2016年3月30日水曜日

中国経済のハードランディングリスクが高まっている(7): 中国政治のもろさが経済リスクに、「中国にミンスキーモーメントが迫っている」

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ウォールストリートジャーナル 2016 年 3 月 30 日 14:59 JST 更新 By ANDREW BROWNE
http://jp.wsj.com/articles/SB12111607311925493378004581630061964543964?mod=WSJJP_hpp_RIGHTTopStoriesFirst

中国政治のもろさ、経済を損なうリスク
指導部には痛みを伴う産業改革を断行する決意が欠けている

 【上海】中国経済はもはや崩壊が差し迫っているようには見えない。
 人民元の下落に賭けたウォール街のヘッジファンドは大きな損失を抱え、暴落した株式市場は安定化しつつある。
 実のところ、中国経済が崩壊する可能性は少しもなかった。
 中国政府が言明してきた通り、中国は短期間のうちに安定性に対する脅威を撃退し、経済の失速を防ぐために十分な財政力を発揮した。

 今はそれよりもっと可能性の高そうな何か、
 つまり政治の失敗を心配すべき時だ。
 中国指導部は自ら約束した経済の大改革に覚悟を決めて着手することに二の足を踏んでおり、それが問題の根っこになっている。
 経済の大改革は赤字続きの、「ゾンビ」と呼ばれる国有企業の閉鎖から始められるはずだった。
 ここにきて、長く先送りされてきた改革を一気に始める機会が訪れた。
 だが、当てにしてはいけない。

 そこに欠けているのは政治的決意だ。
 国有企業の損失が銀行業の健全性を脅かしていた1990年代に、国有企業の改革に踏み切った当時の指導部が見せたのと同様な強い政治的決意が今の指導部には必要だ。
 90年代の指導部はその後、再び自己満足感が覆い始めた2001年に世界貿易機関(WTO)に加盟することで、国有企業を世界の優良企業と正面から競争する環境に置き、国内経済に衝撃を与えた。
 現在の指導部は政治的決意の代わりにスローガンを打ち出した。
 その一つが「新常態(ニューノーマル)」だ。
 過剰な生産能力と企業利益の縮小、急速に膨らむ赤字を主因とする成長の減速を釈明する自己防衛の常套句(じょうとうく)である。
 それに、指導部はレーガン米大統領とサッチャー英首相時代に流行した経済理論を焼き直した。
 「サプライサイド経済学」だ。

 習近平政権による重要な成果は反汚職キャンペーンだ。
 もっと早くにやっておくべきだったという点ではほとんど異論はないだろうが、疑問も残る。
 次はどういう展開になるか、という疑問だ。
 「これはとても価値のある質問だ」
と胡祖六(フレッド・フー)氏は言う。
 胡氏はプライベートエクイティ(PE=未公開株)投資会社の春華資本集団(プリマベーラ・キャピタル・グループ)の創業者で、過去に何度か政府の非公式経済アドバイザーを務めたこともある。

  習氏が政権に就いて間もなく、共産党内部の腐敗に総攻撃を始めた際、これは目的を達成するための手段だと大半の人が考えた。
  家をきれいにした上で、産業構造の転換という本来の仕事を始めるだろうとの見方だ。
  ところが、まるで反汚職運動それ自体が目的であるかのような様相が強まっている。
  大勢の政府関係者を引きずり下ろすことで、
 習氏は政敵を排除し、
 権力を掌握し、
 一般大衆の間での人気を確固たるものにしてきた

  胡氏は中国指導部が自ら約束した改革を断行する「政治的決意と手腕」を併せ持っているか疑問を呈しているものの、望みを捨ててはいない。
  今後が期待できる兆候の一つは、同氏によると、国有企業の破綻件数が急増していることだ。
  これは指導部がとうとう改革を始めた証しだという。
  しかし、フィルターにかけられた上で各地方から戻ってくる報告は、政権が国有企業の大量の閉鎖ではなく、再編を考えているらしいことを示唆している。
  国家の政策立案者は恒常的に過剰生産が続いている業界――セメント、鉄鋼、石炭、ガラス――の大手企業に対し、同じ地域にある体力の劣る同業他社を乗っ取るよう指示を出している。
  換言すれば、政治的には競争の拡大ではなく、さらなる独占が指向されているということだ。

  一方、個人消費がけん引する経済への転換という難事業を進めるために、個人の創造性と社会的な活力へのテコ入れを必要としているまさにその時に、国の政治システムが閉鎖性を増している。
 また習氏の権勢と政治的弾圧は切っても切れない関係にある。

