2016年3月14日月曜日

チャイナマネーは何処へいく(1):規制がかかる前に有効な投資先をみつけよ!

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 中国から資金がどんどん逃げ出している。
 中国経済の現状からみて政府は早晩、資金の流失を規制する方向に舵をとるだろう。
 それまでの残された時間は短い。
 いかに、うまく効率のいい投資先を見つけるか、それが
 「いまそこにあるチャイナマネーのミッション」
になっている。


ロイター 2016年 03月 13日 10:40
http://jp.reuters.com/article/angle-china-money-property-idJPKCN0WD0O5?sp=true

アングル:ドバイや英学生寮、中国マネーが狙う海外格安物件

[香港 9日 ロイター] -
 世界各地の大都市で不動産の価格高騰を招いたチャイナマネーは、従来の領域を超えて、ドバイの土地や英マンチェスターの学生住宅のような格安で高いリターンの見込める物件に触手を伸ばしている。

 中国の買い手は、裕福な個人から、住宅を買うプライベート・エクイティ(PE)ファンド、不動産プロジェクトに投資するため現地で共同事業を立ち上げる企業やファンドなど多岐にわたる。

 「高い利回りや、安い入口価格、高いキャピタルゲインを求めて新興市場に投資している」
と、SPVグローバルのディレクター、クララ・イェン氏は指摘する。
 「休暇先として投資する人もいる。
 また、例えば2020年のドバイ万国博覧会(万博)やミャンマーの政変といったように、経済や政治的状況のポジティブな見通しも、新興市場に投資する要因だ」
と同氏は話す。

 ドバイでの不動産投資額は、中国が昨年7番目に大きかった。
 1月に香港でドバイの不動産展示会を開いたスマンサ・エキシビションズのディレクター、サジド・アリ氏によると、2013年全体で3億5400万ドルだったのに対し、15年は最初の9カ月間で4億6300万ドルを投資している。

 中国の機関投資家が昨年ニューヨークとシドニーで行った不動産投資額も、それぞれ1年前の12億ドル、35億ドルから約60億ドル、40億ドル近くまで増加している。
 「香港の(中環)エリアでワンルームマンションの平均価格は700万香港ドル(約1億0250万円)だが、ドバイなら同じ価格でワンルームが7戸買える」
と、アリ氏は説明。
 投資リターンが香港では2.8%なのに対し、ドバイでは7.2%だと付け加えた。

 チェンと名乗る購入希望者は、ドバイかバンコクの物件を検討しているという。
 「深センで買うのは不可能だ。価格が高過ぎる」
とチェンさんは語る。
 中国南部の都市、深センの1月の住宅価格は、前年同月比で52%も上昇した。

 ドバイの政府系持ち株会社ドバイ・ワールドの不動産開発子会社、ナキールによると、同社が開発したドラゴンシティー内のショッピングモールに近い住宅約600戸の買い主は7割が中国人だという。
 「多くの中国人がわれわれから土地を購入した。
 彼らは開発して貸したいと考えている。
 なぜなら利回りが約10%に上るからだ」
と、ナキールのアリ・ラシェド・ルータフ会長は語った。

■<学生向け住宅>

 学生向け住宅はPEにとってはすでに人気の投資先だが、中国人投資家も一段と引きつけている。
 なかには、現地も訪れずにそのような不動産を購入する人もいるという。

 「ロンドンにある300万ポンド(約4億8400万円)のマンションを買うなら見ておきたい、というのとは話が違う。
 彼らは主に投資のために買う。
 価格が妥当なら、何でも買うだろう」
と、不動産投資会社ピナクル・アライアンスのディレクター、ジュリー・ハーベイ氏は語る。

 学生向け住宅は大学のキャンパスに近く、通常は中心部にはない。
 ハーベイ氏によると、英マンチェスター学生住宅の場合、昨年の賃貸利回りは約8%、キャピタルゲインは10%だったという。

(Clare Jim記者 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)



WEDGE Infinity 日本をもっと、考える 2016年03月12日(Sat)  土方細秩子 (ジャーナリスト)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/6283

