『
Yahoo ニュース 2016年4月23日 20時38分配信 児玉克哉 | 社会貢献推進機構理事長
http://bylines.news.yahoo.co.jp/kodamakatsuya/20160423-00056955/
中国の土壌汚染はなぜ起こるのか
~各地で健康被害が顕在化
中国の大気汚染は目立つのでよく話題になりますが、さらに深刻なのが土壌汚染です。
土の中に染み込んだ化学物質は長い年月をかけて地下水に入り、農産物を汚染し、身体にも大きな悪影響を与えます。
それを除去するには巨額の資金と長い年月がかかります。
ほぼ不可能と考えられるような状態に陥っています。
読売新聞(2016年4月18日付)が以下の汚染による影響を伝えています。
「上海紙・東方早報などによると、中国江蘇省常州市の常州外国語学校(中学・高校)で、昨年9月に新校舎に移転後、生徒493人に皮膚炎などの異常が見つかった。
湿疹や気管支炎を訴える生徒もいるほか、白血病のような深刻な症状も出ている。
隣接する化学工場跡地の土壌汚染が影響した疑いが強まり、同市当局が調査している。
化学工場跡地では地下水から基準値の約9万4800倍のクロロベンゼン、土壌からも約7万8900倍の同物質が検出された。
工場の元従業員によると、作業の手間を省くために廃水を工場外に流したり、廃棄物を地中に埋めたりしたという。
中国は土壌汚染が深刻で、汚染物質を排出する企業690社の敷地や周辺で行った調査では、調査地点の36%で基準値を超える汚染物質が見つかっている。 」
非常に酷い状態です。
これが特別というよりも氷山の一角と見たほうがいいでしょう。
中国ではこれから長期にわたって、土壌汚染による健康被害が増えると予想されています。
中国の環境保護省は全国的な土壌検査の結果を発表しています。
それによると、国土の3分の2に当たる約630万平方キロメートルのうち、
約16%の土地と耕作地の約19%で基準値を上回る汚染が確認
されたことを明らかにしています。
中国は広大な国です。
そのかなりの部分で汚染が確認されていることは信じがたいことです。
工場跡地には、予想できないくらい酷い汚染があります。
カドミウムやヒ素、クロム、鉛などの重金属が土地に含まれています。
どうしてこのような事態になったのでしょうか。
いくつものパターン、要因があります。
まず、工場排水をほとんど浄化しないで、川などに垂れ流しにしていました。
中国の川は日本のように急流でないので、重金属は川に淀み、時間をかけてまわりの土地を汚染していきます。
汚染した川の水をそのまま農業用水として使うなら、農耕地はあっという間に汚染されます。
工場排水をそのまま農業用水として使うこともあるようです。
政府は川などへ工場排水をそのまま流すことを規制し始めました。
費用のかかる浄水装置をつけなければなりません。
そこで考案されたのが、土地に高圧力をかけて工場排水を流し込む手法です。
高圧をかければ土地の中に工場排水が入っていきます。
これがかなりの場所で行われているといいます。
そうなると工場の土地は凄まじい汚染土壌となります。
常州外国語学校の建っている工場跡地が大変なレベルでの重金属汚染土壌であることもこうしたことが原因であるのではないかと推察できます。
それはやがては地下水に入ります。
中国では地下水が非常に重要な水資源です。
農業用水としても使われます。
こうした過程を経て、広大な土地が汚染されているのです。
土壌汚染が自然に回復するには数百~1000年の時間がかかるといわれます。
人間が生きている時間よりも長いのです。
これを解消するには、土地を入れ替えたり、土壌を洗浄するなどしなければなりません。
ただここまで広大だと、どこから手をつければいいのか、ということになります。
地下水が汚染されていくと、中国は使える水が足らなくなります。
地下水の絶対量も減り続けています。
その質がさらに悪化すると、工業においても農業においても、人々の生活においても大きな問題となります。
日本の土壌浄化の技術や水の浄化技術は優れたものがあります。
あまりに広大な汚染なので、どこまで浄化できるのかはわかりませんが、そうした技術を活用することは重要です。さらに汚染させないことが何よりも必要です。
児玉克哉
社会貢献推進機構理事長
