造るのはいいが維持費はどうなる。
建設費はGDPに貢献する。
大半赤字の高速鉄道はその維持メンテナンスだけで年間膨大な費用がかかる。
数字目標を目指して高揚しているときはいいが、落ち着いてきたときは無用の産物になりかねない。
特にオカラ工事が噂されていると建設後10年から20年くらいで工事ボロが出てくる。
30年もたつと、高速運転による振動にコンクリート建設物が耐えられなくなる。
1本支柱で支えられる高架形式は阪神大震災にみられるように耐震的に弱い。
費用にはイニシャルコストとランニングコストがある。
この中国高速鉄道にはランニングコストの危険が含まれていないように思える。
資本主義では損益が明快に表現される。
独裁主義では民族的高揚が前面に打ち出される。
後々のソロバンを弾いていないようなのだが。
ただ、「世界一」を目指して闇雲につくっただけのように思える。
しばらくすると、おそらくこの鉄道はズッシリと中国経済の負担になってくるように思えてならない。
「自滅への華麗なる道標:中国高速鉄道」
なんてことが起きないように願うのだが。
ついつい心配してしまう。
『
サーチナニュース 2016-03-11 11:22
http://biz.searchina.net/id/1604591?page=1
「万里の長城」を凌ぐ奇跡?
中国高速鉄道は日本に追いついた=ロシア
中国各地で建設が進められている高速鉄道は、すでに中国国内に世界最長となる鉄道網を構築している。
近年は高速鉄道システムの輸出を進めており、日本の新幹線と世界各国で受注を争う手強い競合相手となっている。
ロシアも中国高速鉄道の輸出先の1つだが、中国メディアの参考消息網はこのほど、ロシアメディアが中国高速鉄道について
「万里の長城よりも奇跡と呼ぶにふさわしい存在」
と高く評価する記事を掲載したことを紹介した。
記事は、中国がどのように「高速鉄道という奇跡」を起こしたかについて分析している。
中国政府が5年間に3000億ドル(約33兆7723億円)もの資金を投入した高速鉄道建設が「奇跡」と言うにふさわしいのは、
2004年からわずか10年あまりで総延長距離が1万9000キロメートル
となったことが挙げられると指摘。
これは日本と欧州の高速鉄道の総延長距離を合わせたものと同水準だ。
また、技術面でも中国は最初こそドイツやフランス、日本の技術を導入したものの、これらの国の技術を学んで吸収し、技術革新を行うことで「10年もしないで日本やドイツのレベルに追い付き、世界屈指となった」と主張、海外市場で競争力を持つほどになった中国高速鉄道を高く評価した。
こうした短期間で挙げた成果について
「投資規模においても、
国としての意義からしても、
中国の高速鉄道プロジェクトは、
紀元前3世紀に始皇帝が建設を始めた万里の長城に匹敵する」
と論じた。
しかし、同記事は高速鉄道がほとんどの路線で赤字となっている現状も指摘、
「施工でも運営でも国からの補助金で賄っている」
とした。
明らかな赤字路線でも国が補助金を出し続けている理由について
「労働市場の安定と貿易を発展させる戦略目標を推し進めるため」
としたほか、高速かつ安価な交通手段は国の結束力を高め、国家の求心力につながるためだと指摘した。
』
『
サーチナニュース 2016-03-12 06:32
http://biz.searchina.net/id/1604684?page=1
中国は台湾だけでなく、
全世界において高速鉄道を建設せよ=香港
中国が2016年から20年までを対象とする第13次5カ年計画に「大陸と台湾を結ぶ高速鉄道」の建設を盛り込んだことに、台湾では批判の声があがったが、香港メディアの鳳凰網はこのほど、
「中国は台湾だけでなく、全世界において高速鉄道を建設せよ」
と主張した。
中国が策定した第13次5カ年計画では、2020年までに全国の高速鉄道の営業距離を3万キロメートルに伸ばし、都市の8割以上が高速鉄道で結ぶことが盛り込まれたが、北京と台湾の台北が「高速鉄道で結ばれることになる」とした点が大きな注目を集めた。
記事は、北京と台北を結ぶ高速鉄道計画が再び浮上したことについて、「中国高速鉄道の技術がそれだけ成熟したことを意味する」と主張。
今や中国高速鉄道は「中国製」を代表する名刺的な存在であるとしたうえで、中国は台湾だけでなく、世界に高速鉄道を建設しようとしていると論じた。
続けて、中国高速鉄道の輸出先はすでにアジアにとどまらず、欧州からアフリカ、さらには北米、南米まで数十カ国にわたると指摘し、世界初の高速鉄道が誕生した日本などの鉄道強国と対峙できるまでになったと主張。
こうした中国高速鉄道の急速な発展の背後には、コンピューター技術の進歩や拡大する市場のほか、政策による後押しがあったと指摘。
コンピューター技術の進歩によってCADによるデザインのほか、事前のシュミレーションが可能になったことを挙げ、
日本がかつて2-30年もかけて行ってきたことを中国は3-5年で成し遂げた
と主張した。
さらに、中国国内における巨大な高速鉄道市場の存在によって、規模の経済が成り立ち、各種コストが減少することになったと指摘したうえで、中国高速鉄道は今や新幹線と同等に対峙できる競争力を持つと主張。
この競争力を強みに、北京と台北を結ぶ高速鉄道だけでなく、世界各国に中国高速鉄道を輸出していると胸を張った。
』
『
サーチナニュース 2016-03-16 07:09
http://news.searchina.net/id/1604942?page=1
中国と台湾を結ぶ高速鉄道、
台湾海峡を横断するための方法は=中国
中国が2016年から20年までを対象とする第13次5カ年計画に「大陸と台湾を結ぶ高速鉄道」の建設を盛り込んだことについて、中国メディアの観察者はこのほど、大陸と台湾を結ぶ高速鉄道の実現に向けた方法について論じた。
中国と台湾は海によって隔てられており、もっとも狭い場所でも130キロメートル以上も離れており、中台高速鉄道を実現させるのは政治的な理由だけでなく、技術的にも相当困難であると言える。
記事は、中台高速鉄道を実現させる方法の1つとして、
1994年に完成した全長51キロメートルの英仏海峡トンネルや青函トンネルの存在を挙げたうえで、
青函トンネルは交通機関用のトンネルとして世界一の長さであり、海底部分は23.30キロメートルに達することを紹介した。
一方、中国国内で最長の海底トンネルは全長7.8キロメートル、
海底部分は4キロメートルに満たないことを指摘し、
台湾海峡をトンネルでつなげるほど大掛かりな海底トンネルの施工経験はない
ことを紹介した。
また、中国には全長35キロメートルを超える杭州湾海上大橋などが存在することを指摘し、長距離の海上橋の施工経験はあることを伝える一方、中国と台湾を隔てる
台湾海峡の幅は最低でも130キロメートルは存在し、
「トンネルであろうと海上橋であろうと、
これまでこれほど長距離のものが建設された先例はない」
と指摘。
また、台湾はこれまでに何度も大地震に見舞われていることを指摘する一方、台湾海峡を横断する建築物にとって地震は大きな脅威とならないと主張。
トンネルの場合は地震は脅威となり得るとしながらも、克服できないものでもないとし、波や風雨によって侵食される橋に比べ、トンネルのほうが実現の可能性が高いと主張。
そのほかにも、トンネルと海上橋のどちらの案にしても、台湾海峡に人工島を建設し、人工島をつなぐ形で建設すれば工事の難易度が低下するなどとしたうえで、あくまでも中台高速鉄道の実現に前向きな姿勢を示した。
』
『
サーチナニュース 2016-03-22 07:16
http://biz.searchina.net/id/1605358?page=1
インドネシア高速鉄道は損失など出ない!