地上300メートルの滑り台
LA中心部の3分の1が今や中国資本

 西海岸で最も背の高いビルは、ロサンゼルスダウンタウンにあるUSバンクタワー。
 1989年に完成し、72階建てで高さは310メートル
 86年の火災で焼失したロサンゼルス図書館再建のため、「地上権」をおよそ10億ドルで売却することで建設が着工された。


●USバンクタワー(iStock)

 ロサンゼルスダウンタウンのシンボルとして親しまれているが、同時に「西海岸で最も高い建物」ということでテロの標的にもなっている。
 2001年の同時多発テロの際、ニューヨークの世界貿易センタービルと並んでUSバンクタワーも標的候補のひとつだったことが明らかになっている。

 そんなバンクタワーだが、さすがに老朽化が目立ってきた。
 このビル、13年にシンガポールのOUE社に売却されたが、同社が今年3月、大々的なリノベーションプランを発表した。
 中でも目玉となるのが「地上300メートルの滑り台」だ。

 プランでは70階部分を「OUEスカイスペースLA」と銘打ち、ロサンゼルスの全景が楽しめるバースペースとする。
 69階には建物の周囲を囲むガラス張りの展望所を増設、新しいダウンタウンの観光名所にしたい、という。

 注目の滑り台は、70階部分から69階をつなぐ、床も周囲も全面ガラス張りのもの。
 名称は「スカイスライダー」。
 ダウンタウンを真下に眺めながら、ちょっと肝の冷えるスライドが楽しめる。

 ただし一回滑るための価格は8ドル。
 70階と69階へのアクセスには25ドルかかるため、合計で33ドルが必要だ。
 それでもニューヨークのエンパイアステートビルよりは安く、6月25日のオープン後には大勢の観光客が詰め掛ける新しい名所になるかもしれない。

■西海岸一背の高いビルの称号を失う

 このタイミングでリノベーションが行われる背景には、来年にUSバンクタワーは西海岸一背の高いビルの称号を失う、という事実がある。
 新たに最高峰となるのは韓国の大韓航空が現在建設中のウィルシャー・グランド・タワー。
 900室の4つ星ホテル客室、ショッピングセンター、オフィスなどの複合施設で、USバンクタワーよりも約2メートル高い。
 ガラス張りの帆船のようなデザインは、オープン前だがすでに注目を集め、ダウンタウンの新しいランドマークとなっている。

 ウィルシャー・グランド・タワーは70階部分にホテルロビーが設置され、ビル全体がガラス張りのため展望スペースになっている。
 こちらに観光客が吸い込まれてしまうのを防ぐためにも、バンクタワーには何か呼び物が必要だった。
 それがガラス張りの滑り台なのである。

 高さではシンガポールと韓国が争っているが、面積、投資額ではもちろん中国が圧倒している。
 中国はダウンタウンエリアにおよそ60億ドルを投資、ホテル、ショッピングセンター、コンドミニアム、オフィスなどの複合施設を複数建設中だ。
 今まさに「アジアパワーがロサンゼルスのスカイスクレーパーの風景を変えつつある」のだ。

■高値で買って投げ売りするバカな投資

 1980年代、ロサンゼルスをはじめ米国のランドマークタワーを買い漁っていたのはバブル景気に沸く日本企業だった。
 ロサンゼルスでも当時高さナンバーワンだったボナベンチャーホテルが買収され話題となった。
 しかし日本企業による投資はその後ことごとく失敗、「高値で買って投げ売りするバカな投資」と笑い者になった。

 一方、韓国や中国の投資は土地を買収し、建設を行うことで雇用を生み出し、自治体や政府に恩を売る、という賢い投資だ。
 そのためダウンタウン中心部の3分の1が今や中国資本、という状況でも中国に対するバッシングはそれほど起きていない。