 こうしたことすべてが共産党内部の対立を先鋭化させ始めている。
 その証拠に、習氏の辞任を要求する謎の書簡が今月、中国のニュースサイトに掲載された。
 現在、犯人捜しが行われているが、このサイト運営会社と関連会社の従業員が十数人、行方不明になっている。

 政治的なもろさが経済的なリスクになりつつある。
 広範な産業構造転換を断行すれば、
 最終的に失業と社会不安をもたらすことになるのは避けられず、
 政権は確信を持って産業の改革を行う必要がある。
 経済が急激に減速しているため、中国政府は政治的に難しい改革の断行を余儀なくされ、それが以前よりさらに抑圧を強める可能性もあると指摘するエコノミストもいる。

 ドイツのガウク大統領は先週、上海にある中国有数の同済大学で講演し、中国が独裁色を強めていることに対して、中国と交易のある西側諸国が懸念していると話した。
 中国を訪問する欧米諸国の首脳は政治的な論争を敬遠しがちだが、ガウク大統領は珍しく、丁寧ではあるものの率直な言い方で、共産党が支配した旧東独の人々のみじめな暮らしについて語った。
 ガウク大統領は旧東独の「大半の人は幸せでも自由でもなかった」と述べた。
 大統領は学問的な自由や、市民が自発的に参加する社会、人権、労働組合を擁護した。こ
 れらはすべて、現在の中国政府の弾圧により危険にさらされている。
 ガウク大統領は学生たちに向けて、「中国の安定と繁栄はドイツにとって重要だ」と語りかけた。
  ドイツに限らす、世界中にとっても重要だ。
 世界経済は中国の成長に依存している。中国の政治的な失敗は、株式市場の乱高下や通貨危機よりも破滅的な影響をもたらし得る。

(筆者のアンドリュー・ブラウンはWSJ中国担当コラムニスト)



フィナンシャル・タイムズ 2016.4.5(火)  Financial Times
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46511
(英フィナンシャル・タイムズ紙 2016年3月30日付)

中国経済が世界に突きつける難題
突然の投資減少と急激な人民元安は現実的なリスク

  中国が試みている経済的な移行は、中国自身のみならず世界のほかの国々にも大きな影響を及ぼす。
 短期的には、中国の経済活動の急減速かもしれない現象からの波及を管理することが課題になる。
 長期的には、中国という金融大国の世界経済への統合にいかに対処するかが課題になる。
 だが実際には、短期的な出来事が長期的に何が起こるかも決めることになるだろう。

 インドがまとめた最新の「エコノミック・サーベイ」には、示唆に富んだ危機の分類法が提示されている。
 これによれば、危機が外国にもたらす衝撃は、
1):その危機はシステム上重要な国で起こっているのかどうか、
2):政府の借り入れの結果なのか、それとも民間の借り入れの結果なのか、
3):危機が発生した国の通貨は上昇しているのか、それとも下落しているのか、
という3点によって決まる。

 この分析と中国との間にどんな関係があるのか。
 その答えは、中国はシステム上重要な国であり、すでに額が大きく、なお急増する企業部門の債務に頭を悩ませている国だからだ、というものになる。
 この状況は、突然の投資急減と急激な人民元安につながっていくかもしれない。

 そのような急減速があり得ないということは全くない。
 究極的には持続しえない企業債務の増加と、極めて高い投資率に需要が依存している状況とが重なれば、そこに生じるのは脆弱性だ。
経済成長率が低下して年率7%を下回るようになった以上、国内総生産(GDP)の45%を投資が占める状況は、もはや経済の理にかなわない。
 また、この投資の3分の2近くは民間セクターによるものだ。
 このため、市場の力によって痛みを伴う調整を強いられるかもしれない。

 政府の対応は2種類考えられるだろう。
★.1つは、西側諸国の金融危機の際に見られたような財政赤字の大幅拡大。
★.もう1つは、より積極的な金融政策だ。
 しかし、為替レートの下落は、国内のデフレ圧力を打ち消す要因としても歓迎されるかもしれない。

 北京で3月に開催された中国発展ハイレベルフォーラムで中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は、
 莫大な(かつ計画外の)規模に積み上げられた外貨準備高を減らすこと
は理にかなっていると語った。
 とはいえ、それにも限度があるに違いない。
 中国の資本勘定開放計画には逆行するものの、資本流出の規制が強化される可能性もあるだろう。