運用で利益出る=中国報道
中国が落札したインドネシアの高速鉄道計画において、
中国とインドネシアの合弁企業はインドネシア政府と50年間にわたる経営権を獲得することで合意した。
中国メディアからは
「全面的な工事着工に向けて、法的な保障を手に入れた」
との報道のみられたが、
同時に建設予算も引き下げられたようだ。
中国メディアの界面はこのほど、合弁企業の経営権は2019年5月31日から50年間有効となると伝える一方、
建設許可が下りてから3年以内に建設が完了する必要があると指摘。
一方、インドネシア政府との協議によって、
建設予算はこれまでの55億ドル(約6126億円)から51億3500万ドル(約5719億円)に引き下げられる
ことになったと伝えた。
ジャカルタとバンドンを結ぶ高速鉄道の路線は全長約142キロメートルに達し、
設計時速は350キロメートルとなる予定だ。
建設費用が引き下げられたことで、1キロメートルあたりの建設予は2億2200万元(約38億2300万円)に低下したことになった。
記事は、中国の鉄道産業の関係者の話として、建設予算が51億3500万ドルに引き下げられても、十分に利益の出る水準だと主張。
さらに予算が引き下げられた背景について、
高速鉄道事業は短期的には利益が出にくいものの、中長期的に見ればインドネシア高速鉄道は「モデル事業」になる
と指摘し、
東南アジアや中東市場の開拓に向けて価格面でインドネシア政府を優遇した
と伝えた。
一方、インドネシア高速鉄道の受注競争に敗れた日本からは
「3年で建設が完了するのは無理がある」、
「損失が発生する可能性がある」
といった指摘の声があることを伝える一方、
「インドネシア高速鉄道はPRのために損失を出すようなプロジェクトではなく」、
建設完了後の運用において十分に利益を出すことができるはずだ
と論じた。
』
『
サーチナニュース 2016-03-25 07:09
http://news.searchina.net/id/1605737?page=1
インドネシア高速鉄道に疑問の声も、
中国「長期的な視点で見よ」
日本との受注競争で中国が勝利したインドネシアの高速鉄道計画。
だが、中国側の経済負担が大きく、利益の小さい当計画を疑問視する声があがっている。
「インドネシア高速鉄道の計画は欠陥が多い」
と指摘する米メディアの報道もある。
こうした声に対して、中国メディアの華声在線はこのほど
「建設コストの安いジャワ高速鉄道の背後にある大きな価値」
と題して、中国側のメリットを強調する記事を掲載した。
インドネシア高速鉄道は1キロメートル当たりの建設コストが中国国内とほぼ同等であり、これは
「建設段階では利益が出ないことを意味している」
と指摘。
しかし記事は、インドネシア高速鉄道は、単に建設における利益だけを見るのではなく、
「長期的な観点にもとづき、その背後にある存在意義と社会的価値を見るべきだ」
と主張した。
記事では特に、今回のプロジェクトが成功すれば
「さらなる海外進出のための道を開くことになる」
と主張。
インドネシア高速鉄道は、中国が進める「一帯一路」の枠組みにおいて各国との協力関係をさらに深めるものとなり、完成すれば中国と東南アジア諸国との連携強化を促進し、「一帯一路」沿線諸国の交通インフラ整備において重要な役割を果たすと論じた。
また、インドネシア高速鉄道が成功すれば、中国-タイ間や、アメリカ西部、シンガポール-マレーシア間、セルビア-ハンガリー間などのプロジェクトについても中国の高速鉄道導入にプラスの作用をもたらす効果もあると主張。
結果的に「世界市場でのシェア拡大にもプラスに働く」うえ、世界の各国の経済発展につながると主張、高速鉄道を通じた世界経済への貢献を強調した。
したがって、インドネシア高速鉄道プロジェクトについては、その背後にある意図は明白であり、
「安い建設コストのインドネシア高速鉄道は、将来的に非常に大きな価値を生み出す」
と論じている。
インドネシア高速鉄道が中国にとって大きな価値を持つことは理解できるが、それと計画の欠陥については別問題であることは言うまでもない。中国にとって重要ならばなおさら真剣に取り組む必要があるというものだ。
』
ということは、赤字覚悟で落札したということになる。
政策的にはそれはそれでいい。
問題はそれが成功裏に完成すればいい。
だが、もし失敗したらどうなる。
「安かろう、悪かろう、危なかろう」
ということにならないとも限らない。
時速350kmでは何が起こるかわからない。
「安かろう、悪かろう、危なかろう」でも完成すればそれなりのメリットはインドネシアにはある。
政策的にはそれはそれでいい。
問題はそれが成功裏に完成すればいい。
だが、もし失敗したらどうなる。
「安かろう、悪かろう、危なかろう」
ということにならないとも限らない。
時速350kmでは何が起こるかわからない。
「安かろう、悪かろう、危なかろう」でも完成すればそれなりのメリットはインドネシアにはある。
サーチナニュース 2016-03-25 06:32
http://biz.searchina.net/id/1605735?page=1
新幹線の開発の苦労に比べれば
・・・中国高速鉄道が急速に発展した理由
1964年に開業した新幹線に対し、中国高速鉄道の場合は仮に第6次鉄道高速化計画を基点にすれば2007年が開業年となる。
日本に比べて高速鉄道の歴史の浅い中国だが、いまや日本とインフラ輸出を競うほどに成長している。