 ガラスの滑り台はアジア資本のロサンゼルスでの隆盛のシンボルだが、地域に溶け込み、観光客を呼び込もうという姿勢の現れでもある。



サーチナニュース 2016-03-15 06:32
http://biz.searchina.net/id/1604823?page=1

中国資本が日本の不動産市場に攻勢かける、
バブルは生じるか=中国

 中国メディアの界面はこのほど、海外投資家による日本の不動産投資の現状について説明している。
 約20年間にわたって低調だった日本の不動産市場を海外資金が復活させつつあることを論じた。

 記事は世界的な総合不動産サービス会社が示したReal Capital Analytics(RCA)のデータを紹介、2015年の海外投資家による日本の不動産取引額は79億5000万ドル(約9050億円)に達したことを紹介。
 中国の投資家による投資額は3億4000万ドル(約387億円)だったという。

 海外投資家たちは日本の不動産投資が長期的に安定した収益を見込める点や永久的な所有権が保証されている点に安心感を抱いていると説明している。
 世界各国のソブリン・ウエルス・ファンド(SWF)も日本の不動産に投資しており、記事はノルウェー政府年金基金による日本での不動産投資やカタールによる日本の複数のボウリング場購入などの事例を紹介している。

 また15年9月に中国不動産最大手の緑地集団が日本の大手金融機関と提携し、日本での不動産投資に乗り出したことや、15年11月には中国の商業施設運営会社である上海園旅遊商城が北海道のリゾート施設を183億円で買収すると発表したことも紹介。
 中国の個人投資家たちも民宿を開業したり、家賃収入を得る目的で日本の不動産に投資していると説明した。

 では海外投資家たちによる不動産投資は、再び日本にバブルを生じさせることにつながるのだろうか。
 その可能性は低いというのが記事の見解だ。
 確かにマイナス金利政策によって海外投資家による不動産取引は活性化するが、日本の銀行は融資に対して割り合い消極的な態度を示しているためだという。

 また08年のリーマンショックの際、危機発生前に海外投資家たちは多くの日本の不動産を購入しており、それが原因で危機発生後に不動産価格が下落した。
 しかし現在東京の不動産取引に占める海外投資家の取引は2割程度であり、しかも海外投資家たちは不動産の購入一辺倒というわけでなく、売却も行っていると記事は説明、海外資金が日本の不動産市場に及ぼす影響は限定的であるという見方を示している。

 17年4月に予定されている消費税の増税や少子高齢化といった問題も抱える日本だが、東京については人口の増加が見込まれるため、短中期的に言えば不動産市場に対するダメージはそれほど大きくはなく、東京五輪に向けて活況となる可能性は存在するだろう。



Forbes JAPAN 3月15日(火)10時1分配信
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160315-00011540-forbes-sci

1400億円でオペラ買収の中国ゲーム企業「崑崙」 
世界制覇の夢

  中国のゲーム会社崑崙(コンロン)の創業者、ジョウ・ヤーフイ(周亜輝)は今年1月、米国のゲイ向け出会いアプリGrindrの株式の60%を9,300万ドル(約105億円)で取得した。
 その金額は同社のEBITDAの10倍近い値段だと39歳のジョウは説明する。

 ジョウの狙いはGrindrのユーザーに崑崙のゲームをさせることではない。
 彼の目標は崑崙を単なるゲーム会社から中国最大のインターネット企業に脱皮させることだ。
 それもアリババやバイドゥ(百度)、テンセント(騰訊)に追いつくことではなく、崑崙のプラットフォームをソーシャルメディアやインターネットブラウザ、オンラインファイナンス、動画ストリーミングまで広げ、海外のユーザーを捉えることを目指している。

■今年2月、ユーザー数3億人のオペラを買収

 崑崙は今年2月、インターネットセキュリティーの奇虎360科技、ソフトウエア開発のチーターモバイルなどと中国企業コンソーシアムを作り、
 ノルウェーのブラウザ開発会社オペラ(Opera)を12億3,000万ドル(約1,390億円)で買収した。

 その後、不採算部門の切り離しに動き、1,600人いる従業員の3分の1以上のリストラに着手した。
 ブラウザのセキュリティとスピードを改善するべく奇虎とも協業しているジョウは、
 「これから参入しようとしている分野は競争が非常に激しいと知っているが、我々はそれを受けて立つ実力がある」
と自信を示した。