三重大学副学長・人文学部教授を経て現職。専門は地域社会学、市民社会論、国際社会論、マーケティング調査など。公開討論会を勧めるリンカーン・フォーラム事務局長を務め、開かれた政治文化の形成に努力している。「ヒロシマ・ナガサキプロセス」や「志産志消」などを提案し、行動する研究者として活動をしている。2012年にインドの非暴力国際平和協会より非暴力国際平和賞を受賞。連絡先:kodama2015@hi3.enjoy.ne.jp
』
『
サーチナニュース 2016-05-17 07:55
http://news.searchina.net/id/1609852?page=1
深刻さが増す中国の環境汚染、
日本の琵琶湖の例に学ぶべき=中国報道
現在の中国では水質汚染が非常に大きな社会問題となっているが、中国メディアの全景網はこのほど、日本の琵琶湖が30年という歳月をかけて水質の回復に成功したことを紹介、中国は琵琶湖をめぐる経験から学ぶことができると説明している。
記事は1960年代の高度経済成長期に琵琶湖は水質汚染の危機に直面したと紹介。
工場や家庭の廃水に含まれる大量の薬品、化学合成品、重金属などの物質が水質を破壊。
1962年には農薬が漁業に与えた損害は4億円、さらに1973年の滋賀大学の調査によれば約14%の魚に脊椎異常が見られたと説明した。
そこで日本政府は1972年に琵琶湖総合開発特別措置法を制定、またこの法律に基づいて「琵琶湖総合開発」と呼ばれる国家プロジェクトを実施したとは紹介。
これは生活廃水による汚染、工業廃水による汚染、農業廃水による汚染というさまざまな汚染ルートそれぞれに徹底的な汚水処理対策を講じるというプロジェクトだ。
さらに記事は1977年に琵琶湖に赤潮が発生した際、水質改善のために「滋賀県民は非常に大きな力を発揮した」と説明。
当時の市民運動が1979年の「富栄養化防止条例」の制定につながったことに記事は言及、水質保全に対する住民一人一人の意識の高さに注目している。
これらの取り組みの結果、琵琶湖の水質は好転し現在は6メートル以上の透明度があると伝えた。
琵琶湖の水質管理について、記事は「厳格」という言葉を何度も用いて、中国の読者に向けて日本の取り組みについて紹介している。
様々な法律を「厳格」に制定、琵琶湖汚水処理場における規制値を「厳格」に実施、また政府が定めた基準よりも「厳格」な規準などの表現から、環境汚染対策は厳格さをもって臨まなければ決して成功しないという記事の見方が表れている。
それと同時にこの表現は水質管理において自分を律する強さを発揮した日本社会に対する敬意も含まれていると言えよう。
記事は最後に非常に重要な事実を伝えている。
琵琶湖の水質を回復させるために日本は
30年という歳月と莫大な金額
を投じたということだ。
「汚染が生じてから管理する」というやり方の代償はとてつもなく大きい。
中国では水質汚染のみならず、土壌、大気、あらゆる環境が深刻な水準にまで汚染されてしまっている。
中国が環境を回復させるためには琵琶湖の例よりもはるかに莫大な資金と長い時間がかかると予想される。
』
JB Press 2016.5.17(火) 姫田 小夏
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46841
ここでも締め付け、公害と戦えない中国の市民団体
民間組織の管理が強まり、暗黒社会にまっしぐら
今年(2016年)は水俣病の「公式確認」から60年の節目だ。
ゴールデンウィーク中の5月3~5日には東京大学の安田講堂で「水俣病公式確認60年記念 特別講演会」が開催され、多くの聴講者が集まった。
公演会を主催したのは、水俣病の悲劇を風化させまいとする「水俣フォーラム」というNPO法人だ。
PM2.5に汚染された空、カドミウムに汚染された土壌・・・、中国もかつての日本と同じ公害問題を抱えている。
日本で公害問題を突き動かしたのは、被害者の抗議運動であり、専門家による分析であり、ジャーナリズムだった。
水俣フォーラムのような市民団体も活発に活動している。
では、中国ではどうだろうか。
残念ながら、思想弾圧や言論統制の厳しい中国で市民団体が公害反対運動などを展開するのは極めて難しい。
公害反対運動どころか、民間の自発的な活動自体が政府の監視下に置かれているのが実態だ。
■半官組織が担う中国の環境活動
中国で環境活動を展開する市民団体には海外のNGOや中国人によるボランティア組織などがあるが、活動の歴史はまだ浅い。
