 比較的容易に始められる業種に偏っており、製品とサービスの付加価値も低いため、激しい競争と需要の変化に対応できず、長続きしないのだと指摘。
 さらには
★.長期的な発展計画の欠如、
★.人材育成やサービス、
★.品質の向上、
★.顧客管理を重視しないこと
なども関係していると論じた。

 長い歴史を誇る中国で、老舗企業がほとんど存在しないというのはむしろ驚くべきことだが、中国の近代史を考えるとやむを得ないことではある。
 一方の日本は、規模の小さな老舗企業が数多く存在するというのは、法整備などの条件に加えて老舗企業のたゆまぬ努力の賜物であると言えるだろう。
』
 中国は共産党が支配する国営企業群であろう。
 民間企業というのは解放改革以降のことで、それ以前は取るに足らないものであったはずだ。
 少なくとも文化大革命で民間のそこそこの企業(そういうものがあったとしたら)はすべて潰されたはずである。
 よって民間企業とはその後の形態ではないのだろうか。
 ここで掲げている理由はどうもピントが狂っているような気がしてならない。

『
サーチナニュース 2016-06-06 11:26
http://biz.searchina.net/id/1611397?page=1

ついにこの時が・・・米国で実感、
中国の世界の工場「失われつつある地位」

 世界の工場として知られた中国だが、その地位は徐々に失われつつある。
 中国政府は製造業の高度化に向けた戦略を打ち出したが、中国に進出していたグローバルメーカーは生産拠点を続々と東南アジアへと移転させており、仕事を失ってしまった労働者も少なくない。

 中国から生産拠点を移す動きが相次いでいるのは、人件費の上昇を背景とした生産コストの上昇だ。
 一部分析によれば、中国での生産コストはもはや米国国内の生産コストとほぼ同等にまで上昇しており、米国の大手メーカーなどは人件費の安いベトナムなどへ工場を移転させているのだ。
 中国メディアの騰訊はこのほど、米国在住の中国人記者の見解として、
 「メード・イン・チャイナがいよいよ、
 メード・イン・ベトナムに取って代わられつつあることを実感する」
と伝えている。

 記事はまず、数年前であれば米国人の一般家庭には多くの中国製品が存在したことを指摘する一方、近年は「ベトナム製」の製品が急増し、「米国ではよく見かける存在になった」と紹介。
 中国政府が製造業の高度化に向けた戦略を打ち出したばかりだが、
 高度化を実現する前に、もはや世界の工場としての地位を失いつつある現状
を伝えた。

 続けて、ベトナムは人件費が安いにもかかわらず、ベトナム人は仕事の飲み込みも速く、米国の大手スポーツ品メーカーもベトナムで人気シューズを生産していると指摘。
 中国の製造業にとって問題なのは、服飾工場のように労働集約型の工場のみならず、ベトナムには電気製品など技術集約型の工場も数多く移転しているという点だ指摘し、サムスンやLG、マイクロソフト、フォックスコンなどがすでにベトナムに工場を移転させていることを指摘した。

 さらに記事は、これまで製造業の分野では「チャイナ・プラス・ワン」戦略が中心だったとしながらも、近年は「ノット・チャイナ(not China)」へと移行していると指摘し、
 その理由は中国における人件費の上昇、ベトナムがTPPに参加していること、さらにはベトナムの外資誘致政策によるものだと紹介し、
 中国で製造業以外の産業が本格的に育ち、
 製造業の高度化が実現する前に、
 中国からは工場が続々と撤退している
ことを伝えている。
』

『
サーチナニュース 2016-06-07 06:32
http://biz.searchina.net/id/1611456?page=1

失うコストメリッ
'・・・中国製造業はどうすれば生き残れるの?

 中国発の世界的不況の発生が一部で噂(うわさ)されるなか、今後数年は中国企業にとって生き残りをかけた厳しい時代となるかもしれない。
 中国メディアの捜狐は中国の人件費が上昇するなかで、中国製造業はどうすれば生き残ることができるのかを考察した。

 現在の中国で人件費が上昇しているのは周知のとおりだ。
 中国製品といえば「安さ」が最大の特徴であり、その安さを武器に世界中に販売されてきた
 また、中国は外資誘致のための各種インフラを整備したことで、メーカーは中国で生産することでコストメリットを十分に享受できた。
 だが、人件費をはじめとする各種コストの上昇によってこうした状況は大きく変化してきている。

 中国に工場を建設し、中国で生産を行ってきたグローバルメーカーは続々と東南アジアへ工場を移転させている。
 今後、中国の製造業はいかにして生き残っていくべきなのだろうか。

 記事は、中国より人件費の高い国において、製造業がどのようにして経営を維持しているのかを考察。
 まず例として挙げたのはドイツだ。
★.ドイツ国内の人件費は中国とは比較にならないほど高いため、労働集約型の企業は人件費の安い東南アジア諸国に工場を作って競争力を維持していると紹介。
 一方、ドイツでは高品質な製品を作る職人は「マイスター」と呼ばれ、社会的地位も非常に高い。
 ドイツに限ったことではないが、労働集約型の業種においてはコストが競争優位に結びつくため、人件費の安い国で生産を行う一方で、高品質で高い技術力が求められる製品はドイツ国内で生産している。
 だが、中国には「マイスター」のように高い技術力をもとに高い付加価値を持つ製品を作れる人は少数派だ。
 中国の製造業の現場では、そうした人材が活躍する場が少なかったためだ。

 一方、競争力を確保するための要素は価格や品質だけではない。
 ブランド力も重要な要素だ。記事は、スペインの一部の衣料メーカーが、フランスで製造することによって「フランス製」の製品として顧客を引き付けていることを紹介。
 確かに衣料品にフランス製のタグが付いていれば、それだけで魅力的に感じる消費者は少なくない。
 中国製というタグから受ける印象とは大違いだが、現在の中国製には「ブランド」もないことが分かる。

 現在、中国製品のなかで、価格が上昇しても購入したいと思う製品がどれだけ存在するだろうか。
 中国製のタグに魅力がないため、現在は「メード・イン・PRC」と表記するケースも増えつつある。
 PRCとは中国の正式名称の頭文字を取った表現であり、米国をUSAと表記するのと同じ考え方だ。
 メード・イン・チャイナのブランド力の低さに対する苦肉の策とも言えるが、ブランドの構築には非常に長い年月がかかる。

 中国政府は現在、中国製造業の高度化に向けた取り組みを開始したが、一朝一夕で高度化が実現するものではなく、メーカーの撤退は今後も続くだろう。
 中国企業は東南アジアなどへ工場を移転させることで生き残れるかもしれないが、
 中国国内の労働者は生き残れない可能性が高そうだ。
』

『
サーチナニュース 2016-06-08 07:29
http://news.searchina.net/id/1611558?page=1

人件費の上昇が止まらない!
日本企業が中国から続々とベトナムへ

 中国メディアの中国青年網はこのほど、英国メディアが報じた内容として、中国国内における人件費の高騰を理由に、多くの日本企業がベトナムに工場を移転させていると伝えた。

 記事は英フィナンシャル・タイムズの報道を引用し、日本企業が12億ドルを投資してベトナムのハイフォンにコンテナ埠頭を建設中であると紹介。
 コンテナ埠頭は2018年からの運営を予定しており、その際にはハノイ付近の電子製品を処理する港湾能力は現在の2倍になると説明。
 記事は日本企業の決定には多くの日本企業が中国南部の工場を閉鎖してコストの安いベトナムに移転していることにも関係していると説明した。

 続けて、日本企業の関係者が「100%の確率でベトナムは発展する」と述べたことを紹介し、
 日本による東南アジアへの直接投資は2015年に200億ドルを超えたことを紹介、
 3年連続で中国と香港への直接投資を上回ったことを紹介した。

 さらに記事は日本貿易振興機構(JETRO)の調査を紹介、
 中国で業務拡大意向のある日系企業の比率は1998年からの調査開始以来初めて「40%以下」にまで下落した
と説明。
 またIHSグローバルインサイトのあるアナリストは
 「中国の人件費上昇は、世界のサプライチェーンにおける東南アジアの役割を変えた」
と指摘、さらに
 「とりわけベトナムは電子製造業の中枢となり、
 ベトナムのマクロ経済の未来図を徹底的に変化させている」
と説明した。

 2015年10月から11月にかけて行われたJETROの調査によれば、在中国日系企業の今後1年から2年の事業展開の方向性において「拡大」と回答したのは38.1%にとどまり、現状維持は51.3%、縮小は8.8%となった。
 さらに第三国等への移転あるいは撤退は1.7%だった。
 経営上の問題点(複数回答可)のトップは従業員の賃金上昇であり、なんと84.3%に達した。
 確かに在中国日系企業にとって中国の賃金上昇は活動拠点をベトナムへ移す大きな要因となっているようだ。

 また、みずほ総合研究所の最近の調査でも、ベトナムは中国からの移転先としての最有力候補に挙げられている。
 同調査は資本金1000万円以上の製造業企業を対象に1100社から回答を得たものであり、
 中国がいよいよ「世界の工場」としての地位を手放す時が近づいている
ことが分かる。
』

