2016年4月22日金曜日

日本のステルス戦闘機開発(2):国産ステルス機、初飛行=次期戦闘機開発向け

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時事通信社/JIJIPRESS
https://www.youtube.com/watch?v=_0AjLV1bUJw


●国産ステルス機、初飛行=次期戦闘機開発向け
2016/04/21 に公開 視聴回数 784 回

 国産のステルス戦闘機開発に向け、三菱重工業などが製造したステルス実証機「X2」が­22日午前、愛知県営名古屋空港(同県豊山町)を離陸し、初飛行した。
 
 約25分間飛行し、航空自衛隊岐阜基地(岐阜県各務原市)に着陸した。
 ステルス機はレ­ーダーに探知されにくいことが最大の特長で、防衛省は今後、X2の実験データを基にス­テルス性や運動能力を検証し、次期戦闘機開発に生かす。
 機体は全長14.2メートル、全幅9.1メートル、全高4.5メートルで、
 実証機のた­め通常の戦闘機より一回り小さい。
 X2はこれまで9回の地上滑走試験を実施していた。­
 20日に初飛行の予定だったが、天候条件を理由に延期していた。



時事通信 4月22日(金)9時12分配信
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016042200160&g=soc

国産ステルス機が初飛行
=次期戦闘機開発向け―愛知、岐阜・防衛省

 国産のステルス戦闘機開発に向け、防衛省の発注で三菱重工業などが製造したステルス実証機「X2」が22日午前、愛知県営名古屋空港(同県豊山町)を離陸し約25分間、初飛行した。

 白と赤を基調にした機体は午前8時47分、快晴の同空港上空に舞い上がった。
 試験空域を飛行し、機体のシステムを確認。
 同9時13分に航空自衛隊岐阜基地(岐阜県各務原市)に着陸した。
 防衛装備庁は「試験結果は良好」とした。
 パイロットからは「安定した飛行だった」と報告があったという。
 機体は5月以降に同庁に納入される。

 ステルス機はレーダーに探知されにくいことが最大の特長で、防衛省は今後、X2の実験データを基にステルス性や運動能力を検証し、次期戦闘機開発に生かす。

 中谷元防衛相は22日の記者会見で、
 「初飛行は将来の戦闘機開発に必要な技術力の確保にめどを付けるもので、大変重要な意義がある」
と述べた。

 機体は全長14.2メートル、全幅9.1メートル、全高4.5メートルで、実証機のため通常の戦闘機より一回り小さい。
 開発費は約400億円。
 エンジンはIHIが製造した。
 X2はこれまで9回の地上滑走試験を実施していた。 



Bloomberg 4月22日(金)9時25分配信
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-22/O4FDPD6K50XX01

日本のステルス実証機が初飛行
-将来の戦闘機や産業技術開発に弾み

  (ブルームバーグ):
 防衛省が開発中のレーダー探知されにくいステルス機能を持つ先進技術実証機「X-2」の初めての試験飛行が22日に実施され、午前8時50分過ぎに名古屋空港を離陸した。
 防衛装備庁の将来戦闘機プログラム・マネジャーの土井博史・防衛技官が電話取材で語った。
 将来の戦闘機開発の活用や、産業技術開発の弾みになると期待されている。
 ステルス機能のある戦闘機の開発・製造は米国、ロシア、中国だけが成功しているが、日本も4カ国目を目指し本格参入する。

 実証機は2月から自衛隊の小牧基地で共有している名古屋空港の滑走路で地上滑走試験を開始し、滑走やブレーキなどの地上試験をしてきてたが、4月に入り脱出用装置の部品の不具合などがあり交換作業や天候不順などで初飛行は延期となっていた。
 日本の戦闘機開発史で初飛行は1995年の「F-2」以来ほぼ20年ぶり。

 実証機の開発・製造費は約393億円で、1人乗り用の1機のみの製作。
 開発は2009年度に始まり、機体製造を三菱重工業、エンジンをIHIが手掛けている。
 X-2は実験機であり、昨年11月に初飛行した国産初の民間ジェット旅客機「MRJ」と違い、型式証明を取得しない。
 防衛省は正式に受領後、岐阜基地でさまざまな実験に取り組む方針だ。

