●写真は中国が実効支配する南シナ海・西沙(パラセル)諸島の永興(ウッディー)島。
中国が苛立つのもわかる。
『
TBS系(JNN) 4月12日(火)12時56分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20160412-00000020-jnn-int
“南シナ海”言及のG7声明に 中国「強烈な不満」表明
広島で開かれていたG7=主要7か国外相会合で、南シナ海などの問題に言及した声明を発表したことについて、中国外務省は、
「G7は地域の矛盾を引き起こすべきではなく、強烈な不満を表明する」
とのコメントを発表しました。
G7では、海洋の安全保障に関する声明が発表され、中国の海洋進出を念頭に、東シナ海、南シナ海での「緊張を高める一方的な行動」に強い反対が表明されました。
これに対し、中国外務省の陸慷報道官は12日未明にコメントを発表し、
「G7はグローバル経済に焦点を当てるべきであり、海洋問題をあおり立て、地域の矛盾を引き起こすべきでない」
として、「強烈な不満」を表明しました。
そのうえでG7各国に対し、
「領土問題で特定の立場を取らないという約束を守り、一切の無責任な言動をやめるよう」
求めました。
中国外務省の反発を受け、菅官房長官は、
「声明は、G7それぞれの国の総意であり、中国を含むすべての国、関係国が真摯に受け止めることを期待をしている」
と述べました。(12日13:17)
』
『
レコードチャイナ 配信日時:2016年4月12日(火) 21時0分
http://www.recordchina.co.jp/a133103.html
G7外相会合の共同声明で中国けん制
=中国は外交部が抗議
2016年4月11日、先進7カ国(G7)外相会合は共同声明で「東シナ海、南シナ海の状況を懸念する」と明記。
「挑発的な一方的行動に強く反対」と強調している。
これは中国をけん制する狙いがあるとの見方が強く、中国からも反応が見られている。
中国外交部の陸慷(ルー・カン)報道官は11日の定例記者会見で、
「南シナ海問題における中国の立場ははっきりしており、一部の国が問題を起こしていることは同地域の平和を乱すことになる。
G7が引き続き国際社会で重要な役割を担って行きたいのなら、国際社会が注目する問題を偽りのない態度で対処する必要がある。
G7が利己的な一部の国にコントロールされることは、G7全体の影響力や役割、今後の発展にとっても決してプラスとはならないはずだ」
と批判した。
』
『
Record china 配信日時:配信日時:2016年4月13日(水) 22時0分
http://www.recordchina.co.jp/a133222.html
中国は「ならず者」、
米国は南シナ海で象徴的ジェスチャー超えた強固な行動を
―米上院軍事委員長
2016年4月12日、米上院軍事委員会のジョン・マケイン委員長は、英紙フィナンシャル・タイムズに寄稿し、
「米国は南シナ海で象徴的なジェスチャーを超えた強固な行動が必要だ」
と主張した。
米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えた。
フィリピンが進めてきた南シナ海の領有権問題に関する仲裁裁判の結果は6月初めまでに下される見通しだ。
マケイン委員長は
「中国は不利な判決の可能性に直面し、
既存の利益を確保したり、
人工島の増設や戦略的な場所の軍事化、
防空識別圏の設定
などを含む新しい形で、南シナ海での影響力を強めたりとするだろう」
と指摘。
その上で
「責任ある利害関係者ではなくならず者のような」中国に対し、
米国は象徴的なジェスチャーを超えた強固な「海洋の自由キャンペーン」を展開すべきだと主張した。
』
『
WEDGE Infinity 日本をもっと、考える 2016年04月20日(Wed) 岡崎研究所
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/6550
南シナ海問題、米中対決を恐れるな
米ワシントン・ポスト紙のコラムニストであるイグネイシャスが、3月15日付の同紙で、南シナ海仲裁裁判に際し、中国が新たな防空識別圏の設定などを行なうことや、それをめぐって対立が一層激化する可能性があることを、米国内の動きと合わせて論じています。