「中国でNGOという言葉が広がったのは1992年の地球サミットから」(中国の環境問題の専門家)とも言われ、1990年代は海外のNGOが先行して活動を展開していた。
中国人による活動が見られるようになるのは2000年代に入ってからのことだ。
しかし、中国国内の市民団体は今も「勝手に組織できず、申請しても受理されない」(同)のが現状だ。
草の根的な組織は民政部が登録を受け付けないため、「政府非公認」という存在にとどまる。
そのため活動は自由に行えず、社会への影響力も限定されてしまう。
中国で民間組織に代わって活発に環境活動を展開するのが「政府系の非政府組織」(GONGO)だ。
西側先進国では民間組織が担う社会活動を、中国ではこうした半官組織が中心になって行う。
GONGOの中身は、言ってみれば政府機関からの天下りが仕切る組織である。
結局、その活動は一般の公共事業と変わらないと言ってよい。
■「ボランティア」という言葉も定着してきたが・・・
中国ではすでに国家計画のもとにさまざまな環境対策プロジェクトが進行している。
そのため、大気汚染や水質汚染の対策を政府任せにする市民は少なくない。
市民が自発的に環境活動を展開しようという機運も生まれにくい。
各地で散発的に反公害運動が起こっているようだが、大きなうねりになることはない。
それでも近年は、環境問題に目覚めた新世代がアクションを起こすようになってきた。
五輪や万博など国家イベントを契機として、あるいは四川大地震がエポックメイキングとなり、「ボランティア」という言葉も一般の若者の間に定着するようになった。
上海の外資企業に勤務する中国人女性のHさん(27歳)もそうした世代の1人だ。
最近、環境ボランティアに関心を持ち、上海で活動する民間グループをインターネットで探し始めた。
ところが、参加できる団体が見当たらない。
「活動内容も十分に開示されていない。
会員を募集している様子もない。
民間の環境ボランティアは厚いベールにくるまれている」
とHさんは驚く。
草の根の市民団体はあるにはある。
だが、必ずしも市民にとって身近な存在であるとは言い難いのが実情だ。
■まだまだ自立できない民間組織
筆者の中国の友人に、ある「草の根NGO」の創設者がいる。当
時は“金持ち”だった日本人から募金を集め、これを元手に細々と活動をしていた。
だが、2000年代後半から全国組織の非営利公益法人との連携を強めるようになった。
連携とはいえ、実態は民間組織が国の組織の傘下に組み込まれたという構図に近い。
上述したように、中国では民間組織が立ち上がっても活動は限定的だ。
また世間も、その組織が政府機関でもなく非合法な存在であれば「怪しげな反政府分子」と疑うだけだ。
だとすれば、主宰者が「寄らば大樹」に傾くのは仕方がない。
国の組織と「連携」してから国営メディアは盛んにこの民間組織を取り上げるようになった。
結果的にこの組織は知名度が上がり、その後の活動に大きく弾みがついたのである。
逆の言い方をすれば、民間組織はまだまだ自立できる状況ではないというわけだ。
■「暗黒社会」の到来か
4月末、中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)常務委員会で、中国国内における海外NGOの活動を規制する法律が成立した。
対象となるのは、主に国家の安全に影響をもたらす人権団体などのNGOだと言われている
だが、中国が統制しようとしているのは人権団体だけにとどまらない。
中国共産党は、海外NGOのみならず国内の民間組織やボランティア組織、学会や協会など(これらを中国では「社会組織」と呼ぶ)もますます強力に統制する方針を打ち出している。
上海出身で東京在住のPさんは
「社会を良くするためには市民の参加が不可欠だ。
しかし、中国では民間組織の活動がますます衰退していると言わざるをえない」
憂慮する。
民間には、国や政府の枠組みとは異なる民間ならではの運営モデルがある。
ここから新たな知恵や工夫が生まれ、ひいては中国が最も必要とする経済の構造改革につながる可能性もある。
しかし、中国はますます統制が強化され、暗黒社会の様相を強めている。
衣食足りた中国社会の向かう先が案じられる
』
『
Record china 配信日時:2016年5月31日(火) 9時10分
http://www.recordchina.co.jp/a140043.html
年30億トンの固形ごみ!