 中国の景気は弱ってきており、金融政策と信用政策は緩和されて為替レートも下落しているが、そのような危機はまだ見られない。
 資本流出の主たる原動力も、外貨建て債務の前倒し返済と「キャリートレード」の巻き戻しであるようだ。
 部分的には、これは人民元安のリスクが大きくなったとの見方がきっかけになっている。
 だが、需要の伸びは弱まってはいるものの、腰折れしたわけではない。
 今のところは、まず良好だ。
 ただ、この話はここで終わらない。

 世界経済は今、巨大なデフレショックを再度吸収できる状況にはない。
 そして、そのようなショックが中国で今後数年のうちに発生する可能性は現実にある。
 しかし、もっと長期的な問題も1つ浮上している。
 中国をグローバル金融システムにどのように統合させるのかという問題だ。

 過去の経験を見る限り、自由化と脆弱な金融システムの開放を同時に行うと、大きな危機に至ることが多い。
 また、その国がシステム上重要な国である場合、そうした危機は世界規模のものになる。
 変動相場制が打撃を和らげてくれる可能性もあるが、たとえそうだとしても、システム上重要な国の危機は多大な影響をもたらす。

 従って、中国が金融システムを世界に開放することは、世界全体が関心を払うべき事柄だと見なさなければならない。
 これについては、オーストラリア準備銀行(中央銀行)が先日公表した論文で、いくつかのリスクを説明してくれている。
 重要なのは、証券投資資金の流入と流出がそろって激増する可能性があることだ(中国では、まだどちらもさほど多くないレベルにとどまっている)。

 現在、資金の流出は厳しく規制されている。だが、その規模を考えてみよう。
 中国の2015年の総貯蓄は約5兆2000億ドルで、米国のそれは3兆4000億ドルだった。
 また、中国のマネーサプライ指標でカバーする範囲が最も広い「広義のマネーストック」は昨年末時点で15兆3000億ドルあり、総信用供与残高は同じく昨年末時点で約30兆ドルだった。
 つまり、中国は貯蓄超大国なわけだ。

資金流出の規制が解除されれば、資産分散と資本逃避のために総額ベースで大規模な資金流出が生じることは想像に難くない。
 もしそのような巨額の流出に見舞われれば、3兆2000億ドルに達する現在の外貨準備でもすぐに枯渇してしまうだろう。

 外国の証券投資資金による中国の資産への投資需要も恐らくあるだろうが、それを現実化するのに必要な国内政策と制度改革は、普通では考えられないくらいほどハードルの高いものになりそうだ。
 従って、中国の資本勘定自由化は、中国からの多額の資金純流出、人民元安、そして経常収支黒字の拡大をもたらす可能性は高い。
 投資の減少もこれに拍車をかけるだろう。

 このような変化をどうすれば受け止められるのか、想像するのは難しい。
 なぜ難しいのかは、中国以外の国々の資産市場、為替レート、および経常収支にどのような打撃が及びうるかを考えればすぐ分かる。

 3月の中国発展フォーラムで演台に上った国際通貨基金(IMF)のクリスティーヌ・ラガルド専務理事は、次のように的を射た発言をしていた。

 「世界経済の統合が進めば、貿易や金融、あるいはマインドの変化を通じて影響が波及していく可能性も高まる。
 統合が続く中、効果的に協力することが国際金融システムを機能させる上で非常に重要になっている。
 これには、すべての国々が一致協力して行動することが必要だ」

 目下、中国経済における目下のストレスと、中国を金融面で統合するという長期的な難題とに協力して対応・管理することほど重要なことはない。

 もしどちらかで対応を誤れば、統合されたグローバル経済システムには耐えがたい圧力がもたらされる恐れがある。
 世界経済はまだ、西側の金融危機の余震への対応に苦慮している段階にある。
 世界は中国の危機への対応に完全に失敗するかもしれない。
 新たな金融覇権国が前回台頭したときに、世界経済は大恐慌に苦しんだ。
 今度はもっと上手に対応しなければならない。

By Martin Wolf
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中央日報日本語版 4月12日(火)13時56分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160412-00000022-cnippou-kr

韓経:【社説】中国金融危機 2、3年以内に現実化する可能性に対応を

 中国の銀行の不良債権増加が普通でない。2013年まで銀行の貸出全体の1%にすぎなかった不良債権規模が急速に増加し、最近は2%を超えたことが分かった。
 不良債権規模だけでも1兆4000億元にのぼる。
 不良債権の急増は米サブプライム住宅ローン危機で見られたように、金融システム全般の危機に拡大する可能性があるという点で注目される。