『
BRIDGE配信日時:2016年6月9日(木) 4時0分
http://www.recordchina.co.jp/a140733.html

中国経済の減速とは真逆、
国有企業の賃金上昇率、15年は14%に―中国

 中国経済の減速とは対照的に、中国の労働者の賃金は急激な上昇を遂げている。

 鳳凰網が米ブルームバーグの指摘として2日付で報じたもので、取り上げられているのは中国国家統計局が先月発表した2015年の非私営単位(国有企業や行政機関、国のコントロール下にある株式会社など)の賃金上昇率。

 都市部の平均年収は6万2029元(約103万円)に達し、前年からの成長率は14年の9.5%を上回る10.1%を記録した。
 中でも国有企業は14%増と14年の実績(8.8%)を約5ポイント超過。政府が製造・建築業からそれ以外の分野へと経済の重心転換を図る中、賃金引上げによってレジャーなどへの支出を促す狙いがあるとみられている。
』

『
サーチナニュース 2016-06-10 07:11
http://news.searchina.net/id/1611711?page=1

産業の空洞化がリスクに、
中国は製造業の高度化を実現できるか

 中国メディアの未来網はこのほど、かつて「メード・イン・チャイナ」が有していた市場統治力が、廉価な労働力や資源コストを誇る「メイド・イン・ASEAN」に移りつつあるとする記事を掲載した。

 記事は米国の大手スポーツ用品メーカーやイタリアの高級ファッションブランドのOEMメーカーである東莞興昂鞋業が2016年初めに中国での生産を停止、生産拠点を東南アジアに移動させることを発表したことを紹介。
  またサムスンも一部のスマートフォンの生産をベトナムで行うことを発表したと紹介した。

 続けて、多くのメーカーが中国からASEAN諸国に生産拠点を移動させている理由について、
★.中国の人件費が東南アジア諸国に比べて高いこと、
★.また高額な資金調達コストや
★.物流、電気、油などのコスト上昇なども「無視できない」原因である
と指摘した。
 こうした現象について中国のある大学教授は
 「伝統的な機械製造や紡績などの分野において、
 中国とASEANには間違いなく生産能力の競争が存在する」
と指摘している。

 また記事は業界関係者の見解を紹介、
 「東南アジアのいくつかの国は中国から生産能力を導入するだけではもはや満足せず、
 むしろ中国の人材や技術さえ導入して、メイド・イン・ASEANをグレードアップするための道具として利用する傾向がある」
と指摘。
 今後、中国国内では「産業の空洞化」が生じる可能性があると警戒感を示した。

 こうした事態への対策として、中国国内の製造業の構造転換と高度化を推し進めること、また中国とASEAN諸国の協調機構を悪性の競争が生じないように高度化することを記事は提案している。
 記事はこれを「ダブル・グレードアップ」と呼んでおり、
 中国が産業の空洞化を回避するために「避けては通れない道」である
という見方を示した。

 産業の空洞化とは、国内企業の生産拠点が海外に移転することにより、その分野における国内産業が衰退していく現象のことだ。
 安価な労働力を誇る中国の台頭により、1990年代の日本においても同問題が顕在化した。
 産業の空洞化が進むことによる問題としては、特定分野の産業が衰退することにより地域経済が衰退することや経済成長率の低下を招くこと、また国内の雇用機会の減少などがある。
 中国は製造業の高度化が実現する前に産業の空洞化が進むリスクに直面している。
』

『
サーチナニュース 2016-06-17 07:09
http://news.searchina.net/id/1612202?page=1

中国製造業、
高度化を実現する前に「始まってしまった空洞化」=中国報道

 中国政府は2015年5月19日、中国製造業の高度化に向けて「中国製造2025」計画を発表した。
 2025年までに達成すべきロードマップを示した計画であり、中国は「製造強国」への仲間入りを狙っている。

 「中国製造2025」における製造強国とはイノベーションを背景に付加価値の高い製品を生産できる製造業を指すが、中国が「中国製造2025」を打ち出したのはコストメリットを強みとした世界の工場としての地位が危うくなっているためだ。

 中国メディアの中国投資咨詢網はこのほど、中国国内における人件費の高騰などを背景に、多くのメーカーが中国撤退を余儀なくされていると伝えている。

 記事は、中国国内の製造業の集積地ではすでに
 「多くの工場が静まり返り、物流トラックの数も減少してきている」
と指摘し、日本の各メーカーをはじめとする外資メーカーが中国撤退を進めているのは
 「すでに聞き慣れたニュースになった」
と指摘。

 さらに米アップルのスマートフォン「iPhone」の組み立てを行っているフォックスコンも中国からインドへと工場を移転させる可能性が浮上していることを紹介したうえで、フォックスコンがすべての生産ラインをインドに移転させた場合、「100万人規模で失業者が出る」と警戒感を示した。

 また記事は、中国でも多くの製造業が集まる深セン市を例に
 「すでに多くの住宅用マンションが建設され、工業用地が足りない状況となっている」
と指摘し、土地不足は地価上昇につながり、企業の賃料に関する負担も増加していると指摘し、
 「ベンチャー企業や中小企業にとっては到底負担できないコスト水準だ」
とした。

 さらに、中国では人件費だけでなく、土地の賃料高騰も製造業の発展を阻害していると指摘したうえで、
 「中国の製造業は中国人が想像しているほど競争力のあるものではなく、
 高度化を実現する前にすでに空洞化が始まっている」
と危機感を示した。
』

『
サーチナニュース 2016-06-17 10:29
http://news.searchina.net/id/1612227?page=1

「物真似」ばかり中国企業、
日本企業の真のイノベーションに勝てない=中国

 中国メディアの捜狐は15日、中国が
 「失われた20年」というフレーズを唱え日本を嘲笑するのは間違っている
と説明する記事を掲載、日本企業のイノベーションを決して見下してはならないという見方を示している。

 日本の経済成長停滞を表すために「失われた20年」というフレーズがよく使われるが、記事は
  「日本の失われた20年というが、
 ではなぜ中国のイノベーションは日本のイノベーションを追い越すことができていないのか?」
という質問を投げかけた。

 この問いの答えを得る前に、記事は日本のイノベーションの質とその強さに言及。
 「例え市場がどれほど良い状況でも、
 もし基幹技術がなければ必ず淘汰されることを日本企業は知っている」
と説明。
 こうした
★.「イノベーションが生き残りの唯一の方策」である
とする「緊迫感と危機意識」が、
 失われた20年と呼ばれる経済停滞のなかでも日本がイノベーションの強さを失わなかった要因
であるという見方を示した。

 一方、中国の場合は
 「市場潜在力が巨大なため、拿来主義のイノベーションでも企業は利潤を得ることができる」
と説明。
 しかし「ただ惜しいことに」と記事は前置きし、続けて
 「中国企業の基幹技術は少ない、あるいは全くない」
と指摘した。
 拿来」とは中国語で「持ってくる」という意味で、
 拿来主義とはつまり「パクリ主義」、「コピー主義」という意味になる。

★.基幹技術を持たなければ生き残ることができない日本の市場と、
★.いわば「物真似」イノベーションでも生き残ることのできる中国の巨大市場。
 こうした市場環境の違いが、日本企業と中国企業のイノベーションの質に決定的な違いを生じさせている。
 結論として記事は、
 基幹技術の欠けた中国企業のイノベーションでは「永遠に日本を追い越せない」
と指摘した。

 環境が能力に及ぼす影響力は、企業の場合にもまた個人の場合にも決して軽視できない。
 環境は人や企業の能力を飛躍的に向上させることもあれば衰えさせてしまうこともある非常に強力な要因の1つだ。
 巨大な潜在力をもつ中国市場という環境で自己満足している限り、中国企業が世界をリードするイノベーションを生み出すことはできないだろう。
 こうした市場環境や企業意識の違いが、
 トムソン・ロイターの「Top100 グローバル・イノベーター2015」に40社の日本企業が選出されており、
 一方で中国企業は1社も選出されていない点にあらわれているのかもしれない。
』

『
サーチナニュース 2016-06-17 11:03
http://news.searchina.net/id/1612230?page=1

科学技術大国・日本から学んだ!
 「パクリは必ず通るべき道」だったのだ=中国メディア

 中国メディア・光明網は15日、資源に乏しく国土の小さな日本が世界に名を轟かせる科学技術大国へと成長していった過程について、
 「わが国に対して少なくとも3つの方面における啓示が存在する」
と論じた記事を掲載した。

 記事は
★.1つ目の啓示として
 「一国が大国として台頭し、その地位を保持するための原動力は、自然資源ではなく、主に科学技術能力である」点を挙げた。
 これまでの
 中国の急成長は効率の悪い資源の大量消費、物的な資本投入によって実現したもの
であり、それゆえ立ち行かなくなるような問題が日増しに顕著になったと説明。
 加えて、人口の多さを考慮すれば1人あたりの資源量は極めて低いことを指摘し、「平和的な台頭を実現するには、十数億の国民によるイノベーションの潜在力を十分に発揮させなければならない」と論じた。

★.2つ目の啓示は
 「模倣はオリジナルの技術力を高めるうえで必ず通るべき道」。
 日本もかつては劣悪なパクリ品の代名詞となっていたと説明し、中国もこれまで積んできた模倣の経験をオリジナル技術へと転化する段階に入っているとした。
 一方で、なおも「原始的なイノベーション段階」にも入っていないのが現状であり、産・学・研が団結して技術革新への取り組みを強化しなければならないと指摘している。