 防衛省の資料によると、
 「ステルス機がどのようにレーダーに映るのかといった実データが存在していない」
と指摘し、実際の飛行実験により、
 「近い将来、わが国周辺に配備される可能性があるステルス戦闘機に対する防空態勢の検討に役立つ」
としている。
 高性能な戦闘機を国産技術で開発・蓄積することは、防衛・産業面それぞれに必要との認識から開発を進めている。

 開発目的について、将来戦闘機プログラムの土井防衛技官は昨年末のインタビューで
 「将来の戦闘機開発に備えた準備の一環だ。
 ステルス性能と高運動性能を両立させた統合技術を獲得、蓄積するための実験機」
と説明していた。

 土井氏によると、X-2の特徴は推進力5トンの国産エンジンを2基搭載し、
 最もレーダーが当たる機体の先導部分に軽量化を目的とした日本製ステルス素材の炭素繊維複合材を使用
している。
 防衛装備庁が開発を委託している三菱重工では、さまざまな試験の後、防衛省に納入する予定。
 当初の納入は昨年3月末の予定だった。

 日本は1970年代半ば、エンジンを除き、機体が国産の戦闘機として「F-1」を開発。
 継機のF-2は米国との共同開発で、「F-16」をベースに完成した。
 自衛隊に現在配備されている戦闘機はF-2のほか、米国製で三菱重工がライセンス生産した「F-15」と「F-4」の3機種。
 いずれもステルス性能はない。
 米国がステルス戦闘機の一つとして開発・製造中の「F-35」は、日本が次期主力戦闘機に選定し、42機を2017年度から順次取得すると決めている。

関連ティッカー:5711 JP (Mitsubishi Materials Corp)7011 JP (Mitsubishi Heavy Industries Ltd)7013 JP (IHI Corp)

記事に関する記者への問い合わせ先:
Tokyo 松田潔社 ;東京 Chris Cooper ,kmatsuda@bloomberg.net,ccooper1@bloomberg.net




●国産ステルス実証機X2初飛行
2016/04/21 に公開
NHKニュースより



サーチナニュース 2016-04-25 07:55
http://news.searchina.net/id/1608171?page=1

ステルス実証機「X2」が初飛行に成功、
日本は国産兵器の開発を加速させる=中国

 国産初のステルス実証機「X2」が22日、名古屋空港を飛び立ち、航空自衛隊岐阜基地までの初飛行に成功した。
 X2の開発は当初より中国で大きな注目を集めていたため、今回の初飛行の成功は中国でも改めて大きく報じられた。

 中国メディアの新京報はこのほど、X2の開発は
 「日本が国産兵器の開発を加速させ、
 国産のステルス戦闘機を開発するうえでの決心を示すもの」
と主張する記事を掲載した。

 X2は先進技術実証用の実験機であり、戦闘機ではないが、記事はX2について
 「世界の主流のステルス戦闘機に比べて機体は小さいが、ステルス性能は高い」
などと紹介、
 他国のステルス戦闘機と比較するなど、あくまでもステルス戦闘機に準じた扱いで伝えている。

 さらに、中国国防大学の教授の見解として「X2は実験機である以上、搭載されている技術は成熟したものではない」と指摘しつつ、今後は2年間ほど飛行試験を実施したうえで実用化の有無を判断することになると主張。
 一方で、戦闘機の開発においてはステルス性能と兵器搭載を同時に実現する必要が有ることから、X2の機体デザインを「そのまま戦闘機に流用することは難しい」と論じた。

 一方で、X2の初飛行が成功した意義について、
 「第5世代戦闘機の開発プラットフォームが完成したことになる」
とし、日本はそれによって国産兵器開発に向けた意思を強固にすることになるだろうと考察。
 また、日本は今後、戦闘機開発の共同プロジェクトにも積極的に参加できるようになるはずだと伝え、
 X2の開発によって得た技術が日本にとっての駆け引きの道具になると主張。
 X2はあくまでもステルス実証機であるとしながらも、初飛行の成功は
 日本の戦闘機開発において「大きな一歩」である
との見方を示している。