 不良債権が急増した理由は大きく2つある。金融危機後に中国政府が景気浮揚のために貸し出しを乱発したのが一つだ。
 その結果、中国の国家債務はGDPの300%に迫っている。
 成長率の低下も不良債権の規模を膨らませている。
 昨年6.9%まで落ちた中国の成長率は今年さらに下がる見通しだ。
 ブルームバーグ通信によると、海外投資銀行の今年1-3月期の中国成長率予測値は平均6.7%だ。
 4-6月期、7-9月期はそれぞれ6.5%、
 10-12月期は6.4%
と、年末に近づくほど低下すると予想される。

 問題は成長鈍化と不良債権の増加が重なれば、
 ある瞬間に突然、中国に金融危機が発生する可能性があるという点だ。
 米リサーチ会社ガベカルは最近、
 「中国にミンスキーモーメントが迫っている」
という報告書を出した。
 過度な借金をした債務者が
 健全な資産まで売ることになり金融システムが崩壊する時点をいう、いわゆる「ミンスキーモーメント」
が遠くないということだ。
 ガベカルは2020年以前にこうした危機が訪れる可能性があると警告している。

 年初にジョージ・ソロスなどのヘッジファンドが人民元の下落にベッティングしたのもこうした状況と無関係ではない。
 ヘッジファンドは不良貸出比率が2%を超えて増え続ければ、救済金融が避けられず、結局、人民元が暴落すると見ている。
 サブプライム危機を予想して大金を稼いだことで有名なヘッジファンドの
 ヘイマン・キャピタル・マネジメントは人民元が3年以内に40%ほど落ちると予想する
ほどだ。
 極端な予想だが、無視することはできない。

 こういうことが現実化すれば、韓国には災難だ。
 モルガン・スタンレーは中国の成長率が5%台に落ちれば韓国成長率は1%まで落ちる
と予想した。
 もしかするとそれ以上の緊迫した事態が発生するかもしれない。
 我々は十分に備えているのだろうか。

※本記事の原文著作権は「韓国経済新聞社」にあり、中央日報日本語版で翻訳しサービスします。


レコードチャイナ 配信日時:2016年4月13日(水) 8時10分  

「匠の精神」を追い求め過ぎて衰退した日本の製造業―中国メディア

 2016年4月12日、ここ数カ月、中国では供給側の構造改革と関係がある「匠の精神」という言葉が大きな話題となり、政治家や学者、メディアなどが頻繁にこの言葉に言及している。
 中国の製造業は、「高品質」へと舵を切り、そのためには「匠の精神」が必ず必要という見方で一致している。
 しかし、日本の製造業の衰退を見ると、「匠の精神」も適度な位置にとどめておかなければならないという教訓も得られる。
 (文:蘇清涛[スー・チンタオ]新華網掲載)

 20年ほど前、世界の家電市場では、日本のブランドがほぼ独占状態となっていた。
 そして、日本の「匠の精神」を、中国の企業の研究者が模範としてきた。
 しかし、ここ数年、日本の老舗ブランドの製品は、再起不能の状態に陥っている。

 日本最大の総合電機メーカー・日立製作所で16年働き、現在、京都大学原子核工学、東北大学工学部などの非常勤講師を務める湯之上隆氏は、著書「日本型モノづくりの敗北」の中で、日本のIT製造業の数十年の栄誉と恥辱を振り返り、日本の製造業から4つの教訓を導き出している
 うち、
▽:職人的な精神や技術者の技能に頼りすぎ、
 製品の標準化と汎用化をおろそかにし、
 低コストで大量生産する能力が圧倒的に不足していた
▽:性能と指標を過酷なまでに追求した結果、
 市場の実際のニーズのレベルを軽視し、
 必要のないコストを投入し、
 市場に変化が起きた時に研究開発の中で速やかに製品の調整を行えなかった
―この2つは、「匠の精神」と関係がある。

 経済学者の宋清輝氏は取材に対して、
 「中国の製造業は『高品質』へと舵を切る際、値上がりもするということに注意しなければならない。
 人々の消費能力は確かに向上したものの、全ての人が高価なものを買うとは限らず、最終的には高品質で高価となると、供給が需要を上回る可能性が高い。
 企業がイノベーションを追求しすぎて、市場の実際の状況や消費者の受け入れ能力に留意せずに、一気に先端技術を発展させようとすると、最終的に製品の値段があがるだけで、買い手はつかないという状況になる可能性が高い」
と指摘した。