★.3つ目は、
 「技術革新が起こりやすい制度的環境や社会文化を育むこと」であるとした。
 その要素として、
 知財権保護制度の充実、
 人材資源を恒久的に生み出せる教育体系の整備、
 各種基礎研究・技術研究などに対する政策的支援の強化、
 全国民がイノベーションに取り組もうとする社会ムードづくり
の4点を示している。

 中国はこれまで、スケールの大きさに物を言わせて急成長を遂げ、大国としての存在感を増してきた。
 しかしそのやり方には限界が見えはじめ、スケールだけに頼らない、質や効率をも重視した発展モデルへの転換を図ろうとしているのが現状だ。
 記事が示した啓示の3つ目が実は一番重要であり、しかもそこに掲げられた要素の4つ目、すなわち「全国民がイノベーションに取り組もうとする社会ムードづくり」が成否を大きく占うように思える。

 国や行政が号令を掛けるのは簡単だ。
 一方で、従事者や一般市民を「その気にさせる」のは難しい。
 一たび彼らをその気にさせてしまえば、あとはトップが上手く舵取りをしていくことで、イノベーション社会に向けた動きは確固たる流れと変わっていくのである。
 どうやってその気にさせるか。
 やはりそうすることでメリットや利益が享受できる仕組みを作っていくことだろう。
』

『
サーチナニュース 2016-06-17 11:54
http://biz.searchina.net/id/1612240?page=1

ボールペンのペン先が映し出す現実
「中国は製造強国ではない」

 中国はボールペンの生産大国だ。
 年間で約400億本ものボールペンを製造しているが、ペン先のボールを生産することができず、輸入に頼っているのが現状だという。
 中国は製造業の高度化を掲げ、技術力とイノベーション力の向上を目指しているが、なぜボールペンのペン先のボールを生産できないのだろうか。

 中国メディアのeburnはこのほど、中国は世界的に見ても工業大国であることは間違いないと主張する一方、中国国内に存在する約3000ものボールペン生産工場ではボールペンのペン先を生産できずにいると指摘し、ボールペンという身近な存在であっても「核となる技術や製品については輸入に頼らざるをえないのが現実」と論じた。

 記事は、ボールペンのペン先にある球体の部品について、
 「インクをなめらかに出すための技術は特殊」であり、その技術は日本とスイスの両国が独占
しているのが現状と主張。
 中国国内の一部企業はスイス企業の生産設備が導入しているとしながらも、同設備では
 原材料に対する要求水準も厳格で、中国国内で生産される原材料では「使い物にならない」
と指摘した。

 続けて、ボールペンのペン先という極小の部品が映し出すのは「中国は製造強国ではない」という現実であるとし、鉄鋼をはじめ、
★.「生産量」ベースでは世界の大半を占める中国だが、
★.「価値のある技術や材料については生産できず、他国の制限下にあるのが現実」
と論じた。

 経済を成長させるうえでは、イノベーションが必要不可欠であり、中国も製造業の高度化に向けてイノベーションを生み出す仕組みづくりを掲げている。
 ボールペンのペン先についても、中国国内で自ら生産できるようになるにはイノベーションが必要だ。
 だが記事は、中国では知的財産権の保護が不十分であり、模倣も多く、企業にとってはイノベーションに向けて多額のコストをかけて研究開発を行う動機が不足しているのが現状であることを指摘している。
』

『
サーチナニュース 2016-06-19 22:19
http://news.searchina.net/id/1612327?page=1

わが製造業は将来が見えない、
競争力が劣るメーカーは淘汰=中国

 世界の工場として名を馳せた中国の製造業だが、近年は中国から工場を移転させるメーカーが相次いでる。
  人件費をはじめとするコストが上昇し、中国で生産することのメリットが薄れてしまったためだ。

 中国メディアの金融界はこのほど、
 「中国製造業は将来が見えない状況」にある
と主張する一方、製造業こそ国家の隆盛に関わる産業であると主張した。

 記事は、国の隆盛における基礎は不動産業ではなく、製造業であると指摘し、
 「中国の不動産業界がどれだけ発展しても、ぼっ興に向けた中国の夢が叶うことはない」
と指摘。
 それにもかかわらず、中国では多額の資金が不動産市場に流れ込み、土地を含めた不動産価格が高騰、賃料も上昇したことでメーカーの経営を圧迫するようになったと指摘した。

 さらに、中国の製造業者は近年、
 「生き残ることすら難しい」状況に追い込まれており、
破産や倒産したメーカーは数知れないと指摘。
 特に質の低い製品しか作れないメーカーや、納期どおりに製品を納品できなかったメーカーなど、市場での競争力が劣るメーカーが淘汰されていることを指摘し、
 「中国製造業は将来が見えない状況」にある
と論じた。

 一方で、中国の製造業でもITを活用する動きが加速しており、一部でめざましい成果を挙げるメーカーも現れていることを指摘しつつ、
 「不動産で国を豊かにすることはできず、世界の強国になるためには製造業を強化する必要がある」
と主張。
 不動産をはじめとする投資に偏重する経済構造を調整し、製造業の強化に向けたさらなる取り組みが必要であると訴えた。
』

『
サーチナニュース 2016-06-22 11:22
http://biz.searchina.net/id/1612591?page=1

日本企業の対中投資が減少
・・・対中投資全体における日本の存在感も低下

 人件費をはじめとする各種コストの上昇に伴い、日本企業の対中投資が減少している。
 中国メディアの捜狐はこのほど、中国日本商会が20日に北京で「中国経済と日本企業 2016年白書」を発表したことを伝え、
 15年における日本の対中投資は前年比25.9%減
となったことを伝えた。

 記事は、対中投資の規模を国・地域別で見た場合、日本は14年の4位から5位に低下したことを伝え、金額のみならず、対中投資全体における日本の存在感も低下していることを指摘。

 また、日本貿易振興機構(JETRO)がまとめた報告書を引用し、対中投資が減少しているだけでなく、中国での業務を拡大しようと考える日本企業も減少していると伝え、対中投資のさらなる減少に警戒感を示した。

 一方で記事は、中国日本商会の関係者の話として
 「かつて中国を輸出の拠点として考えていた日本企業は現在、中国の消費市場の開拓が主要な業務」
となっていることを伝え、製造業以外の企業は中国国内での業務拡大に積極的だと指摘。
 輸出企業にとって中国の魅力は減少し続けているものの、中国の内需に魅力を感じる日本企業は増えていると伝えた。

 メーカーが中国で生産するメリットはほとんどなくなった今、
 今後も対中投資額は減少を続ける可能性が高い。
 だが、記事が指摘しているとおり、中国の内需を狙って中国に進出する非製造業は増えるだろう。
 サービス業などは投資額が製造業に比べて少額で済むため、対中投資の額で見れば減少するかもしれないが、件数で見れば今後は増加する可能性がある。
』

『
人民網日本語版 配信日時:2016年6月23日(木) 14時20分
http://www.recordchina.co.jp/a142624.html

日本の対中投資、戦略に変化も―中国メディア

 中国日本商会は20日、「中国経済と日本企業2016年白書」を発表した。
 在中国日系企業8894社を対象とした調査の結果を見ると、日本企業の対中戦略がターニングポイントを迎えており、日本の対中投資の重点に密かに変化が生じていることが分かる。
 人民網が伝えた。
 (文:倪月菊 中国社会科学院世界経済・政治研究所研究員)

 全体的に見ると、日本の2015年の対中投資は過去数年の減少傾向を引き継いだが、下げ幅はやや縮小した。
 累計金額を見ると、日本は依然として対中投資額が最多の国だ。
 未来の対中投資の意向を見ると、投資拡大を希望すると回答する企業は減少傾向を示しており、特にコスト探求型投資(輸出型投資)の減少傾向は明らかだが、市場探求型投資(国内販売型投資)は増加を示した。
 また、投資の現状維持を希望する企業も増え、第3国への移転を希望するとした企業は1.7%で2011年と同水準になった。
 投資分野を見ると、製造業以外への投資意向が強かった。
 製造業では、食品、省エネ、環境保護産業への投資に注目が集まった。
 サービス業では、卸売・小売、物流などの分野への投資拡大の意向が見られた。

 日本の対中投資の減少は、世界の経済情勢、中国の産業構造のモデルチェンジ・アップグレードなどと関連していることが分かる。
 世界の経済成長の原動力が乏しく、国際市場の需要が疲弊し、中国の輸出が大幅に減少し、世界経済の回復の先行きが不透明となっている。
 この状況下、いかなる企業も盲目的に投資を拡大できず、日本企業も例外ではない。
 「新常態」に入った中国経済は、モデルチェンジ・アップグレードの最中だ。
 人件費が高騰し、コスト探求型投資が維持できなくなっている。
 中国に進出した日本企業は必然的に投資を縮小し、さらには第3国に移転する。
 製造業以外の投資意向の拡大は、中国がサービス業の発展に力を入れ、中国の経済構造のモデルチェンジ・アップグレードを行っていることと関連している。