中国メディアの寧夏在線はこのほど、中国高速鉄道がこれほど急速に発展した理由を考察する記事を掲載。
★.中国の技術力の高さやイノベーションが中国高速鉄道の発展の速さの秘訣だったとは論じず、
★.むしろ日本が新幹線を開発した当時の苦労に比べれば、
中国高速鉄道の開発ははるかに簡単だったと説明している。
例えば中国が第6次鉄道高速化計画を起案した05年当時、高速鉄道システムの様々な技術はすでに成熟していたと記事は説明。
中国はそれら成熟した技術から学べた分、日本の場合よりもはるかに簡単に高速鉄道を開発できたという見方を示している。
またこれは技術盗用ではないと釘を刺し、学生が大学で他の研究者の文献を参考にしながら自分の研究を進めるのと同じ手法だと論じている。
また現代のコンピューター技術は日本が新幹線を開発した当時よりはるかに進んでおり、手描き図面を用いる必要もまったくないと説明。
現代の設計環境が当時に比べてはるかに快適である点を指摘している。
また記事は高速鉄道に使用される材料も、新幹線の開発初期に比べてはるかに質が良くなっていると説明。
軽くて高強度の材料は設計者の負担をかなり軽減しているとし、さらにそうした材料を加工したり溶接する技術も進んでいることも中国高速鉄道の発展の速さに関係していると指摘した。
しかし、こうした進んだ科学技術から学び、また利用できるのは中国に限定した話ではない。
ではなぜ中国は高速鉄道技術において他国に抜きんでることができたのだろうか。
記事はその理由として
★.国国内市場の巨大さを挙げている。
台湾にも高速鉄道はあるが、その市場規模は中国とは比較にならないと説明。
中国は市場規模が巨大であることから研究開発コストの負担を軽減でき、国民に低価格で高速鉄道を提供することができる。
また高速鉄道を国産化するという明確な政策も大きな役割を果たしたと記事は指摘している。
第6次鉄道高速化計画の際、中国は入札希望国に条件として「技術移転」を要求したと主張し、
成熟した技術や現代科学技術の利用に加えて、
国内市場の大きさと明確な国策が中国高速鉄道をこれほど速く発展させた要因だ
と論じた。
』
『
サーチナニュース 2016-03-29 06:49
http://news.searchina.net/id/1605904?page=1
また波乱だ!
中国とタイを結ぶ高速鉄道計画「見直しを余儀なくされた」
中国とタイの高速鉄道プロジェクトにおける協力関係に暗雲が立ち込め始めている。
中国メディアの参考消息はこのほど、米メディアの報道を引用し、中国の昆明とタイを結ぶ高速鉄道プロジェクトについて、タイの政府関係者が
「タイの自己資金で建設し、中国による融資は求めない」
と述べたことを伝えた。
中国とタイは全長873キロメートルの高速鉄道を建設する計画で協議を行ってきた。
タイはバンコクとナコンラチャシマを結ぶ区間について、中国による融資を希望していたが、中国側が提案した金利および建設費用はタイにとっては「到底受け入れられない水準」だったという。
記事は、米メディアが「中国の売値は高すぎた」と報じたことを紹介、タイはもはや中国に対して、バンコクとナコンラチャシマを結ぶ区間の資金的な支援を求めないだろうと伝えた。
中国とタイを結ぶ高速鉄道計画では、もともと中国南部からラオスを縦断してタイを結び、さらにはマレーシアやシンガポールとも結ばれる可能性のあった路線であることを指摘し。
タイは中国の融資を受けず、自己資金で同区間の路線建設を行う方針で、残りの区間の建設については未定であると紹介。
中国とタイを結ぶ高速鉄道計画の大幅な縮小によって、
「中国は東南アジア諸国を結ぼうとしていた高速鉄道計画の見直しを余儀なくされた」
と報じた。
』
サーチナニュース 2016-03-29 06:49
http://news.searchina.net/id/1605904?page=1
また波乱だ!
中国とタイを結ぶ高速鉄道計画「見直しを余儀なくされた」
中国とタイの高速鉄道プロジェクトにおける協力関係に暗雲が立ち込め始めている。
中国メディアの参考消息はこのほど、米メディアの報道を引用し、中国の昆明とタイを結ぶ高速鉄道プロジェクトについて、タイの政府関係者が
「タイの自己資金で建設し、中国による融資は求めない」
と述べたことを伝えた。
中国とタイは全長873キロメートルの高速鉄道を建設する計画で協議を行ってきた。
タイはバンコクとナコンラチャシマを結ぶ区間について、中国による融資を希望していたが、中国側が提案した金利および建設費用はタイにとっては「到底受け入れられない水準」だったという。
記事は、米メディアが「中国の売値は高すぎた」と報じたことを紹介、タイはもはや中国に対して、バンコクとナコンラチャシマを結ぶ区間の資金的な支援を求めないだろうと伝えた。
中国とタイを結ぶ高速鉄道計画では、もともと中国南部からラオスを縦断してタイを結び、さらにはマレーシアやシンガポールとも結ばれる可能性のあった路線であることを指摘し。
タイは中国の融資を受けず、自己資金で同区間の路線建設を行う方針で、残りの区間の建設については未定であると紹介。
中国とタイを結ぶ高速鉄道計画の大幅な縮小によって、
「中国は東南アジア諸国を結ぼうとしていた高速鉄道計画の見直しを余儀なくされた」
と報じた。
』
『
サーチナニュース 2016-04-03 06:34
http://biz.searchina.net/id/1606410?page=1
受注確定的と思ってたのに!