 そのため、中国の製造業が高級化への転換を図る際には、「匠の精神」を発揮すると同時に、度を過ぎるというリスクにも注意しなければならない。

(提供/人民網日本語版・翻訳/KN・編集/武藤)


サーチナニュース 2016-04-16 14:13
http://news.searchina.net/id/1607556?page=1

品質重視を向いた日本人の思考ベクトル、
中国人のベクトルは・・・

 日本の消費者は「メード・イン・チャイナ」という言葉を聞いて、何を連想するだろうか。
 高級で上質な、人びとが憧れるような製品を連想できる人はほとんどいないはずだ。
 中国メディアの今日頭条はこのほど、「メード・イン・チャイナ」という言葉が世界の人びとの心を捉える魅力的なフレーズになるために、中国は人びとの思考ベクトルの方向を変化させることが必要だと主張している。

 記事は福建省晋江市のある皮革工場の事例を紹介。
 春節の時期になる工員たちは一斉に故郷に帰省するが、春節明けに戻ってきた工員はそのうちのわずか3分の1にとどまり、工場は人員募集せざるを得なかったという事例だ。
 人材が流出するこのような事例は福建省ではよくあることだ。

 記事はこのような人材流出が日常的に生じれば、安定した生産ができないのはもとより、匠の精神を培うことは到底不可能であると指摘。
 そして中国製品の品質を向上させるためには、製造業の発展のために喜んで打ち込もうとする技能型の人材を育成することが何にもまして必要だと論じている。

 記事が指摘するように優れた製品は生み出すのは優れた人材であり、日常的な人材の流出は中国製造業の発展力を削ぐものになるだろう。
 ここで問題なのはなぜ頻繁に人材が流出するのかということだ。
 なぜ製造の特定の分野に喜んで打ち込もうとする人々が少ないのだろうか。

 記事は1つの原因として
★.「できるだけ早くお金を儲ける」という精神が中国に広く浸透していること
を指摘している。
 人びとの思考ベクトルは「転職」、つまり仕事を変えることによってお金を儲けることに向けられており、仕事を質の良いものに向上させるほうには向いていないと記事は分析している。

 そうであれば中国に浸透しているこの思考ベクトルの「方向を変化」させればよいわけだが、かなり大きな力が必要なことは明白だ。
 しかし記事はこの点で日本に見倣えると説明。
 日本は1960年代に政府が品質を重視するよう率先して指導、またトヨタのような模範的企業の存在により、日本の思考ベクトルは品質重視に向いた。
 記事はこの2つの強力な力、すなわち
★.政府指導と模範的な企業の影響力は、
 中国人の思考ベクトルの方向を変化させることも可能である
という見方を示している。



済龍 China Press 4月18日(月)11時30分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160418-00010007-cnpress-cn

中国:2016年第1四半期GDP6.7%増に鈍化

 2016年4月15日、中国国家統計局が2016年第1四半期の経済統計データを発表した。

 初歩的統計によると、中国2015年第1四半期(1月―3月)の中国国内総生産(GDP)は、2015年同期と比較して6.7%増加し、15兆8526億元(約264兆円)となった。
 
 第1四半期GDPの内訳は、第3産業生産高が、前年同期比7.6%増の9兆214億元。第2産業生産高が、前年同期比5.8%増の5兆9510億元。第1産業生産高が、前年同期比2.9%増の8803億元となっている。



Record china 配信日時:2016年4月29日(金) 14時10分
http://www.recordchina.co.jp/a132884.html

「100年企業」中国は10数社、
日本は2万2000社の差はどこに?―中国メディア

 2016年4月27日、中国におけるグループ企業の平均寿命は7〜8年で、中小企業の平均寿命は3年を超えない。
  統計によると、
★.世界にある100年を超える長寿企業は、
 日本が2万2000社余り、
 米国は歴史こそ短いが1100社ある。
 これに対して
★.中国はたったの10社余りで、
 最も古い企業は明代の嘉靖9年(西暦1530年)に創業された六必居だ。

 無数の企業家が生まれ、同じように会社を興し経営をする。
 それにかかわらず、なぜ日米中三カ国でかくも大きな差が生じるのだろうか。
 社会的環境要素を除き、筆者は次のいくつかの点から分析を試みたい。