サーチナニュース 2016-04-25 14:27
http://news.searchina.net/id/1608242?page=1

日本がステルス戦闘機を生産できる国の仲間入りを果たした=中国

 国産のステルス実証機X2が22日、愛知県の名古屋空港から航空自衛隊岐阜基地までの初飛行に成功した。
 中国メディアの新浪はこのほど、X2が度重なる延期のすえにようやく初飛行を行ったと伝えた。

 X2は防衛省技術研究本部(現・防衛装備庁)と三菱重工が開発を進めてきた国産のステルス実証機だ。
 記事は、第2次世界対戦の敗戦国である日本はこれまで戦闘機の開発が制限されたきたと伝えつつ、X2が初飛行に成功したことは
 「日本がステルス戦闘機を生産できる国の仲間入りを果たしたことを示す」
と伝えた。

 続けて、X2は実証機であるとしながらも、F-3戦闘機の開発に向けて
 「X2に要求された水準は決して低いものではない」
と指摘、日本は侵略戦争の歴史を反省するどころか、むしろ先進兵器の開発に精力を傾けていると主張したうえで、これこそ日本が戦闘機開発における動機を「国際社会が疑問視している所以だ」と論じた。

 また記事は、
 「X2は中国にとってどれだけの脅威だろうか」
と疑問を投げかける一方で、米メディアがX2について
 「余計なおもちゃ」
であると報じたと紹介。
 さらに、日本に対してX2の開発を放棄し、米国からより多くのF-35を購入するよう求めたと紹介したうえで、米メディアがこれほどこき下ろした
 「X2は中国にとって脅威ではない」
と論じた。

 X2は実証機であり、中国にとって何ら脅威ではないの事実だ。
 だが、中国ではこれまで長期にわたってX2の開発について事細かく報じられてきたところから、中国がX2の開発、さらにはその先にある戦闘機開発について警戒し、脅威と感じているのは間違いないだろう。



サーチナニュース 2016-04-27 07:11
http://news.searchina.net/id/1608410?page=1

ステルス実証機「X2」が初飛行、
日本が「X2」開発に乗り出した理由=中国

 日本が開発したステルス実証機「X2」が22日に初飛行を行い、無事成功をおさめたが、中国メディアの新浪はこのほど、日本にX2の開発を「決心させたいきさつ」について考察する記事を掲載した。

 記事はまず、日本が米国のステルス戦闘機F-22の導入を希望しながらも米国から拒否され、F-35の購入に甘んじるに至ったと主張。
 この出来事は日本にステルス戦闘機を自主開発する決心をさせた直接の原因になったと論じた。

 さらに1980年代後半にも日本は戦闘機の自主開発を目指したが、米国の反対に遭い、共同開発という形に強引に持ち込まれたと記事は説明している。
 1980年代に日本は米国から戦闘機の自主開発を阻まれ、自主開発がだめならとF-22の購入を願ったがそれも実現しなかった。
 国防のために国産戦闘機を持ちたい、あるいは最強の戦闘機を持ちたいというのは自然な願いとも言えるが、
 米国による日本の軍事航空力に対する抑制
がこの願いの実現を阻んだという見方もできる。

 記事は、今回のステルス実証機X2の開発には
 日本の航空産業につながれた米国の鎖を断ち切って最強の国産戦闘機を持つという決心が関係している
と主張。
 X2の開発はステルス戦闘機「F3(仮称)」開発の踏み台であるとの一部報道も記事は紹介している。

 また防衛省のある部門の責任者がX2の機動性はF-35よりも優れていると評価していることを記事は伝えている。
 この点にも国防のために優秀な国産戦闘機を開発しようとする日本の決意が現れていると言えるのかもしれない。




●X-2 2度目の試験飛行に向けテイクオフ 岐阜基地1st.160518




【2016 異態の国家:明日への展望】


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