タイ高速鉄道計画に暗雲で警戒感=中国
中国とタイを結ぶ高速鉄道について、タイ政府はこのほど
「技術と信号システム、列車は中国のものを利用する」
としながらも、
中国からの借款は受けず、工事はタイ国内の企業が請け負う
と発表した。
中国にとっては高速鉄道の輸出事業に再び暗雲が立ち込めた形だ。
これに対し、中国メディアの中国経営報はタイの政変のほか、日本の市場参入によって
「もはや中国受注で確定的と思われていたプロジェクトに再び悪い知らせが舞い込んだ」
と伝えている。
記事は、タイ政府が「突然」、中国からの借款を受けずに自己資金で建設を行うと発表したと主張し、タイ側が
「巨額の建設費の分担および借款に関する条件で一致できなかったため」
と原因を発表したことを紹介。
タイは中国の技術を採用する方針を堅持しているとしながらも、
中国とタイの高速鉄道をめぐる協力関係は「大幅に後退することになった」
と危機感を示した。
タイ政府の発表に対し、中国鉄路総公司は「タイ単独の意思」に過ぎず、中国とタイには再び協議を行う余地があると主張しているが、タイが中国からの借款を得ずに自己資金で建設を行うとした背景には、
「中国が高速鉄道を国家戦略化し過ぎたこともある」
と指摘。
中国がタイ高速鉄道を一帯一路戦略の要として重要視していたことで「足元を見られた」と主張し、
高速鉄道プロジェクトはあくまでもビジネスとして捉えるべきであり、
国家戦略であることを打ち出しすぎるべきではない
と論じた。
また記事は、中国と東南アジア諸国を高速鉄道で結ぶという中国側の考えに対し、
「国と国を結ぶということは、中国の発展速度と結ぶということ」
としたうえで、東南アジア諸国の人びとはゆったりとした暮らしに慣れており、彼らにとっては
「中国の発展速度は速すぎるうえに効率を求め過ぎるように映るのだ」
と主張。
こうした違いもタイの高速鉄道計画が暗礁に乗り上げた理由の1つと主張した。
東南アジア諸国にとって、中国と高速鉄道で結ばれる経済的なメリットは決して小さくはないはずだ。
それでもタイが中国の資金で建設することに難色を示したのは、新幹線をはじめとするインフラ輸出を成長戦略の1つに掲げる日本にとっては、輸出に向けた追い風になる可能性が高い。
』
『
サーチナニュース 2016-04-04 06:34
http://biz.searchina.net/id/1606417?page=1
タイが高速鉄道計画を縮小、
中国「わが国は紆余曲折を案じる必要はない」
タイ政府はこのほど、中国とタイを結ぶ高速鉄道について、中国からの借款は受けず、工事はタイ国内の企業が請け負うと発表した。
高速鉄道の建設において、技術と信号システム、列車は中国のものを利用することになる一方で、路線も従来の計画の3分の1の長さに短縮されることになった。
タイ政府の発表に対し、中国メディアの新京報は
「タイの高速鉄道計画が紆余曲折である背景には、
2016年がタイの政治が転換を迎える重要な年であることが挙げられる」
と主張する一方、中国は紆余曲折を案じる必要はないと主張した。
記事は、タイで16年8月に新憲法の国民投票が行われることを紹介し、新憲法の内容をめぐって各勢力が熾烈な駆け引きを展開していると主張。
高速鉄道計画は各勢力のみならず、タイ国民にとっての駆け引きの道具になっていると指摘したうえで、高速鉄道計画の紆余曲折はタイの政治が変わろうとしていることを示すものだと主張。
つまり、中国側の提案や戦略に問題があったわけではなく、
タイ国内の政治的要素によって割を食っただけとの見方を示した。
さらに、タイで民政復帰に向けた総選挙に向けたスケジュールが打ち出されるなかで、タイ軍事政権にとって高速鉄道計画を推進することによる「政治的なメリット」が減少していると指摘し、その結果として規模縮小という選択がなされたと主張。
やはり、中国高速鉄道の競争力に問題があったのではなく、タイの政治による駆け引きによって高速鉄道計画が縮小されただけであると主張した。
中国政府は現在、中国を中心とした経済圏の構築に向けて一帯一路戦略を推進しており、その戦略の要となるのが中国高速鉄道だ。
中国と東南アジア諸国、さらには中央アジア、そして欧州までを高速鉄道で結び、巨大な経済圏の構築を目指しているが、タイの高速鉄道計画の縮小は中国にとって痛手であることは間違いないだろう。
』
『
新潮社 フォーサイト 4月5日(火)12時40分配信 愛知大学教授 樋泉克夫
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160405-00010000-fsight-int
高速鉄道建設:「中国の提案」を拒否した「タイの深謀」
● google画像から
ここ7、8年ほど、タイと中国の間で最大の懸案だったタイの高速鉄道建設問題に、ようやくタイ政府が結論を下した。
中国側の提案を拒否し、自力で建設するというのだ。
3月24日、プラユット首相は記者団に向かって、
「目下の国内情勢に立って自前での建設を決定した。
こういう形で建設されてこそ、高速鉄道はタイ国民の財産となり、東北タイの開発と固有の資源を総合的に結びつけることができるだけでなく、東北タイの交通網建設の出発点とすることができる」
と語り、中国からの協力・援助を求めず、自力による高速鉄道建設に踏み切ることを明らかにした。
計画では、中国側が提案しているバンコクからノンカイまでではなく、中継点にあたるコーラート(ナコンラチャシマ)までの250キロ。
コーラートはタイでは最貧といわれる東北タイの中心都市ではあるが、カンボジア、ラオス、さらにヴェトナムに対する軍事的要衝であり、同地区を管轄する第2軍管区司令部が置かれている。
続けて同首相は、
(1):国家予算には限界があるゆえに、高速鉄道建設には慎重でなければならない
(2):だが、いま建設に踏み切らなければ国家の停滞は明らかだ
(3):開発の遅れた農村地域の発展のためには交通システムの完備が最優先課題であり、同時にバンコクなど経済の発展した地域との連携が必要だ
(4):高速鉄道の完成によってバンコク=コーラート間は1時間での往来が可能となる
(5):高速鉄道が生み出す経済効果は投資額を遥かに超えるゆえ、いまや多くの国々で建設計画が進められている