 全体的に見て、中国の巨大な市場、整ったインフラなどは、日本企業にとって依然として魅力的だ。
 そのため市場探求型投資が拡大もしくは現状維持を目指し、新たなチャンスを待ちわびる現状となっている。
 日本企業は依然として中国市場を十分に重視しており、機が熟せば、対中投資は回復・成長することだろう。

(提供/人民網日本語版・編集/YF)
』

『
サーチナニュース 2016-06-25 07:11
http://news.searchina.net/id/1612867?page=1

「してやられるぞ!」
日本企業の強靭さを決して見誤ってはいけない=中国

 バブル崩壊後の日本経済は「失われた20年」に突入したと言われる。
 そしてまだ経済成長が実現できていない以上、「失われた20年」からの脱却も実現できていないということになる。
 中国メディアの中国工業網は21日、もし「日本の失われた20年」という言葉を全面的に信じるなら、中国は日本に「してやられる」かもしれないと論じる記事を掲載した。

 中国には「迷魂陣村」と呼ばれる古戦場がある。
 山東省にあるこの村は迷路のような作りとなっているため、侵入した敵に方向感覚を失わせることができたと言われている。
 記事は日本の失われた20年という言葉はまるで「迷魂陣村」のように、中国人に日本経済の実力を見誤らせる働きがあると警戒心を示している。

 記事はまず、「失われた20年」にあるはずの日本だが、日本企業には「強靭さ」があると指摘。
 記事によればこの強靭さとは日本企業に宿るイノベーションの「独特の強さ」のことだ。
 強靭さの理由の1つは
★.「他人から失敗を指摘されればされるほど、
 イノベーションのための力が増強される」という日本人の態度
 にあると指摘。
★.日本企業は批判を糧に「改善する力」を持っている
と説明した。

 続けて、日本企業の強靭さのほかの要因として、中国のアナリストたちが「消費者イノベーション」と名付けた日本独特のイノベーション方法を指摘。
★.「消費者は神様」という考え方を基に、日本企業は消費者の要求を「ぴったり」実現させるイノベーションが非常に得意だ
と説明した。
 そのため
★.日本の消費者は非常に成熟しており、
 肥えた目を持つ日本市場で磨き上げられた製品は世界市場でも通用する製品になる。
 これが日本企業のイノベーションの独特の強さになっているという見方を示した。

 記事はこの強靭さは「製造業の真の競争力である」と説明しており、「日本の失われた20年」という言葉に惑わされるなら中国は日本に「してやられる」かもしれないと結論付けた。

 トムソン・ロイターの「Top100 グローバル・イノベーター2015」はその資料の中で「イノベーションは間違いなく世界経済を推進するための原動力」と説明している。
 記事は日本企業に宿るイノベーションの独特の強さが日本企業に強靭さを与えていると指摘しているが、当を得た分析だと言える。

 強靭であるということと単に硬いこととは全く意味が異なる。
 どれだけ硬い物でもより強い衝撃が加えれれば崩壊してしまう。
 しかし強靭さをもつものは硬さの中にしなやかさを兼ね備えているため、強い衝撃が加えられてもそれを吸収することができる。
 記事はこうした日本企業の強靭さを決して見誤ってはいけないと中国の読者に警告を発している。
』

『
サーチナニュース 2016-06-30 07:25
http://news.searchina.net/id/1613204?page=1

民間の技術力が低い中国製造業は宇宙開発事業を見倣え!=中国報道

 中国の新型運搬ロケット「長征7号」が25日、海南省にある衛星発射センターから発射され、打ち上げに成功した。
 中国の宇宙開発分野での実力が改めて証明されたと言えるが、浙江日報はこのほど
 「中国の製造業は宇宙開発に倣うべき」
と題して、中国製造業の問題点に関する記事を掲載した。

 記事はまず、今回の新型ロケットの打ち上げ成功で中国の宇宙開発は新しい時代に入ったと主張し、「中国の製造業も見倣うべき」と論じた。
 中国では国民の生活は飛躍的に向上したものの、製造業はいまだに遅れており、消費者の需要を満たせていないからだ。
 続けて、中国は宇宙事業を開拓する一方で、多くの中国人が米アップル製品を並んでまで購入し、日本では家電製品を爆買いするという現象ゆえに「製造業従事者にとっては大きなプレッシャーになっている」と論じた。

 では中国製造業にはどのような問題点があるのだろうか。
 記事はその1つとして、「市場経済に適応した研究体制が確立されていないこと」を挙げた。
 多くの企業には専門の研究所がなく、科学技術機構の成果は製品化ができないのが現実だという。
 2つ目は、中国は海外技術を導入して自主発展するという方法を取っているが、実際には消化吸収できておらず、常に遅れた技術を導入するという悪循環になっていると指摘した。

 さらに、日本のような産業チェーンを作るシステムが構築されていないと指摘、日本企業は得意分野に特化した分業が進んでおり、政府と企業、研究機関が協力して産業チェーンを構築しているが、中国にはそのような協調機関がないのだという。

 中国の製造業が進歩していることは間違いなく、60年にわたる宇宙開発事業とその成功は、中国製造業に対して自信を与えるものだ。
 だが、中国では国が主導する高速鉄道や原発、宇宙開発、航空機などの分野では高い技術力を持つが、民間の今なお技術力は低いのが現状だ。
』
 何か無理なことを無理に論じているような気分になる。
 これは消化不良を起こす内容だ。





【2016 異態の国家:明日への展望】


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2016年6月6日月曜日

「裏切りのオバマ」終末の大変身(5):強引さ増す中国、中立国も警戒心が、マレーシアそしてベトナム

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 相当前に
 「中国のバブル崩壊は2015年に始まる」
と、予言したのはソロスであった。
 その後を見てみると、それがいつのまにか
 「2014年中国バブル崩壊説」
になり、その年はなにもなく過ごして、メデイアは
 「中国のバブルは崩壊しない」
というヨイショにすり替わった。
 「2015年」がなぜ「2014年」に変化してしまったのだろう。
 2014年というのは唐突にでてきて、それが一般化した。
 ウソも言い続ければ本当になる、ということなのだろうか。
 一体、「2014年中国バブル崩壊説」というのは、誰が流したものだろう。
 ソロスの予言がいつも当たるわけではないが、この時はなぜ「2014崩壊」が巷にあふれたのであろうか、疑問に思っていた。
 いまの中国経済は誰が納得するほどに悪い。
 2015年の株式市場から始まった不安状況はしばらくは続くとみたほうがいいだろう。
 過剰生産と在庫、地方経済の債務、環境問題など、ど一つとってもまともなものはない。
 国内の視線をそらすために、南シナ海で揉め事を起こすという政策を実行しているが、そこまでしないといけないほどに悪くなっているということだろう。

『
読売新聞 6月6日(月)10時45分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160606-00050013-yom-int

強引さ増す中国、中立国も警戒…アジア安保会議



 【シンガポール=池田慶太、蒔田一彦】
 中国軍の孫建国・統合参謀部副参謀長は「アジア安全保障会議」最終日の5日、
 南シナ海問題を巡る常設仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)の判断を無視すると宣言
した。

 東南アジア諸国連合(ASEAN)では、この問題で中立の立場を保ってきたインドネシアなどが、強引さを増すその手法に警戒を強め、距離を置き始めている。

 「中国は紛争を平和的な話し合いで解決する知恵と忍耐がある」。
 孫氏は5日の演説で、野太い声を一段と張り上げた。
 3日間で15以上の国・機構と会談し、領有権問題は当事国で解決すべきだと説いて仲裁を無視する環境構築に奔走した孫氏。
 演説では、「平和的解決」を何度も強調した。

 だが、演説後の質疑応答では、「昨年も『行動で示す』と言ったはずだ」と、むしろ海域の緊張を高めてきた言行不一致への指摘も出た。
』

『
日本テレビ系(NNN) 6月5日(日)19時36分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20160605-00000034-nnn-int

アジア安保会議閉幕 中国に“焦り”も

 日本など各国の防衛トップらが参加した「アジア安全保障会議」が5日、閉幕した。中国は南シナ海の領有権をめぐって、仲裁裁判所の判断には従わないと強気の姿勢を示す一方で、国際社会の理解を得ようと活発な動きをみせた。

 最終日に演説した中国軍の高官は、フィリピンの申し立てに基づき国際的な司法機関である仲裁裁判所が審理している南シナ海の領有権問題について、いかなる判断も受け入れないと強調した。

 中国・孫建国副参謀長:
 「仲裁裁判所の審理はフィリピンの違法な要求に基づくものであり、(裁判所に)管轄権限はない」

 こうした強気の一方で、国際社会での世論作りにも余念がなかった。
 会議期間中には領有権をめぐって対立するベトナムも含め、15か国と二国間会談を行ったほか、各国の報道関係者には自らの主張を英語で記した冊子まで用意する周到ぶりだった。
 しかしアメリカは批判の手を緩めなかった。

 アメリカ・カーター国防長官:
 「海洋進出が続けば、中国は自らを孤立させる『万里の長城』を築きかねない」

 この発言に対して、中国はすぐさま「孤立はしていない」と反論した。

 仲裁裁判所の判断が近く出されるとの見通しの中、今回の会議は強気の一方で、国際社会の圧力を少しでもかわそうとする中国のいわば「焦り」のようなものが垣間見えるものとなった。
』