★.1つ目は、本業への専念という観点だ。
 100年もの間続く企業は、その本業だけに専念してきた企業だ。
 1837年から日用品だけを販売するP&G、
 1886年に創業したコカ・コーラ
などがその例で、他の分野に目移りすることなく本業に専念している。
★.西暦578年創業の世界最古の企業、
 日本の株式会社金剛組は、40代以上にわたり寺院の建築だけに専念してきた。
 それに対し中国の企業はどうか。
 起業して間もなく不動産を始めたかと思えば金融に手をだし、儲かることなら何でもやるといった様だ。

★.2つ目は、極めるという観点だ。
 小米(シャオミー)の創設者・雷軍(レイ・ジュン)氏は、創設当初
 「究極、専念、口コミ、スピード」という理念
を打ち出していたが、小米の「スピード」感のある発展に伴い、
 「究極」は捨てられ、「専念」は忘れ去られ、今では「口コミ」もユーザーから消えようとしている。
 中国の企業は常に追い越されることを恐れ、スピーディーな発展や拡大ばかりを求め、質の追求を忘れる。
 スティーブ・ジョブズ氏の「究極の普通」という理念がいかに偉大かが証明される。

★.3つ目は信用だ。
 日本の帝国データバンクが4000社を対象に行った調査によると、漢字一字で「長寿の秘訣」を表した場合、最も多かったのが「信」で、次が「誠」であった。

★.4つ目は、コア競争力だ。
 長らく栄える企業は、いずれもコア競争力を絶えず向上させている。
 華為(ファーウェイ)を例に挙げると、2015年に1000億元(約1兆7000億円)を研究開発に投じている。
 一方、アップルが同年81億5000万ドル(約9100億円)、グーグルが99億ドル(約1兆1000億円)を研究開発に投じたのと比べると、その規模の大きさが分かる。
 かつて世界最大のソーラー発電企業であった無錫尚徳は、創業12年で破綻。
 その重要な原因は、同社が精力を製品開発に注がず、低価格の製品を大量製造して価格競争に走ったことにあり、その後業界全体の衰退に繋がった。

★.5つ目は、人材の安易な選抜だ。
 中国には「富は三代続かず」という古い言葉があるが、日本では子孫の不孝による企業の衰退を防ぐため、多くの家族企業が徳と才能のある養子を選んで継承しているのだ。
 海●鋼鉄(森の木部が金)の倒産は継承と人選の失敗にその要因がある。
 創始者李海倉(リー・ハイツァン)氏が逝去し、息子が学業を辞めて帰国、会社を継承した。
 しかし、彼の関心事は資本市場だけに集まり、社内に顔を出す事はなく、資産100億元(約1700億円)の海●鋼鉄は2003年から2014年のたった12年間で破産宣告に至った。
 当時もし総経理(社長)で、人望の厚い5番目の弟が継承していれば、企業の運命は書き換えられていただろうと巷で囁かれた。

★.6つ目は資本の慎重な運用だ。
 上場は企業の知名度を高め、企業規模を拡大させるため、多くの起業家が上場をひとつの目標に掲げる。
 しかし、日本では長寿企業のほとんどが非上場企業なのだ。
 中国の新東方の創設者である◆敏洪(ユー・ミンホン、◆=諭のごんべんなし)氏は、
 「上場と同時に株主への責任が生じ、規模と利益ばかりを追求することになり、物事のゆとりを失ってしまった」
と上場を悔いている。
 華為の任正非(レン・ジョンフェイ)氏は、
 「資本市場には入らない。
 大量の資本が華為に流れ込めば、企業は多元化し、華為の20年余りの秩序ある管理が崩れてしまうだろう」
と強調している。
 飲料水大手の娃哈哈も上場していない。
 宗慶後(ゾン・チンホウ)社長の理由は「上場して融資を受ける必要はない」だ。
 老干媽創始者の陶華碧(タオ・ホアビー)氏も
 「上場すれば倒産のリスクを負う」
 「上場は人様のお金を騙すようなもの」
と上場には反対している。

 「小企業は社長に頼り、中企業は制度に頼り、大企業は文化に頼る」。
 企業の発展は制度のデザインと文化の創造と切っても切り離せない。
 しかし、企業が速い発展を目標とし、お金儲けを唯一の目標としたとき、深い企業文化の蓄積が望めないだろう。
 当然100年企業にもなりえないだろう。

(提供/人民網日本語版・翻訳/MI・編集/武藤)




【動画】


●【中国経済崩壊 最新 2016年4月5日】 中国・韓国が間もなくデフォルト危機に突入する模様!! -YouTube
2016/04/05 に公開




【2016 異態の国家:明日への展望】


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