 ジョウは2004年、自身が立ち上げたソーシャルアプリ「火神(フオシェン)」の規模拡大に失敗し、事業を畳んだ。
 そして崑崙を設立する2年前の2006年、中国最大のSNS、人人網(レンレンワン)で働き、CEOの陳一舟(チェン・イーチュエン)から仕事を学んだ。

 人人網が頭打ちになった後にチェンがオンラインファイナンスや物流に参入し多角化する様子を見て、ジョウはビジネスのヒントを得たという。
 ジョウは1年も経たずに人人網を去り、中国のソフトウエアやゲームの海外販売を始めた。

 オペラの月間ユーザーは3億を超える。
 ブラウザ事業は、崑崙の他の事業に安定したトラフィックを提供するだろう。
 そして196カ国から毎日200万人が訪れるGrindrも、ニッチなユーザーをそこに取り込む。

 海外への野望に満ち溢れたジョウ自身は、生粋の中国人だ。
 雲南省麗江の役所で働く両親は、ジョウのスタートアップ志向に反対し、安定した仕事に就くことを望んでいた。
 ジョウは最初のビジネス「火神」が破たんしたときも故郷には帰らなかった。
 ソフトウエアを海外で売るようになって、彼の視界はさらに広がっていった。

 ジョウは英語があまり達者では無い。
 創業当時は通訳を同伴してフェイスブック本社を訪れ、広告ポリシーの変更に関して激しい議論を交わした後、なんとか相手を説得したこともあった。

■売上の7割は国外
 国内ではクラッシュ・オブ・クラン等を配信

 ジョウは1年の大半を海外で過ごし、新たな事業を探している。
 崑崙はフェイスブックでもアプリ事業を展開。
 グループコミュニケーションソフト「RaidCall」は台湾とロシアで人気を博している。
 タイではLINEと組んでゲームを展開する。
 同社のアプリストア「1mobile」と「brothersoft.com」は合わせて月間2,000万のアクティブユーザーを持つ。

 崑崙の2014年の売上高2億9,600万ドル(約334億円)の70%以上は海外で稼いだものだ。
 2015年の売上高は2億7500万ドル(約310億円)と微減を見込むが、利益は6350万ドル(約72億円)に増えると予測される。

 中国ではゲームはドル箱だ。
 崑崙はロビオ・エンターテインメントのAngry Birds(アングリーバード)、Supercellのクラッシュ・オブ・クラン、ブーム・ビーチ、エレクトロニック・アーツのニード・フォー・スピードを配信している。
 ジョウはロビオの幹部が中国を訪れた当日、わずか3時間の交渉で契約をまとめあげたという。

■オンライン金融部門も急拡大中

 オンラインファイナンスも中国ビジネスのコアと言える。
 崑崙はアリババの金融サービスグループ螞蟻金融服務集団から昨夏に2億ドル(約225億円)を調達し、学生向け融資サイトの趣分期(チューフェンチー)の株式の24%を取得した。
 6月には英ソーシャルレンディングサービスLendInvestの株式の20%を3400万ドル(約38億円)で取得した。

 オンライン金融ポータルの網貸之家によると、中国のソーシャルレンディング市場は2015年、前年比289%拡大し1,490億ドル(約16兆8000億円)になった。
 ジョウはソーシャルレンディングマーケットでいち早く足場を作り、成長の果実を得ようともくろむ。

■セコイア・キャピタル等から巨額の資金を調達

 崑崙は12月に、DST Globalとセコイア・キャピタル・チャイナから3億ドル(約338億円)を調達した、企業評価額10億ドル(1,120億円)以上の物流会社「大達物流」にも早くから投資してきた。
 ジョウは資金を、成長が約束されている業界に投じるよう努め、
 「ゲームがヒットするかを予測するのは難しい。
 ゲーム会社は利益率が高い分野に投資するべきだ」
と語った。