要旨は以下の通りです。
■南シナ海問題が“八月の砲声”になる危険性
オバマ政権は、南シナ海に関して中国と危険な対決に向かいつつある。
対立は過去3年間に積み重ねられてきたもので、中国は米国の警告にもかかわらず、係争水域に人工島を建設したり、ミサイルやレーダーを設置したりしてきた。
今春、ハーグの仲裁裁判所は、中国の海洋主権の主張は「過剰」であるとの判決を下すと予想され、米中の緊張が最高潮に達する可能性がある。
キャンベル元国務次官補は、
「この問題は、すべての当事者が慎重でなければ、『八月の砲声』になりかねない」
として、第一次世界大戦を引き起こした誤算の連鎖に言及しつつ、
「米政権は、過去の警告をどう実行させるかという新たなレッドライン」
に直面していると述べる。
習近平主席は、昨年9月の米中首脳会談で「中国には軍事化の意図はない」と明言したものの、パラセル諸島ウッディー島には地対空ミサイルを配備し、スプラトリー諸島クアテロン礁には軍用レーダーを配備するなどの矛盾した行動をとって、米側の警告をことごとく無視してきている。
■米中対決に備えた政策立案も
中国は次に何をするだろうか。
中国は仲裁裁判を非難しているが、米政府関係者の中には、中国に不都合な判決がなされた場合には南シナ海の防空識別圏(ADIZ)を設定し、中国当局の許可なしの飛行を禁止するのではないかと予測する者もいる。
国防省は、いかなるADIZの主張であっても、それにすぐさま挑戦すべきだと主張している。
2013年に中国が東シナ海にADIZを設定した際には、B-52が識別圏内を早急に飛行する措置をとった。
この時の飛行はあらかじめ予定されていたのでホワイトハウスの許可を必要としなかったが、国防省は、今後ホワイトハウスが軍の作戦を承認しないことを危惧している。
ホワイトハウスは、徐々に表れつつある対立に備え、省庁間で集中的な政策立案を行っている最中にある。
オプションの中には、米国が、ベトナムやフィリピンなどによる係争水域内での人工島建設を支援するという、攻撃的な対応戦略も含まれている。
フィリピンは1999年に、スプラトリーの浅瀬に大型船舶を意図的に座礁させ、効果的措置をとった経緯がある。
キャンベルは、米国は他の東南アジア諸国と一緒に行動することが望ましいと主張している。
その行動には、豪州やシンガポール、インド、欧州の航空機や艦船が含まれるかもしれない。
キャンベルは
「中国のメンツを失わせたくはないが、こんなことを続けていると米中関係を極めて否定的なものにしかねないことを中国に理解させるべき」
と言う。
出 典:David Ignatius ‘The U.S. is heading toward a dangerous showdown with China’ (Washington Post, March 15, 2016)
https://www.washingtonpost.com/opinions/the-us-is-heading-toward-a-dangerous-showdown-with-china/2016/03/15/c835a1b4-eaf2-11e5-b0fd-073d5930a7b7_story.html
* * *
中国の南シナ海での国際法に反する行動は目に余るものです。
人工島に領海があるとか、九点線に囲まれる水域に歴史的権利があるかのような主張は到底認められません。
こういう主張に対しては、断固対決していく以外に道はありません。
紛争になることを恐れて躊躇していると、航行の自由や飛行の自由が既成事実として侵食されることになります。
対決を恐れない姿勢を示し、中国に厳しく警告し、またしっかりと権利を行使していくべきでしょう。
■軍事的対立忌避する弱腰オバマ
国防省は中国が南シナ海でADIZを設定した場合、それを否認する飛行を行うことを考えているが、ホワイトハウスの了承を得られるか否かを懸念しているとこの記事は述べています。
イグネイシャスはワシントンでの事情によく通じた人であり、この記事の描写は真実に近いと思われます。
オバマ・ホワイトハウスは軍事的対決を回避することに傾きがちであり、南シナ海でもそうする可能性があり、中国にレッドラインを越えさせる恐れがあります。
これは大きな懸念を呼び起こします。
中国も、この記事を、関心を持って読んでいると思われます。