『
Record china 配信日時:2016年5月31日(火) 19時20分
http://www.recordchina.co.jp/a140194.html

米国防長官、中国を22回名指し批判
=中国反発「物語をでっち上げ、世界各地で敵を作り出している」―中国メディア

 2016年5月30日、中国外交部の華春瑩(ホア・チュンイン)報道官は定例記者会見で、カーター米国防長官が米海軍士官学校での演説で、中国の南シナ海での軍事拠点化を名指しで批判したことについて、
  「米側のある人は21世紀にいながら、頭だけは冷戦時から抜けていない。
 物語やニュースをでっち上げ、世界各地で敵を探し作り出している」
と述べた。
 新華社が伝えた。

 カーター米国防長官は演説で、
 「中国は拡張的で前例のない活動を南シナ海でしてきた」
 「自らを孤立に追いやる万里の長城を築くことになりかねない」
などと述べ、中国を22回にわたって名指しで批判した。 

 華報道官は
 「中国は米軍のある人が脚本を書き、監督したハリウッド大作に出演する気はない」
とした上で、米国に対し
 「中国と同じ方向に向かい、アジア太平洋地域の国々とともに、この地域の平和と安定、繁栄を促すよう希望する」
と述べた。
』
 22回も名指しで非難したということは、これまでのアメリカのスタンスからは考えられないことである。
 ということは、オバマ政権はその気になっているということでもある。
 アメリカは南シナ海に入ってくる可能性が相当おおきくなっているということでもある。
 ただ、あたらしい大統領がどういう動きをするかである。
 オバマはまちがいなく舵を切ったようである。

『
ロイター 2016年 06月 4日 21:23 JST

焦点:南シナ海で態度を硬化、
マレーシアは「親中国」返上か

[ミリ(マレーシア) 1日 ロイター] -
 マレーシアのサラワク州沖で3月、同国の沿岸警備艇が大型の船舶を確認した。
 乗組員たちは仰天した。
 その船が警告のサイレンを響かせながら、高速でこちらに突き進んできたからだ。
 その後、同船が針路を変えると、船腹に「中国海警局」の文字が刻まれているのが見えた。

 マレーシア海上法令執行庁(MMEA)の当局者によれば、油田で潤うミリ市沖合の南ルコニア礁付近では、以前にも中国海警局の艦艇が何度か目撃されている。
 だが、今回のように攻撃的な遭遇は初めてだという。
 「私たちからは、恐らくこちらをどう喝するために突進しようとしているように見えた」
とある当局者は言う。
 この人物は、公的に発言する資格はないものの、ロイターの取材に対して、これまでに報道されていなかった同事件を記録した動画を見せてくれた。

 この事件の他にも、同じ時期に当該海域に100隻ほどの中国漁船が現れたことに刺激されて、マレーシア国内の一部では、強大な隣国である中国に対し、従来は控えめだった批判を強めつつある。
 ある上級閣僚は、南シナ海で領有権をめぐる対立が起きている岩礁・島しょの周辺で中国が力を誇示しているなかで、マレーシアはこうした領海侵犯に対抗しなければならない、と話している。

 フィリピン、ベトナムなど、南シナ海での領有権紛争に関与している諸国は、以前から中国の強引な姿勢への警戒心を強めていた。
 米中間の対立も高まっており、この2つの大国は、年間約5兆ドル(約540兆円)もの貿易を支える重要な水路を軍事化しているという非難を応酬している。
 だがマレーシアの場合、中国との「特別な関係」を掲げ、また貿易と投資への依存度が高いため、従来、この地域での中国の活動に対する対応は、西側諸国の外交関係者から「控えめ」と表現される程度のものだった。

 サラワク州から50カイリも離れていないジェームズ礁で2013年・2014年の2回にわたって中国が実施した海軍演習についても、マレーシアは重要視しなかった。
 さらに2015年には、中国海警局の艦艇の武装船員による威嚇行為があったとしてミリ市のマレーシア漁民が懸念する声を挙げたが、おおむね無視された。

■<漁業紛争>

 ところが3月に多数の中国漁船が、領有権が争われている南沙(スプラトリー)諸島の南方にあり、豊かな漁場の広がる南ルコニア礁付近に侵入した際には、マレーシアは海軍艦艇を派遣し、中国大使を召喚して説明を求めるという異例の動きを見せた。
 中国外務省は、「関連の水域」において自国の漁船が通常の漁業活動を行っていただけであるとして、事態を重要視しなかった。

 わずか数週間後、マレーシアはミリ市の南にあるビントゥル付近に海軍の前進基地を設ける計画を発表した。
 マレーシアの国防相は、この基地にはヘリコプター、無人機、特殊部隊を配備し、過激派組織「イスラム国」に同調する勢力が自国の豊かな石油・天然ガス資産を攻撃する可能性に対処することが目的だと強調している。
 しかし、そうした勢力が拠点としているのは、北東方向に何百キロも離れたフィリピン南部だ。

 一部の当局者や有識者は、この基地の設置に関してもっと大きな要因となっているのは、サラワク州沖における中国の活動だと話している。
 「石油・天然ガス資産の安全保障を強化する場合、国家・非国家双方の脅威に対して防衛することになる。
 だから、国防相の発言にもいくばくかの説得力はある」
と語るのは、シンガポールの東南アジア研究所(ISEAS)で南シナ海問題を専門とするイアン・ストーリー(Ian Storey)氏。
 「だが、ダーイシュ(イスラム国の別称)対策が本来の動機だろうか。
 私にはそうは思えない」
とストーリー氏は言う。

 マレーシアの態度硬化を裏付けるように、上級閣僚の1人はロイターの取材に対し、
 「領海侵犯には断固たる行動を取らなければならない。
 さもなければリスクが容認されたことになってしまう」
と話している。
 デリケートな問題だけに匿名を希望しつつ、この閣僚は、3月にマレーシアが見せた対応と、その数日前に隣国インドネシアで起きた同様の事件との対比を強調した。
 「インドネシアの水域に侵入した中国漁船は、ただちに追い払われた。
 しかし中国の船舶がわが国の水域に侵入しても何も起きない」
とこの閣僚は言う。

 マレーシア議会では先月、副外相が他の東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国と同様にマレーシアも中国の主張する悪評高い「九段線」を認めていないことを繰り返した。
 中国は「九段線」を掲げて、南シナ海の90%以上の水域について自国の権利を主張している。

■<限られたオプション>

 MMEA当局者の説明する事件について、中国外務省は、中国・マレーシア両国は対話と協議を通じた海事紛争の処理について「高いレベルのコンセンサス」を共有している、と述べている。
 同省の華春瑩報道官は、「この件については引き続きマレーシアと緊密な連絡を取る予定だ」としている。

 マレーシア政府がさらに強硬な姿勢を取ることに及び腰なのは、マレーシアが中国に大きく依存していることからある程度説明できるかもしれない。
 中国はマレーシアにとって最大の輸出先であり、
 マレーシアはASEAN10カ国のなかで中国からの財・サービスの輸入が最も多い。
 また複数の中国国有企業は昨年、マレーシアの政府系投資ファンド1MDBから数十億ドル相当の資産を購入している。
 1MDBは債務超過に苦しんでおり、ナジブ首相にとって大きな悩みの種になっていた。

 マレーシアの国内問題への中国の影響力も、マレー人が多数を占める国家にとって常に懸念事項となっている。
 マレーシアの中国系住民は人口の約4分の1を数える。

 昨年9月、中国・マレーシア両国の外交関係に緊張が走った。
 マレー系住民によるデモに先立って駐マレーシア中国大使が首都クアラルンプールにあるチャイナタウンを訪れ、
 「中国系住民の権利に影響するような行動に対しては、中国政府は遠慮なく批判させてもらう」
と警告したのである。
 大使は召喚され、発言について説明を求められたが、中国外務省は大使を擁護している。

 マレーシアは、監視・防衛能力を強化する一方で、2002年に中国とASEAN諸国のあいだで調印された行動規範の履行を推進するなど、経済と安全保障のバランスを模索しつつ、さまざまな戦略を進めている。

 さらに注意を要する選択肢としては、米国との軍事提携の強化がある。
 ある政府高官はロイターに対し、
 「マレーシアは、中国政府を刺激しないようひそかにではあるが、情報収集に関する支援と沿岸警備能力の強化に向けて米国に打診を行っている」
と話した。

 前出のストーリー氏は、中国に対して強引な領有権の主張を控えるよう説得を試みるソフト外交と合わせて、米国との軍事提携の強化を確保する動きがあるかもしれないが、それでも問題解決は困難だろうと話す。
 「こうした戦略のどれも、大きな成功を収めているわけではない。
 だが他に何ができるだろうか」
とストーリー氏は言う。
 「この領有権をめぐる争いは非常に長引くだろう」

(Joseph Sipalan記者、翻訳:エァクレーレン)
』

『
ニューズウィーク 2016年6月2日(木)16時00分 ショーン・クリスピン
 

旧敵国ベトナムに塩を送る武器禁輸解除の真意

<ミャンマーの民主化を成果として誇るオバマが、
ベトナムでは人権問題に目をつぶって武器禁輸を解除したのは、
南シナ海での対中戦略を最優先したからだ> 

 オバマ米大統領は先週ベトナムを公式訪問し、現地の市民団体のメンバーと会談した。
 草の根の民主化活動家と、アメリカの連帯を示す象徴的な会談だったが、会場の半分は空席だった。
 数時間前、招待されていた参加者のうち3人が治安当局に身柄を拘束されていたのだ。