 崑崙はIPOで14億元(約242億円)を調達し、今年は銀行貸し出しや私募債発行で37億元(約640億円)を確保している。

 リスクを自覚しながらも、ジョウは止まろうとしない。
 彼はオペラの買収作業を今年中に完了したら2017年はEコマース部門を立ち上げると語った。
 今年1月にはまだ製品をリリースしていない米国の人工知能企業Wooboに80万ドル(約9,000万円)出資し、20%の株式を取得した。

  「失敗は想定しているのか」との質問に彼は肩をすくめてうなずいた。
 「最初のベンチャー火神も失敗したが、そこから学んだ。
 失敗は企業運営上のコストに過ぎない。
 恐れる必要はない」



AFP=時事 3月15日(火)13時19分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160315-00000020-jij_afp-bus_all

中国の安邦保険集団、米高級ホテルを「爆買い」


●中国北東部の遼寧省大連にある、スターウッドホテル&リゾートチェーンの「ザ・キャッスル・ホテル」(2014年7月7日撮影)。
【翻訳編集】 AFPBB News

【AFP=時事】
 中国の安邦保険集団(Anbang Insurance Group)が、米国のホテル業界で「爆買い」している。
 米ホテルチェーン、スターウッドホテル&リゾート(Starwood Hotels and Resorts)に対し130億ドル(約1兆4800億円)近い価格を提示している他、米投資会社ブラックストーン・グループ(Blackstone Group)からは16の高級物件を65億ドル(約7400億円)で購入している。

 2014年に米ニューヨーク(New York)のランドマークである老舗高級ホテル「ウォルドーフ・アストリア・ニューヨーク(Waldorf Astoria New York)」を買収したことが大きく報じられた安邦保険集団は、スターウッドの買収候補として首位に立ち、すでに同社の買収で合意している高級ホテルチェーン大手マリオット・インターナショナル(Marriott International)に対する脅威となっている。

 スターウッドは14日、10日に安邦保険集団から一方的に、買収価格128億ドル(約1兆4600億円)に相当する1株あたり76ドル(約8700円)の申し出を受けたと明らかにした。
  これは、スターウッドが昨年11月にマリオットから提示された現金と株式による1株63.74ドル(約7300円)の申し出を上回る金額だ。

 安邦保険集団がスターウッドに接触していることが報じられる中、同集団が米高級ホテルグループのストラテジック・ホテル&リゾート(Strategic Hotels & Resorts)をブラックストーン・グループから65億ドルで買収することが、ある情報筋から確認されている。
 ブラックストーンは、ストラテジックを3か月前に買収したばかり。

 現状を把握する人物が14日、AFPに語ったところによると、安邦保険集団とブラックストーンはすでに確定協定に署名しており、取引成立については近日中に発表される見込みだという。


ロイター 3月16日(水)2時29分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160316-00000007-reut-bus_all

中国が資本流出阻止、
香港の保険商品購入制限=関係筋

[上海/香港 15日 ロイター] -
 中国当局は本土投資家による香港の保険商品購入をさらに厳しくした。
 資金流出を食い止めるため、資本勘定の抜け穴を防ぐ狙いがある。
 関係筋が明らかにした。

 中国人民銀行(中央銀行)は今週、本土の住民が決済サービス会社を通じて香港の生命保険やその他の保険商品を購入することを制限した。
 関係筋によると、保険会社はすでに銀聯(ユニオンペイ)のカードなどを使ったオンライン決済に上限を設定したか、停止したとしている。
 こうした保険の購入は、資本流出規制を免れたい中国の住民が投資を商品購入と見せかける方法として広まっていた。
 保険商品は富の構築に加え、オフショアで不動産投資などの担保になるという。
 中国当局はすべての保険会社に対し、3月14日からユニオンペイ経由のオンライン取引を3万元(4609ドル)に制限するよう指示する一方、カード利用者にはプレミアムの支払いを義務付けたようだ。
 人民銀、ユニオンペイはコメントを求めるロイターの要請に現時点で応じていない。