キャンベルは、米国は東南アジア諸国と協力して行動するのが望ましいと言っていますが、米国は自らの利益のために航行の自由や飛行の自由を確保すべきであって、東南アジア諸国との協力を条件にすることはありません。
ベストを望んで、ベターを排する結果になりかねません。
フィリピンやベトナムにも埋め立てや人工島建設を慫慂することは論外です。
中国がしていることを非難しておきながら、近隣諸国に同じことを勧めることは筋違いです。
領有権の争いのあるところでの一方的現状変更はやめるべしというのが正論でしょう。
この問題では、米国が既存の海洋秩序堅持のため、対中対立も辞さずという姿勢をとることが利益になります。
米国が安易に中国に歩み寄るのが問題です。
』
『
ロイター 2016年 04月 22日 15:03 JST
http://jp.reuters.com/article/southchinasea-china-nuclearpower-idJPKCN0XJ0CB
中国、南シナ海で海上浮動式の原発建設へ=新聞
●4月22日、中国共産党機関紙・人民日報傘下の有力国際情報紙、環球時報は、南シナ海で行う活動に電力を供給するため、中国が海上浮動式の原子力発電所を建設する計画だと報じた。写真は衛星から撮影した南沙諸島のミスチーフ礁。1月8日撮影。提供写真(2016年 ロイター/CSIS Asia Maritime Transparency Initiative/Digital Globe)
[22日 ロイター] -
中国共産党機関紙・人民日報傘下の有力国際情報紙、環球時報は22日、南シナ海で行う活動に電力を供給するため、中国が海上浮動式の原子力発電所を建設する計画だと報じた。
中国は南シナ海で軍事演習を行ったり施設を建設するなど軍事拠点化を進めており、周辺国が反発している。
中国政府は、建築物の大半は灯台など民間での利用が目的だと主張している。
報道によると、この原発は遠隔地に「移動」させることができ、安定的な電力を供給するという。
原発の設計・建設を担当する造船大手の中国船舶重工集団幹部が同紙に対し、計画を進めていることを明らかにした。
この幹部は「何基の原発を建設するかは需要次第だが、需要はかなり強い」と述べた。
』
『
CNN.co.jp 4月29日(金)16時48分配信
http://www.cnn.co.jp/world/35082025.html?tag=top;topStories
海に浮かぶ原発、
中国が20基の建設を計画
中国が海上に浮かべた大型施設の上に、原子力発電所20基を建設する計画を進めている。
複数の国が領有権を争っている南シナ海の人工島に電力を供給する可能性もある。
計画では、中国の造船所で小型の原子炉を建造して大型のはしけに乗せ、電力を必要とする地域まで曳航。
そこで現地の配電網や原油掘削施設に電力を供給する。
中国は2011年に起きた東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて原発の計画を一時的に中止していたが、その後はクリーンエネルギーとして風力や太陽光、原子力発電を推進する姿勢を打ち出した。
2016年の原子力計画は今年3月に打ち出した第13次5カ年計画に盛り込まれた。
完成すれば、2030年までに中国の原子力発電の発電量は世界一になる。
海上原発20基の建設もこの計画に含まれる。
だが安全性や経済性を巡って疑念が噴出している。
海上原発は米国でも前例があり、ロシアも現在建設を進めている。
しかし中国の計画ははるかに野心的だ。
まず2017年から海上原発の建設に着工し、20年から発電を開始する。
計画されている20基のうち、最初の発電所は南シナ海の海南島に設置される公算が大きい。
報道によると、石油・天然ガス開発を手がける中国海洋石油総公司は南シナ海の海底探索のために海上原発を利用する見通し。
また、中国が南シナ海に建造している人工島への電力供給に使うことも検討されているという。
利用するのは発電能力50~100メガワットの小型原子炉で、同様の原子炉は大型原子炉の代替として米国や欧州でも検討が進む。
大型原子炉と同じ技術を使いながら工場で組み立てられるため、大幅にコストを削減できるというメリットがある。