汚染に苦しむ中国は
海外企業のビジネスチャンスに―仏メディア
2016年5月28日、RFI中国語版サイトによると、中国は工業汚染に苦しんでおり、海外企業のビジネスチャンスになっている。
汚染に苦しむ中国。
さまざまな汚染源があるが、主要汚染源の一つが工業だ。
2014年時点で
★.年30億トンの固体ごみ、
★.数百万トンの有毒ごみ
が生み出されている。
また、
★.工業用排水のうち30%は未処理のまま排出
されている。
深刻な問題だが、汚染処理企業にとっては途方もないビジネスチャンスとなる。
フランスのVeoliaグループは現在、中国に6カ所の有毒ごみ焼却場を保有し、さらに4カ所を建設中だ。
中国の有毒ごみ市場で25%のシェアを握るとの目標を掲げている。
Suezグループは上海化学工業区をはじめ10カ所以上の工業区で排水処理を受注している。
今後も中国の経済成長率と同じく、年6.5%ペースで売り上げを伸ばしていきたいと意欲を示した。
』
『
CNN.co.jp 6月27日(月)11時14分配信
http://www.cnn.co.jp/fringe/35084911.html?tag=top;topStories
北京で深刻な地盤沈下、
年間11センチも 地下水枯渇原因か
香港(CNN)
中国の北京で地盤沈下が進み、最も被害が大きい地区では年間11センチも沈下していることが27日までに分かった。
中国を拠点とする国際調査団が調査結果を発表した。
沈下の原因は地下水の枯渇にあると指摘している。
研究チームは衛星画像やGPS(全地球測位システム)のデータを解析し、2003~10年にかけての地理的動向を調べた。
その結果、北京の地盤沈下は急速に進んでいることが判明。
特に朝陽区、昌平区、順義区、通州区は沈下の程度が大きく、最も被害が深刻だった東部の昌平区は年間11センチのペースで沈んでいた。
北京は世界の都市の中で5番目に「水ストレス」が高いと研究チームは解説し、都市化の進展に伴い地下水に対するストレスは一層悪化すると予想する。
北京は工業用水から家庭用の飲料水まで水の3分の2を地下水に依存する。
地元メディアによると、北京で必要とされる水の量は年間35億リットルに上る。
地下水のくみ上げ量が増えるほど乾燥した土壌は圧縮され、急速な地盤沈下は建物や鉄道などの公共プロジェクトにも影響を及ぼしかねない。
中国では何年も前から水の大量消費に伴う問題が深刻化していた。
5年前には南部を記録的な干ばつが襲って農作物に多額の損害をもたらし、何百万人もの人や動物が飲料水不足に見舞われた。
水不足を補うために、特に中国北部では大規模なインフラ整備が進む。
今回の調査は中国国家自然科学基金委員会の助成で実施され、このほど発表された。
』
『
yahooニュース 2016年6月27日 15時6分配信 児玉克哉 | 社会貢献推進機構理事長
http://bylines.news.yahoo.co.jp/kodamakatsuya/20160627-00059341/
水で栄えた中国が水に苦悩する
~減少し、汚染される地下水
世界四大文明としてあげられるのは、メソポタミア文明、エジプト文明、インダス文明、中国文明である。
そのどれもが大河の近くで誕生し、発展した。
メソポタミア文明にはチグリス川とユーフラテス川、エジプト文明にはナイル川、インダス文明にはインダス川、中国文明には黄河、長江があった。
水は人間の活動にはなくてはならないもの。
水とともに文明は発展してきたのである。
この四大文明の一つの地域である中国で、「水」が問題となっている。
CNN香港(2016年6月27日)は
「中国の北京で地盤沈下が進み、最も被害が大きい地区では年間11センチも沈下していることが27日までに分かった。
中国を拠点とする国際調査団が調査結果を発表した。
沈下の原因は地下水の枯渇にあると指摘している。 」
と報じている。
北京では、工業用水や生活用水の3分の2を地下水でまかなっているという。
中国全体でも3分の1を地下水でまかなっている。
つまり、中国では地下水は重要な水の供給源なのである。
中国は国全体で見ると、水資源総量は 23258.5億m3 (2011年現在)で大きく、 世界の第4位に位置する。
しかし中国の人口は大きく、全国の1人当たりの水資源量では1730.4m3となり少ない。
これは世界的にも非常に少ない方に入る。
しかも、水資源は地域によって偏っている。
一般的に、北西にあたる東北地域や華北地域、西北地域は乏しい。
北京は華北地域に入っている。
中南・華南地域や西南地域は豊富である。
そして困ったことに、水資源が少なくなる傾向にあるのに対して、水の使用量は増えている。
特に中国の北西においては、慢性的な水不足が問題化しているのである。
工業化のためには水の大量消費が必要になる。
洗ったり、冷やしたり、様々な用途に使われる。
水をあまり使わない産業はサービス業など一部である。
経済発展を遂げた中国は大量の水を消費する国にもなったのである。