レコードチャイナ 配信日時:2016年3月19日(土) 10時0分
http://www.recordchina.co.jp/a131186.html

中国資本を「歓迎」するイタリア、
15年の中国企業の投資額は欧州一―英紙

 2016年3月15日、英紙フィナンシャル・タイムズによると、イタリアのある政府高官がイタリアは中国資本を歓迎していると発言した。
 16日付で参考消息網が伝えた。

 経済の低迷と借金に頭を悩ますイタリアは、現在、公共の支出と債務を減らすため国有企業の民営化を進めているが、こうした状況は海外進出を急ぐ中国企業に大きな投資のチャンスを与えていると記事は指摘する。

 米シカゴを中心とする世界最大のグローバル・ローファーム「ベーカー&マッケンジー」がこのほど発表したデータによると、
 2015年に中国の国有企業および民間企業が欧州に投資した額は過去最高の230億ドル(約2兆6000億円)に達した。
 このうち、
 イタリアだけで78億ドル(約8800億円)を占め、欧州の中では最多となっている。

 こうした状況をイタリア国民は歓迎しているというが、同高官は
 「(大企業ばかりでなく)イタリアの中小企業への投資を呼び掛けたい。
 こうした企業は先進的な技術はあるが、資金力に乏しく、経済危機を乗り越えられないかもしれない。
 我々は中国企業とこうした企業をつなげる必要がある」
と話している。



ロイター 2016年 03月 22日 13:44 JST By Peter Thal Larsen
http://jp.reuters.com/article/column-china-debt-idJPKCN0WO0CT?sp=true

膨らみ続ける中国の債務、
抑制策は先送り

[香港 21日 ロイター BREAKINGVIEWS] -
 中国の債務負担は増加の一途をたどることになるだろう。
 昨年の債務総額は国内総生産(GDP)の「約250%」に達し、与信の膨張に歯止めが掛からないことへの懸念が強まっている。
 だが非現実的な経済成長目標を達成するよう求める圧力により、
 債務を抑えるための持続的な取り組みは先送りされてしまうだろう。

 政府の新たな5カ年計画では、直面するジレンマが鮮明になっている。
 李克強首相は、2020年までの年平均実質成長率目標を6.5%以上にすると表明した。
 広義の民間セクター融資を示す「社会融資総量」は2016年に13%増える見通しだ。
 このため、仮にインフレが楽観的な目標である3%になったとしても、債務の伸びは名目GDPを上回ることになる。
 こうした傾向が続けば、債務総額は2020年までにGDPの約290%に達する見込みだ。

 中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は企業債務の増加に懸念を示しているが、
政府が融資を抑える兆候はほとんど見当たらない。
 銀行が今年1─2月に新規融資として貸し出した金額は3兆5000億元(5億4000万ドル)で前年同期比3割強の増加となった。
 中国企業は、国内で借り入れた資金を外国での企業合併・買収(M&A)に充当している。
 トムソンワンによると、中国企業による外国でのM&Aの総額は今年、1000億ドル近くに達している。株式市場がもっと健全であれば、企業はより多くの株式を発行して債務負担を軽減できるのだが、昨年のバブル崩壊により投資家は慎重な姿勢を強めている。

 政府もさらに大きな債務負担を背負う恐れがある。国際決済銀行(BIS)のデータに基づいてBreakingviewsが算出したところ、昨年のGDPに対する公的債務の比率は約44%となり、先進国の比率を大きく下回る水準だった。
 だが、これには国有企業や地方政府による借り入れは含まれていない。
 ムーディーズは、これらの国有企業や地方政府などの債務がGDPの50─70%に上ると推計している。

 一方で消費者の借り入れ総額はGDPの39%にとどまっている。
 このため家計が住宅ローンやクレジットカードなどの借り入れを増やす余地は大きい。
 消費者の借り入れブームが起きれば、中国経済を消費主導型へと移行させながら政府の経済成長目標を達成するのに役立つかもしれない。
 しかしながら、誰が借り入れるにせよ、債務総額の水準は上昇し続けることになる。
 世界中の他国と同様、債務負担の低減には時間の経過を待つ必要がある。