こうした小型原子炉では原発最大のリスク要因である冷却剤喪失事故の危険性を排除または低減でき、大型原子炉に比べて安全性は高いという意見もある。
しかし海上では船舶のように不測の事態に見舞われたり、悪天候や高波にさらされて沈没する危険もある。
地上の原発に比べると、外部電力の喪失やテロ攻撃といった外的要因から原子炉を守ることも難しく、安全に運転を続けるためのメンテナンスも困難が伴う。
原子炉が水没して冷却に必要な電力が失われればどれほど深刻な事態を招くかは、福島第一原発の事故で見せつけられた。
原発事情に詳しい英ケンブリッジ大学のトニー・ルールストン氏は、
「中国当局は世界各国と同じ安全基準を採用するのかもしれないが、そのプロセスは不透明で、海上の原発が地上の原子炉と同程度の安全性を確保できるのかどうか、外部からは判断できない」
と指摘している。
』
『
ロイター 2016年 05月 11日 17:00 JST
http://jp.reuters.com/article/southchinasea-usa-china-idJPKCN0Y208B?sp=true
中国戦闘機が南シナ海で緊急発進、
米艦の航行に反発
●有権を主張する南シナ海の岩礁付近に米艦船が接近したことに反発し、中国軍の戦闘機を緊急発進したと発表。写真は2014年8月に米海軍が撮影した中国のJ11戦闘機。米海軍提供(2016年 ロイター)
[北京/香港 10日 ロイター] -
中国は10日、同国が領有権を主張する南シナ海の岩礁付近に米艦船が接近したことに反発し、中国軍の戦闘機を緊急発進したと発表。
米艦の航行を「平和に対する非合法な脅威」と非難した。
米海軍は中国が実効支配する永暑礁(英語名ファイアリー・クロス礁)から12カイリ(約22キロ)内にイージス駆逐艦ウィリアム・P・ローレンスを派遣し、「航行の自由」作戦を実施した。
中国はこの岩礁に人工島を造成しており、滑走路などの建造を進めている。
米国防総省のビル・アーバン報道官は、中国と台湾、ベトナムが南シナ海での航行権を制限しようとしていると述べ、今回の作戦は「過度な海洋の権利主張に挑む」ために実施されたと説明した。
米艦の航行を受けて、中国の戦闘機2機が緊急発進したほか、中国海軍の艦艇3隻が米駆逐艦を尾行し、現場海域を立ち去るよう警告したと中国国防省が発表。
中国外務省の陸慷報道局長も10日、米駆逐艦が中国の領海に不法に進入したと非難した。
今回の作戦は、今月予定されるオバマ米大統領のアジア訪問に先駆けて何かメッセージを発信する意図があったのかという質問に対し、ケリー米国務長官は回答を避けた。
「現在進行している航行の自由作戦の定期的な実施という以外に、何ら事前に計算した戦略ではない」
と同長官は訪問先のロンドンで記者団に語った。
<厄介な海域>
中国が年間5兆ドル(約543兆円)の貿易を支える戦略的輸送路となっている南シナ海の大部分の領有権を主張する一方で、フィリピン、ベトナム、マレーシア、台湾やブルネイなどもそれぞれ重なり合う海域での権利を求めている。
中国が軍用機で病気の作業員をファイアリー・クロス礁から避難させたことを受け、米国は先月、中国に対して軍用機を南沙(英語名スプラトリー)諸島に派遣する計画がないことを改めて確認するよう求めている。
「大規模で水深のある港や長さ3キロの滑走路など、
すでに大掛かりなインフラ設備があるファイアリー・クロス礁は、南シナ海における将来的な中国軍の作戦拠点になるとみられており、厄介だ」。
南シナ海情勢に詳しいシンガポールの東南アジア研究所(ISEAS)のイアン・ストーリー氏はこう語る。
「タイミングも興味深い。
これはオバマ大統領のベトナム訪問を控えた、米国の決意の表れだ」
と指摘する。
ダニエル・ラッセル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)は訪問先のベトナムで、「航行の自由」作戦はより小さな国にとって重要だと述べた。
「世界で最も強力な海軍が国際法で認められた海域を航行できないとするならば、より小さい国の海軍の艦船はどうなってしまうのか」
と、同次官補は今回の作戦のニュースが公になる前に記者団に語った。
9日のフィリピン大統領選挙で当選確実となった、暴言で知られるロドリゴ・ドゥテルテ市長は、南シナ海の領有権について多国間協議を開催するよう提案している。