(6):現在のタイは、中国の支援を求めずとも建設可能なだけの財政能力を持つ
(7):環境評価(EIA)に基づき早急の着工が求められる
一方、政府間の合意モデル(G2G)に従って中国側から技術支援を仰ぐことになれば、タイ側では民間からの投資も考慮しなければならない
――と、高速鉄道自力建設に踏み切った背景についての説明を加えた。
さらに
「最終判断を下すまでに2年ほどの時間を要したが、今回の決定は国家の将来と国民の利益を考えてのものだ。
高速鉄道完成後に利益を得るのは東北タイの住民であり、いずれ国家収入が増大した暁には、他の地方への延伸を目指す」
と語った後、
「今回の交渉過程で中国側は利益を求めることなく、タイへの援助を誠心誠意考えてくれた。
中国が常に相互利益・平等の原則に立っていたことを、タイ国民には信じてもらいたい」
と加え、中国に対する配慮を忘れなかった。
■クーデター政権もなぜか計画は継承
ここでタイ国内高速鉄道建設計画の歴史を簡単に振り返ってみたい。
最初に中国側で計画が持ち上がったのは、1990年代初頭のこと。
沿海部に較べて発展が遅れている中国西南地区の社会経済開発を目的に、同地区を南方に向って開放し、雲南省の省都である昆明を基点として東南アジア大陸部(ミャンマー、ラオス、タイ、カンボジア、ヴェトナム)を陸路・鉄路・水路・空路によるネットワークでカバーする。
いわば国境を越えた広大な地域を一体化させることで、中国のランドパワーの拡大を目指そうという構想の一環だった。
その先に東南アジア海洋部(マレーシア、シンガポール、フィリピン、ブルネイ、インドネシア)を見据えていたであろうことは、容易に想像できるはずだ。
この構想の中心である「泛亜鉄路」と名づけられた鉄道網建設計画の一部として、中国はタイ国内の鉄道路線を想定したのである。
他国の鉄道網を他国の事情も考慮せずに自らの都合で利用しようというのだから、なんとも身勝手極まりない話だが、歴史的に“熱帯への進軍”を進めてきた漢民族であればこそ、新たなる進軍の好機到来と考えたとしても強(あなが)ち不思議ではないだろう。
こういった中国側の動きに対し、タイ側で具体的に反応したのは反タクシン政治を掲げたアピシット政権(2008年12月~11年8月)であり、タイの政権としては初めて中国の新幹線技術導入に積極姿勢を示した。
ところが、アピシット政権を倒して登場したインラック政権(2011年8月~14年5月)はタクシン派で構成されていただけに、当然のように前政権の政策を否定した。
だが、中国との協力による新幹線建設方針は踏襲しているから不思議である。
アピシットにせよインラックにせよ、首相としての公式訪中時には北京=天津間で新幹線に試乗し、技術の高さを讃えると同時に、中国製新幹線導入に前向きの姿勢を示した。
時に閣議決定にまで踏み込んだこともあったほどだ。
さらに、2014年5月にインラック政権打倒クーデターに決起したプラユット陸軍大将(当時)は、政権掌握直後には前政権の経済政策を例外なくゼロ・ベースで見直す方針を打ち出したにもかかわらず、ほどなく新幹線建設に関してのみ例外的処置として従来からの計画継続の方針を打ち出している。
李克強首相からの度重なる強い要請に対し、プラユット首相は中国からの技術・資金支援によるタイ高速鉄道網建設について歓迎の姿勢を示すことはあっても、公式に否定したことはない。
■李克強首相のメンツは丸潰れ
かくて両国は、最後まで合意に至らなかった借款利率問題を棚上げしたまま、昨年秋、バンコク=ノンカイ間の高速鉄道路線建設に向けての着工式を行ったのである。
また12月初頭には、昆明を基点にラオスの北半分をほぼ縦断する形で首都のヴィエンチャンまで走る鉄道建設も着工の運びとなった。
かりに中国の狙い通りに計画が進んでいたなら、数年後には昆明からヴィエンチャンを経てバンコクまでの高速鉄道路線が完成するはずであった。
だが最終段階で、タイは中国側提示の総工費は異常に高額だと難色を示すと同時に、借款利率を2.5%から2%に引き下げるべきだと申し入れた。
おそらく泛亜鉄路の死命を制するのはタイ中央部を縦断する路線であり、この路線を支配下に置くことが東南アジア進出の絶対条件であるという中国の事情を見切って、タイが駆け引きを仕掛けたのであろう。
はたせるかな、中国はタイの要求を呑んだ。
いや呑み込まざるを得なかった。
東南アジア大陸部中央を迂回したなら泛亜鉄路の戦略的役割は半減してしまうばかりか、習近平政権の世界戦略の柱である「一帯一路」にも少なからぬ影響を与えることになるだろうからだ。
中国はタイの要求に従って借款の利率を2%に下げた。
この決定直後に明らかにされた駐タイ中国大使の表明からは、
「ここまで譲歩した。
もう、これ以上は断固として譲れない」
といった怒りと諦めの入り混じったニュアンスが感じられた。
それにもかかわらず、今回のプラユット首相による高速鉄道自力建設の方針表明である。
まさにしっぺ返しといったところ。李克強首相のメンツは丸潰れではないか。
■互いに必死のせめぎ合い
ここで改めて東南アジア大陸部を地政学的に考えてみたい。
タイは東南アジア大陸部の中心に位置する。
泛亜鉄路はミャンマー経由の西線、ヴェトナム・カンボジア経由の東線も構想されているが、あくまでもラオスを経てタイ中央部を南北に貫く路線を主軸とするに違いない。
タイを縦断してこそ、昆明からマレーシアをへてマレー半島を南下し、シンガポールまでを最短距離で繋ぐことが出来る。
おそらく
“漢族の熱帯への進軍”を進めるための必須条件は、
タイ、マレーシア、シンガポールを鉄道路線で串刺し状に貫くことだろう。
やはり中国としては、何としてでもタイを縦断する高速鉄道が必要なのだ。
だが、中国主導で、しかも中国の方式で高速鉄道がタイ国内を貫いて建設された場合、タイに対する中国の影響力は格段に増す。
最悪の場合には、中国の属国化も考えられないわけではない。
それを避けるためには、中国の思惑に振り回されることを避けたい。
であればこそプラユット政権による今回の措置は、中国に対する牽制策と見做すべきではないか。
先ずバンコク=コーラート間の自力建設を打ち出す。
だがコーラート=ノンカイ間については敢えて言及していない。