●背景となるニュース

*中国人民銀行の周小川総裁は20日、GDPに占める企業向け融資の比率が高水準に達していることを警告した。

*周総裁は高水準の債務について、同国の高い貯蓄率が要因になっていると説明した。同国のGDPに対する貯蓄の比率は昨年、46%だった。総裁はまた、株式・資本市場の発展が中国のGDPに対する債務の比率を低減するのに役立つと付け加えた。

*中国銀行業監督管理委員会(CBRC)の尚福林主席は16日、政府が国内商業銀行に対し、不良債権化した企業融資を当該企業の株式と交換することを認める計画を検討していると明らかにした。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。


レコードチャイナ 配信日時:2016年3月28日(月) 14時40分
http://www.recordchina.co.jp/a131926.html

中国の米企業買収が過去最高突破、
「技術や情報を入手される」と米議員から懸念も―米メディア

 2016年3月25日、米情報サイトのビジネス・インサイダーによると、
 中国企業による米国企業買収額が今年、年明けからすでに1050億ドル(約11兆8681億円)に達し、
 昨年1年間の総額を突破して過去最高となった。
 環球時報(電子版)が伝えた。

 買収件数は170件以上。
 2月に合意した
 重慶財信企業集団の率いる中国投資家グループによる米シカゴ証券取引所(CHX)買収のほか、
 中国国有の化学大手、中国化工集団のスイスの農薬・種子大手シンジェンタ買収、
 中国家電大手、海爾集団(ハイアール)による米ゼネラル・エレクトリック(GE)の家電事業を買収
など。

 米国会議員は
 「中国企業が買収を通じ、微妙な技術や情報を手に入れようとしている」
と指摘。
 中でもシンジェンダ買収について
 「食料や農業は米国の重要な基礎インフラ的存在。国の安全が脅かされる恐れがある」
としている。


レコードチャイナ 配信日時:2016年4月6日(水) 7時30分
http://www.recordchina.co.jp/a132531.html

中国企業の世界的M&A、
「まるで80年代の日本」と警戒―欧州紙

 4日、欧州紙は中国企業によるM&Aに警戒を示している。
 2016年4月4日、中国紙・参考消息(電子版)によると、スイスの日刊紙ノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥングは、安邦保険グループによる海外ホテルの爆買いなど、中国企業によるM&A(合併・買収)に警戒を示す記事を掲載した。

 最近の中国企業による世界的規模での企業の合併・買収について、多くのアナリストが1980年代の日本を想起させると指摘している。
 当時、日本企業はニューヨークのロックフェラー・センターなど海外の企業や不動産をこぞって買い入れた。

 また、ドイツ紙ディー・ツァイトは中国資本が世界で企業買収を加速させているとし、その対象はドイツや欧米各国の企業のみならず、アフリカのインフラ建設プロジェクト、さらには世界各地の土地・不動産にまで及んでいると報じている。

 中国は海外の企業に対して自国の市場への参入を平等にしていないことや、技術流出によって長期的な競争力に悪影響をもたらすことなどから、中国による投資はあまり歓迎されておらず、現在のような状況が今後も継続すると、新たな問題を引き起こす可能性もある。


2016.4.8(金)  The Economist
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46546
(英エコノミスト誌 2016年4月2日号)

中国企業のM&A:外国資産を買いまくる金満家


●中国北東部の遼寧省大連にある、スターウッドホテル&リゾートチェーンの「ザ・キャッスル・ホテル」(2014年7月7日撮影)。(c)AFP/JOHANNES EISELE〔AFPBB News〕

■中国の外国投資ブームの元手は借金だ

「我々は今、ジェットコースターに乗っている」
 ウェスティンやシェラトンといったブランドを傘下に持つ米国のホテルグループ、スターウッドのトム・マンガス最高経営責任者(CEO)はこの3月末に、従業員に向けてこう書いた。
 同じ米国のホテル運営会社マリオットと、中国の保険会社・安邦保険集団の率いるグループとによる買収合戦に言及したコメントだった。