中国の外交官は先週、南シナ海をめぐる中国への批判が「コイルばね」のように跳ね返るだろうと警告している。
(Michael Martina記者, Greg Torode記者、Ben Blanchard記者、翻訳:高橋浩祐、編集:下郡美紀)
』
『
中央日報日本語版 5月23日(月)18時6分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160523-00000047-cnippou-kr
荒波の南シナ海
…中国の封鎖に対抗し米「潜水ドローン投入」
南シナ海を自分の庭にしようとしている中国の内海化戦略に対抗し、米国が「ドローン軍団」で突破に乗り出した。
空のドローン(無人機)はもちろん、「ドローン艦艇」「潜水ドローン」まで開発して中国の防衛網を突破するという戦略だ。
空と水上・水中の3方向からドローンを投じるハチの群れドローン構想だ。
特に人工知能(AI)を備えたドローンまで投入する戦略となると、
南シナ海が人ではなくロボットが激突する未来戦の様相を見せる可能性まで登場している。
アシュトン・カーター米国防長官は4月、南シナ海に投入された空母「ジョン・C・ステニス」で潜水ドローン戦略を公開した。
彼は
「無人潜水艦(潜水ドローン)は多様なサイズ、多様な積載量を備えており、
誘引潜水艦が接近できない浅い海でも運用可能だ」
と説明した。
フィナンシャルタイムズは
「潜水ドローンは、偵察はもちろん敵の港湾にも簡単に浸透できる上にミサイルのような武器を搭載することもできる」
と伝えた。
潜水ドローンで監視網を通り抜けて軍事施設などに近接した後に偵察したり有事の際に攻撃に出たりして、見えない暗殺者の役割を果たせるという趣旨だ。
特に潜水ドローンを一種の母艦にして、ここから小型潜水ドローンを送り出す「子ドローン」作戦もペンタゴンは構想中だ。
有事の際には小型潜水ドローン自体が機雷になり艦艇の入出港を防ぐなど、開発さえされれば無限大の活用が可能だ。
レイ・メイバス海軍長官は1月
「2020年以前に大型の無人水中移動体(LDUUV)を配備するつもり」
と明らかにした。
LDUUVは潜水ドローン開発計画の1つだ。
これに関連してボーイングが潜水ドローンのエコー・ボイジャーを開発中だ。
潜水艦から発射されるドローンもある。
米海軍は今月、潜水艦や潜水ドローンから撃った後に水面をほとばしりながら空を飛ぶドローン「ブラックウイング」150機の購買予算を国防省に申請した。
ブラックウイングは長さ50センチ、重さ1.8キロの小型ドローンで電子カメラや赤外線センサーなどで偵察する。
メーカーであるエアロバイロンメントはブラックウイングに小型弾頭をつければ攻撃も可能だと明らかにした。
国防メディアはブラックウイングが年内に南シナ海などに配備されると見通した。
水上ドローンはペンタゴンの防衛高等研究計画局(DARPA)で2000万ドル(約238億ウォン)をかけてつくられた。
現在、試験運航を継続している。
シーハンター(Sea Hunter)と呼ばれるこの対潜水作戦用水上ドローンはAI機能を備えており、作戦地域さえ入力すれば自ら行動して遠距離操縦が不必要だ。
5年以内に西太平洋地域に配備される予定だ。
今後、魚雷・ミサイルなどが装着されれば攻撃の役割も可能になる。
艦艇ドローンと潜水ドローンが南シナ海に展開すれば、MQ-4Cトリトンやグローバルホークなど空の無人偵察機およびほかの監視・攻撃戦力と共に運用される。
米国がドローンを突破口の1つにした理由は、中国がいわゆる反接近・接近拒否(A2/AD)戦略によって南シナ海を遮ることに従ったものだ。
A2/AD戦略は、簡単に言えば米国艦艇と航空機が近づけないよう南シナ海に軍事的な壁を作る戦略だ。
新米国安保センター(CNAS)は2月に発刊した「レッド警報」の報告書で中国の軍事力が米国空母船団にとって威嚇になり始めたと警告した。
今までは米国の大海戦略は強大な空母船団を送って力を投射する方式だった。
今でもこれは同一だ。
だが報告書は、中国が中長距離艦対艦ミサイルと長距離爆撃機を開発して空母を威嚇していると診断した。
中国は東風-21D(射程距離1500キロ)、東風-26(射程距離3000キロ)の地対艦ミサイルを保有した上に今年に入ってから米軍戦闘機を狙ったHQ-9地対空ミサイルを南シナ海の西沙群島に配備した。