 その前日にオバマは、長年にわたり実施してきたベトナムに対する武器禁輸措置を完全に解除する方針を表明。
 中国が南シナ海の係争水域において戦略的立場を強める今、武器禁輸措置はこれまでになく重くベトナムにのしかかっていた。

【参考記事】南シナ海の中国を牽制するベトナム豪華クルーズの旅

 禁輸解除によって、かつて戦火を交えた両国が「イデオロギー上の相違」を水に流すことができたとオバマは主張した。
 だがこれでアメリカは、アジアで最も民主化が遅れていて、最も人権侵害が横行している国の1つに見返りを与えたことになる。

 オバマが共同会見を行ったクアン国家主席はつい最近まで、民主化運動の活動家らを弾圧し、投獄している公安省の大臣を務めていた人物だ。

 なぜオバマは、ベトナムの人権問題に譲歩したのか。
 今回の方針転換は南シナ海において攻撃性を強めている中国への牽制、という見方をオバマ自身は否定している。
 だがオバマの決断には、南シナ海で安全保障上の力学が急速に変化し、アメリカの優位性が脅かされている現状が織り込まれていることは確かだ。

【参考記事】ベトナムの港に大国が熱視線「海洋アジア」が中国を黙らせる

 ベトナムは軍備の大部分をロシアに依存しているが、アメリカの監視技術と装備があれば、中国に対する抑止力を大幅に向上させられるだろう。

■対タイ政策との矛盾も

 だがオバマの決断には明らかに、哨戒機などをベトナムに売り付ける以上の意図がある。
 今年は米大統領選が行われ、オバマはレームダック同然。
 イラクやアフガニスタン、シリアの紛争が一向に終結しないなかで、自らの外交政策の遺産を補強するため、アジアで功を成し遂げたがっているとの指摘もある。
 「アジア回帰」「リバランス」とも呼ばれるオバマの政策は、アジアを外交政策の中軸に据えることを目指していた。

 オバマ政権は、ミャンマー(ビルマ)で進行中の軍事政権から民主政権への移行をアジア回帰の誇るべき成果としている。
 一方、軍事独裁政権による抑圧が続くタイについては、毎年行ってきた多国間軍事演習への米軍の参加規模を縮小するなどの対抗措置を取っている。

 政治犯を100人以上収監し、反体制派を弾圧しているベトナム政府にオバマが折れたのは、政策の一貫性という点では矛盾して見える。
 タイの場合、民主化に逆行はしているものの、その軍事政権はベトナムの共産政権ほど抑圧的ではない。
 オバマはベトナムとの戦略的な関係を維持するため、最近新しく成立した政権に大幅に譲歩せざるを得なかったという見方もある。

 ベトナム戦争という不幸な歴史から、米政府の中にはベトナムとの関係正常化や貿易協定、戦略関係を追求するために、この国の人権侵害などを大目に見る者も多い。
 一般的には、オバマのベトナム訪問と武器禁輸措置解除を「過去に折り合いをつける歴史的な一歩」と歓迎する声が多いだろう。

 しかし、オバマがミャンマーに要求したのと同じレベルの民主化を政府に求めることを期待していたベトナムの若い世代は、ソーシャルメディア上に失望と諦めの言葉を書き込んでいる。
 それは、ベトナムに対するアメリカの関わり方について彼らがずっと抱いてきた感情だ。

From thediplomat.com
[2016年6月 7日号掲載]
』

『
サーチナニュース 2016-06-15 15:07
http://news.searchina.net/id/1612070?page=1

日本が「タイとわが国の仲を裂き、
両国の軍事交流阻止を画策」と批判=中国

 中谷元防衛相は7日、バンコクでタイのプラウィット国防相と南シナ海問題を中心議題として会談したが、中国メディアの環球網は11日付の記事で、日本は中国とタイの仲を裂き両国の軍事交流を阻止しようとしていると主張している。

 記事は、日本の一部メディアが「日本は中国とタイとの軍事交流を阻止しようとしている」と報道したことを紹介し、
 「タイは日本のP-1哨戒機とUS-2水陸両用飛行艇に関心があり、日本にはタイとの軍事協力を強化する意志がある」
と説明した。

 報道によれば、中谷元防衛相は7日の会談後に記者団に対してタイとの防衛装備品・技術移転について、いずれは協定を結ぶことが必要という見方を示している。
 また、中谷元防衛相とプラウィット国防相は今回の会談で自衛隊によるタイ軍の能力向上支援の点で合意した。

 また記事は、
 「日本が中国とタイの仲を裂き両国の軍事交流を阻止しようとしている」
と主張した別の根拠として、今回の会談で
 「日本とタイ両国が南シナ海における航行の自由と上空飛行の自由を保障することの必要性を確認した」
という点も指摘。
 記事はタイに対する日本側の一連の行動に対する強い警戒感を示している。

 2014年に生じたクーデターを機に米国はタイから距離を置いているため、中国はこの混乱に乗じてタイへの影響力を強めている。
 またタイも外交・安全保障面で中国に接近しているため、中国からすれば日本が「中国とタイの仲を裂く」行為と映るのだろう。
』

『
JB Press 2016.6.8(水)  末永 恵

アジアの橋頭保ベトナム、
強き外交に磨きかける
中国の海洋進出でラブコール送る米ロを巧みに差配

 「したたか」「二枚舌」「ズル賢い」――。

 (その国の人の)小柄で華奢でおとなしそうな外見とは裏腹に実は、大国・中国に、そう言わしめるほどの小国がアジアにある。
 したたかな朝貢外交を展開し、中国のみならず、米国、フランス、ロシアに至ってまで、「山椒は小粒でもピリリと辛い」と知らしめているのが、実はベトナムだ。
 1000年にもわたる中国の侵略や支配、約70年にも及ぶフランス下での植民地支配に屈せず、さらには20年続いた米国とのベトナム戦争、その後は中越戦争を経験した。

■何度も痛い目に遭わされてきた中国

 「China and Vietnam: The Politics of Asymmetry(中国とベトナム、その非対称な政治)」の著者で、米国における中国政治外交の専門家、ブラントリー・ウォマック博士は、
 「中国の力は、再三、ベトナムという岩の上で砕け散ってきた」
と言う。
 ベトナム戦争でロシア軍や米軍が置きざりにした戦闘車など、お古の兵器を駆使して中国に勝利してきたのである。

 ベトナムの強さの秘密は、
★.強靭な忍耐力と精神力に裏づけられたべトコン戦術の「硬」と、
★.朝貢外交で至れり尽くせりの「軟」を、
 1つのコインの裏表のようにして巧みに使い分けながら、超大国を翻弄させる戦略
にある。
 また、
★.戦争で1つの大国と戦う一方で、同時に別の大国を引き込むしたたかな戦術
も強さの秘訣と言える。
 ベトナム戦争では、中国と旧ソ連の超大国を激突させ、一方で米国との闘いのための後ろ盾として両国の支援を引き出した。
 日本などより、ずっと外交上手と認めざるを得ない。

 そんなベトナムが、日本の伊勢志摩開催のG7サミット(主要国首脳会議)では拡大会合で初デビュー。
 4月に就任以来、初来日を果たしたグエン・スアン・フック首相が安倍晋三首相と初の首脳会談で国際舞台で日越の蜜月を演出した。
 G7開催前には、米国のバラク・オバマ大統領がベトナムへの歴史的訪問を実現。

 約半世紀ぶりになる米国からの全面的な武器輸出解禁合意で、「昨日の敵は、今日の友となった」(チャン・ダイ・クアン国家主席)と、アジアの小国でありながら日越連携に続き「米越同舟」を巧みに演出、中国への牽制を国際社会にアピールした。

 共同声明には明確化されていないが、ベトナムは武器輸出解禁を条件に、米軍がベトナム戦争時、のちには2002年にロシア軍が撤退するまで使っていた東西冷戦時代の要衝で、長年閉鎖されていたカムラン湾への米海軍寄港を認めたとみられる。
 寄港とは言え、南シナ海軍事防衛の戦略的最重要拠点に米海軍が入る意味は大きい。
 中国と陸続きのベトナムは、南シナ海に面した南北に長い約3000キロの海岸線を持ち、多くの港湾を抱え、主要な海洋ルートの交差点にある。
 そのため、経済や安全保障などの観点から、米国の対中戦略において他の東南アジアの国より重要な拠点となり得る。

 さらに、対中強硬路線を敷いてきたフィリピン・アキノ大統領の後を継ぐドゥテルテ次期大統領の親中政策によって南シナ海での中国による軍事拠点化が進む可能性があることから、ベトナムの戦略的価値がこれまで以上に高まっている。

■中国、突然の石油掘削

 ベトナムは、冷戦期では旧ソ連が最大の支援国で、最大の貿易相手国であった。
 しかし、1991年の旧ソ連の崩壊後、かつての敵である中国、米国、フランスなどと国交回復するなど、全方位外交を敷いてきた。
 そんな中、ベトナムに全方位外交の限界を思い知らしめたのが2014年5月の中国の国際法違反と見られる一方的な石油掘削作業開始だった。