 安邦保険側は先に買収価格を140億ドルに引き上げた(訳注:この記事が出た後、安邦保険は買収提案を取り下げ、買収交渉から撤退した)。
 マンガス氏がこのとき、世界経済を席巻している中国主導のM&A(企業の合併・買収)の大波について語っていたとしてもおかしくなかった。

*  *  *  *

外国での経験がほとんどない一方で、
 多額の債務を背負った中国企業が、世界各地で資産の最大の買い手に浮上している。
 今年に入って中国企業が発表したクロスボーダー(国境を越える)M&A取引の額は1000億ドル近くに達し、前年実績の610億ドルを早くも上回っている(図参照)。



 確かに、取引の「発表」と「契約成立」は別物だ。
 ほかの買い手に競り負けたり、規制当局から許可が下りなかったりすることにより、この金額はぐっと減る可能性がある。

 とはいえ、傾向ははっきりしている。
 クロスボーダーM&A(発表ベース)に占める中国のシェアはここ数年ずっと10分の1を下回っていたが、今年は3分の1に近いのだ。

 世界経済にとって、この投資ブームはいくつかの点で歓迎すべき展開だ。
 世界全体のM&A取引は今年の第1四半期、前年同期比で25%減る見通しだ。
 食欲旺盛な中国がいなければ、もっと大幅な減少になっていただろう。

 中国が狙いを定める企業の業種はさまざまだ。
 化粧品会社もあれば建設機械会社もあり、フィルムメーカーもあれば肥料メーカーもある。
 コモディティー(商品)やエネルギーへのこだわりは峠を越えたようだ。

 また、最近のM&A案件は以前ほど政治的な面で物議を醸すことがない。
 コンサルティング会社のロジウム・グループによれば、米国の安全保障に脅威をもたらすM&Aかどうかを審査する対米外国投資委員会(CFIUS)がチェックに乗り出す件数は増えているものの、その増加率は中国の投資の増加ペースほどではない。

 それよりも、別の懸念が高まっている。

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サーチナニュース 2016-04-11 11:24
http://biz.searchina.net/id/1607052?page=1

なぜだ!
中国は投資してやっているのに
「日本マネーに比べて歓迎されない理由」

 中国政府は近年、企業の積極的な海外進出を進めている。
 こうした海外進出は中国政府の「走出去」と呼ばれる戦略の1つだ。
 高速鉄道や原発といったインフラ輸出だけでなく、中国の企業そのものの進出も含まれる。

 中国企業が日本や米国の企業を買収する事例も増えてきているが、それでも「走出去」が成功を収めた事例は決して多くはなく、失敗に終わるケースも少ないくないという。

 中国メディアの和訊網はこのほど、中国企業の海外進出における成功事例は「少ない」と指摘したうえで、
 中国の2015年における対外直接投資額は前年比14.7%増の1180億2000万ドル
に達し、13年連続での伸びを示したものの、中国マネーは日本に比べて歓迎されていないのが現状だと伝えている。

 記事は、中国にとっての「走出去」は中国国内で問題となっている生産能力の過剰を国外に移転させるといった単純な話ではないと指摘、世界に新しい経済構造を構築しようとする大きな戦略であると主張。
 米国や日本が環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)のような大きな枠組みと対峙し得る戦略であると論じた。

 一方、中国の「走出去」戦略における成功事例は少ないとしたうえで、その
 理由は「価値観の違いにある」
と主張。
 日本のマネーは中国マネーに比べて歓迎されていると指摘し、その理由として
 「日本は投資を行うだけでなく、
 技術を伝え、
 現地に雇用も生み出している」
と紹介した。

 海外に進出し、相手国でビジネスを展開するうえでは、現地の人びとの文化や習慣の違い、さらには政治や制度の違いを理解し、現地に溶け込む努力が求められるが、中国はインフラ投資を行う見返りに投資先から資源開発などの権益を得る一方で、中国から労働者を大量に連れて行き、投資先に雇用をもたらさないなどと批判されるケースが相次いでいる。
 中国の投資は利己的すぎるきらいがあり、これでは中国の「走出去」が歓迎されないのも当然と言える。





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