このため今後、空母が近接する作戦が難しいことに備えて空中・水上・水中のすべてをドローンで補完するというのがペンタゴンの構想だ。ブラックウイングのような小型ドローンはレーダーでキャッチするのが難しい。
小型水中ドローンは中国艦艇にとっては見えない水面下のナイフになりうる。
米国が全方向のドローン開発に乗り出す理由はお金の問題もある。
これまでの大型駆逐艦や大型誘引潜水艦とは違い、いったん作ればドローンは人件費がかからず少ないコストで済むためだ。
DARPAはシーハンターの場合、一日あたりの運用費が1万5000~2万ドル(約1800万~2400万ウォン)で一般駆逐艦の70万ドル(約8億3000万ウォン)に比べてかなり少ないと明らかにした。
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Record china 配信日時:2016年5月23日(月) 11時30分
http://www.recordchina.co.jp/a139379.html
中国最大の悪夢が到来、
米国とインドの軍事同盟がまもなく結成か―中国メディア
2016年5月22日、環球網は記事
「中国最大の悪夢がまもなく到来、米国とインドが同盟結成か」
を掲載した。
近年、米国とインドが急接近している。
C17輸送機、P8哨戒機などインドによる米国製兵器の購入が目立つ。
今後、さらに積極的な提携がかわされる可能性が高い。
米誌ナショナル・インタレスト電子版は20日、記事「中国最大の悪夢、米印同盟がまもなく結成か?」を掲載した。
16日にニューデリーで実施された米印海上対話では歴史的な軍事協力が協議されたという。
その内容は後方支援に関する協力を摸索するもので、米印両軍は互いの基地で補給やメンテナンス、修理が可能となる。
正式な軍事同盟ではないとはいえ、実質的には同盟に近い大胆な内容だ。
またインドによる国産空母建造を米国が支援する件についても協議が進められている。
』
『
yahoo newd 2016年6月5日 19時42分配信 木村正人 | 在英国際ジャーナリスト
http://bylines.news.yahoo.co.jp/kimuramasato/20160605-00058491/
崩れる中国・習近平の方程式
「万里の長城」築き孤立化
■「孤立を深める万里の長城」
英シンクタンク国際戦略研究所(IISS)主催の「アジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)」がシンガポールで開かれ、米国のカーター国防長官は4日、南シナ海で人工島埋め立てと軍事要塞化を進める中国について
「このままだと残念だが、中国は自ら孤立を深める万里の長城を築いて自滅する恐れがある」
と警鐘を鳴らしました。
カーター氏は
「米国は今後数十年にわたってアジア太平洋地域の安全を保障する主要プレーヤーであり、
法の支配に基づく地域の安全保障ネットワークの主導的な貢献国であり続ける」
と表明、中国の圧力に屈してアジア太平洋地域から撤退することはないと確約しました。
カーター氏がアジア太平洋地域に展開するとした最新兵器は次の通りです。
●最新鋭のステルス戦闘機F-22、F-35
●ステルス戦略爆撃機B-2
●戦略爆撃機B-52
●哨戒機P-8 Poseidon
●最新型艦船(潜水艦は除く)
またカーター氏はバージニア級原子力潜水艦や新しい無人潜水艇、長距離打撃爆撃機B-21、サイバー・電子・宇宙戦争に備える投資を継続していく考えを明らかにしました。
これに対して中国軍の孫建国・副参謀長(海軍上将)は5日、
「中国は過去に孤立したことはない。
これからも孤立することはない」
「冷戦マインドに縛られている、南シナ海の領有権と直接関係のない第三国に中国を非難する権利はない」
と反論、米国が南シナ海で展開する「航行の自由」作戦と、中国と領有権争いを抱える国々を支援していることを批判しました。
■ 南シナ海で進む軍拡
国際軍事情報会社IHSはアジア太平洋地域の国防支出は昨年の4350億ドルから2020年には23%増加して5330億ドルになると分析しています。
まずベトナム、タイ、マレーシア、フィリピン、インドネシアの伸びを11年、15年、20年と見てみましょう。
●出所:IHSデータをもとに筆者作成