また、家庭においても大きな変化が起きている。
トイレが水洗化した。
中国では今でも田舎では昔ながらのぼっとん型のニーハオトイレがあり、話題になるが、都市部では水洗化した。
中国トイレ革命である。
当然のことながら水の消費量は高まる。
また清潔を保つことが求められるようになった。
風呂やシャワーの回数は増えるし、洗濯の回数も増える。
日本でもヨーロッパでもそうだが、以前は洗濯はあまりしなかったのである。
それが毎日のように選択をするようになった。
中国もその流れがきている。
水の消費は文化的生活を保つのに不可欠なのだ。
また全体的な水資源不足は中国の砂漠化を進めている。
昨年は河南省、吉林省などで大干ばつが発生した。
水問題は中国の最大の問題ともなりつつある。
中国が苦悩しているのは、水の量だけではない。
水の質が極度に悪化しているのである。
2016年1月、中国水利部が公表した『地下水動態月報』によると、2015年に東北の松遼平原や内陸部の江漢平原などにある約2103の井戸に対して水質観測調査を行ったところ、地下水の8割が深刻な汚染で飲めないレベルであるという。
特に中国の水の乏しい地域では地下水の汚染が深刻であるという。
よく中国の川の水の色が変わるほどの汚染の写真が見られる。
ただ、川の場合は対策をとれば、比較的短期間に浄化できる。
中国の川は日本の川よりも流れるスピードが遅いので、日本よりは時間がかかるだろうが、それでも流れる水の浄化は可能だ。
地下水が広域に汚染されると浄化は非常に難しい。
中国の場合は、土壌汚染と一体化した問題だ。
工場排水を地下に流し込んだり、産業廃棄物を地下に埋めたりしている。
中国の水汚染は、大腸菌型だけでなく、重金属型でもある。
深刻だ。
まずは、これ以上、地下水を汚さないことが大切だ。
汚れた排水を浄化させて、再利用できる仕組みを作ることが必要だ。
また汚染された地下水を浄化し、「使える」水としてキープすることも考えなくてはならない。
節水の技術も求められる。
日本は水には敏感であった。
安全で清潔な水は当然のもととして文化に溶け込んだ。
それだけに日本の浄水技術は世界でもトップクラスである。
節水技術もトップレベルだ。
この分野での日中の協力は可能だ。
将来的には水資源が経済の発展の最大の要件になるだろう。
日本は水の分野での最重要技術を持っている。
水による共栄ができれば素晴らしい。
』
『
Record china配信日時:2016年7月9日(土) 6時0分
http://www.recordchina.co.jp/a144245.html
中国で土壌汚染が深刻に、
河北省の村では謎の奇病が多発―スペイン紙
2016年7月7日、中国で土壌汚染が極めて深刻な状況にあり、河北省の村々では謎の奇病まで多発している。
中国紙・参考消息(電子版)が伝えた。
スペイン紙エル・パイスによると、河北省の大営村は「皮の都」と呼ばれる皮革・毛皮産業の一大都市・辛集市に隣接しており、村内には周辺の工場から出た大量の産業廃棄物が山積みにされ、ひどい悪臭が漂っている。
また、工場で生産に使われた化学物質が川に捨てられ、ここからも異臭がしており、飲用水が汚染された村人は何度も苦情を申し入れているという。
ある村人は
「よくわからない病気にかかっている人がたくさんいる。
まだ若いのにがんになってしまう人もいる」
と話す。
さらに、2年前に植林した200本ほどの楊の木はすべて枯れ果てた。
のそばで農業を営んでいる村人も、
「家計のすべてを支える小麦はまったく収穫できなくなった。
水が汚染されたからだ」
と涙ながらに訴えている。
しかし、こうした事例は大営村に限ったことではない。
土壌汚染は大気汚染と同様、中国各地に見られる深刻な問題となっている。
中国国土資源部は2005年から2013年に調査を行い、2014年調査結果を発表した。
それによると、中国全土の観測地点で土壌汚染が基準を超えているのは16.1%。
耕作地では19.4%に上り、農業用水が汚染された田畑は330万ヘクタールに達している。
汚染の原因は工場排水も含めさまざまだが、殺虫剤の過剰な使用も原因になっているという。
中国政府は5月31日、3年かけて整備した「土壌汚染防治行動計画」を公布した。
2020年までに土壌汚染を基本的に抑制し、
2030年までに土壌環境を徐々に改善させ、
2050年までに全面的に改善させる
というものだが、この計画にはすでに問題が指摘されている。
必要な関連法の整備ができておらず、計画の実施そのものが不可能な上、
中国環境保護部の専門家は
「2014年に発表された調査の信頼性も低く、確実な統計データをより多く集める必要がある」
とし、2018年内にすべての耕作地の汚染状況を調べることを目標にしていると話している。
また、高いコストも問題となっている。
』
【2016 異態の国家:明日への展望】
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