プラユット首相は、「いずれ国家収入が増大した暁には、他の地方への延伸を目指す」と語るものの、コーラート=ノンカイ間の建設を中国に委ねる可能性も残しておくことで、中国との間で決定的な亀裂が生じないように伏線を張ったということだろう。
高速鉄道建設をめぐる両国関係を将棋に喩えるなら、
★.タイの持ち駒はタイの地政学的位置であり、
★.中国のそれは国内の広大なネットワークに加えヨーロッパにまで延伸させた国際路線(渝新欧国際鉄路、厦蓉欧快線)となる。
タイは鉄道網を国内のみで止めておくわけにはいかない。
この地域におけるタイの将来を考えるなら、やはり周辺諸国のみならず中国という巨大市場の鉄道ネットワークとの接続を狙わないわけはない。
一方の中国からすれば、“熱帯への進軍”を進めるためにはタイ中央部を南下する鉄道路線を押さえることは至上命題だ。
どうやらプラユット首相が示した今回の決断は、タイ側が指した最初の一手。
次に中国はどのような手で指し返すのか。
互いが互いの持ち駒をチラつかせながら有利な局面展開を目指す。
両国は互いに相手国から最大限の譲歩を引きだす一方、自らの国益毀損の歩留まりを最小限に食い止めようと必死のせめぎ合いを見せることになるはずだ。
■常識を超えた“タイ外交”
これからのタイが中国に対してどのような振る舞いを見せるのか。
その行方を慎重に見定めることが、現在の日本にとっての急務だろう。
ちなみに、下関講和条約締結翌年の1896(明治29)年、バンコクを出発しコーラート、ノンカイ、ヴィエンチャンと今回の高速鉄道予定路線とほぼ同じルートを歩いた日本人がいる。
岩本千綱だ。
彼は『シャム・ラオス・安南 三国探検実記』(中公文庫 1989年)に、コーラート近郊の鉄道建設に労働者として出掛けながら「風土の異なるがため端なく病死」した熊本県出身の農民や、「破れ小屋」に住みながら鉄道建設に当る数多くの「鉄道工夫なる支那人」の姿を書き残している。
タイ鉄道の将来に、19世紀末の東北タイにおける鉄道建設現場を重ね合わせる時、日中双方の不可思議な因縁を感じないわけにはいかない。
やはり、タイが示した今回の措置をインドネシアでの高速鉄道建設をめぐるゴタゴタに重ね合わせ、
「それみたことか」
「東南アジアで中国は信用されていない」
「最後の最後に頼るのは日本しかない」
など軽はずみな判断に基づいた性急な行動をとってはならないだろう。
それというのも、外交上手なタイである。
いずれ日本人の常識を超えた“タイ外交”が展開されないとも限らない。
たとえば第2次世界大戦時、タイは日本と同盟関係を結んでいたにもかかわらず、セニ・プラモート駐米大使を中心にして「自由タイ運動」を組織し、連合国に与して反日運動を推し進め、結果として敗戦国入りを免れている事実を記憶に留めておくべきだ。
じつはタイのみならず、東南アジア各国における高速鉄道の建設・整備プロジェクトは、まだ緒に就いたばかりであり、中国は東南アジア大陸部各国とは陸続きであることを忘れてはならないだろう。
幕末、開国を主張し、「江戸湾から唐、オランダまで境なしの水路なり」と唱えた経世論家・林子兵の顰(ひそみ)に倣うなら、
「バンコクから中国、ドイツ、フランスまで切れ目なしの陸続き」
なのだ。
』
サーチナニュース 2016-04-14 07:09
http://news.searchina.net/id/1607328?page=1
インドネシア高速鉄道で譲歩しすぎた
・・・・破格の条件がタイで「仇」に=中国
インドネシアの高速鉄道計画において、中国はインドネシア政府の債務保証を求めないなど破格の条件を提示して受注を勝ち取った。
短期的に利益がなくとも、中国は中長期的な展望をもとにインドネシア政府に対して破格の条件を提示したわけだが、その破格さがタイ高速鉄道において「仇」になったとの見方が浮上している。
タイ政府はこのほど、タイ高速鉄道について、「技術と信号システム、列車は中国のものを利用する」としながらも、中国からの借款は受けず、工事はタイ国内の企業が請け負うと発表したが、中国メディアの時代在線はこのほど、
タイ政府の心変わりの背後には「中国がインドネシア政府に対して過剰に譲歩したことがある」
との見方を示した。
タイ高速鉄道がもし問題なく建設されたとすれば、2017年には中国とタイが高速鉄道で結ばれる予定だった。
タイ政府の心変わりによって、中国政府は高速鉄道の輸出戦略のみならず、中国を中心とした経済圏構築を目指す「一帯一路」戦略についても再考を迫られることになりそうだ。
記事は、複数の専門家に共通した見方として、
「これで中タイ高速鉄道が頓挫したわけではない」
と伝える一方、
タイ政府が心変わりした理由は、
中国が資金を提供するにあたって「タイに提示した金利が高すぎた」ことにある
と主張。
つまり、タイ政府にとっては提示された条件がインドネシアより劣る内容であることが不満だった可能性があるということだ。
報道によれば、中国はタイに求めていた金利は2.5%だったが、タイはさらに0.5%引き下げるよう求めていたという。
続けて、タイが中国に金利引下げを要求していた背後には「インドネシア高速鉄道」の存在があると指摘。
インドネシア高速鉄道において、中国側は金利2.0%で資金を提供するため、
「インドネシアに過度に譲歩したことが、タイの過剰な要求につながった」
と主張した。
さらに、日本側の提案は金利0.1%だったとしながらも、そのほかに破格の条件を提示したため中国の受注につながったとしたほか、日本国内ではそもそも金利が低いために0.1%という金利を提案できると指摘、
「中国は日本のような金利を提案することはできない代わりに、全体の建設コストが安い」
と論じた。
タイの一部路線では新幹線の採用を前提に、日本はすでにタイと覚書を交わしており、中国高速鉄道をめぐるタイの心変わりは日本にとって追い風となる可能性もある。
中国では「中タイ高速鉄道が頓挫したわけではない」との見方もあるものの、中国の高速鉄道輸出にとっては突然の「逆風」であることは否めない。
』
『
サーチナニュース 2016-04-06 06:32
http://biz.searchina.net/id/1606605?page=1
中国高速鉄道は「安全性」すら新幹線を超えた!