中国の国防支出と比べると、上の5カ国を合わせても軍事バランスが崩れていることが一目瞭然です。
米国の狙いは軍事バランスを保って中国の横暴を抑えることです。
●出所:IHSデータをもとに筆者作成
中国による南シナ海での人工島埋め立てと軍事要塞化、それに対する米国の「航行の自由作戦」についておさらいしておきましょう。
■ 【中国の動き】
★・スプラトリー諸島で中国が進める埋め立て面積は14年末に比べ約6.5倍の12.9平方キロメートルに拡大
★・ファイアリー・クロス礁(スプラトリー諸島)に新型爆撃機H-6Kの運用が可能になる3千メートル級の滑走路が完成。民間航空機や軍用機が発着試験
★・スビ礁やミスチーフ礁(同)でも3千メートル級滑走路を整備
★・南シナ海のパラセル諸島とスプラトリー諸島と「トライアングル」を形成するフィリピン沖スカボロー礁で埋め立ての兆候。
南シナ海での防空識別圏(ADIZ)設置が狙い
協調路線の胡錦濤体制から習近平体制になってから、トウ小平以来の外交方針である「韜光養晦(とうこうようかい、機が熟するまで爪を隠して実力をつけるという意味)」と決別。
あからさまに経済力と軍事力で揺さぶりをかけ、自国の海洋権益を拡大するため南シナ海で既成事実を積み上げています。
これに対して、米国のオバマ政権は他国の領有権争いには口出ししない方針を守ってきました。
対中関係を損ないたくない米国務省の打算も働きました。
しかし中国が軍事面でも海洋拡張主義を露骨に示し始めたため、昨年10月から米軍が主導する「航行の自由」作戦を展開しています。
「航行の自由」作戦とその狙いについて触れておきましょう。
■ 【米国の「航行の自由」作戦】
★・昨年5月、米海軍の哨戒機P8-Aポセイドンがスプラトリー諸島のファイアリー・クロス礁(低潮高地)や、ミスチーフ礁(岩礁)の上空を飛行
★・昨年10月、米海軍のミサイル駆逐艦ラッセンがスプラトリー諸島スビ礁(低潮高地)の12海里内を航行
★・昨年11月、米軍の爆撃機B-52がスプラトリー諸島の人工島周辺を飛行。
具体的な飛行ルートは明らかにせず
★・昨年12月、米軍の B-52 戦略爆撃機が悪天候の影響で予定の航路を外れ、クアテロン礁の 12 海里内上空を飛行
★・今年1月、米海軍のミサイル駆逐艦カーティス・ウィルバーがパラセル諸島のトリトン島の12海里内を航行
★・今年5月、米海軍のミサイル駆逐艦ウィリアム・P・ローレンスがファイアリー・クロス礁(低潮高地)の12海里内を航行
★・米国は「公海の自由」に基づく作戦か、中国が一方的に主張する「領海」内での「無害航行権」による作戦か明らかにしていない。
海域を行ったり来たりすれば「公海の自由」を主張、海域を一度横切っただけなら「無害航行権」とみなすことができる。
ディプロマット誌やフォーリン・ポリシー誌は「無害航行権」と判断している。
米国のカーター国防長官がシャングリラ・ダイアローグで中国に呼びかけたのは海洋における「法の支配」の順守です。
米中の軍事対話と協調に応じるか、それとも自ら孤立を深める南シナ海の人工島埋め立てと軍事要塞化を進めるかという二者択一です。
この夏、米国が実施するハワイ周辺海域での環太平洋合同演習(リムパック)に中国やインドも参加します。
■次はフィリピン沖スカボロー礁だ
当面、注意しなければならないのはフィリピン沖スカボロー礁での埋め立てです。
実際に埋め立てが始まり、3千メートル級の滑走路が完成すれば、中国が南シナ海全域に防空識別圏を設置する大きな布石になります。
中国軍が南シナ海で制空権を確保すれば制海権も手中に収めることを意味し、米軍は軍事的な自由度を失います。
これは海洋ルールの解釈が中国の都合の良いよう一方的に変更されることを意味します。
中国は
「中国は紀元前200年の漢時代から南シナ海で船旅や漁業を行っていた」
「歴史は誰が南シナ海の島々を領有しているかを証明している」
と領有権の歴史的正統性を強調しています。
フィリピンが南シナ海の領有権について仲裁手続きを申し立て、間もなくオランダ・ハーグの仲裁裁判所で裁定が下される予定ですが、中国側は黙殺する方針です。
中国は「九段線」と呼ばれる南シナ海の80%を占める海域で領有権を主張しています。
かつては米軍基地を閉鎖し、撤退せざるを得なかったフィリピンや、戦火を交えたベトナムまでもが米国に助けを求めるなど、オバマ政権は外交上、大勝利を収めています。