 これまで幾度もの中国の軍事的脅威に対し、軍事的直接対決を避け、海軍共同巡視や高官交流などで信頼醸成を築き、「南シナ海は防衛可能」と見ていたベトナムの希望的観測は見事に打ち砕かれた。
 言い換えれば、今後、これまでの全方位外交は修正が迫られる。

 特に、国内の経済システム改革と貿易相手国の拡大を図り、経済失速が顕著になっている中国への過度の経済的依存度を軽減する方策へシフトせざる得ない。
 多国との経済連携は安全保障の強化にもつながる。
 FTA(自由貿易協定)やTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)を推し進め、さらに米国や日本との外交軍事的連携強化とともに、対中政策でインドなどとの関係強化にも積極的に取り組んでいく必要がある。

 ベトナムは、最大の輸出相手国「米国」と慢性的な貿易赤字に悩まされる最大の輸入相手国「中国」に加え、保有する武器のほぼ100%を調達する最大の軍事武器供与大国「ロシア」という複雑な3大国の狭間に立ちながらも、ラストリゾート(最後の命綱)をこのいずれの超大国には依存しないことを固く誓っているからである。

 現に、カムラン湾には今回の米国との“密約”以前に、実はロシア、インドなどが使用している。
 特定の対中勢力に限定的にカムラン湾を使用させることを避けつつ、米国を巻き込むことで、中国との関係悪化を回避するしたたかな全方位外交が見てとれる。

 しかし、中国の軍事脅威が日増しに強くなっている状況では、ベトナムはかつてない難しい舵取りを迫られている。
 そのため、日本、インド、スリランカ、オーストラリアなど諸外国と包括的な連携を深めている。
 日本にとっても決して対岸の火事ではない。
 この連携が機能しなければアジア太平洋地域全体の発展や安定に影を落とす危険性がある。

■オバマ訪問の真の狙いはロシア対策

 さらに、今回のオバマ大統領の訪越ではメディアは「中国牽制報道」に終始していたが、実は訪越の最大の狙いは、対ロシア戦略にあることを忘れてはならない。
 ロシアはベトナムに武器や兵器を供与し続け、2015年からはカムラン湾でベトナムと共同訓練を実施するとともに、ロシア軍の戦略爆撃機などが同湾の基地を給油拠点とし、アジア太平洋地域で活動を活発化させている。
 ロシアの軍事的な関与拡大が明確になってきており、米国はベトナムに接近することで、ロシアを牽制する姿勢を鮮明にするという狙いがある。

 実は、4月に就任当時、ベトナムのグエン・スアン・フック首相は初めての外遊を伊勢志摩のG7サミットする予定だったと言われている。
 しかし、実際には、ロシアを初の外遊先に選んだ。
 オバマ大統領の訪越を睨んで、ロシアのプーチン大統領が5月19、20日に開催の「ロシア・アセアン(東南アジア諸国連合)首脳会議」(ロシア・ソチ)で初外遊するよう促したと見られている。

 ロシアでアセアンとの首脳会議が開かれるのは初めて。
 同首脳会議はロシアにとって、アジア地域で米中が覇権を争う中、同地域での「超大国」としての存在感を国際社会にアピールする絶好の機会だった。
 しかし、米国がこれを牽制、
 「フィリピンとマレーシアが米国から欠席を促され、結果的にフィリピン以外の9カ国の首脳が出席」(ロシア政府筋。ロシア・アセアン首脳会議では、今回、プーチン大統領に”忠誠を誇示”したマレーシアのナジブ首相が大統領にピタリと寄り添う姿が世界に配信された)。
 ベトナムはオバマ大統領の訪越、日本でのG7での安倍首相との初の首脳会談を前に、歴史的な友好国で、しかも中国が警戒するロシア訪問でその蜜月ぶりをアピールしたことになる。

 軍事だけでなく経済連携でも再び接近するロシアに仁義を切り、巧みな外交的バランスを取ったと言えるだろう。
 しかも、フック首相は他のアセアン首脳より一足先の16日にロシア入り。
 サミットに先立って、べトナム投資家による約30億ドル(約3250憶円)という大規模プロジェクトの巨大な牛乳加工工場建設の着工式典に出席している。
 アセアンの中でもロシアとの際立った親密ぶりを披露した。
 実は、アセアンの中でロシアの最大の貿易相手国がベトナムである。
 2015年の両国の貿易額は約28億ドル(約3100億円)。

■対中依存脱却、ロシアへ急接近

 さらに、ベトナムは、2015年5月、アセアンで初めて、ロシア、ベラルーシ、カザフスタンなどが加盟するユーラ シア経済連合(EEU)ともFTAを締結した。
 両国の2020年の貿易額は、2014年比で約3倍の100億ドル(約1兆1000億円)に達すると見込まれている。
 対中依存からの脱却、ロシアとの経済面での連携を拡大し、
 安全保障の基盤強化を急ピッチで進めている。

 今回の露越首脳会談の際、プーチン大統領が「ベトナムはロシアにとって、アジア太平洋地域での最重要のパートナー」と二国間関係の重要性を強調する一方、フック首相もチャン・ダイ・クアン国家主席からの伝言として、プーチン大統領にベトナムが主催国で2017年開催のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)に合わせ、ベトナムを公式訪問するよう招聘。

 ウクライナ問題で欧米から経済制裁を受けるロシアは、政治・経済両面で中国への依存を拡大させている一方、対アジア外交で戦略的な均衡を図ることが急務とされる。
 同じように中国への経済的依存が大きいベトナムとの関係強化をアピールすることで、ベトナムとの軍事経済的関係を図るオバマ政権に対抗する狙いもある。
 プーチン大統領としては、中国にエネルギー交渉で主導力を誇示される中、さらに軍事外交面でも“中国より劣勢”になることはどうしても避けたい。

 ベトナムを中心に アセアンへの武器輸出を通じて東南アジアへの関与を深め、ひいては南シナ海に進出拡大する中国や、それに対抗し軍備増強を進める米国に警戒させる思惑もある。
 ロシアはベトナム戦争時、戦車や戦闘機を北ベトナム軍に援助するなど、ベトナムが使用する武器や兵器のほぼ全量がロシア製だ。

 ベトナムの過去最大の武器購入も、昨年、総額で数十億ドルに上った6隻のロシア製潜水艦で、米軍の間では「ブラックホールズ」と総称される「キロ級潜水艦(ロシアの通常動力型潜水艦)」だ。
 潜水艦は弱者の兵器とよく言われる。
 海深くに潜んで、相手の艦隊に効率的にダメージを与えられるため、戦力に大きな開きがある場合には特に有効な兵器とされる。
 ベトナム戦争時代のベトコンの地下トンネルのイメージを思い浮かべてもいいかもしれない。

■兵器のほとんどがロシア製

 アセアンでは最強でも中国に比べれば圧倒的劣勢にあるベトナムにとって、中国を牽制するには最適な兵器であり、これをロシアから調達していることにも大きな意味がある。
 今回、ベトナムの人権問題など障壁があるにもかかわらず、米国がベトナムとの関係改善に踏み切ったのは、こうした背景もある。もちろん、米国の狙いは、東西冷戦時代の要塞で、今では南シナ海の要衝となった、カムラン湾にある。
 同湾から南沙(英語名スプラトリー)や西沙(同パラセ ル)の両諸島までの距離が、各々約600キロと近距離であることから、同湾を活用すれば、南シナ海の偵察・監視能力は大きく高まる。

 日本も4月、戦艦としては戦後初めて、海上自衛隊の護衛艦「せとぎり」と「ありあけ」をカムラン湾に派遣している。
 ベトナムにとって、南沙や西沙の両諸島など南シナ海の監視能力増強は緊急課題だ。
 昨年、ダナンに日本の海上自衛隊の対潜哨戒機「P-3C」が降り立ったとき、多くのベトナム軍人の関心を呼んだ。
 ベトナムは3月、カムラン湾に軍民共用の「カムラン国際港」を開港。原則、世界のどの国も活用できるが、どの国の寄港を許可するかは、ベトナム政府に選択権があり、戦略的な運用を目指す方向だ。

 その意味では、すでにカムラン湾に定期寄港している事実から、日本もTPPなどの経済的側面以外の安全保障面からもベトナムの期待を背負っているといっても過言ではないだろう。

 南シナ海情勢が、ベトナムや中国、さらにはアセアンや日米などが複雑に絡む段階に発展した今、全方位軍事外交の見直しが迫られるベトナムは、今後さらに難局に直面することが予想され、困難な舵取りが要求されるだろう。

 日本にとって経済、安全保障における戦略的パートナーのベトナムの存在は、その重要性が高まる一方である。
 それは、南シナ海をめぐる国家間の緊張が、予測不可能な新たな局面を迎えていることをも同時に示唆している。
』

『
Record china 配信日時:2016年6月10日(金) 22時0分
http://www.recordchina.co.jp/a140947.html