インドネシアでは「勉強になった」
中国国内にいても、日本を含む海外の報道に触れることは決して難しいことではない。
しかし、中国国内において中国の情報に触れることが難しい場合がある。
それは中国にとって都合の悪い情報だ。
中国に不利な情報は報道すらなされない場合が多いからだ。
インドネシアの高速鉄道計画は中国が受注したものの、その後の書類の不備などによって出足から躓いてしまった感があるが、中国国内では計画は順調であり、何ら問題ないという見方が一般的だ。
こうしたなか、中国メディアの電纜網は、インドネシア高速鉄道を受注したことは中国にとって非常に良い経験になると前向きな見方を示している。
記事はまず、中国高速鉄道がこれまで収めてきた成功について、
「中国はドイツや日本から多くの技術を学び、さらに技術を発展させてきた」
と主張。
中国ではこれまで「中国高速鉄道の性能や技術はすでに新幹線を超えた」などという声は聞かれたが、記事は「安全性」までも新幹線を超えたと主張している。
その根拠として、総延長に対する事故の発生回数を挙げ、中国高速鉄道は世界最長の鉄道網を構築している一方で、事故の発生回数は相対的に少ないと主張した。
しかし、営業年数や事故の程度については触れておらず、当然2011年に多数の死傷者を出した衝突事故には触れられていない。
さらに、中国高速鉄道はインドネシアにおいて日本と受注競争を繰り広げて勝利したとし、インドネシア高速鉄道の建設を請け負う中国企業の責任者の話として、
「今回のインドネシアでの経験は今後、中国が高速鉄道建設を各地で請け負ううえで土地問題や建設工程での問題解決に生かされるはずだ」
と伝えた。
中国国内で高速鉄道を建設するうえでは、共産主義国であるため当局によって土地を強制収用することができるが、インドネシアのみならず民主国家では中国国内のような強引な土地の買い上げは不可能だ。
インドネシアの高速鉄道を請け負う上で、こうした中国国内との違いは「勉強になった」ということだろう。
インドネシア高速鉄道は1月21日に起工式が行われ、3年で完成させると宣言していたが、いまだに全面着工したとの報道はない。
中国国内では今なお、インドネシア高速鉄道計画は順調に進んでいると報じられることが一般的だが、果たして2019年の開業に間に合うのか、今後の進展を期待したい。
』
『
サーチナニュース 2016-04-14 10:37
http://news.searchina.net/id/1607359?page=1
タイ高速鉄道に波乱で中国落胆?
「いや、人間万事塞翁が馬だ」
「人間万事塞翁が馬」とは、世界に生じる出来事は後に吉となるか災いとなるかを予測しにくいという意味の中国の諺だ。
中国メディアの中国日報はこのほど、この諺を引用したうえで、タイ高速鉄道建設の計画に生じた紆余曲折は中国にとって後に「吉」となる可能性があると主張している。
タイ政府はこのほど、建設予定だった路線の長さを大幅に短縮し、中国の借款を受けずにタイが自己資金で建設することを中国側に通達した。
中国国内ではタイが心変わりした理由として、中国側が借款の金利を2.5%と提案していたのに対し、タイ側は2%を要求しており、乖離があったためではないかとの見方が一般的だ。
一部の報道によればタイ政府が中国の借款を受けないと通達する以前の段階で、中国はタイ側に譲歩し利率2%の条件を受け入れていたという。
それにもかかわらず、タイ政府は最終的に建設費用を自国で賄うことに決定した。
この出来事は中国にとって「不利」であるとの見方が多いなか、記事は中国にとって吉となる可能性を指摘。
今回のタイの高速鉄道建設計画もそうだが、現在中国が遂行している
「一帯一路戦略」は、政治的なメリットと経済的なメリットのバランスが欠けている
と説明。
経済的なメリットを犠牲にして政治的なメリットだけを得ようとするなら、ほんの一瞬だけ花を咲かせることはできても長期的な観点からみれば国家戦略を成功させることはできないと指摘し、中国は経済的なメリットをしっかり考慮にいれて国家戦略である一帯一路を推し進めるべきだと提言した。
中タイ高速鉄道の建設費用は5000億バーツ(約1兆5000億円)とされていた時期がある。
この巨額な建設費用において、金利差0.5%であっても金額は大きく異ることになる。
中国がもし金利2%の条件でタイの高速鉄道建設に着手していたら、経済的に災いとなった可能性もあるのではないだろうか。
タイにとってもこの巨額建設費用は災いとなったかもしれない。
つまり市場の働きを無視した強引なやり方ではなく、投資したなら必ず経済的な報いを得られる仕方で、また双方が利益を得る仕方で物事を進めるべきだ
ということだろう。
』
『
サーチナニュース 2016-04-17 07:25
http://news.searchina.net/id/1607559?page=1
日本のせいだ!タイ高速鉄道の「暗雲」、
メンツを潰された怒りの矛先は・・・
タイが進めていた高速鉄道建設に対し、中国から借款を受けずに自己資金で一部路線の建設を行うと発表した。
中国国内ではタイの発表に対して落胆の色が広がったが、中国メディアの今日頭条はこのほど、タイの高速鉄道計画が中国にとって頓挫してしまったのは日本のせいだとする記事を掲載した。
中国の高速鉄道輸出は一帯一路という壮大な国家戦略を実現するための策でもあり、輸出にかける情熱はひときわ強い。
自ら世界一と胸を張る中国高速鉄道だが、タイからは、巨額な建設費を理由に借款の金利引き下げや投資増額を「当然のように」要求されたと記事は指摘している。
これに対して中国側はタイの要求に従って金利を2%に下げることに同意したにもかかわらず、結局タイは中国の譲歩を受け入れず、自己資金で一部路線の建設を決めたわけだが、中国としてはメンツを潰された形になったと言えるだろう。
記事はメンツを潰された怒りの矛先を日本に向けており、中国が高速鉄道に関する交渉において受身になってしまうのは「日本も高速鉄道市場を狙っているから」なのだという。