シンガポールやインドネシア、マレーシアとも関係を強化しています。
しかし、外交や「航行の自由」作戦だけでは、中国による南シナ海の軍事要塞化に歯止めがかけられないのが現実です。
中国がこれまで主張してきた一方的な海洋ルールの解釈について振り返っておきましょう。
■ 【中国のやり口】
★・満潮時には水没する低潮高地や岩を埋め立てて人工島をつくり、島と同じ領海や排他的経済水域(EEZ)、大陸棚といった海洋権益を一方的に主張。
国連海洋法条約(UNCLOS)では岩に認められる権利は「領海」だけで、低潮高地や人工島には何の権利も認められていない
★・領海内であっても軍用艦船にも無害航行権が認められるのに、中国の領海法は「外国軍用艦船が中国領海内を航行する場合には事前許可を得ること」と定めている
★・大陸棚の管轄権は上部水域にも及ぶ
★・EEZ内における軍事情報の収集には許可が必要であり、EEZまたは大陸棚上部水域における軍事活動は制限される(米国は軍事情報収集の許可は必要なく、軍事活動も制限されないとの立場)
★・2千年を超える歴史が証明する中国の領有権の正統性を主張。
沖縄県・尖閣諸島は中国の領土(領海法)
★・領海や EEZ から構成される中国の海洋面積は300 万平方キロメートル。
渤海、黄海、東シナ海、南シナ海の全海域を指しているとみられている
★・漁船、石油や天然ガスを掘削する石油プラットフォームなど海上構造物、海監、海警、海巡、漁政、海関といった海上保安機関の巡視船まであらゆる手段を総動員して既成事実を積み上げる
★・国際的な仲裁手続きには従わない。2国間の交渉に持ち込み、経済力や軍事力を背景にゴリ押しする
★・圧倒的な軍事的優位が確保されたら実効支配を確立する
■他人事ではない南シナ海
ある日突然、2千年以上前の歴史を持ちだされ、水面下にある岩礁を埋め立てて人工島にして主権的権利や管轄権を主張されたら…。
EEZでも中国にだけ認められる特別な権利を主張されたら、どうなるでしょう。
中国の一方的な海洋ルールの解釈が東シナ海や日本海で適用されたら、日本の海洋権益は著しく損なわれます。
南シナ海で現在進行中の出来事は決して他人事ではないのです。
米国は日本や韓国のほか、東南アジア諸国との合同演習や共同パトロールを強化していく方針です。
シャングリア・ダイアローグには中国の常万全国防相は出席しませんでした。
IHSグローバル・インサイトによると、ASEAN(東南アジア諸国連合)の国内総生産(GDP)は今年の2兆6千億米ドルから25年には5兆8千億米ドルに成長すると予測しています。
こうした成長を中国一国の身勝手な利益追求のために損なってはいけません。
●出所:IHSグローバル・インサイト
シャングリア・ダイアローグでは、タイのプラユット首相は「ASEAN諸国は一致団結しなければならない。
東シナ海と南シナ海の平和と安定を守るため、海洋権益争いと飛行や航海の自由、国連海洋法条約を含む国際法に沿った領有権争いの平和的な解決への支援の重要性を認識しなければならない」と強調しました。
中谷元防衛相も南シナ海で人工島建設を進める中国を念頭に「秩序への挑戦にほかならない」と非難しました。
インドのパリカル国防相も初めて出席し、国連海洋法条約を含め国際法に基づく航海や飛行の自由へのコミットメントを強調しました。
自国の利益を力づくで追い求める中国・習近平国家主席の方程式は崩れています。
日米同盟を基軸に、韓国、オーストラリア、インド、ASEAN諸国と連携して海洋の安全保障ネットワークを構築することが、日本メディアで議論されているように「戦争への道」を進むことになるのでしょうか。
筆者は、アジア太平洋地域の平和と成長に寄与することになると思うのですが…。
(おわり)
木村正人
在英国際ジャーナリスト
在ロンドン国際ジャーナリスト(元産経新聞ロンドン支局長)。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
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【2016 異態の国家:明日への展望】
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