中国が「タブー」だったはずの題材でドラマを製作、
韓国メディアが驚き「米国を恐れなくなった」


●7日、朝鮮戦争を描いたテレビドラマが中国で放映されており、「中国の新たな外交姿勢を反映している」との見方が出ている

 2016年6月7日、米国への抵抗と北朝鮮への支援を描いたテレビドラマ「38線(38度線)」が中国で放映されているが、この中国初の朝鮮戦争を題材にしたドラマが韓国人の議論を呼んでいる。
 中国メディア・観察者網が伝えた。 

 韓国紙・中央日報は3日、「朝鮮戦争をドラマの題材にしないという不文律を中国が破った」と伝えた。
 米国を刺激するような行動を避けるため、これまでは中国では朝鮮戦争に関わるドラマの製作、放送はタブーとなっていたという。 

 従来の方針から一転して、朝鮮戦争を正面から扱うドラマが放送されたことについて、
 「これまでとは異なる、中国の新指導者の米国の顔色をうかがわない外交姿勢を反映している」
との見方が出ている。 

 ドラマ「38線」は、4月に雲南省と陝西省で先行放送された後、5月28日から北京市や遼寧省、安徽省でも次々に放送がスタート。
 衛星テレビで放送されているため、中国全土で視聴できる状態にある。
 北京市と遼寧省ではゴールデンタイムに放送されており、視聴率も高いという。 

 中国では1950〜60年代には朝鮮戦争を扱う映画がいくつかあったが、その後は制作されなかった。
 2000年に制作された「抗美戦争(抗米戦争)」は反対に遭い、翌年予定されていた上映は中止となったが、これは当時、同時多発テロ事件が起きたばかりで、米国を刺激することが懸念されたためだと中央日報は伝えている。
』

2016年6月4日土曜日

日本人の5人に4人は「中国に親しみを感じていない」(2):日本の対中感情、畏敬から「蔑視」に

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『
サーチナニュース 2016-06-04 13:35
http://news.searchina.net/id/1611338?page=1

日本の対中感情、
「畏敬の念」の喪失から「蔑視」に転じた理由=中国

 日本人の中国に対する好感度が過去最低を記録するなど、日本人の対中イメージは決して良好ではない。
 中国メディアの和訊網はこのほど、「日中相互のイメージ分析」と題して、
 「日本人から見た中国のイメージ」
について論じた。

 記事はまず、
★.近代中国に大きな影響を与えたのはロシア・米国と並んで日本である
のに対して、
★.近代日本に大きな影響を与えたのは中国ではなく米国だ
と指摘。
 日中間の互いに対する見方は複雑だと論じた。

 続いて、日本が中国に対して抱くイメージが変化してきた歴史に触れ、古代のように敬意と崇拝の念を抱き、全面的に中国に学んでいた時もあれば、明治維新以降のように軽視、蔑視に転じた時期もあるとした。
 そして90年代に入ってからは、中国経済の急成長に「嫌悪と恐怖」を持つようになったと説明。
 こうした尊敬から蔑視への変化、嫌悪と恐怖は日本が中国に対してのみ抱く特殊な感情だという。

 その理由について、強者を敬い弱者は蔑視する、弱肉強食の「日本の民族性」のためだとの意見が一部で存在するとする一方、決してそうではないと主張。
 むしろ中国側に問題があり、すでに相当の実力を持っていながら
★.「精神面および政治面」で日本人を納得させられていない
ことが原因であるとした。

 最後に、
★.日本は「仁、義、礼、孝」といった中国の伝統的な道徳価値観を高く評価している
のに対し、
★.「中国人は伝統的価値観に対する評価が極めて低いと思われている」
ことに悔しさをにじませながらも、「中国社会の道徳水準と民度を振り返ってみると反省せざるを得ない」と、改善の余地があることを認めた。

 日本の対中感情が大きく変化しているのは事実だろう。
 国交正常化直後の日中関係は「蜜月時代」にあった。
 中国は否定しているものの、中国が反日教育を開始したことで、徐々にその関係にも変化が生じてきた。
 また、定期的に中国で起きる反日デモも日本人の対中感情を悪化させた要因の1つと言えそうだ。
 中国も文明的で礼儀正しく、友好的で信頼できることを示せば、日本人の対中イメージは改善していくだろうが、その道のりは遠そうだ。
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2016年6月2日木曜日

現代奴隷事情:インド1840万人、中国本土340万人、パキスタン210万人、バングラデシュ153万人

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『
ロイター  2016年 06月 1日 16:29 JST
http://jp.reuters.com/article/modern-slavery-idJPKCN0YN3KJ?sp=true

世界で4600万人が「現代の奴隷」に、
インドが首位 
日本25位

[ロンドン 31日 トムソン・ロイター財団] -
 オーストラリアの人権団体は31日、「現代の奴隷」としての生活を余儀なくされている人が、世界中で約4600万人に上ると発表した。
 最も奴隷の数が多かったのはインドで、人口比率では北朝鮮が最も高かった。
 日本は数で25位、人口比率では41位だった。

 人権団体「ウォーク・フリー・ファンデーション」は3年前から、生まれながらにして奴隷状態にある人や性労働のため人身売買された人、強制労働者など、各国の奴隷状況や政府の取り組みを調査した報告書を発表している。

 167カ国を対象に、毎年ランダムにサンプルを抽出して推定値を引き出している。
 2016年版は25カ国、53の言語で、米世論調査会社ギャラップが約4万2000人に行ったインタビューに基づいている。

 それによると、奴隷の数は4580万人に上り、2014年の3580万人から増加。
 このように30%近く増加したことについて、同団体の設立者であるアンドリュー・フォレスト氏は、データ収集が改善したことを挙げた。
 そのうえで、難民などにより状況は悪化しており、あらゆる形態の奴隷リスクが高まっていることを懸念しているという。

 今年の報告書発表会で司会を務めた俳優ラッセル・クロウさんは
 「俳優として、ありのままの感情を表現することも自分の仕事のうちだが、今日発表された報告書にある人々の生活と比べられるものなど何もない。
 これを読んで受けたショックを放置してはいけない」
と語った。

 報告書によると、奴隷の数では
 インドが最も多く、推定1840万人。
 2番目に多いのは中国の同340万人。
 パキスタンが同210万人
でそれに続いた。

 全体の
 約58%は、インド、中国、パキスタン、バングラデシュ、ウズベキスタンの5カ国
で占められ、
 約15%がサハラ以南のアフリカ
で占められていた。

 人口比率で見ると、北朝鮮が最も高く、人口2500万人の4.4%、20人に1人が奴隷状態にあるという。
 そのほか、ウズベキスタンやカンボジアが高かった。

 また調査では、衣服や食料品などの世界的なサプライチェーンにおいて単純労働者の多いアジアは、奴隷状態にある全体人数の3分の2を占めていることが明らかとなった。

 対策を最も取らない国として挙げられたのは、
 北朝鮮、イラン、エリトリア、赤道ギニア、そして香港
だった。

 一方、最も対処している国には、オランダ、米国、英国、スウェーデン、オーストラリアが名を連ねた。

 欧州は奴隷が最も少ない地域だが、強制労働や性的搾取の源であり、目的地となっていたと、同人権団体は指摘。
 また、紛争や貧困から逃れる難民・移民の欧州への大量流入の影響はまだ分からないとしている。

 クロウさんは、奴隷はなくならない問題だと述べ、
 「解決するまで、われわれ皆が集中して取り組み続けるべきだと思う」
と語った。

 奴隷状態にある人が最も多い国トップ10は以下の通り。
 また、25位の日本は約29万人が奴隷状態とされており、約30万人のイエメン(24位)と約26万人のシリア(26位)に挟まれている。

1.インド
2.中国
3.パキスタン
4.バングラデシュ
5.ウズベキスタン

6.北朝鮮
7.ロシア
8.ナイジェリア
9.コンゴ民主共和国
10.インドネシア
』

『
Record china  配信日時:2016年6月1日(水) 20時30分
http://www.recordchina.co.jp/a140274.html

「現代の奴隷」中国は339万人、
インドに次ぐ多さ―米メディア

 2016年5月31日、世界各地で「現代の奴隷」状態に置かれている人の数は4500万人に上り、うち中国本土が339万人とインドに次いで2番目に多いことが分かった。
 米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えた。

 AFP通信が、奴隷状態の撲滅を目指す団体「ウオーク・フリー・ファウンデーション(WFF)」が発表した報告書「グローバル・スレイバリー・インデックス2016」を引用して伝えたもので、
★.「現代の奴隷」とは
 迫や暴力、強制、権力乱用、詐欺などによって自由を奪われ、搾取されている状態を指す。
 借金の形に漁船で労働させられたり、強制的に家事や売春をさせられたり、「児童兵士」として徴用されたりする例もある。

 調査は、167カ国の4万2000人を対象に53言語で面談を行った情報および各国政府の対応に基づいて推計した。

 国・地域別で奴隷の数が最も多かったのは
 インドで1835万人。
 以下、
 中国本土(339万人)、
 パキスタン(213万人)、
 バングラデシュ(153万人)、
 ウズベキスタン(123万人)
と続く。

 全人口に占める割合が最も多かったのは「北朝鮮で4.37%が奴隷状態」にある。

 米国在住の中国人権活動家、劉青(リウ・チン)氏は、中国の状況について
 「売春を行う女性や街頭の物乞いの背後に反社会勢力が存在する場合が多く、
 そうした人たちが現代の奴隷状態に置かれている」
と説明している。
』