中国高速鉄道はコストの安さというアドバンテージがあるため、本来は交渉を優位に進められるはずだが、日本との競争で受注獲得のために「焦ってしまったのではないか」と論じ、交通インフラを必要としているタイから求められるのをじっくり待つべきだったと分析した。
この点、日本に競り勝ったインドネシア高速鉄道計画の受注は、今後のロールモデルになる成功例だと考えているようで、記事でもその詳細を誇らしげに取り上げている。
中国としては、一帯一路構想実現のためにも、昆明からラオスを経由してタイを結び、さらにはマレーシアやシンガポールも結ぶことを考えているが、今回のタイの決定で、この構想に暗雲が立ち込めてきたといえるだろう。
これまでも、タイは高速鉄道計画において立場を二転三転させており、日本も2015年5月にバンコク-チェンマイ間の高速鉄道計画でタイ政府と覚書を交わしているが、駆け引きのうまいタイに振り回されないことを願う。
』
サーチナニュース 2016-04-28 10:43
http://news.searchina.net/id/1608565?page=1
中国で論議「なぜタイは・・・」
建設計画の変更、
「原因はソフト面」との主張も
中国とタイによる高速鉄道プロジェクトの建設計画に大きな変化が生じたのは周知の事実だ。
タイはバンコクとナコンラチャシマの区間を中国からの借款を受けずに自己資金で建設すると発表。
ラオスまで続く予定だった残りの区間の建設は延期となってしまった。
中国国内では、タイが急に心変わりした原因の1つは「借款の金利」についてタイ側と中国側の意見が一致しなかったためとの見方が一般的だ。
しかし中国メディアの今日頭条はこのほど、
問題の真の原因は中国高速鉄道に軟実力(ソフトパワー)が不足していることにある
と論じている。
中国国内の報道には「硬実力(ハードパワー)」と「軟実力(ソフトパワー)」という言葉がたびたび登場する。
これはハーバード大学のジョセフ・ナイ教授が提唱した概念でであり、
★.ハードパワーは武力、経済力、資源などを通して発揮される内的な力であり、
★.ソフトパワーはその国の文化や価値観などを通して発揮され、他国から理解、信頼、支持を獲得できる力のことだ。
日本であれば、和食や漫画、アニメなどは世界に通用するソフトパワーということになる。
1人の人間で例えれば、ソフトパワーはその人のコミュニケーション能力であり、ハードパワーは経済力や持ち物で計られる。
人から信頼され、人を引き付けることができ、人を説得できるコミュニケーション能力を持つ人はソフトパワーがあるといえるし、経済力があって品質の高い製品を所有している人はハードパワーがあるといえる。
記事は、中国高速鉄道のハードパワーは「まったく問題ない」と主張している。
つまり高速鉄道の技術には問題がないという主張だろう。
しかしソフトパワーは向上させる余地がまだあると指摘し、中国は高速鉄道の輸出に本格的に取り組み始めてから2年ほどしか経過していないため、相手国の法律や事情に合わせて物事を進める経験が不足していると分析している。
また記事はある専門家の見解を紹介。
同専門家は中国には「功を焦る」という欠点があり、国際インフラ競争において勝利を急ぐあまり、相手国としっかり協議し、調整をはかることをおろそかにしていると指摘。
この欠点が数々の問題を引き起こしていると分析しており、問題ないはずのハードを活かすことができないのは、ソフトに問題があると指摘している。
』
『
サーチナニュース 2016-05-02 06:34
http://biz.searchina.net/id/1608789?page=1
なぜだ!
中国高速鉄道のコストは新幹線の半分なのに受注競争で全勝できない理由
日本が新幹線の輸出を推進しているのと同様に、中国も高速鉄道の輸出を積極化している。
中国は自国の高速鉄道について、コストの安さや豊富な運行経験こそ強みであると主張している。
中国メディアの今日頭条はこのほど、国際先駆導報の報道として、
「中国高速鉄道は新幹線のコストの半額だというのに、受注競争で全勝できていない」
と指摘しつつ、新幹線との争いを制するためには
東南アジア諸国の中国に対する懐疑心
を解く必要があると論じた。
記事は、世界の高速鉄道市場で今もっとも熱いのは東南アジア諸国であるとし、日中の高速鉄道産業が激しい受注競争を展開する場所でもあると指摘し、もはや高速鉄道産業のみならず、
日中の経済、技術、政治すべての威信をかけた争いへと発展している
と主張した。
続けて、技術面で新幹線と中国高速鉄道を比較した場合、それぞれ一長一短があるとし、中国高速鉄道は速度で新幹線を上回るが、安全性や信頼性では新幹線のほうが上だと紹介。
一方、コスト面では中国高速鉄道の右に出る存在はないと主張し、
中国高速鉄道の建設コストは1キロメートルあたり3000万ドルで、新幹線の5000万ドル
を大きく下回ると伝え、マレーシアとシンガポールを結ぶ高速鉄道計画では、中国は日本の半額で建設可能であると胸を張った。
中国高速鉄道のコストが新幹線より圧倒的に安いにもかかわらず、それでも
中国が確実に受注できない理由は、
東南アジア諸国に中国に対する疑念や猜疑心があるため
だと指摘。
ベトナムが新幹線を高く評価している背後には、日本が第2次世界対戦中に東南アジア諸国を植民地から解放した恩があるためではないかと主張し、中国が新幹線との受注競争を制するためには、各国の猜疑心を解く必要があると論じている。
対外投資においては相手国へのメリットを考慮することが求められるが、
中国のアフリカへの投資を見れば分かるとおり、中国はあまりに利己的すぎる
と言える。
日本はこれまで東南アジア諸国にさまざまな援助を提供してきたほか、日本企業も現地の雇用などで経済に貢献しており、今後の新幹線輸出においてはこれまでの蓄積が受注につながるよう期待したいところだ。
』
【2016 異態の国家:明日への展望】
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